2020年11月発売
クレオ・ファーシードは、王都立学園ではなにをやっても2位の『万年2位』の少年だった。ファーシード公爵家の嫡男としてエキスパートを求める父、ダン・ファーシードにより勘当されてしまう。ただの少年となったクレオは、窮屈な生活から脱し自由に生きることを決める。手始めに冒険者として身につけたスキルを活かそうと思うのだが、公爵も、そしてクレオも気がついていなかった。あらゆる才能がそろう学園で、『全てが2位』であることのすごさを!「ボクは平々凡々。何かに秀でたエキスパートではないんだけどー」全てが2位の少年は、無自覚な強さで周囲を巻き込んでいきー!
七帝国の一つ、天帝国の女皇帝アルスメリアを護衛していた守護騎士ヴァンス。彼は、来世でも皇帝の護衛となることを誓い、戦乱を終わらせるために命を落としたアルスメリアと共に『転生の儀』を行って一度目の人生を終えた。そして千年後、戦乱が静まったあとの世界。生まれ変わったヴァンスはロイドと名付けられ、天帝国の伯爵家に拾われて養子として育てられていた。十五歳になったロイドは、自分と同様に転生したはずの主君を探すべく、世界各国から生徒の集まる魔法学園に入学する。ロイドは、守りたい相手を探し出し今度こそは最後まで護りきるため、学園生活をスタートさせるが…!?
七つのダンジョンを攻略すれば、どんな願いでもひとつだけ叶う不思議な島エルディアス。数多の冒険者たちが競い合うその島に、万年レベル1の荷物持ちの少年がいた。真面目で一生懸命な性格と女神から授かった唯一無二の究極スキルで冒険者たちから重宝されている。次のレベルまで必要な経験値はおよそ一億。一流の冒険者でも生涯をかけて得られるかどうかの途方もない数値に、誰もがレベル2まで到達できないと憐れんでいた。しかし少年は諦めない。「絶対にレベルを上げて、願いを叶えるんだ!」女神もびっくりな究極スキルの使い方でついにレベル2の壁を突破してー最強への道を切り拓く!
パゴスの村を壊滅させた悪魔の正体は、滅んだはずの最強種・天族の少女イリスだったーー。 ジスでの激闘後、再びレインの前に姿を現したイリスは、過去に人が天族に行った凄惨な出来事を語り、 復讐の邪魔をしないよう、レインに促す。 人間の犯した罪を知り、思い悩むレイン。 一方、交渉による和解は不可能と判断した冒険者ギルド及び騎士団上層部らは、大規模な討伐部隊を組織し、 イリスの待つ天族の遺跡へと進軍を開始する……! それぞれの正義が交錯し、決戦の刻が迫る中ーーレインの選んだ答えは!? 「初めて出会った夜のこと、覚えているか?」 「ええ、ええ。もちろんですわ」 大切な仲間と出会い成長していく冒険ファンタジー、別れと再生の第5幕!
メロウでポップなひめるワールド。一風変わった不器用な人々のあったかくて切ない人間模様を描く珠玉の短編集。洋一は、岳也のことをくしゃみさんと呼んでいる。というのも、岳也が行く先々で人のくしゃみをこっそり録音しているからだ。(「くしゃみとルービックキューブ」)ドーナツの穴の空虚成分を発見した空間数理学者、飯野渉さん、老衰で死去、97歳。あるとき新聞でそんな見出しを見つけたのだ。今でも覚えている。見出しの横にはドーナツの写真があった。ドーナツの真ん中の空洞部分に、細かい字で手書きらしいアルファベットの図式が書かれてあった。(「空虚成分」)
十六世紀の日本には既に平和の尊さを唱えて戦いのない世を願い、時の政権をクーデターで倒した男がいた。その名は、-明智光秀。三十二年間の光秀研究による、初めて明かされる本能寺の変と山崎の戦の謎。光秀の波乱の生涯と、その子供達の本能寺の変以降を描いた著者渾身の一冊。
鏡探偵事務所を訪ねてきたのは九年前に奇妙な依頼を持ち込んだ女性だった。そして新たな調査を依頼する。「失踪した息子を探して欲しい。息子の失踪には前回の調査が関係している」とー。当時の調査記録を元に調査を開始した槇野だったが、九年前の調査で訪ねた人物が二年前に塩素ガスで殺害されていたことが判明。一方の東條は、奥多摩の山中で発見された凄惨な逆さ吊り殺人事件を追っており、報道で被害者の身元判明を知った槇野から、その被害者が九年前に調査した案件の関係者であることを教えられるのだった。元刑事の探偵・槇野康平と「捜一の鉄仮面」と呼ばれる刑事・東條有紀の捜査が再び交差する本格ミステリー。
司法修習を終えたばかりの新米弁護士、杉浦小麦。彼女にとっての初めての刑事裁判は、1日で公判が終わるような仲間内で起きた傷害事件。被告人との接見を終えて拘置所を出た小麦は、大勢のマスコミに囲まれてしまう。「あなたは殺人犯のアリバイ作りに協力しているんですか!?」えっ!なに?どういうこと!?敵は、法律を知り尽くした悪党と司法の穴。それでも私は、私の正義のために闘う。
出版社インターンの山本あかねは、現在バレー界を席巻する妖怪世代の特集記事の企画をあたためていた。 一人で取材ができるか不安を抱える中、スポーツライターの柄長から「音駒出身なら、いい人がいるじゃない?」とアドバイスを受けてーー!? 今回も恒例のリーバシーブルカバー付でお届け!!
昭和の文豪がスカウトした平成の新人作家たちー。平成元年の第101回から第113回までの芥川賞候補作のなかから、「いま読んでも面白い作品」全9篇を厳選。人気作家の初期作品、これまで書籍化されたことのない作品など、知られざる傑作を掲載。
精霊が棲まう世界で、剣や魔法、気術を競い合うソルミナティ学園。ノゾムは実力主義のこの学園で、「能力抑制」-力がまったく向上しないアビリティを授かってしまった。その上、身に覚えのない中傷の噂によって幼馴染みや恋人も失い、周囲から蔑まれるようになってしまう。それでもノゾムは、血の滲む努力を続け、体を苛め抜いてきた。なにも考えないですむように、逃げるように、ただひたすら体を鍛え続けてきた。しかし能力は一向に上がる気配がなく、希望が見えない毎日に心身ともに疲れきっていたある日。ノゾムは、深い森の中で巨大な龍に遭遇する。絶対絶命の時、見えたのは体に巻きついた鎖。それをめいっぱい引きちぎったとき、今まで鬱積していた力のすべてが解放されて…!?足りないのは、自信か、力か。-これは心の歩みを止めた少年が、もがきながら、立ち上がる物語。
ここは、人の欲を煮詰めた、絢爛豪華な毒の鍋。役立たずのお飾り龍妃。彼女には秘密の夜の役目があった!硝子町玻璃が描く、中華後宮ファンタジー。