小説むすび | 2020年10月発売

2020年10月発売

ノーザン・ライツノーザン・ライツ

カナダ、マニトバ州北部の凍て付く自然。母親と従妹と暮らす14歳のノアが、地図製作者の父親が持ち帰った短波ラジオで最初に聞いたのは、親友ペリーが割れた氷から一輪車ごと湖に落ちたという報せだった。死んだペリーの両親の村で次の夏も過ごすと決めたノア、村には先住民クリーの人びと、罠猟師、宣教師、そして行方不明の父親までが……。物語は後半、大都会トロントの映画館〈ノーザン・ライツ〉に舞台を移し、そこでノアと家族は思いもかけぬ出会いを経験する。 デヴィッド・ボウイが「人生を変えた100冊」に選んだ長編小説『バード・アーティスト』の作者ハワード・ノーマン。そのデビュー作『ノーザン・ライツ』は、出版されるや称賛を受け全米図書賞候補となった。 「とても好きな本だ。やさしく、おかしく、ミステリアスで、真実に満ちていて、それゆえに美しい」(『遥かな海亀の島』のピーター・マシーセン)「おかしく、かなしく、やさしく、果敢である……初雪が降った野についた、最初の足跡のような本」(『闇の左手』のアーシュラ・K・ル=グウィン)。 1950年代後半の少年の心と成長を描いて切々と胸に迫る、この小説を読んだ者の心には、オーロラの光が残ることだろう。 第一章 一輪車 第二章 パドゥオラ・レイク 第三章 カワウソの少女に誘惑された説教師 第四章 見えないものをたしかめる 第五章 ひとりのオーケストラ 第六章 いとこの手紙 第七章 〈ノーザン・ライツ〉 第八章 池の上を無線の声が滑る 2001年ピカドール版への序文 訳者あとがき

雨に呼ぶ声雨に呼ぶ声

著者

余華

発売日

2020年10月21日 発売

ジャンル

●カフカなど海外文学の影響を受けて、夢と現実、常識と非常識、正気と狂気、さらには生と死の境界を超越して人の世の不確実性を描き、そのあたらしさと実験性をもって、中国文壇で「先鋒派」と呼ばれた余華。ノーベル文学賞の候補として常にその名が挙げられる余華の、先鋒派時代の最後を締めくくる作品にして、はじめての長篇。ファンのあいだで長く邦訳が待たれていた幻の名作。 ●(帯:推薦文より)善人がひとりも出てこないのに、しみじみ泣けるのはなぜだろう。残酷なのにあたたかい。余華の語りは名人芸だ。(by中島京子) ●(翻訳者の解説より)キーワードは「回想」「虚構」「記憶」「過去」だろうか。虚構の人物に作者の魂が乗り移り、時間と空間を超越したところに不思議なリアリティーが生まれた。それが読者の心に響くから、この長篇第一作に支持が集まるのだろう。(by飯塚 容) ● (中国国内の論評より) すぐれた「心の自伝」である『雨に呼ぶ声』は、虚心坦懐に幼年時代の怪しい行動と心の秘密をすべて記述している。これは、とても正直な人生の告白である。初めての戦慄、拙劣な欲望、身の置きどころを失った少年、奇妙な幻想、拒絶できない恐怖、理由のない罪悪感……狂乱に満ちた少年の心理が余すところなく描かれている(by陳 暁明) ●(物語の概要)1960〜70年代の中国。主人公の幼児期から青年期までの記憶を辿る物語。   主人公 孫光林(スン・グアンリン) は南門(ナンメン)という貧しい村に三人兄弟の次男として生まれ、六歳で、町に住む子どものいない夫婦のもとへ養子に出される。幼少期を町で過ごし、十二歳のとき、養父の死によってふたたび村に戻ってくるが、この間の不在が、彼を実家の家族から孤立させてしまう。そのため、主人公は、思春期を孤独で内省的な少年として過ごし、成長していくことになる。  全編、主人公のモノローグ。綾なす糸のようにとりとめなく記憶の表出を交錯させつつ、物語は秩序なく紡がれていく。周囲の人々が繰り広げるなまなましい憎悪、暴力、嫉妬、性愛……。主人公自身の幼児期の記憶、性の目覚め、自分につながる家族の歴史……。  プリミティブで、情動のままに生きるエネルギッシュな周囲の人々。それらが巻き起こす、ろくでもなく、凄絶で、真摯で、ときにばかばかしく、哀れで、ユーモラスで、そして愛すべき事件の数々。ある人はあっけなく、ある人はしぶとく死んでいく。まさにそれが人生であるというかのように。 第一章  南門/婚礼/死/出生 第二章 友情/戦慄/蘇宇の死/年下の友人 第三章 はるか昔/残り少ない命/消失/父を打ち負かした祖父 第四章  威嚇/放棄/無実の罪/南門に帰る 『雨に呼ふ声』日本語版刊行によせて 余 華  解説                      飯塚 容

世界最強の魔王ですが誰も討伐しにきてくれないので、勇者育成機関に潜入することにしました。(4)世界最強の魔王ですが誰も討伐しにきてくれないので、勇者育成機関に潜入することにしました。(4)

出版社

小学館

発売日

2020年10月22日 発売

城塞都市でいま凄惨な戦いが幕を開ける…… 帝国の西方領、城砦都市グランデンで交換留学生としての生活を続けるテオドールたち。 そんなある日、戦時中の祖国を憂えて時々うわの空になるロカを元気づけようと、シャウラとリズは、サプライズで彼女の誕生祭を開こうと計画する。 その一方、楽しげな日常のウラでは、西方で相次ぐ神殿襲撃事件のためグランデン軍部に緊張が走っていた。襲撃犯の正体はもちろんその思惑すらわからないままに4つの神殿が破壊され、残る神殿はあと2つ。 そんな中、テオドールは西方で空間に歪みが生じていることに気づく。この現象は間違いなく人為的に引き起こされるもの……。 時を同じくして、北方の地から夥しい数の死者の群れがグランデンへと迫っていた。いち早くそれを察知したクロード・デュラス将軍は城塞都市の防衛に当たるのだが……。 ついに正体を現す神殿襲撃犯。城塞都市へと押し寄せる死者の大群。死者の怨嗟の声が響き渡る街中で繰り広げられる数多の死闘。城塞都市グランデン編はいよいよ佳境へ! ドラマCDに続いて、コミカライズ連載もスタート! ますますの盛り上がりを見せる世界最強の魔王の学園ライフ第4弾!

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