2012年発売
マイケルは作家として成功を収めたジュリアンとの再会を果たす。だが、弟は深く心を病んでいた。孤児院アイアン・ハウスでの忌まわしい記憶にいまだ取り憑かれているのか。しかも、ギャングの魔の手が迫るなか、弟を養子にした上院議員の邸宅の敷地で無残な死体が見つかる。それは孤児院でジュリアンを虐めていた連中の一人の成れの果てだった。まさか、弟が犯人なのか…。交錯する謎が新たな謎を呼ぶ!著者の新境地。
【特集】「教室寄席」 「飛ぶ教室」が落語を特集! 落語家や児童文学作家らによる、書き下ろし落語7席をはじめ、 落語マンガ、エッセイなどを盛り込んだ、「飛ぶ教室」ならではの「教室寄席」。 古典落語4席を収録したCDも付いています。 <新作落語>「グルコサミン」立川談四楼/「学校の怪談」斉藤 洋/「花見弁当」二宮由紀子/「宇宙人」前田司郎/ 「台所の隅」三遊亭白鳥/「チリンチリン」新沢としひこ/「スプリング・モンスター・ナイト」岡田貴久子 <対談>「子どもの『楽しい! 』って、なんだろう」桂 文我×二宮由紀子 <エッセイ>清水義範/三林京子/乙武洋匡/杉浦範茂 <マンガ>「落語三昧」あおきひろえ <古典落語CD>「つる」「芋俵」立川談修/「元犬」「お菊の皿」柳亭こみち 【随想】あの時わたしは、今わたしは・梶尾真治 【連載】「本を読む(3)」岩瀬成子/「リョウ&ナオ(3)」川端裕人/「ロールイチゴ(9)」ひこ・田中/ 「子どもたちによろしく(11)」長崎訓子 【マンガ】「さんぱつやきょうこさん(27)」長谷川義史 【エッセイ】わたしの一冊・河瀬直美/鈴木のりたけ 【Books】絵本・松田素子/児童書・野中 柊/YA・宇野常寛/大人の本・幅 允孝
大阪から横浜へ越してきた小学生の大貴は、マンションで同い年の真吾と出会う。性格は全く違う2人だったが惹かれあい、親友に。やがて高校生になった2人は、雑誌の読者モデルをきっかけに芸能活動をスタート。 同居も始めるが、真吾だけがスターダムを駆け上がっていくことで2人の仲は決裂してしまい……。 絶望的に素晴らしいこの世界の真ん中に、僕は君と共にある。 “ステージ”に魅入られた青年たちを描く、作家活動の原点となる青春小説。
物語とドレスと映画と記憶と夢に祝福された言葉の宇宙。“読む快楽・書く快楽”に充ちた前代未聞の小説。
舞台は内戦状態にある架空の国の首都。行方不明者を探すラジオ番組「ロスト・シティ・レディオ」の女性パーソナリティーのもとを、ある日ひとりの少年が訪ねてくる。ジャングルの村の人々が少年に託した行方不明者リストには、彼女の夫の名前もあった。次第に明らかになる夫の過去、そして暴力に支配された国の姿ー。巧みなサスペンスと鮮烈な語り。英語圏、スペイン語圏の双方で高い評価を獲得してきたペルー系アメリカ人作家による初長篇。PEN/USA賞、ドイツ・国際文学賞、受賞作。
1984年、世界は3つに分断され、オセアニア国はビッグ・ブラザーによる強固な管理体制が敷かれていた。 その体制に疑問を抱くウィンストンは、政府に抵抗すべく日記をつけはじめる?。 東西冷戦をモチーフに、人間と権力の危険な関係を暴露し、 全体主義への警鐘を鳴らした20世紀ディストピア(反ユートピア)小説の傑作を漫画化。
19世紀フランス。男爵家のひとり娘のジャンヌは、20歳を機に修道院を出て両親とともに レ・プープル屋敷に住みはじめる。 そこで紹介された子爵の青年と結婚し、順風な暮らしが続くかに見えたが、 厳しい現実が次々と彼女につきつけられていく…。 現実を美化せずにありのままの状態を描きだす、自然主義文学の代表作を漫画化。
「ラブホテルっていうのは、愛を作る場所なんですよ!」-先輩の後任でリフォームを担当することになった椿は、ラブホテルチェーンオーナー、華園のその言葉に戸惑う。だが見た目と性格のギャップの激しさになぜかほっておけない。椿は次第に華園に惹かれはじめるが…なんと華園は、椿だけには触れられても大丈夫という“接触嫌悪症”。お互い好きだと気持ちが通じたにもかかわらず煮えきらない華園に椿は…。
雑誌「われらの時代」の編集者、若杉誠は、取材で名古屋と世界遺産・白川郷を訪れた。名古屋では新幹線の最先端技術を、白川郷では世界遺産の現状を取材したが、若杉には別の目的があった。白川郷に古くから伝わるがんの秘薬を入手することー。その薬をめぐって起きた殺人事件は、二〇二七年開業予定のリニア中央新幹線計画と、見えない糸でつながっていた。リニア新幹線=日本の「未来」と、世界遺産=守るべき日本の古き良き「過去」が、十津川警部の中で結びついていく。トラベル・ミステリーシリーズの最新刊。
舞台は有名商社の社宅。妻たちの情報戦、子供の 教育問題、夫たちの出世レース、そして… 昭和も令和も変わらない人間描写、 普遍のドラマがジェットコースターばりに展開する 元祖・タワマン文学! 令和の大ヒット『青い壺』につづくのはコレ! 一流会社勤務の夫の転勤に伴い、東京で憧れの 社宅暮らしをスタートした専業主婦の音子。 喜びも束の間、社宅内の人間関係に振り回されてゆく。 一人息子・悟の教育問題、本音がどこにあるのか わからない、妻たちの情報戦に追い詰められ、 焦った音子は、挽回すべくある行動に出るが、痛恨の ミスをおかしてしまいーー 見栄と本音と不安…それでこそ、人生は味わい深い。 傑作長編エンターテインメント。 手紙 鍵のかかる机 家庭訪問 五号館事件 学習の記録 春雷
広告代理店で働くシングルマザーの千晶は、会議出席のため、喘息の発作が起きた子供を家に残して出社、死なせてしまう。検察は千晶を起訴。市民から選ばれた裁判員は彼女をどう裁くのか?法曹関係者を徹底取材して裁判員制度をリアルに描いたリーガルサスペンス。NHKドラマ化でも評判となった話題作。
定年退職後のプラン作成には、ほぼ十年をかけた。全く新しい人生を始めるため、誰にも相談はしなかった。それまでに片をつけたい事が二つだけ残っている。あと六日ー地味な人生を送ってきた独身女性の意外な決断を描く表題作ほか、「目が乾くほど現実を見つめたい」オーバー40女性たちの心情が鮮やかな傑作短篇、全五篇。
働くばかりが能でなし、たまには羽も伸ばしたい。お役目の合間を縫って縄張り外の出羽に向かい、「おくのほそ道」の気分にひたろうとした十兵衛だったが、関八州をまたにかける盗賊一味と同じ道を辿ってしまったから、さあ大変。お馴染み桑山十兵衛が行く先々で珍妙な騒動に巻き込まれる、当代無二の捕物帖。シリーズ第七弾。
十五年前の出来事がきっかけで、歌手の夢を捨てたはずの女は、奇跡の歌声を持つ自らの娘に、再び夢の続きを見た。だが、娘のデビューと引き換えに封印したはずの過去を紐解いた代償が、やがて二人に迫る。思惑渦巻く芸能界と海に臨む鎌倉の料理宿を舞台に、心に空虚を抱えた女性の彷徨の行方を描く長編小説。
東京のエリートヤクザ桜井は、組の金一千万円とともに消えた部下を捜すため、北関東の田舎町を訪れた。彼を待っていたのは田舎ヤンキー、リストラ親父、引きこもり少年との死闘!物語の速すぎる展開、クールで乾きすぎたユーモアは、まさに現代版「仁義なき戦い」だ。トカジ史上燦然と輝くベスト1エンターテインメント。
父親が不倫の末に事故死した17歳の高校生・功刀鈴と、夫と親友に裏切られた34歳の女性歯科医・来野美那子。憎しみと悲しみによって過去の呪縛から逃れられない二人は出会い、心を焦がし、ただ素直に強く求めあうが…。年の離れた男と女が、激しくやさしい、どうしようもない愛を知る、著者渾身の恋愛小説。
宮本武蔵を心の師と仰ぐ磯山香織と、日舞から剣道に転進した変り種の甲本(西荻)早苗。市民大会での出会い以来、高校で部活をともにし、早苗の転校で福岡と横浜に離れても互いに良きライバルであり続けた二人もついに三年生。最後のインターハイでの決戦を目指して東松学園と福岡南、それぞれの高校で稽古に励むいっぽう、目の前に迫ってくる進路選択の問題にも頭を悩ませる。そんななか、早苗は部活中に怪我を負ってしまう。果たして二人の決戦のゆくえはいかにーー。 十八歳。人生の岐路に立たされる年の香織、早苗、そして個性豊かな脇役たちの十八歳の決断の物語が織り込まれているのも読みどころ。高校卒業を前につらい恋の決断を迫られた早苗の姉・緑子。香織を導く桐谷道場の師範・桐谷玄明とその兄の知られざる十八歳の葛藤。福岡南高校剣道部顧問・吉岡先生の高校時代にまつわる“武勇伝”の真相。十八歳の誕生日を前に「自分の剣道」を見つけようと奮闘する二人の後輩・美緒。そんな周囲の人々の「十八歳」に励まされるように自分の進む道を選び取ってゆく、香織と早苗の姿が清々しく胸に迫る。青春エンターテインメント、堂々のクライマックス!