2018年8月9日発売
記者は一度は未知の扉を開けるものだ。「黒い依頼」--誤報と虚報 「共犯者」--誤報と時効 「ゼロの影」--誤報と沈黙 「Dの微笑」--誤報と娯楽 「歪んだ波紋」--誤報と権力 新聞、テレビ、週刊誌、ネットメディアーー情報のプリズムは、武器にもなり、人間を狂わす。そして、「革命」を企む、“わるいやつら”が、いる。『罪の声』の“社会派”塩田武士が挑む、5つのリアルフィクション。誤報の後に、真実がある。 騙されるな。真実を、疑え。 悪意が、「情報」という仮面をかぶっている。必要なのは、一人一人のジャーナリズムだ。18万部のベストセラー『罪の声』から2年。”社会派作家”塩田武士が描ききった、この世界を生き抜くためのリアルフィクション。 「誤報」にまつわる5つの物語。 「黒い依頼」 --誤報と虚報 「共犯者」 --誤報と時効 「ゼロの影」 --誤報と沈黙 「Dの微笑」 --誤報と娯楽 「歪んだ波紋」--誤報と権力 新聞、テレビ、週刊誌、ネットメディアーー昭和が終わり、平成も終わる。気づけば私たちは、リアルもフェイクも混じった膨大な情報(ジャンク)に囲まれていた。その混沌につけ込み、真実を歪ませて「革命」を企む”わるいやつら”が、この国で蠢いている。松本清張は「戦争」を背負って昭和を描いた。塩田武士は「情報」を背負い、平成と未来を描く。 全日本人必読。背筋も凍る世界が見えてくる。 黒い依頼 共犯者 ゼロの影 Dの微笑 歪んだ波紋
思春期の頃、年齢の近い叔母に密かに寄せた熱い恋心。亡くして初めて知った父の意外な一面。トレードに出されたベテラン・プロ野球選手とリストラ進行中の会社に勤める中堅社員という、岐路に立たされた男二人の友情。輝かしい成績を残しながらも突如プロ球界を去った名投手の秘密ー野球をモチーフに、野球少年なら誰しもが通過するホロ苦い挫折、郷愁などをさわやかに描いた短編集(野球描写がない作品を一編収録)。じんわりと野球ファンの胸にしみる第113回直木賞受賞作。
兵士の日常を描いた芥川賞受賞の戦争文学 第2次大戦後、戦犯容疑でサイゴン刑務所に抑留された日本兵の鬱屈した日々をユーモア交えて描いた第63回芥川賞受賞作「プレオー8の夜明け」。 他に筆者処女作「墓地で」から、晩年の名品「セミの追憶」(第21回川端康成文学賞作品)まで、戦争の記憶をつむぐ短編16作を収録。 戦後すでに70年を超え、戦下の記憶は風化するにまかされる。30年にわたる筆者の貴重な営みを通じ、名もなき兵士たちは、何を考え死んでゆき、生き残った者たちは何を思うのかーー今改めてその意味を問いかける、珠玉の“戦争文学短編集”。
リィとシェラのバイト先であり、ルウとシェラがその腕前に驚嘆する料理人テオの店「テオドール・ダナー」。ここが、店の誰も知らないうちにしばらく休業に入り、しかも、その休業期間中は別の場所でなぜかひっそりと営業するらしい???最大の問題は、料理以外がすべて壊滅的に不自由な店主の存在である。テオの息子ヨハンは早々に意思疎通を諦め、あの父と会話が成立する奇跡的な人物を呼び寄せるという荒技を発揮させる。もちろん、かのリィ、シェラ、ルウがこんな楽しそうなことに参加しないわけはなく…。かくして、期間限定の秘密のレストランが開店する!
快晴のクリスマス、都心のビルの屋上で、胸に銛が刺さった血まみれの老人の遺体が発見された。老人は和歌山県太地町に住む捕鯨船の伝説の砲手と判明。捜査本部は他殺を裏づける物証を得られぬまま、自殺と結論づけた。しかし、その直後、酷似した凶器で殺害された遺体が次々と見つかる。警視庁捜査一課の草刈大毅と立石豊樹のコンビが、赤坂、和歌山、青森で地を這う捜査の果てにつかんだ真相は…。『星月夜』以来、六年ぶりとなる社会派推理小説。
プロレスラーの「どん底からの挑戦」を描いた青春人情小説。 「強さとは何か」父母や友人らの言葉を得て、二人のレスラーが、たどりついた「答え」とは。 『2011年の棚橋弘至と中邑真輔』の著者 柳澤 健 氏、絶賛の人間ドラマ! 「憎しみも弱さも欲望も嫉妬も、そして虚構も、すべてをさらけ出してなお、プロレスは強い。だからこそ、プロレス小説を書くのは勇気が必要なのだ。この作者は果敢に挑み、白熱した試合と想像を超えるフィニッシュを作りあげた」(柳澤 氏) 父の影響でプロレスファンになった御子柴大河は、少年の頃からの夢を叶え、日本最大のプロレス団体・JPFのトップレスラーへの道を駆け上がる。しかし、プロレス人気は凋落の一途をたどっていて……。 一方、大河の同級生、小林虎太郎は、抜群の運動神経を持ちながら、体が小さいことを理由にイジメを受け、心に傷を抱えていた。その後、「イジメ撲滅」を標榜するインディープロレス団体に入団するが、ある理由から悪役レスラーに転向することに。 天性のスターと、不遇の天才。 境遇は違えども、「強さとは何か」を求め続ける二人。 団体経営に大きな影響力を持つマッチメイカーたちの思惑が交差する中、大河と虎太郎は、マットの上で、答えを見つけることができるのかーー。
フジテレビの大人気ドラマシリーズ 『絶対零度』の最新シーズンを完全小説化! シーズン1『絶対零度〜未解決事件特別捜査〜』、 シーズン2『絶対零度〜特殊犯罪潜入捜査〜』に続き、 7年という期間を経て帰ってきた本シリーズの最新作は、 「未来の犯罪を予測して捜査する」という斬新な手法によって 重大事件を未然に防ぐというメインストーリーに、 前シリーズまでの主要人物の衝撃的な変化、 どこか闇を背負っている登場人物たちなどさまざまな謎が複雑に絡む! スリリングな展開に、ページをめくる手が止まらなくなる!!
愛を失い、おなかの赤ちゃんも失った。 彼はこれ以上、私からなにを奪うの? 元恋人アレクシスが、父の会社を吸収した会社のトップだと知り、 ナタリアは悪夢を見ているのかと思った。 アレクシスが突然姿を消したせいで、私は生き地獄を味わった。 彼をさがす間に、私が流産してから5年がたつ。 私の愛とおなかの子を捨てた人の下で働くなんて、冗談じゃない! だが非情なアレクシスは、ナタリアに父の横領と不倫をつきつけ、 世間に公表されたくなければ、彼に従えと脅してきた。 母を誰よりも大切に思っている彼女に、選択肢はなかった。 かつて愛したアレクシスに、憎まれる日々が待っているとしても。 ハーレクイン・ロマンスを代表する作家の一人、ヘレン・ビアンチンが帰ってきました! 生涯をともにしたいと願った男性に捨てられたうえ、父の会社まで奪われ、ヒーローに服従するよう強要されるヒロイン。さらには、彼に愛された記憶にまで苦しめられ……。
灼熱の愛は儚く消えるーー 彼の最も輝ける日に。 「君を我がスイートへ連れていこうと考えている」 ザジニア国の美しき王太子ケダの熱い視線に、 臨時秘書のフェリシアは服をはぎ取られたような気分になった。 私の仕事は彼を反対勢力の画策から守り、王位継承に導くこと。 愛の営みなど、契約には含まれていない……。 だが、彼女がケダの強烈な魅力に屈するのは時間の問題だった。 無上の喜びの果てに小さな命を授かったフェリシアは、 ふさわしい花嫁を娶る身のケダを思い、彼のもとを黙って去った。 見返りのない愛に疲れ果て、深く傷ついた心を抱えて。 人気作家C・マリネッリの異国情緒溢れるロマンスをお届けします。特殊な環境で育ったがゆえに感情を排して生きてきたフェリシア。そんな彼女がなすすべもなく絡め取られた身分違いの愛のゆくえは……。美しき傲慢ヒーローの絶対的な存在感をお楽しみください!
シンデレラが舞踏会で踊った相手は 王子さまではなく、悪魔だった。 ミラノ社交界に君臨するラファエル・マストランティーノーー 祖母の死後、初めて対面した祖父の開いた花婿探しの舞踏会で、 巨大企業CEOが放つ圧倒的オーラに、ピアは釘付けになった。 祖父のお気に入りの花婿候補はしかし、黒い瞳を光らせ、 ピアを嘲ったのだ。「裕福な老人を欺いて良心は痛まないか?」 財産目当てと侮辱され、ピアは彼とは関わるまいと決めた。 だが、別の花婿候補の求婚を断った直後に祖父が倒れてしまい、 ピアは祖父のため、ラファエルと恋仲のふりをすることに。 悪魔のような彼の仕打ちに心乱される日が来るとも知らず……。 生き別れだった祖父が息子同然にかわいがってきたという億万長者ラファエル。けれど彼はその美しい外見とは裏腹に、堕天使さながらピアになぜか冷たく侮蔑的な言動をとるのでした。人気急上昇中のタラ・パミーが綴る、冷酷無比な大富豪に恋した乙女の物語。
実の母にさえ捨てられた私を、 ギリシア富豪が求めるわけもなく……。 幼くして母に捨てられ、父と世界各地を転々としてきたジョージー。 今は離れて暮らす父が、ギリシアで美しい島を見つけ、 農家を改装してゲストハウスを営むことにしたという。 だが喜びも束の間、不幸にも父は突然の病で帰らぬ人となってしまった。 天涯孤独のジョージーは亡き父の夢を叶えるため島に渡ったが、 すぐに底をついた資金を工面すべく、働きに出ざるをえなくなる。 リゾートホテルの重役秘書の仕事にありついたはよかったが、 上司となるルーカスは、弟が勝手に決めたことだと解雇を宣告した。 ジョージーがなおも懇願すると、彼は意味ありげに言い放った。 「きみを雇うわけにいかない。社内恋愛を禁止する社則を設けたんだ」 最近、秘書が弟と恋愛沙汰でもめて辞めてしまい、ルーカスは同じ轍は踏むまいとジョージーを追い払おうとします。けれど、やがて真面目一徹の自分とは対照的に天真爛漫な彼女に惹かれていきます。社内恋愛を禁じるのは、弟のためか、はたまた彼自身のため……?
領主に末裔ながら、現在は貧しい暮らしをするクロスビー家。一人娘のレオノーラは若い娘らしい華やかな生活とは無縁で、ばあやと一緒に、家政能力のない両親の世話をしている。あるとき村の老医師が倒れ、新しい医師ガルブレイスがやってきた。先日、みっともなく転んだところを助けてくれた彼との再会に、恥ずかしいような、嬉しいような思いがレオノーラの胸に湧いた。その感情がいったいなんなのか、自分でもわからなかったけれど…。そんなある日、レオノーラがつらい出来事に見舞われて必死に涙をこらえていると、ドクター・ガルブレイスが言った。「誰かの肩にすがって泣きたいときは、いつでも声をかけてくれ」
情熱を分かち合った夜。 彼の冷たさを知った朝……。 ジェシーはある日突然、交通事故で無二の親友を失った。 喪失感のなか、孤児になった赤ん坊の養育を遺言で託されたことを知る。 それには大富豪のアランと一緒に、という条件がついていた。 アランとは親友同士が結婚した縁で知り合ったものの、 彼の一族がジェシーとその姉妹の会社を買収したことで、 もともとよくなかった関係はこじれにこじれている。 でも、傲慢で大嫌いな彼のことが、脳裏から離れないのは……なぜ? 慣れない赤ん坊の世話を協力しておこなううちに、 いつしかジェシーはアランに身も心もゆだねていた。 ほどなく、冷徹な彼に裏切られることになるとも思わずにーー チャンドラー三姉妹と美しき一族の男たちが愛の火花を散らす物語をお届けします。本作の主人公は次女ジェシーとその好敵手アラン。嫌い、嫌い、だけど本当は好き……ようやく素直になれたとたん、彼女は冷たく突き放されます。『大富豪の隠された天使』の関連作!
広報部で働くモリーはこの4年、上司のジャックに片思いをしていたが、 ただの部下としか見られず、切ない気持ちを胸の奥に隠してきた。 頭では密かに、彼の花嫁になった姿を思い描きながら……。 会社でパーティが開かれたある日のこと、 モリーは憧れのジャックからダンスに誘われ、 うっとりしながら彼に身を預けた。 そのとき、周囲で突然起きた喧嘩に巻きこまれ、 モリーは転んで頭を強く打ってしまう。 大事をとってジャックの家に運ばれるが、目覚めたとき、 彼女は信じきっていたーー自分はジャックの妻なのだ、と。 けなげなヒロインと大富豪の波瀾の恋を描く、“切ないシンデレラ”企画の第2弾! 片思い中のモリーは、大好きなボスのお嫁さんになりたいと自分に暗示をかけすぎたあまり、事故で記憶の取り違えを……。なんともほほえましい記憶喪失騒動をお楽しみください!
ホテルのバーで働くアナは、ひとりの男性客に目を引かれた。 ハンサムな顔を曇らせ、ひどく悲しげな様子だ。 どうしても放っておけず話しかけると、 ダンと名乗った男性は自分のスイートルームに彼女を誘った。 アナは迷った末に彼の悲しみを癒やそうと決め、情熱の一夜をともにした。 5年後、ホテルの副支配人となったアナに、オーナー夫妻は告げた。 経営難を乗り切るために投資家の援助を受ける、と。 投資家との顔合わせの日、アナは相手を見て驚愕した。 ダンテと紹介されたその男性こそ、あの一夜限りの彼ーー アナの4歳になる娘の父親だったから。 アナが5年前に熱い一夜をともにした相手はイタリア出身の大富豪ダンテでした。衝撃の再会を果たした夜、強引に部屋へやってきた彼に娘の存在を知られ、義務感からだけの結婚を申し込まれますが……。M・コックスの胸が切なくなる再会物語をお楽しみください。
“姉夫婦の乗る飛行機が墜落”そのニュースにモーガンは茫然とした。そして生存者はいない模様という報道が…。姉は出産のため、ロンドンからロサンゼルスに帰る途中だったのに。だが悲しみに暮れる間もなく、モーガンは思わぬ人物の訪問を受ける。アレックス・ハモンド!姉の夫の兄で、一族の企業を経営する男性。姉の結婚式で会っただけなのに、傲慢さが強く印象に残っている。とっさにモーガンは問いつめた。「姉夫婦は生きているの?」アレックスはきっぱりと否定したあと、子供が生きていると告げる。墜落のあと、姉は息をひきとる前に息子を生んでいたというのだ。モーガンとアレックスを後見人に定め、二人に幼い命を託して…。
親友ビアンカの結婚式に招かれ、エリザベスはミラノを訪れた。 結婚前のパーティが続いたある夜、 ビアンカの婚約者ーー巨大銀行を率いるルチアーノの魅力に屈し、 エリザベスは彼にキスを許してしまう。 こんなの親友への裏切りだわ! 彼女は自分を激しく責めた。 ところが挙式直前、エリザベスの兄がビアンカと駆け落ちするという、 とんでもない事件が持ちあがった。 兄は会社の金を横領したうえに花嫁を連れ去ったらしい。 「兄さんを刑務所に送りたくないなら、僕と結婚しろ」 脅迫めいたルチアーノの求婚に、エリザベスはなす術もなかった。 ヒーローに追いつめられ、やむなく彼と結婚式を挙げたエリザベス。盛大な結婚披露パーティのあと、行き先も知らされないまま自家用ジェット機に乗せられてハネムーンへと……。圧倒的な人気を誇るミシェル・リードのドラマティックな展開に目が離せません。
姑の一子と嫁の二三に手伝いの万里の三人で営む「はじめ食堂」は、今日も常連客で大にぎわい。そんなある日、常連のひとり三原が、一子たちをお花見に招待したいという。三原は元帝都ホテルの社長で、十年程前に妻を亡くして、佃のタワーマンションに一人住まい。一子は家族と親しい人を誘って出かけるが…。心温まる料理と人情で大人気の「食堂のおばちゃん」シリーズ、第四弾。
終わりなき ネット時代の から騒ぎ 2017年11月に刊行(初版90万部!)されるや 中国で大きな反響を呼んだ最新作、早々に日本語訳が登場! ここ数年、中国のネットを騒がせた事件をまとめて、 実はすべて一人の人物につながっていたとする小説である。 旅先でコールガールになった女性、 手抜き工事で崩落した橋の責任者、元省庁夫人、 美人局をする自警団などなど…。 住む場所も身分も貧富もまったく違う見ず知らずの 四人の男女が描く悲喜劇。 彼らが織り成す荒唐無稽な阿鼻叫喚は、 やじ馬にとってはこの上ない楽しみとなる。 原タイトル「吃瓜時代的児女們」は、 ネット時代に他人の騒ぎを見物して楽しむ人々を意味する。 現代中国髄一のユーモア作家・劉震雲が 辛辣な筆致で現代中国の問題をえぐり出す! 原書については邦訳前からも大注目で、 『週刊 エコノミスト』(2018年5月22日号)の 「海外出版事情」コーナーにて、 元獨協大学教授・辻康吾氏による書評が出ています。