2020年10月発売
物語の舞台は一九七〇年代の大阪。戦前の大阪を世界六位の大都市に押し上げた伝説の市長“關一”は、大阪遷都計画を進めていた。遷都実現のために集められた資金は、大阪某所に隠され、いつしか忘れられていたー。欲望渦巻く「昭和の大阪」を舞台にした痛快小説。
2008年9月15日、リーマンショック勃発。ある女性もまた時代の敗者となりー現代を舞台にした乙女ゲームの悪役令嬢・桂華院瑠奈に転生!?時はバブル崩壊後の金融機関連鎖破綻前。少し違う歴史を歩んだ世界で過ごす瑠奈は、大学進学に悩むメイドをきっかけに桂華グループの財政状況を知る。このままでは破滅の一途を辿るばかり。身内を救うべく執事の橘と向かった極東銀行で一条支店長を巻き込み、瑠奈は前世の知識を元にハイテク関連の投資を行う。そうして得た莫大な利益で、これからの生活に安堵したのもつかの間ー。「助けてください。お嬢様」北海道開拓銀行に勤める銀行員の土下座から訪れた日本経済最大の試練ー不良債権による連鎖破綻の悪夢が襲いかかる。「ならば、手は一つしかないわ」報われないかつての『時代』の流れに抗うため、瑠奈が打つ起死回生の一手とは…!?「小説家になろう」発、現代悪役令嬢日本再生譚!
記憶喪失の少年トウジが目覚めた未来の地球は、新たなエネルギー資源“ツリークリスタル”を巡る人類と宇宙人の戦争で荒れ果てていた。絶望的な戦況下、コールドスリープから解凍された“スリーパー”達は即席の歩兵として消耗されていく。トウジもまた強化外骨格“ムカデ”と機械生命“モノズ”を与えられ、「狙撃手」として前線へ送られるがー!?第6回オーバーラップWEB小説大賞「金賞」受賞のSFアクション開幕!
アイテムを集めることでステータスボーナスが得られるスキル『収集家』を駆使し、時々戦い、よく食べ、好きに眠る。そんな気ままな猫ライフを、一匹の『猫』は満喫していた。それは、町を恐怖で支配していた魔族・ジェンスを退けてようやくつかみ取った『猫』の念願。だがその穏やかな日々は、ある人物の登場により急展開を迎える。その人物とは、「杖の勇者」であるアザリアその人(猫好き)。黄金の勇者と接触するためにやってきたアザリアなのだが、当然『猫』にも目をつけて、ことあるごとにモフるは抱きしめるはの好き好きオーラ大放出。さらには、アザリアを追ってアドレアスなる魔王も登場したことにより、『猫』はいまだかつてないピンチを迎えることになるようで…?昔の人は言いました「かわいいは最強」。なら、「かわいくて最強なら史上最強」!猫一匹のアイテム収集物語。第2幕!
青年・カナタは神の遣いにより、異世界『ロークロア』の地下迷宮“地獄の穴”へと送られてしまう。しかし、そこで出会った不死の少女・ルナエールとの修行によって、異世界で生き延びる力を得たカナタは、都市アーロブルクを襲う脅威“邪神官ノーツ”を撃破した。不意の強敵との遭遇に備え、パーティー全体の戦力向上が必要だと判断したカナタは、新たな旅の目的を「レベル上げのための霊薬作り」とすることに。材料調達のため、錬金術で名高い魔法都市マナラークへ向かうカナタたち。そこでカナタが得た情報は、蜘蛛の魔物・ラーニョが大量発生しているというものだった。“モンスターパレード”すらも超える規模の異常発生が示唆するのは、魔王誕生の兆しでー!?無自覚なままに最強になってしまった青年が、不死の少女と英雄に至るファンタジー!一方、不死の少女・ルナエールは“地獄の穴”を抜け出し、こっそりとカナタの後をつけていた。
「リーシェ!僕は貴様との婚約を破棄する!!」「はい、分かりました」「えっ」20歳で命を落としては婚約破棄の瞬間にループしてしまう公爵令嬢リーシェの人生は、7回目を迎えていた。過去の人生、商人や薬師、騎士などの生き方を満喫してきたけど、今度の人生こそ長生きしてごろごろしたい!決意して飛び出そうとしたところ、とてつもない美丈夫とぶつかってしまう。その男性は、数年後に戦争を引き起こし、リーシェが死んでしまう要因を作り出した皇太子アルノルトだった!?さらに、騎士人生で培った立ち振る舞いを気に入られたのか、彼から結婚を申し込まれてー!?自分の死の原因であるアルノルトを探るため、リーシェは求婚を了承する。ごろごろしたい決意とは裏腹に、過去の人生で得た経験を発揮し注目を浴びていくリーシェは、果たして7回目の人生を生き残れるのか…!?
「アイ・インバイティッド・ユー…わかるか、マサァト、きみをゲントに呼んだのはきみがかつてやったことが理由ではない。きみがやろうとしていることのためなのだ」。伝説のキュレーター、ヤン・フートに招かれ、小林はベルギー・ゲントの地に降り立った。なにもわからず飛び込んだのは、国際的なアートシーンのど真ん中。世界的なアートピープルやアーティストらが交差する開かれた世界で、小林は、ダーフハース通り52番地にスタジオを構え、新たな作品制作にとりかかる。ゲントの光は芸術家としての眼を開かせ、啓示にも似た直感を得た小林は、やがてオリジナルな絵画スタイルを獲得する。そして、新しいミューズとの出会い…。異国の地での挫折や成功を経て、自身の芸術を追い求める姿を自伝小説の形式で語るビルドゥングスロマン3部作の第2作。
乙女ゲームの悪役令嬢に転生してしまった私。しかも18禁!このままだと鬱必至の暗黒エンド!!人身売買オークションにかけられて絶対絶命に!そこに現れたるは産油国のスーパーシーク様!「この世の全ては、金の力でどうにかなる」難攻不落の攻略キャラが私にベた惚れですかっ!?すぐさま求婚されて超濃厚な初夜を…たくましすぎる身体で夜もまさに絶倫!しかもずっと私に一途な恋をしていたなんて!財力・権力・精力すべて超弩級の強引パワーでバッドエンドの運命大逆転ですわ!!!
三十三歳の遼賀が受けた胃がん宣告。どうして自分が…涙が溢れてきて、恐怖で震えが止まらない。その時、郷里の岡山にいる弟の恭平から荷物が届く。入っていたのは、十五歳の頃、恭平と山で遭難した時に履いていたオレンジ色の登山靴。それを見た遼賀は思い出す。あの日のおれは、生きるために吹雪の中を進んでいったのだ。逃げ出したいなんて、一度たりとも思わなかったー。心揺さぶられる感動長編。
連日自爆テロの続く二〇〇五年のバグダード。古物商ハーディーは町で拾ってきた遺体の各部位を縫い繋ぎ、一人分の遺体を作り上げた。しかし翌朝遺体は忽然と消え、代わりに奇怪な殺人事件が次々と起こるようになる。そして恐怖に慄くハーディーのもとへ、ある夜「彼」が現れた。自らの創造主を殺しにー不安と諦念、裏切りと奸計、喜びと哀しみ、すべてが混沌と化した街で、いったい何を正義と呼べるだろう?国家と社会を痛烈に皮肉る、衝撃のエンタテインメント群像劇。アラブ小説国際賞受賞。ブッカー国際賞およびアーサー・C・クラーク賞の最終候補
美しい三十歳の女性マリーナは、ソルジェニーツィンに傾倒する反体制のピアノ教師。スターリンが死んだ年に生を享け、子ども時代からピアニスト修業を重ねた。父の自殺ののち、祖母に育てられた彼女は、男を愛したことがない。優雅な指としなやかな体をもつ最初の恋人マリヤ、電車に轢かれて真っ二つになったヴィーカ、強盗遊びに大好きだったリューバ、サッフォーの生まれ変わりを自称するニーナ、天使のような顔をした肉感的な唇のサーシャ…。やがて三十番目の恋が訪れたとき、彼女の世界は一変する。『青い脂』とならぶ初期代表作。反体制レズビアンの奔放な性と、旧ソ連の閉塞社会が織りなす奇妙な官能的物語。モスクワ・アンダーグラウンド芸術に参画した若きソローキンによる逆説的ディストピア。
浪人の萩原新三郎は、旗本飯島平左衛門の娘、お露と知り合って惹かれあうが、会えない日々が続き、ついには、お露は恋焦がれ死に、女中のお米も亡くなってしまった。それから夜ごと、新三郎のもとに通ってくるお米とお露の幽霊。経と如来像、札を授けられた新三郎はお露から身を守れたかのように見えたが、下働きの伴蔵の手引きにより、新三郎はお露に取り殺されてしまう。しかし、そこには複雑な因縁と企てがあったのだー
当初に望んでいた地味でひっそりとした生活とは異なるものの、知り合いも増えた異世界での日々をそれなりにつつがなく送っている美咲。獣人のマリアとその愛娘エリーを同居生活の一員に加え、さらに賑やかで平和な毎日を過ごしていきたかったのだが、モグラの魔物と戦ったり、傭兵仲間と迷宮に潜ったり、奇妙なアーティファクトを発見したり…と、やっぱり地味とは無縁な生活が待ち受けていたようで!?SFは大好きだが、ファンタジーの知識はほぼない女子高生による、異世界手探りライフ!第6回ネット小説大賞受賞作。
甲子園への夢をあきらめきれず、高校野球部のマネージャーになった高1の莉奈。クラスメイトで野球部でもエース級の中江は、イケメンで女子にモテるけど、真っ黒に日焼けした莉奈をいつもからかってくるケンカ友達。ある日、密かにあこがれていたキャプテンに失恋してショックをうける莉奈。そんな様子を見た中江は、「お前を甲子園につれていく。そのときはお前を俺のものにする」と宣言して…。甲子園に賭ける青春と恋が熱い、青春小説!
イスラム教改宗者の討伐という歴史的事件を材に、民衆の『哀しき人間の運命』を綴った、セルビア『第二の聖書』と目される一大詩篇『山の花環』。宇宙創造、人間の堕落と魂の救済を詠う『小宇宙の光』。セルビア文学の金字塔となった、ニェゴシュを代表する二大叙事詩。
不正義、不条理に満ちた世界で人びとはいかに生きるか。歴史に翻弄される民族を見つめ、人類の希望を「橋」の詩学として語り続けたノーベル文学賞作家アンドリッチー「橋」、短編小説8篇、散文詩『エクス・ポント(黒海より)』と「不安」、エッセイ3篇を収録した精選作品集。
舞台は戦後から高度成長期に沸く東京。たけし少年の初めての記憶から、オリンピックを経て、学生運動の気運高まる時代の中、新宿を彷徨っていた大学時代まで。突き刺さるノスタルジーと青春のモラトリアム…。人間の本質に迫る私小説!