2012年3月発売
前任の“王の手”は暗殺されたのでは?疑惑を胸に王都におもむいたエダード・スタークは、密かに調査を進めるうちに驚くべき秘密をつきとめる。だが同時に、彼のまわりには覇権を賭けた諸候の怖るべき罠が、幾重にも張りめぐらされていたのだ。一方、南方の草原では、ターガリエン家の遺児が騎馬民族と結託し、“鉄の玉座”奪還を狙う。さらに王国の北を守る“壁”の向こうでは、人知を超えた邪悪な力が蠢きだしていた。ローカス賞受賞。
イギリス情報部〈サーカス〉の中枢に潜むソ連の二重スパイを探せ。引退生活から呼び戻された元情報部員スマイリーの孤独な闘い。
第一次世界大戦後のパリ。芸術家が享楽的な日々を送るこの街で、アメリカ人ジェイク・バーンズは特派員として働いていた。彼は魅惑的な女性ブレットと親しくしていたが、彼女は離婚手続き中で別の男との再婚を控えている。そして夏、ブレットや友人らと赴いたスペイン、パンプローナの牛追い祭り。七日間つづく祭りの狂乱のなかで様々な思いが交錯するーヘミングウェイの第一長篇にして初期の代表作。
古典文献学の教師ライムント・グレゴリウス。五十七歳。ラテン語、ギリシア語、ヘブライ語に精通し、十人以上の生徒と同時にチェスを指せる男。同僚や生徒から畏敬される存在。人生に不満はないー彼はそう思っていた、あの日までは。学校へと向かういつもの道すがら、グレゴリウスは橋から飛び降りようとする謎めいた女に出会った。ポルトガル人の女。彼女との奇妙な邂逅、そしてアマデウ・デ・プラドなる作家の心揺さぶる著作の発見をきっかけに、グレゴリウスはそれまでの人生をすべて捨てさるのだった。彼は何かに取り憑かれたように、リスボンへの夜行列車に飛び乗るー。本物の人生を生きようとする男の魂の旅路を描き、世界的ベストセラーを記録した哲学小説。
谷川岳の一ノ倉沢で宙吊りで発見された男の遺体。それが事件の発端だった。男ー岩崎は特捜刑事・香月功の高校時代の山仲間だったのだ。不審死に恐喝と殺人の臭いを嗅ぎ取った香月は、相棒の今日子と共に極秘捜査に乗り出す。一方、失踪した新宿柏木署長の娘の捜索を命じられた香月は、娘が出演していたというAVを手がかりに暴力団を捜査。しかし直後、新たな殺人に遭遇し…。大人気警察小説シリーズ第10弾。
日本橋小網町で繁盛する米問屋・奈良屋が襲われた。大金が奪われ、主人と番頭は斬殺される。大黒柱を失った弱みにつけ込み、奈良屋の御内儀のもとには近隣の同業者から難題が持ち込まれ、さらに集金帰りの奈良屋の手代までが襲われる。火盗改・与力の雲井竜之介は、賊の狙いが奈良屋の商いそのものだったのではないかと疑う。かつて江戸市中を震撼させ姿を消した凶賊の頭目、宗兵衛の正体が明らかに!書き下ろしシリーズ第3弾。
柳生十兵衛の指導・援護により、からくも会津七本槍を打ち倒していく堀一族7人の女。恐れをなした加藤明成は、七本槍と共に江戸から本拠地会津へと逃げ帰っていく。僧沢庵を伴い、敵陣に乗り込む十兵衛たち。だが、そこには幕府を揺るがす恐ろしい秘密を抱えた異形の幻法使い、芦名銅伯が待ち構えていた!敵地に捕らわれ、絶体絶命の窮地に陥る十兵衛と女たち。果たして彼らの運命は…!?痛快無比な一大忍法帖雄編。
会津大名、加藤明成は淫虐の魔王ともいうべき暗君だった。諌言の末、主家を見限った堀主水は妖異凄絶の武術を持つ会津七本槍を差し向けられ、一族郎党を惨殺されてしまう。唯一生き残ったのは、かよわき7人の女。父や夫の仇討ちを誓う女たちは、剣豪・柳生十兵衛の助けを借り、命懸けの特訓を始める。奔放無頼な十兵衛も陰ながら援護し、悪鬼のごとき敵を討ち果たすべく凄絶な闘いを挑む!十兵衛三部作の記念すべき第一作。
「あなたが私の夫になる人です」。張り込み中、駆け寄ってきた女子高生の言葉に絶句する片山刑事。彼女は占い師に「公園のベンチに置いたハンカチを拾った人が運命の人」と言われたという! シリーズ第35弾!
「ようこそ森の国、リゾートピア・ムツへー」化学物質に汚染され、もはや草木も生えなくなった老小国・日本。国も命もゆっくりと確実に朽ちていく中、葉月夫妻が終のすみかとして選んだのは死さえも漂白し無機質化する不気味な施設だった…。これは悪夢なのか、それとも現代の黙示録かー。知らず知らず“原発”に蝕まれていく生を描き、おそるべき世界の兆しを告げる戦慄の書。3.11後、著者自身による2012年版補遺収録。