2019年3月発売
気が付くと男は、見知らぬ洋館の前に立っていた。館に足を踏み入れた男を迎えたのは、人の言葉を話す美しい人形。メリイと名乗るその人形は、男の腕に死へのカウントダウンを意味する痣(シルシ)が刻まれていることを指摘する。「怪異」によって刻まれたシルシを消すために、男は助けを求めて九条館を訪れた他の「印人」たちとともに、死への恐怖と戦いつつ、「怪異」へと立ち向かう。果たして生き残ることが出来るのか、そして何故、シルシは刻まれたのか…。エクスペリエンスが贈る、話題のホラーアドベンチャーゲーム『死印』待望の公式ノベライズ。
アイシスのもとから戻り、自分のこれからを真剣に考える快人の心に浮かぶのは、気付けば大事な存在になっていたクロのこと。その想いを伝えようと決意した快人は、勇気を振り絞ってクロをデートに誘う。しかし、クロは意外な反応を見せてー?クロにまつわる秘密や『家族』のこと、そして2万年前に起こった魔界と神界の戦いが語られる、シリーズ第6弾。神界での混浴温泉も楽しい、「モーニングスター大賞」大賞受賞作、最新作!
「…なんで俺ばっかりこんな目に合うんだよ」思わず独り言を言った、そのときだ。ふと目の前に、タクシーが近づいてくるのに気づいた。累計80万部喜多川泰、渾身の感動作!報われない努力なんてない!
人付き合いが苦手な朝日英司は、ある特別な思いから図書委員になる。一緒に業務をこなすのは、クラスの人気者で自由奔放な、月ヶ瀬ひかり。遠慮のない彼女に振り回される英司だが、ある時不意に、彼女が抱える秘密を知ってしまう。正反対なのに、同じ心の痛みを持つふたりは、“ある方法”で自分たちの本音を伝えようと立ち上がりー。ラストは圧巻!ひたむきなふたりが辿り着いた結末に、優しさに満ち溢れた奇跡が起こる…!図書室が繋ぐ、愛と再生の物語。
「あかしや橋は、妖怪の町に繋がる」-深夜0時、人ならざるものが見えてしまう真司は、噂のあかしや橋に来ていた。そこに、橋を渡ろうとするひとりの女性が。不吉な予感がした真司は彼女を止めたのだが…。「私が見えるのかえ?」気がつくと、目の前には妖怪が営む“あやかし商店街”が広がっていた。「真司、この商店街の管理人を手伝ってくれぬか?」-いや、僕、人間なんですけど!?ひょんなことから管理人にさせられた真司のドタバタな毎日が、今、幕を開ける!!
高2の涼は「医者になれ」と命令する父親に強く反発していた。自暴自棄で死にたいとさえ思っていたある日、瞳子と名乗る謎めいた女子に声をかけられる。以降なぜか同じクラスで出会うようになり、涼は少しずつ彼女と心を通わせていくと同時に、父親にも向き合い始める。しかし突然瞳子は「あの桜が咲く日、私の命は終わる」と悲しげに告げてー。瞳子の抱える秘密とは?そして残りわずかなふたりの日々の先に待っていたのは?衝撃のラストに、狂おしいほどの涙!
「大人になるまで、生きていて」ふたりの切ない思いの果てに…。あの日に交わした約束は、果たされることなく今の僕を縛り続けるー。他者との交流を避けながら生きる隼斗の元に、ある日空から髪の長い女の子が降ってきた。白鷺結衣と名乗る彼女は、自身を幽霊だと言い、唯一彼女の姿が見える隼斗に、ある頼みごとをする。なし崩し的に彼女の手助けをすることになるが、実は結衣は、隼斗が幼い頃に離ればなれになったある女の子と関係していて…。過去と現在、すべての事実がくつがえる切ないラストに、号泣必至!
魔境であったタロスヘイムが発展を遂げる中、ヴァンダルー抹殺の命を受けた吸血鬼たちがヴァンダルー達のもとに現れる。だがヴァンダルーは魂を消滅させるスキル「魂砕き」を獲得し、父・ヴァレンの仇でもある貴種吸血鬼セルクレントを見事返り討ちにすると、その後、タロスヘイム王城の地下で神のアーティファクトである魔槍アイスエイジの魂をも消滅させる。しかしその頃、ミルグ盾国より母ダルシアの仇、ゴルダンたち遠征軍がタロスヘイムへと侵攻を開始していた…。
昭和八年(一九三三)。商工省・臨時産業合理局事務官の岸信介は、組織の枠を超えて活躍していた。人当たりがよく、話もうまい。上司にも女にも気に入られる岸は、末は次官や大臣にもなるのではないか、と目されていた。国家運営の根幹は経済であり、列強と対峙していくには武力ではなく経済力が必要だと説く岸は、関東軍が支配する満洲に乗り込み産業発展に邁進、日産コンツェルンの満洲移転という奇手の実現を図る。が、戦争は泥沼化してゆきー。これからの日本を語り合うための歴史ドキュメント小説。
巣鴨で六代続く糸問屋の嶋屋。店主の徳兵衛は、三十三年の働きに終止符を打ち、還暦を機に隠居生活に入った。人生を双六にたとえれば、隠居は「上がり」のようなもの。だがそのはずが、孫の千代太が隠居家を訪れたことで、予想外に忙しい日々が始まった!千代太が連れてくる数々の「厄介事」に、徳兵衛はてんてこまいの日々を送るが、思いのほか充実している自分を発見する…。果たして「第二の双六」の上がりとは?
A級戦犯容疑で投獄されたものの、不起訴処分で巣鴨プリズンから釈放された岸信介。大国のエゴがぶつかり合う戦後世界において、岸は文人政治家として、日米安全保障条約の改定や、自主憲法の制定、二大政党制の実現を目指して動き出す。だがそこには、途方もない困難が立ちはだかる。アメリカの野望。マスメディアの批判。押し寄せるデモ隊。党内外の争い。そして弟・佐藤栄作のもとで勢力を伸ばす田中角栄ー。昭和六十二年、満九十歳でこの世を去るまで政治の表裏に関わり、「昭和の妖怪」と呼ばれた男の波乱の生涯!いまに連なる「昭和」に、何が起きたのか。真の独立国家再建を目指した政治家・岸を通じて描く、渾身の歴史小説!
ブラック企業を辞め、引きこもっていた青年・大倉多聞が借金のかたに見合いをさせられた相手は忍者だった!忍者一家・藤林家の面々に押し切られ、人助けの何でも屋「忍ビジネス」をはじめることに。許婚の女子高生・杏子の友達や、「立川デブ四天王」の一人・俊さんなど、町の人たちの悩みを解決していくなかで不思議と成長していく多聞。ある日、辞めた会社で、今でも元同僚が耐えていることを知った多聞は以前なら想像もできなかった行動に出る…。
徳川吉宗の時代ー。幕府に勤める旗本、井戸平左衛門は引退を控え、隠居生活を楽しみにしていた。隠居後の楽しみは諸国を回り、甘味を満喫すること。だが、隠居届けを出そうとしたその日、あろうことか町奉行の大岡忠相から異動を命じられることにー飢饉と悪政に喘ぐ、石見銀山の地に行って欲しいというのだ。自らの能力を誉められ、心が揺れる平左衛門。さらに、将軍が食するという“嘉祥菓子”を褒美にちらつかされたのが、とどめとなり、快諾してしまう。だが、江戸から四十二日の旅の果てにたどり着いた石見の土地は、想像を絶する悲惨な状況だったー。
ティンカー・ベルは、ネバーランドのピクシー・ホロウで暮らす、金もの修理の妖精。ある日、ティンクは修理用のだいじなハンマーをなくしてしまいました。ピーター・パンのところに、予備のハンマーを置きわすれているのですが、ウェンディの一件以来、ふたりは仲直りできていません。ハンマーがなければ、修理もうまくいかず、「ティンクは、才能をなくしてしまった。」とうわさされるように…。
ティンカー・ベルは、ネバーランドのピクシー・ホロウで暮らす、金もの修理の妖精。あるとき、フック船長の大砲が、ピクシー・ホロウめがけて飛んできて、ティンクの部屋を直撃し、ホーム・ツリーの中庭に着地しました。大砲の玉をなんとかしてかたづけたいのですが、さすがのティンクも、どうやって動かせばいいのか、ぴったりのアイディアがうかびません…。
絶対に残業しない主義の結衣だったが、とうとう管理職になってしまう。新人教育を任されたものの、個性的過ぎる若者たちに翻弄される毎日。そんな折、チームが参加することになったのは、差別的なCMが炎上中の企業のコンペだった。パワハラ、セクハラのはびこる前時代的な社風に、結衣は絶句するがー。定時の女王はホワイトな職場を守れるのか?
小説家としてデビューしたものの著書は一冊だけ、しかも絶版。そんな私が関西の巨大私立大学で創作を教えることになった。小説家としての先行きへの不安や夫との対立、動機も目的もさまざまな学生たち…執筆はますます行き詰まり、教え子たちも隘路へとはまり込んでいく。教師としての自身の経験を元に、小説と格闘する人々を描いた表題作の他、女性と世界との葛藤を浮き彫りにする作品集。