2016年5月発売
異世界に飛ばされた天才外科医の芦屋薫は、心臓病を抱える少女・アリシアの手術を成功させた。そのうえ、この世界に蔓延する「迷宮熱」の特効薬まで精製してしまった。薫は、世話になった治療師であるリースとともに特効薬を患者たちに処方し始める。しかし、それを聞きつけた町一番の治療院を経営するアルガスが妨害しようと動きだした。彼に対抗するべく、薫はある作戦をリースたちに話しー。「小説家になろう」発、異世界医療ファンタジー。
帝国・皇国・ヴェリス、それぞれの思惑が交錯する同盟交渉が始まった。帝国が、ユキト率いる独立機動部隊・ノックスの解散を求めたのに対し、皇国は、そのノックスを援軍として派遣してほしいと要求する。あちらを立てればこちらが立たずの難題を前に、ソフィアがある奇策を提案するのだがー。「小説家になろう」発、異世界バトルファンタジー第六弾!大幅な加筆修正に加え、書き下ろし番外編『暴走する魔法』も収録!!
高校入学七ヶ月目のある日。些細な失敗のためクラスメイトから疎外され、“幽霊”と呼ばれているぼくは、席替えで初めて存在を意識した同級生にいきなり話しかけられた。「まだ、お礼を言ってもらってない気がする」-やがてぼくらは誰もいない図書室で、言葉を交わすようになる。一方、校舎の周辺では小動物の死骸が続けて発見され…。心を深く揺さぶる青春ミステリの傑作。
大手家電メーカーを定年退職した、いわゆる元「モーレツ社員」の武曾勤。悠々自適の隠居生活…のはずが、商社勤めの娘が、小学一年生になる孫娘と共に出戻った。さらに、勤は娘の代理で青葉小学校PTAの副会長を務めることに。会長は24歳金髪のギャル男、もう一人の副会長は気弱な主婦。勤は「PTAなぞ暇な主婦のお仕事ごっこ」という認識で、敵を作らぬわけがない。早速、会計監査でママ集団のボス・雅恵に目をつけられる。形だけの総会、子連れの居酒屋打ち上げ、運動会に夏祭り…勤には到底理解できない出来事と、トラブル満載のイベントが続く中、信頼していた教師がある事件で起訴されてしまい…。時間・労力・愛・体力を仕事に捧げてきた昭和の男が、子供と家族、自分自身と向き合う一年間。
『暗殺教室』学習参考書シリーズの次なる標的は「数学」!殺せんせー&3年E組の面々と、中学数学を楽しく学べちゃう!高校受験にも役立つこと間違いなしの一冊!だ!
いま台湾ミステリーが面白い。第3回島田荘司推理小説賞受賞。夢中で漫画をむさぼり読んだすべての元少年少女に贈る、企みに満ちた本格ミステリー。ミステリーは第十二章から始まる。家出していた妻が自宅に戻ると、夫が殺され息子の健ちゃんは密室に閉じ込められていた…。物語は第一章に戻り、奇数章はライバル“太っ許”と漫画大王の座を争う小学生・健ちゃん、偶数章は少年時代の事件のトラウマで鬱々とした人生を送っている妻子持ちの方志宏という男が主人公。父親と息子、二つの視点から語られるストーリーの結末と殺人事件の真犯人は?
女子高生の結城梨乃は、自分の記憶が10分ともたないことに気が付いた。いち早く状況を理解した梨乃は急いでSNSに書き込むー「全ての人間が記憶障害に陥っています。あなたが、人類が生き残るために、以下のことを行ってください」。それから幾年。人類は失った長期記憶を補うため、身体に挿し込む「外部記憶装置」に頼り、生活するようになった。『アリス殺し』の鬼才が贈るブラックSFミステリ、ここに開幕。
朝倉かすみが挑む少女×ふしぎの物語。表題作のほか「留守番」「カワラケ」「おもいで」「へっちゃらイーナちゃん」の全5話。少女たちの日常にふと覘く「ふしぎ」な落とし穴。
江戸川乱歩賞作家による五つの警察連作小説。県警本部捜査一課の番場は、二回りも年の離れた身重の妻コヨリを愛し、日々捜査を続けるベテラン刑事。周囲の人間は賞賛と若干の揶揄を込めて彼のことをこう呼ぶー現場の番場。ルーキー刑事の船越とともに難事件の捜査に取り組む中で、番場は自らの「正義」を見失っていくー。
自動車産業で知られるカナダの街ウィンザーで、灼熱の太陽の下、煉瓦敷きに励む男たち。働き者の高校生がバイトを辞めることになり、リーダー格のトムは送別会を兼ねて昼間から皆をバーへと誘った。だが、そこでまさかの事件が起きるー。スリリングな人間模様を鮮やかな筆致で描く表題作のほか、友人ランナーの奇跡の追い上げを敗者の視点から写し出す「ミラクル・マイル」、幼少期のトラウマを克服するため飛び込んだ水泳教室での恋の予感が語られる「成人初心者1」など。誰の人生にも起こりうる、瞬間のドラマを切り取った7篇。ギラー賞、フランク・オコナー国際短篇賞最終候補作。
『囚人と紙飛行機』×『カタストロフの夢』前後譚ついに開幕!“英雄”よ、世界を殲滅せよ。スディペイド収容所の外の世界では一体何が起きていたのか!?『カタストロフの夢』から4年。壮絶な最後を迎えた彼らの物語は未だ続いていた。新天地キルヒシュナイゼンを舞台に、物語は『囚人と紙飛行機』に向けて再び動き出す…。
かつてミュージシャンとして活躍していた神代広平は、自らの才能に限界を感じ、音楽業界から離れてしまう。それから20年が経ち、臨床心理士として過ごしていた神代だったが、音楽への情熱を断ち切ることはできずにいた。そんな神代の前に、コンプレックスを抱え苦しんでいる孤独な女性・佐野さくらが現れる。彼女の“天賦の歌声”に惹かれた神代は、再び音楽と向き合い、モノトーンだった人生が、少しずつ色づき始めていく…。
自らの伝記的事実と作品をパロディー化し、物語のそこここに多様なモチーフ(サーカス、コンメディア・デッラルテ、気象、右と左…)を潜ませるー。ナボコフが仕組んだ「間違いさがし」を解き明かす訳注付き。