2020年12月発売
謎の求人、鶏舎での「捕鳥」。警備会社での孤軍奮闘、仲間との絆、裏切り、そして決別…。ろくでなしのオヤジは、なぜ「探偵」になったのか。北の大地を舞台に繰り広げられる、スーパー破天荒な人生の物語。ちょっとだけ平凡をはみ出した男の、実話のような作り話。
私は寧ろ人間よりも人魚の種屬に墮落したい。-「人魚の嘆き」。お前は初めから人間などに生れる必要はなかつたのだ。-「魔術師」。初版刊行以来一〇一年目にして当時の風合いをそのままに美装復刻!!
権力はそんな彼を「囚人」にした。黄〓暎(ファン・ソギョン)は行動する作家として、労働現場、ベトナム戦争、民衆文化運動、韓国民主化・南北統一運動の渦中に身を投じ、そこに生きる人びとの姿を伝えようとした。権力はそんな彼を「囚人」にしたが、本書はその「囚人」の眼を通して、韓国現代史を生き抜いた人びとの真実を描きあげ、韓国民主化の精神を次代につなぐ文学的自伝である。
獄舎から「作家の自由」を求めて。僧侶を志した青年期の放浪、懸命な愛を注いでくれた母への想い、獄舎で出会った不遇な人びとへの共感、戦場での余りに苛酷な運命、妻の献身と不憫な子への悔悟、光州の闘いに敗れた若者への自責、そして何より独裁権力への強い怒りと闘いの日々。韓国現代文学の絢爛たる開花の沃地となった民族の記憶を作家みずからが語る。
潮が香り、砂が鳴く因幡の風が湾から谷へ吹いてくるー舞鶴軍港建設に貧窮脱出を賭けた因幡の部落民。だがそこには差別が残り、酷酷な労働は命を奪う。日本の「近代」は本当に「近代」なのか。水平社を模した八東社の旗が揺れる。
武士に生まれながら、明治維新後「ランプ」の普及をいち早く読み、石油卸業を開業、大成功した大浦新太郎。外国商社に頼らず単身外国に陶器を売り込むなど、たくましい商魂を発揮。欧米各地を回り日本の軽業芸を世界に広めた。帰国後は20代前半だった松竹創業者に協力し、日本の近代芸能の黎明期を陰で支えた。明治という時代を颯爽と駆け抜けた男の破天荒な生涯。
日本漢文学史上の貴重な資料の紹介や江戸時代の文人についての考説、江戸時代の一地方儒家の蔵書目録などから成る。資料篇は、菊亭文庫本『本朝小序集』『童蒙綴詞抄』の本文を初めて翻刻・校訂すると共に、簡略な解説、或は略注を付し、林榴岡撰『本朝世説』については、その本文翻刻と共に詳細な出典調査を提示する。考説篇は、中国字書『文字集略』の逸文をめぐる問題を採挙げ、撰者阮孝緒について解説する。また林家の『本朝通鑑』と『史館茗話』の関係について記し、林読耕斎や林梅洞らの略伝を所収する。
著者は、夏目漱石の娘婿。下巻では、主人公・秋山が、ついに結婚を決意するまでの葛藤が描かれる。「夏目漱石の長女との結婚の顛末」をモデルに描いた長編小説、堂々の完結。幻の名著が新仮名遣いで、約90年ぶりに甦る!
『精霊と共存できるよう、我らの王子と婚約してほしい』。隣国ルフタネンを救ったら新年の祝いに精霊王が28人も集まってきた。精霊は大事だけど王族を薦めるのはやめてほしい。騒ぎを聞きつけてカミルまで帝国に来て何かと思ったらー私の婚約者に立候補するって!?全然そんな素振りなかったじゃん!早く相手を決めないと、妖精姫の取り合いで戦争になりそうって10歳なのに責任重大すぎるわ。知らない王族なんて論外だし、まあ公爵のカミルは条件的には合ってるけど…本当にそれでいいのかな?もう、しょうがない。本気で恋愛考えるわよ!
番と国王の縁を断ち、カルディアス王国を手に入れた王妃エレミヤ。新たな使命を受けて彼女は、次なる標的エルヘイム帝国へ嫁ぐことになった。皇帝ノワールを籠絡し、再び国を奪おうと意気込むのだがー。贈り物や憧れの街デートと、ノワールの積極的な言葉や行動に純情なエレミヤは戸惑うばかり!さらには、貴族の中では「アヘン」中毒者が続出し、彼女は濡れ衣も着せられてしまう。真相を調べていくうち、エレミヤは「番」絡みでノワールを恨む者の情報を手に入れる。このまま利用して、失脚や王手をかければいいものの…。愛憎渦巻く帝国で彼女が選ぶのは愛か使命か?痛快!純情王妃の国盗りファンタジー第2弾!
貴族同士が利権を奪い合う戦乱時代。アーバレスト軍に勝利した少年騎士・アルスは、援護に駆けつけた先で、ウルク軍に完全包囲されてしまう。絶体絶命に陥るも、独自に“名付け”を軍に施すことで強行突破!“土魔法”と魔法剣による奇策で当主級を次々討ち取り、名を上げていく。だが、勢力を伸ばすフォンターナ家に目をつけ、覇権争いの只中にいる王が、庇護を求めてきたことで状況は急変する。王家との同盟を欲する南の大貴族勢が、北へ攻めてくるのは必至。身近な敵ー北部の二大貴族を叩くなら、今しかない。「時は来た。じゃあー攻め落とそうか」長き因縁に終止符を打つ、北部最大の決戦がついに幕を開ける!実利主義な少年が、統治に戦に街作り!天下統一へと突き進む建国英雄譚・第4巻!書き下ろし番外編2本&コミカライズ1話分を特別収録!
五感全てを再現し、あまりにリアル過ぎてR15制限のあるVRMMOゲーム「Nostalgia world online」。ここに「首狩り姫」の異名を持つアリスという少女がいた。鼻歌を口ずさみながらモンスターを両断する様はまるで無慈悲な死神として恐れられている。だが、さも冷酷そうな彼女の正体とは…「ん〜いただきます♪」ちょっぴり食い気が盛んなだけのいたいけな少女だった!登録したばかりの初心者なのに、食材を求めて冒険し続けているうちに、気づけばスキルをもりもり取得、どんどん強くなってゆく。恋愛不要!食いしん坊万歳!なのに最恐!ゲーム世界のグルメを狩り尽くすVRMMOファンタジー!
書店主が拾ったバッグには、赤いモレスキンの手帳が入っていた。男は離婚歴のある書店主。女は夫と死別した金箔職人。見知らぬ二人を結ぶ赤い手帳と一冊の本ー。『ミッテランの帽子』に続く、大人のためのおとぎ話。ジュゼッペ・アチェルビ賞受賞。
「あらゆる時代を通じて最も偉大な科学的探偵」ソーンダイク博士シリーズの全中短篇を新訳、初出誌等から貴重な挿絵・図版を収載した決定版全集。第二巻は、ソーンダイク博士の初登場作として執筆され、後に長篇に改稿された単行本未収録の中篇「ニュー・イン三十一番地」、イングランド南西端、ウルフ・ロック灯台周辺の海域を舞台にした倒叙物「死者の手」をはじめ、短篇集『大いなる肖像画の謎』(1918)から「パーシヴァル・ブランドの替え玉」他の2篇、さらにヒエログリフの印影に隠された謎を解く宝探し暗号小説「青いスカラベ」、証拠に付着した埃の顕微鏡検査から強盗殺人犯を追及する「ニュージャージー・スフィンクス」、干し草の焼け跡で発見された頭蓋骨の謎に挑む「火葬の積み薪」など、第一次大戦後に再開されたシリーズ7篇をまとめた短篇集『ソーンダイク博士の事件簿』(1923)を収録。付録エッセー「探偵小説の技法」、「『ソーンダイク博士の著名事件』まえがき」。