2013年11月発売
時は天正十七年(1589年)。 豊臣秀吉が小田原城を攻め落とす一年前。 命と引き換えに江戸から小田原北條氏暗殺の陰謀が書かれた密書を持ち帰った者がいた。 その名は「日光」、忍の者だった。 密書に書かれた内容は、 「9月14日品川宿に七名の暗殺者が集合する」 北條氏政は、最後の忍「月光」を向かわせる。 秀吉の陰謀を防ぎ、月光はすべての暗殺者を倒すことが出来るのだろうか? 時代活劇?です。
「アカイツタ」美大を卒業したものの、画家になることもなくくすぶっていた萩原は、美術評論家の真壁教授の紹介で、女子校の臨時教員として勤めることになる。美術準備室で見つけた、暗い目でこちらを見つめる少女の絵。自画像だと思ったそれは、謎の死を遂げた鈴木という女生徒が、真壁教授の娘・小波を描いたものだった。やがて萩原は小波に惹かれていくが、彼女には誰にも言えない秘密があった…。「イヌガン」大手家電メーカーに勤める耀は、年上の彼女、澪と一緒に暮らして3年になる。掴みどころのない澪だったが、その穏やかな日々に満足していた。しかし、澪がときおり漏らす本音と怪しい行動に、耀は少しずつ不安を抱いていく。ある日、澪を尾行した耀は、思いがけない場面を目撃することになる…。過去を背負った哀しき女と、彼女に囚われていく男たち。2つの物語がつながったとき、隠された真実が明らかになる。あふれ出す情感を描き切った、心ゆさぶる墜落と再生の物語。
一週間後に刑期満了で出所するはずの受刑者・鹿島が刑務所から脱獄した。十津川警部は、鹿島の逃走経路を追い始めると、かつて鹿島と親交のあった情報屋が殺されていた。鹿島の逃走と関係があるのか…。
激化する南校VS北校抗争。東校のトップ・西源重郎の手助けもあり、抗争もついに終幕かと思われた、がー。この騒ぎに紛れてミホを消そうとする、とんでもない奴が潜んでいて!!??命を狙われる危険の中で、失っていた幼い頃の記憶を取り戻したミホ。大好きだった母親の最期を思い出したその矢先、再び悲劇がー。魔法のiらんど大賞最優秀賞。読者人気ぶっちぎり第1位。ラブと感動2000%のスーパーハイテンションラブ。
本書は世界中から愛されている名作『星の王子さま』の中から大切な人に心をこめて贈りたい素敵な言葉を選びました。扉にはメッセージを書き込める、カードがついています。心にいる大切な人へ。いつまでも輝きつづける言葉の宝石。
設楽ヶ原の戦で織田・徳川連合軍を破った武田勝頼は、得意の絶頂にいた。やがてその慢心から、信玄の代より武田家に仕える宿老を疎んじ、軍師の真田昌幸に長篠城を与えて、甲府から遠ざけてしまう。勝頼を見限った昌幸は独立を決意し、手始めに野田城、足助城、二俣城を支配下に置いた。さらに、武田四天王の一人である山県昌景を筆頭に、昌幸のもとには多くの人材が集まり始める。一方、天才軍師の昌幸を失った武田家に、暗雲が立ち篭める。織田、徳川の逆襲が始まったのだ。織田軍は小里城、明智城、岩村城、吉岡城を次々と落とし、信濃を侵して飯田城に迫る。一方、徳川軍は吉田城、掛川城、諏訪原城を奪取した。その隙を狙って、上杉謙信は越前侵攻を狙うのだが…。
「その赤子を今すぐ殺せ」実母の久子が放った言葉。信長は、我が身が生まれ落ちた刹那の記憶を持っていた。親にも懐かない子供らしいところのない少年として育った吉法師ー信長。弟・信行を溺愛する久子。父・信秀亡き後、織田家を巡る母・兄・弟の争いは静かに深まっていくーなぜ信長は非情になったのか。母との知られざる関係に着目した傑作。
凶悪レイプ犯を取り逃がし、自らも深い傷を負った女刑事・一ノ木薫。警察を辞めて彼女がはじめた新しい仕事はー「交渉屋」。ハートウォーミング・ハードボイルドの傑作連作小説集。
妻の不倫現場を凝視させられ、公安捜査員として鍛えられる男。公安部の差し金によって娘を失った恨みを胸に刑事部に生きる男。かつて盟友だった二人が、大事件を巡って再び相まみえるーー。
ダンテ“地獄篇”に秘められた暗号と象徴。人口過剰とマルサス主義、トランスヒューマニズム。小説『インフェルノ』に託された現代社会の問題とキーワードを、徹底解説!
色街で、豪商の死体が発見された。奉行所で手に負えなくなったため同心の省吾は、佐平次に相談しに行くことに。死因が中毒死と判断した佐平次は、薬の出所を探っていくと…。新解釈の時代劇ミステリ。
「100回泣くこと」作者が描く冬の恋! 書店員・光は、絵本作家になりたいな、という漠とした夢があった。恋に関しては、だいたい相手から告白されて付き合うが、「やさしいんだけど…」といわれて最終的には終わってしまう、なんとなくうまくいかないパターンが続いていた。そんな光には、「デビル・クロース」、略して「デビクロ」という謎のキャラに変身して、「デビクロ通信」なるイラスト入りのメッセージを添えた手製ビラを、ポストなどに無差別に撒くという意外な一面があった。 そんな光に思いを寄せる実家の鉄工所で働く溶接女子の杏奈の好意に気づくことなく、ある日、光は彼女に運命の人が現れた話を嬉々としてしてしまうがーー。 圧倒的な多幸感に包まれた新感覚のラブ・ストーリー! 【編集担当からのおすすめ情報】 累計85万部突破のベストセラー「100回泣くこと」著者・中村航さんの書き下ろし作品です! 本編には、イラストレーター宮尾和孝さん描きおろしの「デビクロ通信」も多数掲載されています。
いつも川で漁をするヨータ、ミツオ、ノリ子、ヤスヨたち。その日々を中心に少しづつ変わりゆく村のすがた、親たちの苦悩、別れの悲しみなどを水彩画のように描き出す。川の四季にきざまれる限りなくやさしい魂のふるさと。『四万十川』の作者が十六年ぶりにおくる新たなる名作。
20世紀の初頭、清が滅んで中華民国が成立した数年後、江南の仙陽で「黄石斎真報」なる画報が発行された。「黄石斎真報」は、地元の社会問題や事件のみならず、怪しげな話題も取り扱っている。記者の陸亜森、居候の黒蝙蝠らは、新人の林崇徳と奇妙な出来事を取材する過程で、その真相に近づいていく。それらは記事になると同時に、黒蝙蝠らに副収入をもたらしてもいた…記事以上に怪しい記者たちが縦横無尽に大活躍!痛快!中国歴史ミステリー!!
警視庁捜査一課の花形刑事だった江波淳史は取り調べ中に自殺した女性への罪の意識から、駐在への転進を希望した。青梅警察署水根駐在所の所長となった江波だが、駐在所の仕事と山里の暮らしにも馴れ、休日の山歩きを趣味とする。御前山で突如いなくなったペットの犬。山梨で起こった殺人事件と関わりが? 『花曇りの朝』など5編の連作短編集。 捜査一課から駐在所長へ。 奥多摩の自然と温かき人々が 不遇の元刑事を変えていく…… 異色の「山岳+警察」小説! 「駐在刑事」ドラマ化決定! 「水曜ミステリー9」(テレビ東京系)にて 警視庁捜査一課の敏腕刑事だった江波淳史(えなみあつし)は、 取り調べ中に容疑者が自殺したことで青梅警察署水根(みずね)駐在所所長へと左遷された。 亡くなった女性への自責の念から、江波が望んだ異動でもあった。 駐在所の仕事と暮らしにも馴れ、山歩きを趣味とする江波は徐々に自らを取り戻していく。 ある日、御前山(ごぜんやま)でペットの犬がいなくなったという連絡があり、 山に入った江波の見つけたトラバサミが山梨で起きた殺人事件とつながっていくーー。 花曇りの朝 仙人の消息 冬の序章 尾根を渡る風 十年後のメール
あの灼熱の夜のことを、あとから考えてみてわかったのだが、マリーとぼくは同時にセックスしていたのだった。ただし別々の相手と。あの夜、マリーとぼくは同じ時刻に、パリ市内、直線距離にして一キロほどしか離れていないアパルトマンで、それぞれセックスをしていたのである。その夜、もっと夜が更けてから、ぼくらが顔を合わせることになろうとは想像もできなかった。しかしその想像を超えた出来事が起こってしまったのである… あの灼熱の夜の陰鬱な時間のことを、あとから考えてみてわかったのだが、マリーとぼくは同時にセックスしていたのだった。ただし別々の相手とだが。あの夜、マリーとぼくは同じ時刻にーーあの夏初めての猛暑で、突然襲ってきた熱波のためパリの気温は三日続けて三十八度を記録し、最低気温も三十度を下回ることはなかったーー、パリ市内、直線距離にして一キロほどしか離れていないアパルトマンで、それぞれセックスをしていたのである。その夜、宵の内にせよ、もっと夜が更けてからにせよ、ぼくらが顔を合わせることになろうとは想像もできなかった。しかしその想像を超えた出来事が起こってしまったのである。ぼくらはなんと夜明け前に出会い、アパルトマンの暗い、散らかった廊下で束の間、抱きあいさえした。マリーがぼくらの家に戻った時刻から判断して(いや、いまや〈彼女の家〉というべきなのだろう、なぜならぼくらが一緒に暮さなくなってもう四カ月たつのだから)、またぼくが彼女と別れてから移り住んだ、手狭な2DKに戻った時刻から判断してもーーただしぼくは一人ではなく連れがいたが、だれと一緒だったかはどうでもいい、それは問題ではないーー、マリーとぼくがこの夜、パリで同時にセックスをしていたのは、午前一時二十分から、遅くとも一時三十分ごろだったと考えられる。二人とも軽くアルコールが入っていて、薄暗がりの中で体をほてらせ、大きく開けた窓から風はそよとも吹いてこなかった。外気は重苦しく淀み、嵐をはらみ、ほとんど熱を帯びていて、涼気をもたらすというよりもじわじわと蒸し暑くのしかかってきて、それがむしろこちらの身体に力を与えてくれるかのようだった。そして深夜二時前のことーー電話が鳴った。それは確かだ。電話が鳴ったときにぼくは時計を見たからだ。しかしその夜のできごとの時間経過については、慎重を期したいと思う。何といっても事態は一人の人物の運命、あるいはその死にかかわっていた。彼が命を取りとめるかどうかはかなりのあいだ、わからないままだったのである。
もうすぐ還暦。だけど、まだまだ冒険したいし、恋もしたいー。友人の通夜で出会った未亡人の千春に惹かれてしまった弘一郎。「カレセン」だという二十代の亜紀子と心を通わせるバツイチの敏雄。同級生のマドンナに頼まれ、探偵の真似事をするはめになった憲幸。年齢を重ねても、決して尽きない悩みと欲望。枯れない男たちの姿を優しく洒脱に描き出す六つの名短編。