2014年発売
五代将軍綱吉に出された昼餉を毒味した真田真之介が、腹痛を起こし、後日謎の死を遂げた。大目付の松平対馬守から命じられ、表御番医師である矢切良衛が事件解決に乗り出すことに。やがて真田が口にした御膳には毒が盛られていたことが判明。江戸城中に綱吉暗殺を企む者がいる。いったい誰の仕業か。真相に近づいた良衛は、何者かの襲撃に遭ってしまう…。正義感あふれる剣豪医師を描いた、書き下ろしシリーズ、第3弾!
碧翠院桜宮病院の全焼から1年。医学生・天馬はゼミの課題で「日本の死因究明制度」を調べることに。やがて制度の矛盾に気づき始める。その頃、桜宮一族の生き残りが活動を始め……『螺鈿迷宮』の続編登場!
「この国は変わらねばならない」西洋列強の力を知り、本多利明の音羽塾で学ぶにつれ、彦蔵はその思いを強くしていた。そんな折、本多の門弟が相次いで襲撃される。異国との交流をよしとする音羽塾を憎む者の仕業なのか?長崎への遊学を前に、密かに犯人捜しを始めるが…。塾生を狙う刺客。長崎の港に侵入する、イギリス軍艦フェートン号。次々と巻き起こる困難と脅威に、彦蔵は穀然と立ち向かう!激動のシリーズ第5弾!
捜査中、頭に銃弾を受け生死の境を彷徨った警視庁捜査一課の刑事・石川安吾。奇跡的に覚醒した石川は「死者と対話ができる」という特殊能力を身に付けていた。都内の高架下トンネル内で起きた不審な惨殺事件。被害者の男は全身を刺されていた。現場に駆けつけた石川は横たわる遺体に語りかける。「あなたを殺したのは誰ですか」-。金城一紀原案の設定に気鋭の作家が完全オリジナルプロットで描く警察サスペンスミステリ!
泉水子(いずみこ)は<戦国学園祭>で本当の能力を現した。 影の生徒会長は世界遺産候補となる学園トップを泉水子(いずみこ)と判定するが、陰陽師を代表する高柳は、異論をとなえる。 そして、IUCN(国際自然保護連合)は、人間を救済する人間の世界遺産を見つけだすため、泉水子に働きかけ始め……。 泉水子と深行(みゆき)は、誰も思いつかない道のりへ踏み出す。姫神による人類滅亡の未来を救うことはできるのかーー。 大人気シリーズ、ついに完結。 第一章 消 失 第二章 再 審 第三章 当 時 第四章 瑞 穂(みずほ) あとがき
美貌の警部にして、陰陽師のベニー芳垣は、占筮の最中、伊原塚という男に、怨霊による殺害の危機が迫っていることを知る。陰陽の力で男を護ることを命じられたベニーは、伊原塚の部屋の周囲に“最高の結界”を張り、万全の態勢で怨霊を待ち受けるが、はたして伊原塚は無惨に殺されてしまうのだった。邪鬼の侵入を完璧に防ぐはずだった結界はなぜ破られたのか!?前代未聞“異界の密室殺人事件”発生!陰陽師&鬼コンビ、再び。
霊感系大学生の森司は、飲み会で、高校の同級生、果那と再会する。ストーカー男を撃退したいという彼女の頼みで、森司は彼氏役を引き受けることに。そのせいで、オカルト研究会内であらぬ誤解を受け……。
“閃きの小悪魔”と観光業界に名を馳せる浅倉絢奈に1人のニートが恋をした。男は有力ヤクザが手を結ぶ一大シンジケート、そのトップの御曹司だった!! 金と暴力の罠を、職場で孤立した絢奈は破れるか?
新進気鋭のV系バンド、「ベルベット・リンチ」には、ある秘密がある。メンバー全員が、霊に関する何らかの能力を持っているのだ。そのせいか、4人は心霊現象に悩まされてばかりだ。バンギャルの霊にライブを邪魔されたり、録音スタジオで死霊の群れに襲われたり…。悪態をつきながらも、それぞれの力を活かして何とか切り抜けていく4人だが、事件の裏にはある真実が!?ポップ&ダークで、ちょっぴり泣ける音楽ホラー!
旬の作家の「本の物語」。新たな一歩を踏み出す8編。新しい扉を開くとき、本があなたのそばにいます。執筆陣は、中田永一、宮下奈都、原田マハ、小手鞠るい、朱野帰子、沢木まひろ、小路幸也、宮木あや子。
キノフという街では、誰に届けられることもなくつぶやかれた声が凍りついて結晶になるという。その摩訶不思議な現象の秘密をめぐり各国の謀報員たちが暗躍。紙魚となって古書に潜入し、登場人物の記憶と身体を掠めとって戻ってきたフィッシュ、彼を追う辣腕刑事、凍った言葉を解く4人の解凍士、そして美しき義眼の女…この世で最大の神秘、パロール・ジュレとは一体何なのか?言葉を巡る壮大なマジカル・ファンタジー!
目黒の商店街付近で、若い男性が血を流して倒れているのが発見された。現場に到着した大島刑事と湯島刑事の前に現れたのは、刑事調査官の谷と心理調査官の島崎優子だった。若者同士のトラブルかと思われたが、捜査は思いのほか難航する。島崎と組んで聞き込みを行うことになった大島たちは、彼女の言葉に事件解決の糸口を見出すが…(「老婆心」より)。幻の「刑事調査官」シリーズの他、五編を収録した文庫オリジナル短編集。
魔犬伝説により一族は不可解な死を遂げるーー恐怖の呪いが伝わるバスカヴィル家。その当主がまたしても不審な最期を迎えた。遺体の傍には巨大な猟犬の足跡が……謎に包まれた一族の呪いに、ホームズが挑む!
1945年1月。「A情報」により情報戦では優位に立っているものの多正面作戦を強いられ苦戦を続ける日本。これ以上の戦線の拡大を懸念する日本は、インド洋からのイギリス軍の侵攻を食い止めるため、4式主力戦車や強襲揚陸艦「赤城」などを展開し、タイ・ビルマの英軍を排除する「TB」作戦を発動。ここに日本の反攻作戦が開始される。一方、米国も太平洋航空軍を新設し、虎視耽々と日本本土襲撃を狙っていた…。シリーズ12弾!超時空シミュレーション戦記。
【2025年5月現在、新本が定価(2,400円+税)で購入可能】 「絶望もここでは王冠のように輝いていた。」(「蝕まれた虹」より) この世のあらゆる不幸を味わい尽くし、精神病院での5年間の闘病生活から放たれた祈りの小説群。自らの狂気を見つめる目は緊迫感に満ち、聖痕のごとく、清らかに輝きつづけている。中上健次が「むごたらしいほど美しい小説」と絶讃した「髪の花」など8篇を収録。 同人誌仲間だった中上健次、勝目梓らと切磋琢磨する日々をおくり、中上初期の傑作「十九歳の地図」に登場する「かさぶただらけのマリア」のモデルとしても知られる異才、小林美代子。 精神病院の病棟で綴った処女作「幻境」では、自らの狂気を題材に独自の境地をつくりあげ、精神病院内の虐待の実態をえぐった中篇「髪の花」で群像新人文学賞を受賞、そのわずか2年後に自死して果てた。自宅の机の引出に残された遺稿「蝕まれた虹」では、鬼気迫る狂気の日常から不思議な聖性がこぼれ出し、まさにマリアのように、あらゆる不幸を幸福に変えてしまいそうな力がみなぎっている。 ※七北数人氏を監修者に迎えた「シリーズ 日本語の醍醐味」は、“ハードカバーでゆったり、じっくり味わって読みたい日本文学”をコンセプトに、手に汗握るストーリーではなく、密度の濃い文章、描写力で読ませる作品、言葉自体の力を感じさせる作品を集成してゆきます。 蝕まれた虹 幻境 灰燼 さんま 女の指 老人と鉛の兵隊 髪の花 芥川龍之介「歯車」における狂気と私の狂気 解説/七北数人
交通事故で幼い息子を失い、自分を責め続ける妻。ともに悲しみを乗り越えなければならないはずの夫との間には、次第に亀裂が入っていった。一周忌の法要が終わり、夫は躊躇いながらも、妻に意外な話を切り出すが…。(第一話「桜ひらひら」)。幼い息子を虐待して殺した母親を逮捕ー残酷な事件のニュースが、人々の心に起こした波紋…。8組の家族の人生の転換期を、鮮やかな手法で描いた感動の連作集。
“嫁”の介護に不満を持つ老人(「寝たきりの殺意」)。豊胸手術に失敗した、不運続きの女(「シリコン」)。患者の甘えを一切許さない天才的外科医(「至高の名医」)。頭蓋骨の形で、人の美醜を判断する男(「愛ドクロ」)。ストレスを全て抱え込む、循環器内科医(「名医の微笑」)。相手の嘘やごまかしを見抜く内科医(「嘘はキライ」)。本当のことなんて、言えるわけない。真の病名、患者への不満、手術の失敗。現役医師による、可笑しくて怖いミステリー。
前妻と前々妻に追われる元夫。見えない箱に眠りを奪われる女。勝手に喋る舌を止められない老教授。ニセの救世主。「私」は気づけばもう「私」でなく、日常は彼方に遁走するー。奇想天外なのにどこまでも醒め、滑稽でいながら切実な恐怖に満ちた、19の物語。幻想と覚醒が織りなす、驚異の短篇集。