2013年発売
核シェルターにひとり篭った男の胴体が捻り切られていた怪事、柩の中で数十カ所刺されて発見された男…。あまりにも完璧すぎる密室殺人は、本当に実行可能か!?「不可能犯罪など存在しない」と豪語する“超限探偵Σ”の華麗なる活躍を描く「見晴らしのいい密室」ほか、電子仕掛けの謎を秘めた本格ミステリ「探偵助手」などこれまで誰も見たことも聞いたこともない、精緻で巧妙な論理遊戯が導き出す唖然呆然の結末7篇。
“アーヴによる人類帝国”が“ハニア連邦”を併合するはずの雪晶作戦が発動したが、逆に“ハニア連邦”は帝都への進撃を開始していた。作戦に加わった、ラフィールの弟ドゥヒールが乗り組む戦列艦も予定外の交戦状態にあった。一方、勅命にて帝宮に呼び出されたラフィールには、皇帝ラマージュから、新たな艦と任務が与えられる。苛烈な戦闘は、アーヴに大きなうねりをもたらすことになる。“戦旗”シリーズ・第一部完結。
銃声がゆっくりと薄れていく。プロの暗殺者ヴィクターは、男の体が視界から消えるのを確認し、スコープから目を離した…ヴィクターはCIAからの暗殺の仕事を引き受けることになった。CIAには返さなければならない借りがあったのだ。ヴィクターは、続いて新たな暗殺を依頼され、鮮やかな手ぎわで成功させる。だが、彼には知る由もなかったー背後でCIAが巧妙かつ大がかりな陰謀を密かに進行させていたことを。一匹狼のプロの暗殺者を予期せぬ危機が襲う。シリーズ第2作。
池袋署管内で、女性のバラバラ死体の一部が発見された。暴行痕から中国人犯罪説が浮上する中、警視庁組織犯罪対策部が捜査に合流。本庁警部補タニアの違法と思える捜査ぶりに、所轄の通訳警官・隆志は違和感を抱く。聞き込みの結果、被害者は他人の保険証を持った女性とわかった。しかも出産直後のー。背後に外国人代理出産ビジネスの存在を疑うタニアは、潜入捜査も辞さず、隆志を巻き込み、強引に中国人医師に迫るがー。
妹を追って、地球を飛び立ったヤン。悲劇の末に、幽霊海賊船となったヴィヴァーチェ号と、傑物と名高い船長ライに強い憧れを抱く彼が乗り込んだ宇宙船内には、クルーの他に、妹に生き写しだが自らを王女と名乗る少女ウラ、彼女の忠実な護衛兵士スオウがいた。スオウは船の行き先を、ヴィヴァーチェ号が輸送船を襲った地点に定めるが、そこに突如、謎の船が現れ…!?少年たちのブレイブ・ファンタジー、激震のクライマックス。
古今東西、お風呂にまつわる傑作短編を集めました。滑稽話に純文学、ミステリにファンタジー、さらにSF、幻想、現代小説と各種取り揃えております。お風呂の種類も内風呂、銭湯、サウナ、温泉とよりどりみどり。一入浴につき一話分、お風呂のお供に小説浴はいかがですか?熱読しすぎて湯あたり注意。お風呂好きに贈るお風呂オンリーアンソロジー。お風呂小説の面白さについて熱く語る!?編者あとがきつき。
オランダ記念病院の見学席から手術を見守るエラリーの前に運ばれてきた患者。だが、シーツをめくると彼女は絞殺されていた。被害者は病院の創設者である大富豪。目撃証言から、犯行が可能だったのは執刀医だけに思われたが、彼は何者かが自分に変装したと主張する。その言葉通り、犯行に使われたと思われる一足の靴が見つかるが、様様な不審点があり…。エラリーの論理と分析が冴えわたる「国名シリーズ」第3弾。
湘南・葉山のかたすみにひっそりとたたずむ一軒のホテル。若き女性オーナー・美咲が経営するこの海辺のホテルには、様々なわけあり客たちがやってくる。偽名を名乗るカメラマンや、トーナメントシーズン真っ最中に大会を欠場してやって来たゴルフのトッププロ、三十代の日本人女性と青年アメリカ兵の年の差カップル…。彼らの心に秘められた、謎と事件とはー?等身大な大人の恋愛と人生模様を描き、心に響く連作短編小説。
中学2年の夏休み。新学期を間近に控え静男は途方に暮れていた。生後5ヶ月の優作を置いて、母親の花音さんが失踪。「いま、ぼくにとって家族といえる存在は優作だけだよ」-父親として赤ちゃんを守ろうと必死で奔走する少年の前に現実の壁が立ちはだかる。孤絶感にさいなまれながらなお、命の絆を手放すまいとする14歳の父の奮闘を名曲「グリーングリーン」にのせて描く異色の育児小説。書き下ろし「カブになれ」収録。
宝暦2年。江戸では怪事件が相次いでいた。つむじ風とともに大名家の姫を攫いに現れたのはー鬼だった。広島藩の下屋敷でのんびり暮らしていた京嵐寺平太郎は、突然幕府の命を受け怪事件解決に乗り出す羽目に。だが事件の裏には、徳川家に怨念を抱く僧侶の影が…。幼馴染の三つ目入道や妖艶な白狐のおきん、気まぐれな“妖刀茶丸”など、仲間の妖怪たちと力を合わせて立ち向かう、妖怪痛快時代小説、シリーズ第1弾。
野球小僧の渋谷有利は、正義感と負けん気の強いごく普通の高校生。ところがある日、不良に絡まれ連れ込まれた公衆トイレから、異世界へ流されてしまう。漂着した先で魔王陛下と崇められて、途方に暮れる有利だったが…(「今日からマのつく自由業!」)。無事帰還を果たすも束の間、銭湯の湯槽から有利は再び異世界へ。今度は伝説の魔剣を取りにいく新たなミッションが勃発して!?(「今度はマのつく最終兵器!」)。2冊合本&書き下ろし。抱腹絶倒ファンタジー、開幕。
「神が人を殺した。これは、神々の殺人の始まりだ」-都内で発生した3件の女性殺害事件。その現場には謎めいたメッセージが残されていた。十津川警部は被害者の共通点が「出雲」であることに気づき、出雲大社に向かう。捜査を続ける中で、無人島・祝島に辿り着き、島の神主の息子・神木洋介を事件の容疑者と特定するが、第4、第5の殺人事件が起きてしまい…。十津川は殺意の連鎖を止められるか。
春の名残が漂う頃、隠れ宿「左近」の長男・桜蔵のもとに黒ずくめの男が現れる。タマシイを喰う犬を連れた男、髪や皮をわがものにしようとする男、この世の限りに交わりを求める男…行きずりのあやかしたちをついひろってしまうらしい桜蔵は、そこで彼らのほしいままにされ…酔いしれるような夢と現、濃厚にたちのぼる死の気配と生とのあわいを往還しながら繰り広げられる、蠱惑の幻想譚。
唐軍の侵攻で緊迫する中、同盟国・百済救援のため大和の軍勢が出動するが、決戦を前に、大海人皇子が大将軍を罷免される。額田姫王の想いを利用し、政権内部に陰謀が蠢く。混乱が続く百済戦線では、火攻めを目論む唐の巨大水軍に、大和の将兵が果敢に挑むが…。白村江の敗戦を乗り越え、中大兄皇子と中臣鎌足はいかにこの国を守りぬいたのか?古代国家が直面した国難と危機管理をスリリングに描く古代史小説、ついに完結。
美術商・鳥居の刺殺体が奥多摩で発見される。鳥居は詐欺師・春原から時価2億円の阿弥陀如来像を預かったまま失踪中だった。特捜刑事・香月功は極秘捜査を敢行したが、やがて国立市内で女子銀行員の誘拐事件が発生。だが身代金2億円の受け渡しに失敗してしまう。直後、奥多摩湖に女性の全裸死体が浮かび、さらに富士山麓でも殺人が…。複雑怪奇な連続事件の真相は?絶好調警察小説シリーズ第13弾。
時は平安。陰陽師として類い希なる力を持っている安倍晴明。ある日、押しかけ親友、榎〓(りゅう)斎の誘いで賀茂祭を見に行った彼は、牛車の暴走に巻き込まれた橘の姫を助ける。ところが彼女は、底知れぬ力を持った化け物に憑かれていた。外つ国からきたという、その化け物を倒すため、晴明は十二神将を式神とし対抗しようとする。しかし、十二神将は人の思いが具現化した神。人が御すことなど不可能と言われる伝承の存在だったー。