2014年発売
ロシアからの“帰国移民”である“探偵”ヴィクトル・カルッパのもとに、失踪した妻を捜してほしい、という夫からの依頼が舞い込む。それは国境をまたいでめぐらされたある陰謀の、ほんの入口に過ぎなかった…。魅力的な新ヒーローを引っさげ、フィンランド初の快挙である「ガラスの鍵賞」に輝く大人気シリーズの一作目がついに登場!北欧ミステリに新たな旋風を巻き起こす衝撃の傑作!
早すぎる死。惜しまれて逝った作家の小説集 51歳で突然この世を去った著者が生前発表した作品の中からセレクト。いずれも単行本初収録。 親友の妻の鍛えられた腹筋に惹かれていく主人公の複雑な心情を描いた「人生は彼女の腹筋」。高級リゾートの取材で出かけたバリ島で虐げられる犬たちを目撃したことから始まる「バリ島の犬」。夜の闇の中で飛行機の離発着を眺めながら繰り広げられる「那覇空港のビーチパーティ」。アメリカのニューオリンズでハリケーンに導かれるように出会う日本人女性と現地老人との交流の物語「ルイジアナ大脱走」。離婚してから4年偶然京都で再会した男女の感情の移ろい「秋になれば街は」。夜の国道沿いの中古車センターで明らかになっていく友人とその妻と僕の真実「完璧な土曜日」。いずれの作品も、「場所」をきっかけに変化していく人と人の関係を、丁寧な筆致、意表をつく設定、鋭い洞察力で物語化した、読む者の心にじんわりと染みこむサプリメントのような小説。 【編集担当からのおすすめ情報】 著者の駒沢敏器さんは、2012年、51歳の若さで突然この世を去った作家、翻訳家です。彼の小説は、豊富なアメリカ文学からの読書体験と、世界を旅して培った鋭いフィールドワークの眼が見事に生かされたもので、これからも素晴らしい物語をたくさん私たちに届けてくれるはずでした。ここに編まれた小説は彼のベストといってもいいものばかりです。こうして1冊の本にしながら、かえすがえすも彼の早すぎる死が悔やまれてなりません。
心理学者のアレクサンドラは、元恋人のジェレミー・クイン博士が率いる新薬開発の研究チームの一員として会議に参加するため赴いたロンドンで、謎の男たちに拉致されてしまう。目の前で彼女をまんまと連れ去られたジェレミーは、必死になってヨーロッパ中を追跡する。一方、どことも知れぬ場所に監禁されたアレクサンドラを待っていたのは、感覚を吹き飛ばされるような実験だった…。『クイン博士の甘美な実験』続編。
フローベールの最初の長編小説を徹底的に読み抜くことによって、その「テクスト的な現実」に露呈するさまざまな問題を縦横に論じる。歳月をこえた書き下ろし2000枚、遂に完成!
瞳から光が消えた暗闇世界で人と蛍が紡ぎ出す切ナク儚キ物語。闇に覆われた世界を蟲ケラのように這いずり回る人間、人間と共に生きることに悩み、苦しむ蛍。想いは複雑に絡み合い、やがて眩い光になるー
生きる勇気と知恵、豊かな感性を養うヒントにあふれた童話・児童文学100作品をピックアップ。「想像力」「家族」「友達」「勇気」などのジャンルから、幼年ー低学年、中学年、高学年と年齢に合った読みたい/読ませたい童話作品がすぐに見つかる楽しいガイド。
中学生ばかりが暮らす札幌の小さな児童養護施設・魴〓(ほうぼう)舎に存続の危機が!生きる力、信じる力をまっすぐに見つめ続ける感動の青春小説!坪田譲治文学賞受賞作『おれのおばさん』シリーズ・第一部完結編。
社会派&サプライズ・ミステリーの傑作 週刊誌記者に担ぎ出され、失踪した弁護士の弟を捜す売れない作家・鈴島陽一。人権派の弟が弁護を担当していた「死の天使」事件とは?
関係者を次々に訪れて話を聞くストライク。少しずつ少しずつ、証言の矛盾が明らかとなる。しかし若いモデルの世界に足を踏み入れれば踏み入れるほど先行きは不透明になり、核心に近づけば近づくほど危険が増してゆく…。JKローリングが偽名で発表した息もつかせぬ正統傑作ミステリー。新しいヒーローの登場! 無敵のミステリー・シリーズ、今ここに誕生! 同主人公の2作目も刊行予定。 関係者を次々に訪れて話を聞くストライク。少しずつ少しずつ、証言の矛盾が明らかとなる。しかし、若いモデルの世界に足を踏み入れれば踏み入れるほど先行きは不透明になり、核心に近づけば近づくほど危険が増してゆく……。 J.K.ローリングが、「ロバート・ガルブレイス」のペンネームで発表した息もつかせぬ正統傑作ミステリー。 新しいヒーローの登場! 無敵のミステリー・シリーズ、今ここに誕生!
ニューヨーク近代美術館のキュレーター、ティム・ブラウンはある日スイスの大邸宅に招かれる。そこで見たのは巨匠ルソーの名作「夢」に酷似した絵。持ち主は正しく真贋判定した者にこの絵を譲ると告げ、手がかりとなる謎の古書を読ませる。リミットは7日間。ライバルは日本人研究者・早川織絵。ルソーとピカソ、二人の天才がカンヴァスに籠めた想いとはーー。山本周五郎賞受賞作。
柴崎令司警部は、今回も綾瀬署を離れることができなかった。その一方で、同世代のキャリア・坂元真紀が署長に着任。現場経験に乏しいコンビが誕生してしまった。職務にまつわる署内の不祥事、保護司による長男殺しの闇。そして、女性店員失踪事案の再捜査が、幾つもの運命を揺さぶりはじめるー。ミステリ×人間ドラマの興奮。日本推理作家協会賞受賞の名手が描く、警察小説集。
小学四年生のフミと、六年生のマキ。ふたりは、お互いの父と母の再婚できょうだいになったばかり。おねえちゃんと仲良くなりたいフミだったが、無愛想なマキの心がわからずに泣いてしまうことも。マキはマキで、新しくできた妹に戸惑っていた。そして、姉妹を見守る父と母もまた、「家族」になるためにがんばっていて……。四人家族ひとりひとりの歩みを見つめた、優しさあふれる物語。
デザイン会社に勤める由人は、失恋と激務でうつを発症した。社長の野乃花は、潰れゆく会社とともに人生を終わらせる決意をした。死を選ぶ前にと、湾に迷い込んだクジラを見に南の半島へ向かった二人は、道中、女子高生の正子を拾う。母との関係で心を壊した彼女もまた、生きることを止めようとしていたー。苛烈な生と、その果ての希望を鮮やかに描き出す長編。山田風太郎賞受賞作。
いつの日か、この日本で本物のウイスキーを造るー。大正7年、ひとりの日本人青年が単身スコットランドに渡った。竹鶴政孝、24歳。異国の地で、ウイスキー造りを学ぶ彼はやがて生涯の伴侶となる女性リタと出会う。周囲の反対を押し切って結婚した二人。竹鶴は度重なる苦難にも負けず夢を追い、リタは夫を支え続けた。“日本のウイスキーの父”の情熱と夫婦の絆を描く。
イギリスの静かな田舎町ロングボーンの貸屋敷に、資産家ビングリーが引っ越してきた。ベネット家の長女ジェインとビングリーが惹かれ合う一方、次女エリザベスはビングリーの友人ダーシーの気位の高さに反感を抱く。気難しいダーシーは我知らず、エリザベスに惹かれつつあったのだが……。幸福な結婚に必要なのは、恋心か打算か。軽妙な物語(ストーリー)に普遍の真理を織り交ぜた、永遠の名作。
みんなは“内側”の人間だけれど、自分は“外側”の人間だからーー心を閉ざすアンナ。親代わりのプレストン夫妻のはからいで、自然豊かなノーフォークでひと夏を過ごすことになり、不思議な少女マーニーに出会う。初めての親友を得たアンナだったが、マーニーは突然姿を消してしまい……。やがて、一冊の古いノートが、過去と未来を結び奇跡を呼び起こす。イギリス児童文学の名作。
自衛隊機は、なぜ墜ちたのかー。スクランブル飛行中の自衛隊航空機「TF-1」が墜落した。はじめ事故原因はパイロットの単純な操縦ミスとされていたが、航空機メーカーの技術者たちは、どこか不可解なものを感じる。そして半年後…ふたたび同じ機種が墜落した。最新型の自衛隊機は、なぜ墜落事故を起こすのか?防衛省と航空機メーカーが相対する、脅威の正体とは?史上もっとも戦闘機に詳しい書き手による、理系ミステリーの決定版!第21回松本清張賞受賞作。