2018年8月31日発売
作家・柴崎友香が俳優・東出昌大をイメージし純文学小説を執筆。 さらに、<物語>に合わせ写真家・市橋織江がその世界観を撮り下ろし。 作家、俳優、写真家。各界で第一線を走るクリエイター3者が集結し、<一冊>を作り上げた、“新しい純文学”。 ◎内容紹介 「わたしのほうが幽霊である、と気づいたのは、 早い時期であったように思う。」 かつての住み家であったのであろう、“この家”を彷徨い続ける“わたし”。 その理由がわからないままに時は移り変わり、家には次々と新しい住人たちがやってくる。 彼らの光景を見守り続ける“わたし”は、ここで、いったい何を、誰を待っているのかーー。 ラスト、あなたはその<結末>に、きっと涙する。 あなたは、大切だったあの人の“顔”を、覚えていますか?
何故おれは、裏切られ続けて死にゆくのか。 織田信長の飽くなき渇望。家臣たちの終わりなき焦燥。 焼けつくような思考の交錯が、ある原理を浮かび上がらせ、 すべてが「本能寺の変」の真実へと集束してゆくーー。 まだ見ぬ信長の内面を抉り出す、革命的歴史小説! 吉法師は母の愛情に恵まれず、いつも独り外で遊んでいた。長じて信長となった彼は、破竹の勢いで織田家の勢力を広げてゆく。だが、信長には幼少期から不思議に思い、苛立っていることがあったーーどんなに兵団を鍛え上げても、能力を落とす者が必ず出てくる。そんな中、蟻の行列を見かけた信長は、ある試みを行う。結果、恐れていたことが実証された。神仏などいるはずもないが、確かに“この世を支配する何事かの原理”は存在する。そして、もし蟻も人も同じだとすれば……。やがて案の定、家臣で働きが鈍る者、織田家を裏切る者までが続出し始める。天下統一を目前にして、信長は改めて気づいた。いま最も良い働きを見せる羽柴秀吉、明智光秀、丹羽長秀、柴田勝家、滝川一益。あの法則によれば、最後にはこの五人からも一人、おれを裏切る者が出るはずだーー。 累計10万部超え『光秀の定理』の空白はここに繋がり、歴史小説はまた、進化を遂げる。 【絶賛の声!】 歴史小説に確率論を導入した『光秀の定理』の画期は前兆に過ぎなかった。 パレートの定理を応用した『信長の原理』は、システム論的歴史小説という壮大な実験だ。 誰も見たことのない、まったく新しいエンターテインメントの形がここにある。 --斎藤環氏(精神科医) この本で信長は心理学者であり、それ以上に明敏な社会学者である。 あの謀反の原因も、信長の「社会学説」から解き明かされる。 --大澤真幸氏(社会学者) 史実を踏まえた奇抜な着眼! --谷口克広氏(戦国史専門・歴史研究家) 司馬遼太郎も思いつかなかった、組織論と人事論に根拠を置いた戦国もの。 良い本と巡り合った! --菊池仁氏(書評家) 「パレートの法則」を通して物事の本質を見る信長を描きつつ、 論理からこぼれ落ちる情の部分をもしっかりと描いている。 見事な一作という他はない。 --縄田一男氏(書評家)
歯科クリニックに勤める雇われ歯科医のススメは、小さい頃から人とのコミュニケーションがうまくとれない。クリニックにいるソツのない他の先生たちにあこがれる一方、歯科衛生士たちからの反応を過剰に気にしている。日々、前向きに生きようと日記をつけているが、いつしか毒を吐いている。やがて、アロマオイルを扱う店に勤める宮子さんに惹かれるが、彼女はある秘密を持っていた…。平凡であるように見えて不可解な日常、歪んでいく人間関係、それでも生きていく意慾を、一人の中年の視点で描ききった著者初の小説。
特別推薦生として協和大学の数学科にやってきた瞭司と熊沢、そして佐那。眩いばかりの数学的才能を持つ瞭司に惹きつけられるように三人は結びつき、共同研究で画期的な成果を上げる。しかし瞭司の過剰な才能は周囲の人間を巻き込み、関係性を修復不可能なほどに引き裂いてしまう。出会いから17年後、失意のなかで死んだ瞭司の研究ノートを手にした熊沢は、そこに未解決問題「コラッツ予想」の証明と思われる記述を発見する。贖罪の気持ちを抱える熊沢は、ノートに挑むことで再び瞭司と向き合うことを決意するがーー。 冲方丁、辻村深月、森見登美彦絶賛! 選考委員の圧倒的な評価を勝ち取った、フロンティア文学賞3年ぶりの受賞作!
自宅のタンスの中から異世界に落っこちた正司は、スキル制のゲームのようなその世界でのんびりコツコツとクエストをこなして人助けをしていく。彼のそうした行為はやがて周囲に大きな影響をもたらしていく。「小説家になろう」の天然お人好しが世界を変える異世界変革ファンタジー、新作エピソード大幅加筆で待望の書籍化! 生来のお人好しの性格から損も得もしてきた土宮正司(つちみやただし)はある日、自宅のタンスの中から異世界に落っこちてしまう。そこは正司の好きなスキル制のゲームのような世界だった。その世界で正司がスキルを得るのも上げるのも、困った人に話しかけることで発生するクエストをこなして貢献値ポイントを集めなければならないという、ちょっと変わった仕様。 のんびりコツコツとクエストをこなして人助けをしていく正司の存在は、やがて周囲に大きな影響をもたらしていく。天然お人好しが世界を変える異世界変革ファンタジー! 「小説家になろう」投稿作が新作エピソード大幅加筆で待望の書籍化!!
あらゆるものがダンジョンモンスターからドロップされる世界に転移した佐藤亮太。仲間ーーリョータ・ファミリーと共に、ダンジョンに潜りドロップで稼ぐ日々を送っていた。ある日、リョータによって救われた街、インドールにあるアウルムダンジョンで謎の少女に出会う。「モンスターか!?」「ちがうよ、あたしはモンスターじゃない。あたしの名前はアウルム、アウルムだよ」ダンジョンと同じ名前を名乗る少女の正体はーー!? あらゆるものがダンジョンモンスターからドロップされる世界に転移した佐藤亮太。 仲間ーーリョータ・ファミリーと共に、ダンジョンに潜りドロップで稼ぐ日々を送っていた。 ある日、リョータによって救われた街、インドールにあるアウルムダンジョンで謎の少女に出会う。 「モンスターか!?」 「ちがうよ、あたしはモンスターじゃない。あたしの名前はアウルム、アウルムだよ」 ダンジョンと同じ名前を名乗る少女の正体はーー!? コミックも絶好調! 人気シリーズ第4弾!
なにがあってもいきのびること。恋人と誓った魔法少女は、世界 = 人間工場と対峙する。地球では「恋愛」がどんなに素晴らしいか、若い女はセックスをしてその末に人間を生産することがどんなに素敵なことか、力をこめて宣伝している。地球星人が繁殖するためにこの仕組みを作りあげたのだろう。私はどうやって生き延びればいいのだろうーー。
完全に施錠された少女の家に現れたサンタ、殺されていた母親。鳥居の亡霊、猿時計の怪。クリスマスの朝、少女は枕もとに生まれて初めてのプレゼントを見つけた。家は内側から施錠され、本物のサンタが来たとしか考えられなかったがー別の部屋で少女の母親が殺されていた。誰も入れないはずの、他に誰もいない家で。周囲で頻発する怪現象との関連は?
共に生きた六十余年あなたは何を思っていたのだろうか……。あなたを見守り、また見送るなかで、二人ともに過ごした夫婦の時間は、行きつ戻りつしながら、記憶にさらに深く刻まれ、やがて新たに繫がり始めるーー沖縄に暮らす日々が、しずかに、ゆたかに、語りだされる。九十二歳の日常と沖縄の現状を綴り、生き抜いてきた時代を書き留める「御嶽の少年」等六篇を収録する最新作品集。
日本漢文の粋を集め、平安期の時代思潮や美意識を知る上でも貴重な史料「本朝文粋」。第五巻では、新羅や呉越国との外交文書、平安朝漢文において主要な位置を占めた願文、また、同書に収載される作者のうち最も早い作者である小野篁の作品など十編を紹介。漢文世界の深遠へと誘う格好の入門書。
パリのセーヌ川にかかる橋の上で、アナは震えていた。昨日会ったばかりの異国の王に嫁いで、困窮する国と父王を救う。でも前の婚約で、私は女として役立たずだと言われた。ベッドをともにできず、ののしられた心の傷はまだ残っている。同じ恥はかけないと逃げだしたのは、本当は結婚したくないから?そこへ一人の男性が追いかけてきて、アナを捕らえた。スキャンダルにはなるけれど、もうほかに方法はない。アナはどきどきしながら、精悍でハンサムな彼に唇を押しつけた。その男性が結婚するはずだった王の弟、ザヒールとも知らず…。
生後まもなく盗まれた息子を捜したい。 その一心で、彼女は契約結婚に同意した。 雇い主の誕生日パーティに現れたゴージャスな紳士を見て、 家政婦のカーリは絶句した。スタヴロス! それは紛れもなく、先だって屋敷のプールの改修を手がけ、 甘いキスと抱擁で彼女をとりこにした修理工だった。 彼が世界的に有名な大富豪? じゃあいったいあれは……? 混乱するカーリに、スタヴロスはさらなる衝撃を与えた。 「ぼくと期限付きの結婚をして、ニューヨークに来てほしい」 愛のない結婚なんてまっぴらよ。でも、あの街には ひと目会いたい息子がいる──カーリは苦渋の決断をした。 悲しい秘密を抱えた家政婦カーリと、富も名声もすべてを手に入れたかに見える大富豪スタヴロス。便宜結婚から始まるせつないロマンスをお楽しみください。『シンデレラは二度傷つく』関連作!
彼が愛するのは我が子だけ。 私はただのおまけにすぎない。 メリーは女手一つで生後6カ月の娘を育てている。 娘の父親はかつての雇い主、巨大複合企業を率いるアンゲルだ。 妊娠を伝えたとき、彼はすべての処理を弁護士にまかせた。 そんな冷酷さに耐えられず、それ以来一切の連絡を絶っている。 そのアンゲルが娘との面会を求めていきなり訪ねてきた。 家族第一主義の父親にたきつけられ、やむなく来たらしい。 ところが娘を一目見た彼はたちまち夢中になり、結婚を申しこむ。 断れば法廷で親権を争うと半ば脅して。メリーは激しく煩悶した。 娘には父親が必要よ。でも妻への愛がないと知りつつ結婚できる? 大人気作家リン・グレアムの真骨頂、愛を信じないギリシア人億万長者と、無垢な元部下のドラマティックなロマンスをお届けします。身勝手で傲慢なヒーローが、初めて小さな我が子と対面した瞬間から、まるで別人のように劇的に変わっていく様子に要注目!
憎みたければ私を憎めばいい。 でも、この子だけは愛してほしい。 母亡きあと、障害のある弟の世話をしながら ケータリング業を営むソフィは、運転中に事故を起こした。 見たこともない高級車にぶつけてしまったのだ。 よりによって車の持ち主は、父の会社の買収を狙う実業家、 マティアス・リヴェロだった。彼はソフィの素性を知るや 多額の賠償金を突きつけ、支払えないなら彼のパーティに 無報酬で完璧な料理を提供するよう迫った。 無事成功を収めたソフィだったが、誘惑の罠に絡めとられ、 彼に身を捧げてしまう──まさか妊娠するとも知らずに。 無垢で健気なヒロインを数多く描いてきたC・ウィリアムズ、渾身のシンデレラ・ロマンスです。横暴な父と冷酷なヒーローの狭間で、必死に我が子と弟を守ろうとするヒロインに心を揺さぶられます。
捨てられた小さな天使、そして…… 愛を知らぬ富豪とシンデレラの二都物語。 ホテルの清掃係のサニーは、とある客室で修羅場を目撃した。 新生児を乗せたベビーカーを押していきなり入りこんできた美女が、 その部屋の客、魅力的な大富豪マックス・グレイランドを相手に、 赤ん坊の父親であるマックスの老父をさんざん罵って出ていったのだーー にわかに事態をのみこめず呆然とする彼に、幼子を押しつけて。 それは、急逝したマックスの父親が女性に産ませた子だという。 彼がこちらの存在に気づかぬよう、サニーはじっと息を殺していた。 だが、マックスはすかさず彼女に目を留め、鬼気迫る声で言った。 「その掃除用具を置いて、この子を受け取ってくれ!」 サニーは退けられなかったーー彼の無茶な願いも、胸のときめきも。 サニーは早くに母を亡くし、遺された4人の弟妹を大学に行かせるため、15歳で学校をやめて働きに出た苦労人。どういうわけか、厄介事を背負いこんでしまう彼女は、今度もまた、無垢な赤ん坊とその異母兄であるハンサムな大富豪を放っておくことができず……。
運命の人と愛し愛され、結ばれる。 それを叶えられるのは彼だけなのに……。 “10年後、おたがい独身だったら結婚しよう” ケイトは学生時代に友人ルークと卒業を祝った夜、そんな協定を結んだ。 しかし、敏腕外科医となったルークの結婚でそれは無効となり、 以来、ふたりは疎遠になったままだった。 本当はずっと彼に片思いをしていたケイトの心も宙ぶらりんのまま。 やがて仕事の一環で、彼女はルークと偶然の再会を果たす。 奇しくもそのとき、ちょうど約束した歳月が過ぎ、 しかもルークは妻の不義で離婚して独身に戻っていた。 そして、ずっと密かに想いを寄せていたケイトの気も知らず、 恋愛感情より“友情”に基づく結婚をしようと、協定の復活を宣言した! 大好きなルークから女性として相手にされてこなかったケイトは、友情結婚を素直に喜べず、今一歩踏み出す勇気が出ません。そんなとき親友の妊娠が発覚し、刺激を受けた彼女は恋愛への幻想や憧れを捨てて前に進む決意を固めますが……。片思いの第二章、開幕!
見知らぬ伯爵の匂い立つ魅力に、 乙女の胸はざわめいて……。 「君たちに関することはすべて把握するのが僕の役目だ」 ロンドンに出てきたばかりのテッサとその妹たちは、 傲慢な伯爵ペイトン・ラムスデンを前に戸惑いを隠せなかった。 生前の父が、私たちが全く知らない男性に後見役を頼んでいたなんて。 比類なく美しい伯爵は姉妹の日常にたやすく溶け込み、 寄る辺なきテッサの疲れた心を巧みに解きほぐしていく。 舞踏会で彼とワルツを踊ったあとに物陰で唇を奪われ、 生まれて初めての喜びに漂うテッサは夢想だにしなかった。 彼の唇からこぼれる言葉はすべて偽りだということをーー 甘い愛の囁きも、彼が後見人であるという話も。 特殊な事情により極秘の任務を帯びて姉妹を守護するペイトンと、そんな彼への恋心を密かに募らせるテッサ。制約に縛られながらもどうしようもなく惹かれあう二人に、やがて命の危機が訪れて……。2018年RITA賞ファイナリストが描く激動の愛をご堪能ください!
フランスに住むイングランド貴族出身のステファンは、海を漂流する瀕死の若い娘を見つけた。懸命な看護で意識を取り戻した彼女はしかし、記憶をすべて失っていた。その娘を“アン”と名づけて居城に置くことにしたが、時に厳しく時に優しく接するステファンに、アンは恋心を抱き始めた。ゆえあって愛を自制する彼はその想いに気づき、冷たくあしらった。「わたしが品性の劣った男なら、きみを愛人にするところだ」けれど彼の禁欲的なふるまいとは裏腹に、二人の間に噂がたち、アンの名誉のため、ステファンはやむをえず求婚する。ところが、結婚を間近に控えたある夜、彼女は忽然と姿を消し…。
1年だけの期限付きの結婚に、 愛など期待してはいけない。 イアン・マクニール! 莫大な富を誇る一家の次男がなぜここに? 高級リゾートホテルの改装の仕事でマイアミを訪れたリディアは、 関係者の会合の席に突然現れた彼を見て凍りついた。 1年前、リディアは仕事先のタヒチでイアンと出会って恋に落ち、 少しでもふたりきりになる時間があれば情熱のときを過ごした。 ところが、ある日、彼の不実の証拠を見つけて衝撃を受け、 数週間の濃密な関係に終止符を打ったのだった。 いま再びリディアの目の前に現れたイアンは、 調査の末に握った彼女の弱みを利用し、耳を疑うような提案をする。 「きみが12カ月間ぼくの妻でいてくれれば問題はすべて解決する」 『メールオーダー・ブライド』で数多くの受賞歴を誇る筆力を存分に示したジョアン・ロック。本作はその関連作で、前作で脇を固めていた富豪一家の次男イアンがヒーローを務めます。トロピカルなリゾート感あふれる契約結婚の物語をご堪能ください。
彼が欲しいのは形だけの恋人。 どんなに愛しても、報われないのに。 プレスリーは意地悪な継母が売り飛ばしてしまった愛馬に一目会いたくて、 ハリントン家の厩舎へと急いだ。舞踏室は今、パーティーの真っ最中だ。 愛馬との再会を喜んでいたそのときーー。「ここで何をしている?」 怒声が静寂を破り、彼女は驚いて振り向いた。憂いを秘めた端整な顔。 新聞の社交欄の常連、資産家のケイン・ハリントン。 事情を話すと、意外にも彼は馬を返すと言った。 ただし、交換条件は彼の恋人のふりをすること。 莫大な財産目当ての女たちを追い払うには君みたいな娘がぴったりだ、と。 ずっと醜い娘と言われて育った私には、とても無理よ……。 目を伏せる彼女に、練習と称してケインはいきなりキスをした! 神々しいまでに美しい大富豪にたちまち恋したヒロイン。彼が自分を利用するつもりで近づいたとも知らず、初めての恋心を弄ばれて……。本国で高い評価を受けた、作家得意のけなげなヒロインとセクシーな大富豪の、情熱のシンデレラ・ストーリーです。