小説むすび | 2019年発売

2019年発売

マーダーズマーダーズ

著者

長浦京

出版社

講談社

発売日

2019年1月24日 発売

救えるだろか。僕を殺人犯だと知っている君を。この街には複数の殺人者がいる。彼らが出会うとき、法では裁き得ない者たちへの断罪が始まるーー。大藪賞作家が現代を舞台に描く、圧倒的犯罪小説! デビュー2作目『リボルバー・リリー』でいきなり大藪賞受賞! ミステリー界唯一無二の才能が放つ、圧倒的犯罪小説! この街には複数の殺人者がいる。 彼らが出会うとき、法では裁き得ない者たちへの断罪が始まるーー ストーカに襲われる女性を助けた夜から、商社マン・阿久津清春の日常は狂い始める。 ブラウンの瞳と褐色の肌を持つその女、柚木玲美は言った「あなたが殺人犯だと知っています」。 十七歳の夏、清春は人を殺していた。誰にも知られずーー。 意図的に清春に近づいた玲美は、その「事実」と引き換えに、母の死の真相と行方不明の姉の捜索を依頼する。 パートナーとなるのは、かつて実兄の殺害容疑をかけられた組対五課の刑事・則本敦子。彼女もまた、過去の事件の証拠を玲美に握られていた。 異様な関係で結ばれた三人の捜査は、いくつかの未解決事件を掘り起こし、やがて社会に潜む、起こしてはならない者たちを呼び寄せてしまう……。 この10年で日本全体の殺人認知件数は1万288。検挙率の平均は98%。単純計算で206人の殺人犯が捕まっていないことになる。 また、年間約17万人が死因不明の異状死として届けられるが、解剖に回されるのはわずか12%。 およそ15万の「異状死体」が、詳しく調べられないまま死因を特定されている。 イギリスでの解剖率は約40%、アメリカで約60%、北欧では90%を超えるところもあり、他の先進国と比べてこの数値は異様に低い。 つまり、この国では多くの「死」が見逃されている可能性があるーー

絶望書店絶望書店

夢をあきらめるのは、よくないことですか? 古今東西から「夢のあきらめ方」にまつわる物語を集めたアンソロジー。 夢をあきらめた人へ、夢をあきらめようとしている人へ、そして夢をもつことさえできなかった人へ……。 「絶望書店」書店主からのご挨拶  書店にぶらりと立ち寄って、そこで思いがけない本と出会う。  それこそ、書店の楽しみではないでしょうか。  うちも、そういう書店でありたいと思っています。  ただ、小さな書店ですから、どんな本でも置いてあるわけではありません。  うちに並んでいるのは、「夢のあきらめ方」に関する本だけです。 「なぜそんな本を?」と思われるかもしれません。  でも、「夢をかなえる本」や「夢をあきらめない本」なら、他の書店さんにたくさんあります。  ですから、一軒くらい、こういう書店があってもいいのではないでしょうか?  夢がかなわなかったとき、夢をあきらめなければならないとき、この書店をぶらりと訪れてみてください。  本なんか読む気になれないかもしれません。でも、ひとつの物語との出会いが、もしかすると、あなたにとって、とても大切なものになるかもしれません。

人間界の諸相人間界の諸相

謎に満ちた女・菱野時江とは何者なのかーー。 突如、連絡が取れなくなった時江の消息を追う二人の友人、渋崎咲子と古河内栗美は、携帯端末のSNSを頼りに彼女の居場所を突きとめた。 そこには「あの国は暮らすにはいいが、生きるのは窮屈すぎる」という一文が……。 「幻の淑女」より 作品の全貌は、読んでみてのお楽しみ。 文学界の異才・木下古栗が挑んだ、なんともトリッキーなエンタメ風小説! (菱野時江を取り巻く人びと) 稲松叶夢(集英社社員) 渋崎咲子(友人) 古河内栗美(友人) 早乙女アキラ(カリスマ全裸公然わいせつナンパ師) 平尾正樹(平日在宅が多く、何をしているのか分からない男) バラク(前大統領) 城之内健作(経営者兼精神科医) 山森正太郎(精神科看護師) 【著者略歴】 木下古栗(きのした・ふるくり) 1981年、埼玉県生まれ。神奈川県在住。2006年「無限のしもべ」で第49回群像新人賞を受賞。著書に『ポジティヴシンキングの末裔』『いい女vsいい女』『金を払うから素手で殴らせてくれないか?』(第5回ツイッター文学賞第1位)『グローバライズ』『生成不純文学』がある。独特の言語センスを持ち、異色の作風で知られる覆面作家。

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