2020年9月25日発売
ミミは、親友の兄で大富豪のバルサに熱を上げていた。黒い瞳の彼のけだるげな微笑には、どんな女性をも虜にする魔力があった。だから彼が手を差しのべてくれたあの夜、王子様に見初められたシンデレラのように幸福だった。けれど、請われるまま純潔を捧げようとしたミミを、彼は置きざりにして部屋を出たきり、戻ってはこなかったのだ。ミミは深く傷つき固く心に誓った。もう一生恋などしない、と。なのに2年後、再会した彼の逞しい体躯と端整な顔を見た瞬間、ミミの意志に反して体は熱くなり…。
この土地の古いしきたりに従ってクレアは黒い花嫁衣装を着た。悪魔のような花婿ロルフとの結婚式にふさわしい色だ。引き締まった体を優雅な夜会服に包んだ、尊大な大富豪は、舞踏会で出会ってすぐ、破廉恥にも彼女を抱き寄せ唇を奪った。初めて感じた、体に電流が駆け抜けるような衝撃。クレアは激しく動揺した。婚約者がいる身だというのに…。ところが、婚約者があろうことかロルフの金を横領したと発覚。するとロルフは彼女に結婚を迫ってきたー男らしさと性的魅力にあふれたロルフ。婚約者に泣きつかれ、クレアは言い知れぬ不安に脅えつつ、結婚を承諾したのだが…。
ホリーはフロリダの片田舎から単身ニューヨークへやってきた。不動産会社で働く弟のつてで会社のアパートメントをしばらく借り、仕事も生活も失敗続きの人生の再スタートを切るつもりだった。ところが、誰もいないはずの部屋には、長身のたくましい先客がー弟の会社の副社長イーサンがいて、ホリーを追い払おうとした。外はやみそうもない大雨だし、ホテルに泊まるお金なんてないのに!これまでのままならない人生が思い出され、思わず涙する彼女に、ついにイーサンが折れて、一晩だけふたりで過ごすことになった。でも、身の上話をするうち、彼から婚約者のふりを頼まれるとは、ましてや胸がこんなに高鳴るとは、思ってもみなかった…。
音楽教師のシエラは父の遺言状の開示に立ち会うため、7年ぶりに故郷シチリアを訪れたーかすかに身を震わせながら。弁護士のオフィスでシエラを待っていたのは、彼女が19歳のときに婚約していた父の右腕、実業家のマルコだった。挙式前夜、マルコが父と同じ非情で傲慢な男だと知り、シエラは闇に紛れて逃げ出して、ロンドンへ渡ったのだ。遺言で父の資産はすべてマルコのものとなったが、彼女はそれよりも、一刻も早く彼の冷徹な視線から逃れたかった。だが帰途、嵐に襲われ、追ってきたマルコとヴィラに閉じこめられる。「屈辱を晴らすときが来たようだな。なぜぼくに恥をかかせて逃げた?」
秘書のジェンマは取引相手のギリシア大富豪レオンに会ったとたん、その端麗で官能的な姿に、ひと目で心をかき乱された。噂によれば、世界でも指折りの名家の出で、利己的なプレイボーイらしい。「条件も約束もなしだ。終わりがきたら友好的に別れよう。それまでぼくは、きみだけの男になる。考えておいてくれ」レオンからそう囁かれ、口づけされたジェンマは、抗うべきだと頭ではわかっているのに、されるがままになってしまった。2カ月後、ジェンマは気分のすぐれない日が続き、妊娠に気づくーどうしよう!結婚嫌いのレオンには、こんなこと言えない。ましてや、いつのまにか彼を本気で愛してしまったなんて…。
両親亡きあと、やむにやまれず着の身着のままで家を出たマリアンは職業紹介所にたどり着き、どうにか住み込みの使用人の職を得た。雇い主の名はウィリアム・アシントンー最近爵位を継いだばかりの、ハンサムで謎めいた伯爵だ。ほのかな恋心を胸に秘め、身を粉にして働くマリアン。しかし、つましくも幸せな暮らしは突然終わりを告げた。借金まみれの義兄につかまり、裕福な男と結婚するよう命じられたのだ。義兄の家に監禁され、気力を失いかけたある日、ふいに伯爵が現れた。彼はマリアンの唇を乱暴に奪い、信じがたい言葉を口にした。「あの男から愛人を買い取ったーきみは今日から僕の愛人だ」
国王の友人サー・ブライズが、美しい姉に求婚しにやってきたとき、レベッカは純粋な好奇心から、門番に扮して彼を出迎えた。少し言葉を交わしただけなのに、彼女の胸の奥は甘くうずいた。その後、サー・ブライズは、晩餐の席にいる“門番”改め令嬢レベッカに、そして白鳥のように麗しい彼女の姉の姿に、とても驚いた様子だった。姉と違い、私のところへは誰も求婚しになんて来てくれない…。せっかくサー・ブライズに踊りに誘われても、足が不自由なレベッカは断るしかなかった。たまらず礼拝堂へ向かい、思わず切なさを吐露する。「ああ、神さま。どうか私の頭から彼のことを消し去ってください!」すると背後で音がし、人影がーサー・ブライズが、そこに立っていた。
ホリーが卒業後ロンドンに出たのは、ずっとカップルだった幼なじみの男性を追ってのことだった。なのにその彼が、同じく幼なじみのロザモンドと結婚するという寝耳に水の知らせがホリーのもとに届いたのだ。ショックのあまり倒れそうでも、昔の仲間が大勢集まる週末の婚約パーティーに出席しないわけにはいかない。ロザモンドのボーイフレンドだったドリューは、どんな気持ちでいるのかしら…。ふとある計画を思いつき、ホリーはドリューにもちかけた。こうすれば、きっとそれぞれ元の相手に戻るはずだわ!
高3の真香は、教育熱心な母親と二人暮らし。勉強に時間を割いて、友達も必要以上に作らずに過ごしていた。そんな真香にとって唯一の光は、五つ年上で警察官の従兄・迅だった。いつも明るく優しい迅は、憧れであり初恋の相手。しかし、迅は派遣先の災害に巻き込まれ、亡くなってしまう。絶望した真香は生きる意味を失うが、そんな真香の前に現れ、再び希望をもたらしたのは、死んだはずの迅だったー。一度失ったはずの大切な人と、奇跡のような夏がはじまる。
桜の木の下で昼寝をしていた高2の花が目を覚ますと、なんと膝の上に見知らぬイケメン・蓮が寝ていた。そして、彼に弱みを握られ、言いなりになることを約束させられてしまう。さらに、「俺、未来から来たんだよ」と信じられないことを告げられて…。意地悪だけど優しい蓮に惹かれていく花。しかし、彼の命令には切ない秘密があったー。蓮がタイムリープした理由とは?奇跡のラストに涙が止まらない!!
社畜営業マンとして日々を送るアラサーのアキトは、不運な事故に見舞われ生涯を終える。死後、現れた神により異世界へと転移させられることになったが、与えられたのは地味で、見知らぬ異世界では心もとない「鑑定魔法」だった。最初は落ち込むが、何とか辿り着いた街の露店で鑑定魔法を使うと、希少なアイテムが格安で売られていることに気づく。これをさらに買い叩き商会へ売ると…なんと10倍もの値がつき!?安く仕入れて高く売る。営業マンとして、商売の基本原則を肌で覚えてきたアキトはせどりー転売で生計を立てることを思いつく!慣れない異世界でも、掘り出し物がザクザク見つかりー稼いだお金でレア装備を揃えたり、美少女奴隷を買ったり、コツコツと貯蓄も忘れない。地道な手探りの中、アキトは自分のやり方で理想の異世界ライフを追求していくー。異世界だろうが、鑑定魔法と営業術で超満喫!?アラサーの異世界サクセスストーリー、開幕!
家族の愛を知らぬまま死に、“もう一つの人類”の侵略に脅かされる王国で新たな生を受けた少年ユーリ。彼は騎士家の名家であるホウ家の跡取り息子として、王女であるキャロルや魔女家の生まれであるミャロらと共に、騎士院での生活を送っていた。そしてユーリは生まれて初めて、“もう一つの人類”-クラ人と出会う。亡命してきた宗教者であり、クラ語講師であるイーサ。ユーリは彼女からクラ語を学びながら、「敵国」への理解を深めていくのだった。数年の時が流れ、ある目的から学業の傍ら事業を興すことを決めたユーリ。前世の知識を元に植物紙の製品化を目指す彼は、協力者を得ながら試行錯誤を繰り返していく。しかし事業が成功した矢先、王都を裏で牛耳る魔女家の魔の手が迫り…!?のちに「魔王」と呼ばれる男は、静かに、しかし確実に覇道を歩むー。「小説家になろう」で話題の超本格戦記譚、待望の第2幕!
「風霊の村復興プロジェクト」に協力しながら、新フィールドを驚くべき早さで攻略する召喚術師のキース。そんな折、イベントモンスター・金剛力士が変性岩塩という見慣れないアイテムをドロップする。ただの岩塩かと思いきや、それは料理に使うとMP回復効果が得られる希少なアイテムだった。キースは目の色を変えた料理人のミオに迫られることになり…!?-結果、さらなる塩の入手を依頼されたキースは強敵だった金剛力士との再戦に挑むが、その最中にインフォメーションが鳴り響いた。“プレイヤーがクラスチェンジ条件をクリアしました!”これまで未確認だった上位職へのクラスチェンジが可能となったキース。四つの候補から、キースは迷わず一つの職業を選択するのだが…!?Web未公開の書き下ろしエピソード収録。「小説家になろう」で4億PV突破ー最大級の戦闘録、スタート!!
このダンジョン、ドロップ品が全部“肉”!? 「勇者召喚」に巻き込まれ、現代日本から異世界へとやってきたサラリーマン、ムコーダ。 彼はカレーリナの街のマイホームを従業員(奴隷)達に任せて、フェル、スイ、ドラちゃんと共にローセンダールの街を訪れる。 その目的は、ドロップ品のほとんどが肉だという通称「肉ダンジョン」! 奥に行くほど上等な肉がドロップするこのダンジョンを前に、フェル達は全ての肉を狩りつくさんばかりに張り切るのだった。 そんな肉ダンジョンで出会ったのは、自分達の食い扶持を稼ごうとしている孤児院の少年達。 すっかりムコーダに懐いた少年達との交流はダンジョンを出てからも続き、中にはムコーダの料理に惚れ込んで師匠と慕う者も。 そしてムコーダは彼らから聞いたイベント「肉ダンジョン祭り」に屋台で出店することに……!? 「小説家になろう」8億PV超のとんでも異世界冒険譚、脂の乗った第9巻!
“種子生成”に目覚めたことで、王弟・グレンに見出された令嬢・チェルシーは王立研究所の特別研究員に任命された。グレンたちとスキルの研究をしながらすごしていたある日、チェルシーの元に王国の西にあるラデュエル帝国の前皇帝から『精霊樹を挿し木して欲しい』という依頼が届く。帝国では人々を苦しめる瘴気が蔓延していた。瘴気を祓うには、新たに精霊樹を植え、精霊を呼び出す必要がある。しかし、精霊樹を挿し木できるのは精霊王・エレの契約者であるチェルシーただ一人。チェルシーたちを帝国で迎えたのは前皇帝・ロイズと狐人の料理人・ミカ。帝の座を退くきっかけとなったロイズの病を、チェルシーは新しい種を生み出すことであっという間に快復!そしてチェルシーたちは、元の精霊樹を切り倒してしまった今の皇帝を懲らしめ、人々を瘴気から助けるべく、彼らと協力して帝都へ向かうー不遇だった令嬢のシンデレラストーリー、第2幕!
冒険者であるジーノは、その慎重な性格のおかげで15歳で田舎を飛び出してから20年以上、冒険者として生き存えていた。既にベテランの域に達していたジーノは、それなりの地位と財産を得てはいたが、自分の面構えが女性から快く思われてないとわかっていたため、結婚して家庭を築くという冒険者引退の機会を諦め、今まで貯めた財産で性奴隷を購入することにした。ジーノは、明日をも知れぬ冒険者稼業を続けることを選んだのだったのだが、性奴隷が家にきてから、ジーノの生活が少しずつ変わり始めていた…。中年冒険者のちょっと変わったラブストーリー、始まる。