2020年7月発売
新型コロナ感染拡大の前に書かれた、新鋭による問題作。 鳥の不審死から始まった新型感染症流行の噂。 その渦中に首都庁に勤めるKは巻き込まれていく……。 組織の論理と不条理、怖れと善意の暴走を生々しく描く傑作。 組織の内部を描くという点で、物凄い洞察力を持った作家だ。 --亀山郁夫 コロナがこうなる前に書かれているというのに凄みを感じる。 --安藤礼二 まったく、なんだってあんな根拠のないものにそうすぐ振り回されてしまうのだろう。 それとも本当に、ただ自分のあずかり知らぬところで未知の病気が広まりつつあるのではないか、とも考えてみたが、やはり実感は湧かない。 家々から漏れる灯りがそこここに生活が在ることを教えてくれる。言い知れぬ不安が、影のように自分のあとを追ってきている気がした。 --本書より
若い夫婦は、なぜ殺し合ったのか? 国際指名手配のテロリストを追い詰め、ルワンダ政府から一億円の報奨金を手に入れた藪下、淳太郎、一花の3人は、日本初の刑事事件専門調査会社「チーム・トラッカー」を立ち上げた。警察庁による捜査特別報奨金制度が適用された事件を独自に調査する。 早速噂を聞きつけ扉を叩いたのは、2年半前に起きたとある事件の遺族だ。吉祥寺のアパートで若い夫婦が死亡したという。死亡した男は警察官僚一族の息子で、事件は「殺し合い」ということで決着している。 仲が良かった夫婦が、なぜ殺し合わなくてはいけなかったのか? 現場に残された、おびただしい血痕と署名済みの離婚届。司法解剖鑑定書を決して開示しようとしない夫の遺族。警察が何かを隠している可能性もある。3人は現場へ向かった──。 江戸川乱歩賞作家・川瀬七緒の凸凹トリオシリーズ第2弾! 【編集担当からのおすすめ情報】 TBS系「王様のブランチ」で特集が組まれ、話題をよんだ『賞金稼ぎスリーサム!』。シリーズ第2弾となる今作では、警察官僚一族の息子の「相討ち事件」の謎に、相性抜群!?の3人が挑みます。 番組内で『賞金稼ぎスリーサム!』を絶賛してくださっていたニッチェの近藤くみこさんが、今作の帯にも素敵な推薦コメントをお寄せくださいました。
一五〇年前に描かれた「理想郷」に、私たちはいま辿り着こうとしているーー。羊飼いの青年が迷い込んだ謎の国「エレホン」。人びとはみな優しく、健康的で美しくー。でも、それには“しかるべき理由”があった。自己責任、優生思想、経済至上主義、そしてシンギュラリティ……。社会の幸福とはいったい何なのか? ディストピア小説の源流とされる幻の長篇が、現代人の心の底に潜む宿痾をあぶり出す。
全米図書賞、最終候補作。 四世代にわたる在日コリアン一家の苦闘を描いて全世界で共感を呼んだ大作、ついに日本版刊行成る! 日本に併合された朝鮮半島、釜山沖の影島。下宿屋を営む夫婦の娘として生まれたキム・ソンジャが出会ったのは、日本との貿易を生業とするハンスという男だった。見知らぬ都会の匂いのするハンスと恋に落ち、やがて身ごもったソンジャは、ハンスには日本に妻子がいいることを知らされる。許されぬ妊娠を恥じ、苦悩するソンジャに手を差し伸べたのは若き牧師イサク。彼はソンジャの子を自分の子として育てると誓い、ソンジャとともに兄が住む大阪の鶴橋に渡ることになった…… 1910年の朝鮮半島で幕を開け、大阪へ、そして横浜へーー。小説というものの圧倒的な力をあらためて悟らせてくれる壮大な物語。構想から30年、世界中の読者を感動させ、アメリカ最大の文学賞・全米図書賞の最終候補作となった韓国系アメリカ人作家の渾身の大作。 アメリカで100万部突破。オバマ前大統領、推薦。
さまざまな苦難に耐えながら、彼らは強く生き抜こうとする。 在日コリアン一家の苦難の物語は戦後へ。 「物語」というものの圧倒的な力を見せつける大作は1989年に幕を閉じる。 劣悪な環境のなかで兄嫁とともに戦中の大阪を生き抜き、二人の息子を育てあげたソンジャ。そこへハンスが姿をあらわした。日本の裏社会で大きな存在感をもつハンスは、いまもソンジャへの恋慕の念を抱いており、これまでもひそかにソンジャ一家を助けていたという。だが、早稲田大学の学生をなったソンジャの長男ノアが、自分の実の父親がハンスだったと知ったとき、悲劇は起きるーー 戦争から復興してゆく日本社会で、まるでパチンコの玉のように運命に翻弄されるソンジャと息子たち、そして孫たち。東京、横浜、長野、ニューヨークーー変転する物語は、さまざまな愛と憎しみと悲しみをはらみつつ、読む者を万感こもるフィナーレへと運んでゆく。巻措くあたわざる物語の力を駆使して、国家と歴史に押し流されまいとする人間の尊厳を謳う大作、ここに完結。 AppleTVでドラマ化決定。
さびれた絵本屋のお姉さんには、秘密がある。絵本屋の店主、白藤美夜と一緒に暮らし始めた京介。絵本屋には、今日も銃と難事件を携えて、依頼人がやってくる。飢えた熊九頭の檻から少女を奪還、2.34ミリの弾で相手を倒せ、トラップだらけの地下迷宮から脱出せよ、さまざまな事件に巻き込まれるうちに、ついに美夜の過去にまつわる事件の手がかりを掴むがーガン、ミリタリーの専門誌「月刊アームズマガジン」連載のガンアクションノベル。
下ネタとはどういうものなのか? どう扱うべきなのか? どう向き合うのか? 「ちんこ謎かけ」で話題を呼んだ芸人・紺野ぶるまが、下ネタへの熱き思いを語る。 自分の下ネタのルーツから、コンプライアンスの厳しくなる中での下ネタの未来、下ネタの使い方まで、芸人が語るまさに「下ネタ論」。
十歳年上の公爵フランシスに恋心を抱いていたエミリアは、姉の入れ知恵で料理の腕を生かし、彼の屋敷でスイーツ職人として働き始める。ある夜のこと、自分の作った洋酒入りのスイーツを口にしたフランシスに突然触れられ、甘い快楽を与えられてしまう。「きみは感じやすいのかな。こんなに溢れさせて」だが目覚めた彼は何も覚えておらず!?
久慈島と呼ばれていた、古代日本・九州。 神の力を秘めた少年・隼人と、北久慈の覇者・長脛日子(ながはぎひこ)の子でありながら、 戦奴として育てられた剣の使い手、鷹士。 運命的な出会いを果たした二人は、失われた神宝を探して旅をし、絆を深めた。 かれらは島で繰り返される争いをなくすために、 大八洲(おおやしま)のどこかにあるという金属の鉱脈を探しに、 久慈島の東にある最大の島、秋津島を目指して海を渡る。 黒潮に乗って目指すは東海の美野(清洲)、 淡海、北陸、そして最高峰の不二の山 血沸き肉躍る冒険の旅へ、いざ! 篠原悠希の伝説的デビュー作、続編書き下ろし!
死ぬことだけが希望だった奴隷の少年・鈴は、ある日獣人姿の国王・織人に助け出され、共に宮殿で暮らすことに。織人の溺愛で、頑なだった鈴の心が溶かされた頃、織人の婚約者を名乗る美青年が鈴の前に現れ!?
聖女召喚に巻き込まれ異世界転移したあげく、訳あって美貌の騎士団長アレシュと「良い仲」になってしまった社畜の誠一郎。「魔力酔い」を防ぐ結界をアレシュに張ってもらうため、効率重視の同居生活が始まるも、二人の仲は曖昧なまま。そんな矢先、宰相命令で出向した教会で誠一郎は、どこかアレシュと雰囲気の似た、実直で信心深い司祭シーグヴォルドと出会う。アレシュが瘴気浄化の遠征で不在の中、誠一郎の無自覚恋愛フラグがまた立ってしまうのか? アレシュとの仲も急展開の『異世界BL』第2巻!
調理師学校を卒業する直前、異世界トリップした私。 どうやら調理技術が発達してない世界みたい。 得意のお料理を作ってみたところ絶賛の嵐! 食堂を開いてみたら公爵様まで常連に! えっ! プロポーズ!? 私が公爵夫人に!? 美味しいゴハンで異世界席巻!胸きゅんお料理ノベル
「一度あることは、二度起こりうる。だから、きっと帰れる」毎年「ワケアリ」な青少年たちが開催するサマーキャンプは、今年も変わらず静かな夜を迎えていた。しかし、そこに一線の閃光と激震が起こり、事態は一変する。うっそうとした茂みの中の野生のイノシシ、原始人との闘い…もしかして、タイムスリップ!?閃光の先は何と縄文時代!!笑いあり、涙あり、友情あり!現代に戻れる日を信じ、力強く生き抜く青年たちを待ち受けていた、驚愕の真実とは!?既存のタイムスリップ作品とは一線を画した衝撃作!
稀代の悪法を用いて繁栄を極めたロジオン王国に対し、革命の狼煙を上げた、魔導師アントーシャ率いるフェオファーン。 彼らとロジオン王国の対立を軸に、様々な存在の思惑と物語が絡み合う長編群像劇シリーズ。発行:株式会社opsol book
出版社
堀之内出版ジャンル
日本初のウェールズ小説集。 炭鉱/戦争/女性/日常、ウェールズに根ざした、でも私たちにとても近い5編の物語たち。 「暗い世界」から「まわりの全てが新しい王国」へ。 装丁 平山みな美+山田和寛(nipponia) 装画 安藤巨樹 組版 トム・プライズ 本書は古紙パルプを70%以上配合したOKプリンス上質エコグリーンを本文紙に使用しております。 はじめに 暗い世界 リース・デイヴィス(川端康雄 訳) Rhys Davies, ‘The Dark World’ 解題 川端康雄 あんたの入用 グウィン・トマス(山田雄三 訳) Gwyn Thomas ‘Thy Need’ 解題 山田雄三 失われた釣り人 マージアッド・エヴァンズ(中井亜佐子 訳) Margiad Evans ‘The Lost Fisherman’ 解題 中井亜佐子 徒費された時間 ロン・ベリー(西 亮太 訳) Ron Berry, ‘Time Spent’ 解題 西 亮太 ハード・アズ・ネイルズ レイチェル・トリザイス(河野真太郎 訳) Rachel Trezise, ‘Hard as Nails’ 解題 河野真太郎 おわりに
「原子爆弾は人類の闘争のうえに使われる限り、悪の華である」 (「屍の街」より) 1945 年8 月6日の朝、広島にて被爆した大田洋子は、その直後から、 原爆症発病の恐怖と闘いながら被爆者という「当事者性」をもって、 被爆後の凄惨な実態をさまざまな作品に書き紡いできた。 原爆投下から75 年経った現在だからこそ読まれるべき作品が 新仮名で甦るアンソロジー。 代表作「屍の街」や「半人間」「残醜点々」のほか、 これまで単行本未収録の原爆作品も収録。 【目次】 【収録作品】 河原 牢獄の詩 屍の街 過去 恋城 どこまで 暴露の時間 ほたる 半人間 残醜点々 ある墜ちた場所 【収録作品】 河原 牢獄の詩 屍の街 過去 恋 城 どこまで 暴露の時間 ほたる 半人間 残醜点々 ある墜ちた場所
孫の世話に明け暮れる68歳の「私」は公園で出会ったアンドロイド・ベビーシッターの青年ダニーから思いもかけない言葉を掛けられた。 ーー「きれいですね。本当に」。 「李箱文学賞」「若い作家賞」をはじめ数々の文学賞を受賞した作家ユン・イヒョンが、近未来を舞台に「美しい愛になれなかった感情」を繊細に描いた短編。 【韓国文学ショートショート きむ ふなセレクション】 翻訳家きむ ふなが今お勧めする作家の深い余韻と新たな発見を感じさせる短編を 日本語と韓国語の2言語で読むことができるシリーズです。 韓国語の朗読をYouTubeで聴くことも可能です。 CUON YouTube チャンネル https://www.youtube.com/user/cuonbooks