2018年11月22日発売
時代を先取りした「見えすぎる目」がもたらした悲劇。自らの末期を意識した凄絶な心象が描かれた遺稿「歯車」「或阿呆の一生」、最後の評論「西方の人」、箴言集「侏儒の言葉」ほか最晩年の作品を収録。
夫の一郎太が過労死し、寂しさを紛らわすかのように同級生の健児と再婚した瞳。脚本家の卵である健児は、前夫の母・静江と妙に仲が良く、それが瞳は気に入らない。ある日、瞳は家で健児が書いた脚本の草稿を見つける。静江の伯母の思い出話をもとに構成したというその脚本を読むうちに、自ら選んだ「再婚」という選択に疑問を感じるようになり……。妻、夫、元姑。奇妙な三角関係が織りなす極上の<人間関係小説>。
くわえ煙草の敏腕刑事・伝兵衛に手渡された熱海海岸で起きた殺人事件。若手刑事と婦人警官とともに容疑者・大山金太郎の取り調べを行う中で、伝兵衛はこの殺人事件を美的に完璧な大犯罪に仕立てていく……。
職業も年齢も異なる5人の男女が監禁された。その場所は地上100メートルに浮かぶ船の中!警察による規格外の救出作戦は成功するか?そしてすべてを見越していた犯人の悪魔的計画とは?(「天国へ向かう船」)リゾート地でありながら基地の島でもあるアメリカ準州のグアムでは、日本では想像もできない事件が発生する。そんな謎の数々に日系人3世代探偵・ゲンゾー、デニス、レイが挑む、全5話収録の傑作ミステリ短編集!
母に捨てられた少年・宏助が知り合ったのは、謎多き中年画家・ローレンだった。宏助は彼を慕っていたが、やがてローレンは姿を消し生死不明となってしまう。 大学生になった宏助のもとに、ローレンから「自分の絵を売ってほしい」と手紙が来る。絵を売るため個展を開催する宏助だが、そこで「ローレンは人殺しだ」という噂を聞く。宏助は、個展の客・雪子と一緒に真相を探り始める。雪子もまた、ローレンと関わりがあった親友・杏奈の行方を捜していた。 過去と現在がつながったときに見えてきた、ローレンの美しい絵の中に秘められていた真実とはーー!? 親の愛情を失った子供、孤独な女子高生、子供のいない夫婦。ローレンを通して人々は『家族』という形に集約されていくーーそれぞれの愛が心に迫る感動作。
とある地方の公立中学校、通称「北中」では、生徒たちの持ち物の紛失が相次ぎ、現場には決まってネコが描かれた黄色い付箋が残されていた。「あいつに盗まれたんじゃないの?」まことしやかに噂される犯人の名前。それは、古くから伝わる学校の七不思議のひとつーー人が一番大事にしているものを盗んでいくという怪盗インビジブルだった。一方その裏側で、標的にされた生徒たちには、それぞれ思いがけない変化が訪れてーー。 怪盗はさ、 こそこそ盗んでいくただの泥棒とは違うわけ 校内で暗躍する神出鬼没の大泥棒。 悩みを抱えた生徒たちが、盗まれたことで見つけたものはーー? 新感覚“青春×クライム”ミステリー
江戸時代をこよなく愛する著者が描く、武家の人生の諸相。 仇討ち、学問、侍の就活、嫁取り、剣術、罪と罰……。 身分に縛られ、役目に忠実であらねばならなかった武士の暮らしにも、喜怒哀楽に満ちた人の情は流れている。練達の筆がすくい上げる、きらびやかな宝玉のごとき八つの物語。江戸の庶民を描いた『福袋』と対をなす、時代小説短編集。
クララが手に入れた卵型の不思議な箱。その箱が何なのかさぐるうちに、クララは4つの王国から成る異世界へ紛れ込んでしまう。さらに、その王国が母親とつながりがあると知り、クララは驚く。だが、その王国が崩壊の危機に瀕していてーー!? ディズニーがおくる最新映画を完全ノベライズ! 登場人物の心情が丁寧に描かれているので、映画を見る前はもちろん、見たあとも楽しめるノベルズです。 クララが手に入れた卵型の不思議な箱。その箱が何なのかさぐるうちに、クララは4つの王国から成る異世界へ紛れ込んでしまう。そこには色とりどりの人々が生きる、不思議な世界。さらに、その王国が母親とつながりがあると知り、クララは驚く。 だが、その王国が崩壊の危機に瀕していると知った時、クララはーー!? ディズニーがおくる最新映画を完全ノベライズ。登場人物の心情が丁寧に描かれているので、映画を見る前はもちろん、見た後も楽しめます!
今日もエルフちゃんと犬耳ちゃんは、ご主人さまと一緒にダンジョンを探索中。『さすごしゅ』に余念がないエルフちゃんたちだけど、ご主人さまはなかなか新しいダンジョンに行こうとしてくれないみたい。 そんなタイミングで、ご主人さまのチート能力を狙うアヤシイ奴らが登場!? でも当のご主人さまはマイペースのまま、無敵の力でなんにも気付かず楽々突破してしまうのだった! 犬耳ちゃんの意外な過去から、エルフちゃんとご主人さまの出会いまで、エピソードが盛りだくさん! 絶好調のファンタジーコメディ、大注目の第2巻!
ジャンヌ・ダルクとモンモランシの死を代償に、ついにフランス王国とブルゴーニュ公国は和平条約の締結を果たした。これにより王位継承権をめぐるフランス王国とイングランドの戦いも収束に向かうが、モンモランシに成り代わり、ジル・ド・レとしてホムンクルスの研究を続けていたラ・トレムイユは、完成までの時間を稼ぐため、さらなる内乱を引き起こそうとする。一方、キリスト教勢力とイスラーム勢力がせめぎ合う東ヨーロッパでは、ワラキア公ヴラド三世の前に謎の二人の美女が現れて…。混沌の百年戦争を描き尽くす歴史戦記+能力バトル+伝奇ファンタジーの三位一体巨編、ジャンヌ編堂々完結!!
最強の目『琥珀眼』を持ち未来の世界に転生した天才魔術師アベル。 成り行きで入ったアースリア魔術学園では、弟子のテッドや自称ライバルの少女エリザと共に、悠々自適な学園生活を過ごしていた。 だが、最強の力を隠し持つアベルを周囲の人間たちは放ってくれるはずもない。 学園の魔術対抗戦では相手の魔法を全て打ち消し、襲い来る謎の刺客を片手でひねる! だが本人は至ってマイペース。平常運転のまま未来の世界であらゆる常識をぶち壊していく! 最強の英雄が贈る絶対無敵の王道ファンタジー大注目の第2巻!
未知の敵『セイレーン』に対抗するため創設された『アズールレーン』。そのロイヤル陣営に所属するエディンバラ級二番艦であり、 メイド長を務めるベルファストは激戦地から離れたとある軍港で忙しい日々を送っていた。 ハロウィンではロイヤル寮の『艦船』総動員でお菓子泥棒を捜したり、クリスマスにはメイド隊に贈るプレゼントに悩んだり。 ベルちゃんは雪山で助けた小鳥の看病を精一杯するのだけれど、野生に返す時がやってきて……。 ベルファストのもとに舞い込む事件はいつも賑やかで、大切な仲間との絆を一層深めてくれる。そんな彼女の日常は今日も変わらず優雅で美しいーー。 大人気ゲームのスピンオフ小説、第二弾!!
パリ、NY、東京。世界のどこかに、あなたが出会うべき絵がきっとある。その絵は、いつでもあなたを待っている。人生の岐路に立つ人たちが辿り着いた世界各地の美術館。巡り会う、運命を変える一枚とはーー。故郷から遠く離れたNYで憧れの職に就いた美青は、ピカソの画集に夢中になる弱視の少女と出会うが……(「群青 The Color of Life」)ほか。アート小説の第一人者が描く、極上の6篇。
私は何が欲しいんだろう? 欲望の先にある、自分なりの満足はどこにあるのか。SNSに彩られて、恋人、夫婦、親子関係に新たな変化が兆している……見栄や虚栄心がこぼれて広がる不信と無理解。年の差恋愛の実態、夫婦間の葛藤、妊活の悩ましい現実。恋愛がうまくいっても、結婚できても、いつも新たに迷い、何かが問われているーー現在進行形の不確かないまの、その先の生き方に気づいていく人びとの物語。
キラキラの裏は、地味にスゴイ! あなたの気持ちを必ずアゲる、異色お仕事小説。きらびやかに着飾った女性たち、たくさんのボトルと笑い声……キャバクラ・ジュビリーは、華やかな表舞台。でもその裏では、ドライバーやヘアメイク、黒服、店長、そしてキャストたちが、日夜奮闘しているんです。楽な仕事なんてどこにもない。だけど、楽しく働くことはできるからーー。一編読めば、疲れた心によく効きます。
究極の決断に魂が震える! 家族と仲間。真の絆を問う、哀切のミステリ。バスケ部で全国を目指す見原陽司。親善大会を控えたある日、地元の不良として名高い小金井進が居候することになる。戸惑いを隠し切れない陽司と弟の良哉。小金井の狼藉が激しさを増すなか、ある日、決定的な悲劇がもたらされてーー。誰しもが抱いていた少年時代の郷愁に心打たれる、新潮ミステリー大賞受賞後第一作。
ノンフィクション作家 保阪正康氏が絶賛! 昭和史の“静かな怪物”が、もう一人いた。 「この小説は、まさに“戦後史の岐路”を描いた一冊。現憲法は誰によって、どう作られたのか。占領する側、される側の闘いを再現させたドラマだ」 終戦直後の昭和二十一年の初め、連合国最高司令官総司令部(GHQ)の方針に従い、国会内の委員会で政府試案をまとめたが、GHQは拒否。そればかりか、GHQ憲法草案を押し付けてきた。この案を翻訳し、日本の法律らしく形を整え、新憲法の下敷きにせよ、というのだ。 わずか二週間で翻訳にあたることになったのは、内閣法制局の佐藤達夫。吉田茂外相(当時)と話す機会を得た佐藤は、GHQ案の問題点をまくしたてる。それを聞いた吉田は、佐藤に言った。 「GHQは何の略だか知っているかね? ゴー・ホーム・クイックリーだ。『さっさと帰れ』だよ。総司令部が満足する憲法を早々に作っちまおうじゃないか。国の体制を整えるのは、独立を回復してからだ」 かつて司馬遼太郎は、『坂の上の雲』で、明治という時代の明暗と、近代国家誕生にかけた人々の姿を小説にした。 そして今、昭和史の分岐点を描いた小説が誕生した。
鬼母降臨ーー。 あの衝撃のベストセラー「ファザーファッカー」。 義父に犯される少女の視点から描かれた、筆者の自伝的作品から25年、 同じテーマを、今度は娘を自分の男の魔手にゆだねる母親の視点から描く。 昭和10年、九州のとある町で生まれた主人公・逸子は、ダンスホールで知り合った男と、得意なダンスで生きるべく、長崎に出る。 ところが、過酷な現実生活に追われ、2人の娘を得るも、 早々に男との結婚生活は破綻。ホステスとして働いていた キャバレーで知り合った新しい男との同棲生活に入るが、 あらたな生活にふたたび過酷な試練が襲う。 長女・静子の成長とともに、男の視線と関心は逸子から離れていく。 異常な熱意を静子に寄せる男への愛情なのか嫉妬なのか、 逸子は娘を男の毒牙にゆだねてしまう。 ーー母はなぜあんなことをしたのか。 そのときの母の年をはるかに越え、自身が母となったからこそ、 みえてくるものとは。 内田春菊が描く、自身の生をとらえなおす凄絶かつ渾身の一作!
幼い頃に誘拐され監禁された過去を持つ姉妹。彼女たちの人生は続く(「ついていく」)夫がときどき双子の兄と入れ替わっているのを知っている妻(「カインの徴」)ふしだらな女、不感症の女、いかれた女…哀しく美しいそれぞれの女たち(「むずかしい女たち」)女版ファイト・クラブを夜な夜な開催する私と親友のテイト(「赤ん坊の腕」)男しかいない職場で疲弊する私が出逢ったのは(「ノース・カントリー」)人生を犠牲にしてきたハナは、親友であり愛し合っているローラと家を出る(「どんなふうに」)私の忘れられない記憶をゆっくりと癒やしてくれたあなた(「ほかの神々」)他、これまで見ないふりをされてきた、女の傷と痛みに寄り添う21編。