2021年10月発売
誰かを怖がらせてほしい。戦慄させ、息の根を止めてほしい。そんな願いを考えてくれる不思議な存在ーー。「怖ガラセ屋サン」が、あの手この手で、恐怖をナメたヤツらを闇に引きずりこむ! 怪談は作りものだと笑う人、不安や恐怖に付け込む人、いじめを隠す子供、自分には恐ろしいことは起こらないと思い込んでいる人……。 こんなヤツらに、一瞬の恐怖なんて生ぬるい! 気づいたときは、あとの祭り。 ”怖がらなかったこと”を、後悔させてあげるーー。 一話ごとに「まさか!」の戦慄が走る、連作短編集。
俺たちは大事な約束を忘れていたよな。刑罰では拭いきれない加害者への憎しみ。二人きりの兄弟が選んだのは“仇討ち”だったー。鮮烈、圧巻、陶酔のハードボイルド。円熟の筆致で描き出す「男の美学」。表題作含む二編収録!!
「法律を知らないと不幸になる」と医師の側に立ち、法律問題や医療過誤訴訟を闘っている異能の弁護士・雨守誠に、ある日総合病院から依頼が入った。急死した2歳児の両親に医療過誤で訴えられそうで、病院と医師を弁護してほしいというのだ。救えなかったら医師が悪いのか?-自身の信念に基づき、雨守は医療現場の矛盾や不条理に斬り込んでいく。弁護士の執念を描き切る法廷サスペンス。
大事な旦那様の危機を前にして、祖先の竜が登場! その姿は自分と同じちんちくりん子竜で、子孫に対しとっても過保護。王家を取り巻く陰謀も甘々新婚生活も、竜のきまぐれのせいで大波乱が巻き起こる!? 大人気の年の差ラブストーリー、待望の第三巻!
各紙誌絶賛、即重版! 「本の雑誌」2021時代小説ベスト10選出! 「とにかく楽しめた。まさに手に汗握る、幕府を舞台とする大活劇である」本郷和人(東京大学史料編纂室教授) 「読むと驚く。本当に「真」だ。あっと驚く新解釈まで、一気読みである」北上次郎(評論家) 「破格の面白さ。よく知られた題材が真保によってまったく違った物語として生まれ変わった」杉江松恋(書評家) 「凄まじい謀略戦を活写。最後までスリリングな展開が楽しめる」末国善巳(書評家) 「本書は「作家活動30年」を記念するとともに、その新たなスタートを切る力作といえよう」縄田一男(書評家) 徳川の治世。戦世は遠くなり、政は将軍の意をくむ老中たちの掌中。度重なる改易によって主家を失い、幕府に恨みを抱く牢人があふれる江戸市中に一人の兵法者が現れる。名は由比正雪。その恐るべき企みとは。 夥しい血を流して平らげられた世を、命がけで守り抜こうとした男たち、女たち。 由比正雪の乱として知られる「慶安の変」の裏で、何があったのか。綿密な取材と大胆な仮説を元に歴史の脈動をあますところなく描ききった大河歴史小説。作家生活30年記念書き下ろし。 「慶安太平記」 慶安の変(由比正雪の乱)の実録本。のちに講談、歌舞伎の演目に脚色された。圧倒的な存在感を放つ乱の首魁・由比正雪が幕府へのクーデターを企て、天才的な人心掌握術を用いて人集めと金集めを着々と進め、計画を実行に移していく様を描く。異能の登場人物たちの躍動、壮絶なラストシーンが名高い。 〈目次〉 序章 第一章 将軍と弟/大御所の病/保科家相続/暗闘の果て 幕間 第二章 我が世の春/天地の違い/徳川の末 幕間の二 第三章 将軍の死/疑わしき男/変の真実 終章 後記 序章 第一章 将軍と弟/大御所の病/保科家相続/暗闘の果て 幕間 第二章 我が世の春/天地の違い/徳川の末 幕間の二 第三章 将軍の死/疑わしき男/変の真実 終章 後記
小説家とアーティストが出会い、新たな「物語」が生まれるーー 小説家の「歌詞」から生まれた5つの小説と楽曲。 収録作品 <小説> 「みちくさ」彩瀬まる 「南極に咲く花へ」宮内悠介 「透明稼業」最果タヒ 「星野先生の宿題」重松清 「Lunar rainbow」皆川博子 <楽曲> 「光る野原」彩瀬まる×伊藤沙莉×横山裕章 「南極に咲く花へ」宮内悠介×坂本真綾×江口亮 「透明稼業」最果タヒ×崎山蒼志×長谷川白紙 「ステラ2021」重松清×柄本祐×トオミヨウ 「哀歌」皆川博子×吉澤嘉代子×世武裕子 作曲・Project Produce 水野良樹
「やっぱり、小説を書きたいよ。自分の本が書店に並んでいるところを見たい。私、器用じゃないから、全部をやるのは無理。…子供を産んで、作家になれなくて、『子供がいなかったら作家になれたのにな』なんて言うような大人にはなりたくないの」-本文より。小説家と会社員。二人の幸せを探す物語。
業績至上主義、腐敗する組織、喰らいつく悪徳ベンチャー。いったい誰がこの銀行を助けるのか。強欲な上司に追い立てられ、利益だけを追う行員。焦る行員に取りつく悪徳企業。コンプライアンスも崩壊しきった銀行を救うために立ち上がったのは…。
(あらすじ) 目下、とある出版社に持ち込まれた小説がミリオン達成かと話題をさらっている。美人で富豪の娘という設定が受けたからとか、医者が書いた小説だからというわけではない。彗星のごとく登場し、不可解な投身自殺を遂げたスター氷室絵馬の死の謎を解明した物語と言われているからだ。 小説世界で室生絵馬という名で登場するヒロインは、愛媛県今治市に本拠地を構える日本屈指の造船会社社長を父に持つ華やかな美貌の一人娘。絵馬は父儀一が一代で築いた造船会社を受け継ぎ、いずれは複合企業体としてその頂点に立ちたいと願っている。母が早死にしたこともあって、小学校から乳母長谷部と共に上京し、名門・高輪女学院初等部に通う。すくすく育つ過程で絵馬は中一の時に夾竹桃の樹液に人を殺すだけの毒があると知る。たまたま、絞っているところを長谷部に見咎められた絵馬は彼女に樹液を飲まして死に至らしめる。 大学生になった絵馬はスカウトされて芸能界に入り、一気呵成にスターの座を得る。順風満帆のはずが、親友夢子の恋人に手を出したことが原因で、父から「しばらく愛媛に足を向けるな」と足止めを喰らう。それを義母のせいと思い込んだ絵馬は氷塊を使って義母を殺害しようとするも、齟齬が生じて絵馬が負傷し入院することとなる。 絵馬を見舞った医師国分は内情を読み取った上で、耳元である言葉を囁き、その場を離れる。その日の夜、絵馬は『母に』というメモ書きを残して病院屋上から投身自殺してしまう。 小説世界と現実世界で同名なのは氷室絵馬という名前だけである。
一九一六年、大英帝国の外交官であった男に死刑が執行された。その名はロジャー・ケイスメント。植民地主義の恐怖を暴いた英雄であり、アイルランド独立運動に身を捧げた殉教者である。同性愛者ゆえに長くその名は忘れられていたが、魂の闇を含めて、事実と虚構が織りなす物語のうちによみがえった。人間の条件を問う一大叙事詩。 ロジャー・ケイスメント関連地図 主要登場人物一覧 コンゴ アマゾン アイルランド エピローグ 謝 辞 訳者あとがき 参考文献
古くからの友人も、ノーベル賞作家も、その「岬」に消えたーー この物語はあなたを、思いもよらぬところまで連れて行く。 人が人であるというのは、どういうことなのか。 練熟の著者が今の時代に問う、神無き時代の新たな黙示録。 以前から美都子が夫婦ぐるみで付き合ってきた、憧れの存在である友人・清花。だが近年、清花夫妻の暮らしぶりが以前とは異なる漂白感を感じさせるようになり、付き合いも拒否されるようになったのち連絡がつかなくなった。清花たちは北海道に転居後、一人娘・愛子に「岬に行く」というメッセージを残し失踪したようだ。彼女の変貌と失踪には肇子という女性が関わっているようだが、その女性の正体も分からない。 時は流れ約二十年後の二〇二九年、ノーベル文学賞を受賞した日本人作家・一ノ瀬和紀が、その授賞式の前日にストックホルムで失踪してしまった。彼は、「もう一つの世界に入る」という書置きを残していた。担当編集者である駒川書林の相沢礼治は、さまざまな手段で一ノ瀬の足取りを追うなかで、北海道のある岬に辿りつくがーー。 やがて明らかになる、この岬の謎。そこでは特別な薬草が栽培され、ある薬が精製されているようで……。 近未来から戦時中にも遡る、この国の現実の様相。 岬に引き寄せられる人々の姿を通して人間の欲望の行き着く先を予見した、著者畢生の大作。 目次 第一章 冬の旅 第二章 ハイマツの獄 第三章 不老不死の薬 第四章 ストックホルムで消えた 第五章 崩壊 第六章 秘密の花園 第七章 キャンプ 第八章 研究所 第九章 破滅
号泣度100%!! 【韓国で10万部突破】【ドラマ&映画化決定!】 2016年を生きる母のいない少女ウニュのもとに、1982年を生きる別の少女ウニュから手紙が届く。その手紙には母を探しだしてくれるとあるが…。失った家族を取り戻すタイムリープ物語。 ●あらすじ 【第8回文学トンネ青少年文学賞大賞作品】 2016年を生きる15歳のウニュは、自分に無関心な父と会話のない2人暮らし。生まれたときから母はおらず、どうしていないのかも父は教えてくれない。ある日、同じ名前の少女ウニュから手紙が届く。そのウニュは1982年に生きていると言う。最初はいたずらかと怒るウニュだったが、「幸運のコイン」をきっかけに、この不思議な手紙を信じるようになる。過去のウニュは、未来のウニュのために母を探しだし、なぜいなくなったのか調べてくれると言うが…。韓国で10万人が泣いた、失った家族を取り戻すタイムリープ物語。 この本に関わった人みんなが泣いた感動作!(翻訳者、編集者、画家、デザイナー) ●過去のウニュから未来のウニュへの手紙より あのね。あなたのお母さんは生きてるんじゃないかな? とにかく、私たちに想像もつかない何かが、どうしても知られたくない秘密があるのは間違いないと思う。 こうして違う世界に暮らしてる私たちが手紙をやり取りするってことは、私たちに特別な何かがあるってことかもしれないでしょ。だから、私がちょっとあなたの手助けをしてあげるっていうのはどう? 過去の中のあなたの両親を探して、あなたのお母さんの秘密を明らかにするの。あなたは私の未来に力を貸して。 1 私へ 2 へんな(「へんな」に取り消し線)お姉さんへ 3 小学生のガキへ 4 もう一度小学生へ 5 お姉さんへ 6 過去に暮らしてる子へ 7 もう一度、過去に暮らしてる子へ 8 私を苦しめるお姉さんへ 9 幸運をつかんだあなたへ 10 信じられないところにいるお姉さんへ 11 とてつもないことを経験しているあなたへ 12 未来の子へ 13 恥ずかしがっている友へ 14 すごいことをしてくれようとしている妹へ 15 過去のあなたへ 16 ウニュへ 17 過去へ 18 未来のウニュへ 19 同じ名前の「お姉さん」へ 20 苦痛と試練をくれたウニュへ 21 本当に本当にごめんなさい、お姉さんへ 22 固く信じる妹へ 23 楽しい一日を過ごしてるお姉さんへ 24 未来の妹へ 25 ありがたいお姉さんへ 26 よくやっている妹へ 27 過去のお姉さんへ 28 かわいそうな妹へ 29 一〇〇パーセント信じてるお姉さんへ 30 私を心配してくれるありがたい妹へ 31 再び未来の妹へ 32 幸せそうなお姉さんへ 33 ウニュへ 34 かわいいウニュへ 35 おばさんじゃなくてお姉さんへ 36 今でも私の妹のウニュへ 37 返信を待ちきれないでいるお姉さんへ 38 未来の妹へ 39 お姉さんへ 40 娘へ 41 送れなかった手紙 ウニュへ 作者の手紙 訳者あとがき
冤罪被害者の救済活動に取り組む、弁護士や学者などのスペシャリストで構成された団体「チーム・ゼロ」のもとに、無実を訴える一通の手紙が届く。それは平成8年に岐阜県郡上郡で起きた一家四人殺害事件の犯人として、死刑判決を受けた死刑囚・宮原からのものだった。理想に燃える若手弁護士・藤嶋翔太は事件について調べ始め、信頼の置けない科学捜査や心理的なバイアスなど、様々な要素から真相を手繰り寄せるがーー。 冤罪における”救済”を問う、迫真の社会派ミステリ! 序章 第一章 ゼロの救済 第二章 無知の暴露 第三章 ジャンク・サイエンス 第四章 冤を雪ぐ 第五章 正義の破片 第六章 鑑定不能 第七章 シリウスの反証 終章
「うちのクラスの転校生は何かがおかしいーー」 クラスになじめない転校生・要に、親切に接する委員長・澪。 しかし、そんな彼女に要は不審な態度で迫る。 唐突に「今日、家に行っていい?」と尋ねたり、家の周りに出没したり……。 ヤバい行動を繰り返す要に恐怖を覚えた澪は憧れの先輩・神原に助けを求めるがーー。 身近にある名前を持たない悪意が増殖し、迫ってくる。一気読みエンタテインメント! 第一章 転校生 第二章 隣人 第三章 同僚 第四章 班長 最終章 家族 エピローグ
友人との付き合いで話題のVRMMO『Frontier World Online』を始めたダイキ。“プレイヤーの相棒であり家族になる”という言葉に惹かれ、数ある職業の中選んだのは不人気職ーー召喚士。そんなダイキの元へ現れたのは魔族の幼女!? ダリアと名付けられた彼女は常に腹ペコ・大食い・偏食だけど格上ボスを次々を倒す高ステータスっぷり! 彼女のため料理スキルを身につけたりと大忙しなダイキだが、わんぱくなダリアと旅する中で失われていた“大事な何か”を取り戻してゆくーーWEB人気作の『Frontier World』が完全リライトで登場!
「あなたのリュカですよ、ジジ。……開けていただけませんか? 一秒でも早く、あなたに触れたいのです」王都で魔術書店を営むジョージアナには、月に一度エッチな関係を持つだけの相手がいる。リュカという名の彼のことは、出世見込みのない宮廷魔術師であること以外、何も知らない。ちょっと甘えん坊なところのあるリュカとの限られた関係に、ちょっと寂しさを覚えていたある日、ジョージアナは彼の子を授かったことに気づく。それをきっかけに「養ってあげるから結婚しない?」と言ってみると「はい、喜んで」と二つ返事が! ところが「仕事を辞めてくる」とリュカが出て行って間もなく、ジョージアナは王太子に捕らえられ、地下牢に閉じ込められてしまうーー。罪名は『内乱罪』? え? どういうこと? なんと実は、リュカの正体は……。体の関係から始まる授かり婚ラブストーリー!
“サマーゴースト"という幽霊が現れるという。 夏、使われなくなった飛行場、花火をすると、彼女は姿を現すらしい。自殺した女性の幽霊なのではないかという噂だ。 ネットを通じて知り合った高校生、友也・あおい・涼。3人は“サマーゴースト"を探すために集まった。 3人は幽霊に聞いてみたかった。“死ぬって、どんな気持ちですか?"それを聞くべき理由が、3人にはあったのだーー。 10代からイラストレーターとして活動し、近年はアニメ、作詞、小説、漫画、と多彩なクリエイティビティを展開する俊英・loundraw。 その初監督の劇場アニメーションを、脚本を担当した乙一(安達寛高)手ずからノベライズ。 『花火と幽霊』をモチーフにした姉妹作のオリジナル小説『一ノ瀬ユウナが浮いている』も2021年11月26日に発売予定。