2013年発売
両親をなくし、ひとりぼっちで叔母の家に引き取られた少女・ポリアンナ。亡き父との約束「何でもうれしいゲーム」を通して、町中の人たちや、かたくなだった叔母の心をとかしていく……。
人が苦手で無愛想。趣味は遺品集めという高坂和泉には特異な能力がある。それは死者の想いを観られるということ。和泉は、ある特別な絵画を報酬に、開かずのアンティークオルゴールの鍵探しをすることに。箱に遺された想いから手掛かりを得ようとするが、なぜか上手くいかない。そんな和泉の前に、トラウマを与えられた葬儀社の男、透吾や絵画蒐集のライバル、貴士も現れて…。死者が遺した優しい秘密。シリーズ第2弾。
感情を喪失したうつ病の澤野は、ある日、死に場所として入った廃墟で、偶然手紙の束を見つける。それは昔郵便局員に破棄されたものだった。「この7通の手紙は、さようならへのカウント・ダウンだ。すべてを配達し終えたら肚をくくろう」彼は死とその痛みを先延ばしするため、7年前の手紙の配達を始める。そしてそこに込められた悲喜劇に遭遇し、久しぶりに心の揺らぎを感じるが…。神経症の時代に贈る、愛と希望の物語。
老舗薬問屋の元祖と本家争いに端を発した惨事が大事件に発展するなか、若き名探偵・金田一耕助は雀の巣頭を掻き毟りながら真相究明に挑む。豪華二大名探偵による夢の共演、パスティーシュワールド!
学校の不良と母親が付き合い出し家に入り浸るようになったため生きる希望を失った高校生の正矢。記憶を失い独房に監禁されたうえに拷問を繰り返される謎の兵士。二人の意識がリンクした時、凄絶な運命の幕が開く!
悪党から金を盗み、その悪事を暴く窃盗犯がいるーー山猫と呼ばれる神出鬼没の謎の男をめぐる、様々な悩みを抱える者たちの人間模様。爽快ピカレスク・アクションミステリ、珠玉の短編集。
1850年、江戸。浪人に襲われ、最愛の母を殺された少女・凪。天涯孤独となった凪は、近藤勇に助けられ、近藤が営む道場「試衛館」で暮らすことになる。捻くれ者の美青年・土方歳三、強気な美少年・沖田総司、個性豊かな男たちとのにぎやかな日々に、凪は明るさを取り戻していく。しかし、幕府への反発が高まり、世の中は徐々に不穏に。倒幕運動が激化するなか、幕府を命がけで守る人斬り集団“新選組”となった彼らには、壮絶な運命が待ち受けていたー。第6回魔法のiらんど大賞、歴史部門賞受賞。
倒幕にむけた反乱が次々と起こるなか、幕府のために命がけで戦い続ける新選組。しかし、優しい兄のような新選組総長・山南の死をきっかけに、新選組の絆が揺らぎはじめる。大切な仲間の裏切り、別れ、死…混乱のなか、それでもなお必死に戦い続ける沖田総司。彼の姿を傍で見続けていた凪は、長い間気づけなかった恋心を自覚する。ずっと沖田と共にいる決意をした凪。だが、沖田は重い病に侵され、残された命はあとわずかでー。第6回魔法のiらんど大賞、歴史部門賞受賞。
あらすじ…足の不自由な少女、キラ。唯一の庇護者であった母がある日、突然の病に倒れ亡くなってしまう。体の不自由な者にとって苛酷な「村」の環境のなかで、キラは自分が生き残れないかもしれないことを覚悟する。しかし彼女には、「村」の未来にかかわるある不思議な力がそなわっていた… 読みどころ…前作『ギヴァー』と異なり、「少女」が主人公で、「糸」「布」にまつわる特殊技能がテーマです。登場人物たちのサバイバルは前作よりもかなり苛酷。しかし、ひきしまった文体と物語展開、「幸福」や「共生」の意味を深く考えさせるストーリーテリングの手腕は健在! つづく第3作の主人公となる型破りでキュートなキャラクターも登場します! 海外レビューより…フィクションの達人ロイス・ローリーは、写実的な物語とファンタジーのいずれにも卓越している。そして、わたしたちの文明の将来の姿を写しとっているかもしれないこの物語は、作家の最高傑作のひとつだ。-『ブックリスト』誌 ローリーが、あのニューベリー受賞作『ギヴァー』で描いた象徴的な近未来の世界に戻ってきた…いつもながら思索と議論をよびさますたくさんの題材がちりばめられているだけでなく、今回は“魔法モノ”のタッチも加わっている。そして読者は、前作のあの謎めいたラストシーンを読み解くためのかすかなヒントをも見いだすことができるかもしれない。-『カーカス・レビュー』誌
『水沫集』より、ドイツ留学体験を下敷きとした初期作品、「うたかたの記」「舞姫」「文づかひ」のいわゆる“ドイツ土産三部作”。他、自身の家庭問題を描いたかといわれる「半日」、掲載誌が発禁処分を受けた「ヰタ・セクスアリス」等の単行本未収録作品。全九篇を収録。
県大会出場をかけた大事な試合で、右膝に怪我を負った遼介。さらに監督の草間までもがベンチで倒れて入院してしまう。キャプテンと監督が離脱することになり、桜ヶ丘中サッカー部は不穏な空気に包まれる。遼介たち3年生にとって中学最後の大会となる夏の総体があと1ヶ月と迫っていた…。がむしゃらでピュアな少年たちを描いた「サッカーボーイズ」シリーズ、いよいよ完結。
武田家の新しい当主となった勝頼は、比類なき才を持つ真田昌幸を軍師とし、上杉謙信と和睦して、怒涛の進撃を開始した。徳川の領地である遠江に侵攻した勝頼は、掛川城、高天神城、作手城を次々に落とす。武田軍に一矢報いるために、家康は二俣城奪還を狙うが、見事に迎撃されてしまった。さらに、勝頼は昌幸が考えた大戦略を実行するために、美濃岩村城に二万五千の武田軍を結集させる。それは、徳川領を三河と遠江に分断し、家康をさらに追い詰める作戦であった。一方、越中を平定した上杉謙信は、能登・加賀を手に入れるべく、末森城に攻撃を開始する。小里城、足助城、大沼城、野田城、そして吉田城と、破竹の進撃を続ける武田軍を、織田・徳川軍団は止めることができるのか。
小間物問屋橘屋の手代だった益治郎は、濡れ衣を着せられ店を追い出された。三日後の夜、店の様子を見にいって若旦那に追いかけられた益治郎を、甚左という名うての盗人が助ける。甚左は益治郎に、意趣返しに自分が橘屋から金を盗むから、お宝ありと目をつけた古道具屋を調べるため、働くように頼む。その古道具屋とは、曰く品ばかりが集められた皆塵堂だった…。
76歳で二度目の殺人を犯した緒方一義は刑務所で自らの過去を振り返るー。九州の伊万里湾に浮かぶ島で生まれ、炭坑夫をしていた緒方は、昭和22年、隣家に募集坑夫として越してきた浦川の妻、久子に憧れ、ほのかな想いをいだく。だが浦川が緒方の母と無理やり関係を持ったことから、緒方は浦川を殺してしまう。そして刑務所から久子にお詫びの手紙を出した緒方の元に届いた「あたしは緒方さんをうらんではいません」という返事。出所して52年後、久子への変わらぬ想いが、緒方を再び罪へと導く…。
清張さんは自身を素材に小説を書くことはなかったのか。……ありました。本巻に集めた作品は、その代表的なものですーー宮部みゆき。巨匠、社会派、コワモテ。「作家・松本清張」のイメージとはひと味違う、「人間・松本清張」の素顔。残酷で衝撃的な結末が用意された「月」、新聞記者による書簡体サスペンス「暗線」ほか、私小説的でありながらも謎と仕掛けに満ちた十二編を収録。
本宅、愛人宅の二重生活の軋轢から、鬼と化した宗吉。社長秘書を務める独身女性・花江の隠された貌。愛欲、金銭欲などに囚われ、暗闇に続く道へ踏み出した男と女。彼らの生を鮮やかに切り取る5編を、現代文学の旗手がセレクト。「発作」「鬼畜」「馬を売る女」「密宗律仙教」「赤いくじ」を収録。
関羽は曹操の部下が守る五関を見事突破、ようやく劉備と再会を果たす。しかし、劉備の受難は止まることがなかった。呉の孫権と結んで袁紹を下した曹操に再び敗れ、劉表の食客になるも、そこでも命を狙われてしまう。間一髪逃げ延びた先で、劉備は軍師、徐庶に出会うがー。『三国志』最大の賢人、諸葛孔明がいよいよ登場!邂逅と展望の第五巻。
自省と克己に励む手負いの武蔵。その行く手には、過去の因縁から深い怨嗟を秘め抱く鎖鎌使いの宍戸梅軒、一門の名を賭けて復讐を誓う吉岡清十郎、そして一門きっての荒くれ者・伝七郎ら難敵が、次々に立ちはだかる!孤独に戦う武蔵をめぐる、お通と朱実の恋の行方はー。他方、小次郎になりすました又八は本物の小次郎と対決!?それぞれの命懸けの想い轟き怨憎哀楽、超回転の第三巻。