2021年10月発売
旅先で唯一の家族の父を失う悲運に見舞われたフレイヤ。今はニューヨークで憧れの仕事に就くことを夢見つつ、ケータリング会社でウエイトレスのアルバイトをしている。ある夜、豪華なボールルームで出会ったのは、威圧感を漂わせるシチリア富豪、ジョヴァンニ・カタラーノ。事故で家族を亡くしたうえ、自らも体に癒えぬ傷を抱えながら、ソフトウェア開発で莫大な富を築いたカリスマ的な人物だ。フレイヤは彼の魅力に囚われ、誘われるまま純な身を捧げた。まさか結婚までしてくれた彼が突然姿を消すとは思わずに。
きつい清掃の仕事をしながら大学進学を目指すロージーは、新しい派遣先でハンサムなギリシア人アレックスと出会った。初めて惹かれた男性に身も心も捧げ、幸せを感じたのも束の間、彼の子を身ごもったことが、その後のすべてを変えてしまう。妊娠を伝えに行くと、そこにいたアレックスーいや、本名アレクシウス・スタブローラキスは、大企業の経営者で、天涯孤独のロージーは、実はギリシア富豪の孫だと言いだした。そして飄々と告げたのだ。「結婚とひ孫の誕生を報せに行こう」アレックスは驚愕するロージーを連れて、一路アテネへー。
吉川元春に拾われ馬術を見出された少年・小六。 尼子再興を願う猛将・山中幸盛(鹿之助)。 ともに戦火で愛する人を失った二人の譲れぬ思いが、戦場でぶつかるーー! 第13回角川春樹小説賞 受賞作品!選考委員満場一致の感動歴史エンターテインメント! 堂々たる風格、それでいて清冽で瑞々しい表現。この新人の誕生を見逃すな!
命の重さの重要性を問いかけ、連鎖する“いじめ問題”に一石を投じる、青春ミステリ小説。 東京の進学校に通っていた、高校一年の成瀬航基は、母の再婚をきっかけに、ある田舎町に引っ越すことになった。 転入して間もない学校生活は順調に進んでいたが、そんな状況が一変し、突然いじめのターゲットになってしまう。 いじめは次第にエスカレートしていき、航基は身も心も耐えられなくなっていく。 不条理な目に遭うたびに心は削られ、誰にも相談できずに、我慢の限界を迎えた航基が出した結論は「死」。 地元で『ゴーストリバー』と呼ばれる河を自殺の場所に選ぶが、 その河でほとんど学校にも登校せず、真面目に授業も受けない、クラスメイトの月島咲真と出会う。 そんな咲真が航基に対し、「報復ゲームに参加しないか」という衝撃的な一言を放つーー。
200年後の世界に生まれ変わったフィセルは、再会した6人のエルフと新たな暮らしを始めた。 だが6人には、フィセルに明かせない秘密があるようだった。 7人の暮らしが始まって1年ほどたったある日、フィセルはグエン王子に呼び止められる。 グエンは、フィセルが生まれ変わるまでの200年間に起きた出来後を打ち明けた。 ショックを受けたフィセルに、グエンはある罠を仕掛ける……。 隠されていた恐るべき真実とは? そして、フィセルと6人のエルフに待ち受けていたものとは?
避けられない別れ、それでも僕は立ち止まらない ドワーフの国からヨソギ流の道場に戻ってきたエイサーとウィン。 新たな剣技を学んだり鍛冶を教えたりするうちに、ついに訪れたウィンの巣立ち、そしてカエハの寿命が尽きる時……。 ーー大きな別れを経験し、長命種ゆえの寂しさを初めてかみしめるエイサー。どこか遠くに行きたいと思ったとき、以前にカエハから聞いたヨソギ流の源流の地のことを思い出し、遥か東方を目指す旅を決意する。 その道中、精霊が見える少女や神術使いの少年、本物の仙人と出会い、図らずも大陸東方の大帝国が抱える、世界を揺るがす秘密へとたどり着く……! 今度は寄り道で波乱を巻き起こす!? 壮大なタイムスケールで贈る、ハイエルフファンタジー第三弾!!
「あ、ドワーフさんだ! やっほー! セフィだよー!」 目指すは、5,000年も仲の悪いドワーフの里!? 教国の騎士を倒し進化したユグは、新たな眷属のお姉さん(ヴァルキリー)を仲間に加え、ゴー君たちも進化させて戦力を強化する。 教国から逃れるため、地理的に最適なドワーフの里へ避難することにしたユグとセフィは、精霊とハイエルフの力でエルフの里をまるごと移す、壮大なお引っ越しを始めた。 だが、ドワーフの方は当然快く思うわけもなく、一触即発の状況に……。 一方、教国では炎神ファイア・メイカーがハイエルフの復活を知り、自らエルフの里を滅ぼすことに決める。 ついに戦いの幕が切って落とされた……! Web版から全面改稿!異色の植物転生ファンタジー激闘の第二幕!!
「お前、最近何もやってないよな。ぶっちゃけもういらないんだ」 仲間のため必死に腕を磨き、パーティメンバーが少しでも傷つけば一瞬で治療、 さらには皆が傷を負いにくいように防護魔法や能力強化魔法まで併用していた 天才治癒師ゼノス。だが、その貢献を認めない仲間たちにより、彼は理不尽に パーティから追放された。 失意のゼノスは街中で大怪我をしたエルフの奴隷少女リリと出会い、その命を 助けるがーー 「私、生きてる……? 絶対死んだと思ったのに」 「ははは、これくらいはかすり傷だろ」 「……すごいっ」 その出会いをきっかけに、ライセンスを持たない闇ヒーラーとして治療院を ひらくことになったゼノス。弱きを助け、強き者からは大金をせしめる凄腕 治癒師の噂は口コミで広がり、いつしか王宮にまで届くようになっていく! 一方、ゼノスが抜けたパーティは、優秀な治癒師が抜けたことで、満身創痍の 状態にあった。でも、今さら戻ってこいと言われても、気にいらない相手からは 高額の治療費を受け取るようにしたので……おたくら払えますか? 「小説家になろう」四半期総合ランキング第1位獲得を獲得した、大人気ファンタジーついに登場! ※「小説家になろう」は、株式会社ヒナプロジェクトの登録商標です。
「シュトライト君。明日から君の仕事はない」 「察しが悪いな。クビだと言っているんだ!」 賢者の学院で日々魔道具開発にいそしむ規格外の天才魔道具師ヴェルナー。 彼の作る魔道具は画期的なものばかりで、 学院は名声を高めに高め、資金面でも潤っていた。 --だが。 ある日突然、彼の才能を妬み、魔道具の利権に目がくらんだ 学院長たちによってヴェルナーは学院を追放されてしまった。 やむなく野に下り、一人楽しく研究を続けることにしたヴェルナー。 お金はこれまで充分貯めてきたし、魔道具のロイヤリティ収入もある。 マイペースに生きていくのになんの不安もなかった。 いっぽう、彼のいなくなった学院は、 誰も研究の成果を継ぐことができず、大変なことになっていた!! 質の悪い魔道具さえ期限までに納入できずに慌てふためく学部長たち。 呆れた王宮は優秀なヴェルナーを取り込もうと動き始め、 さらには暗黒教団まで彼の魔道具目当てに不穏な行動を見せ始めて……!? ドラゴンや弟子の少女たちと一緒に、安心安全、快適で目立たない 毎日を目指す、ヴェルナーのひきこもり研究ライフ、開幕!!
ついに「スキル覚醒」を果たし さらなる高みへと到達した最強賢者エルド。 先んじてスキル覚醒を達成していた 敵賢者をもライジス火山で葬り去る。 敵を撃破して帰還したエルドは 報酬として提示された物品の中から 誰も用途がわからない古代の遺物を発見する。 「これは使えそうだな」 エンチャントシャフトーー この世界では失われてしまった技術によるアーティファクトだった。 秘められた能力強化の真価を瞬時に見抜いたエルドだったが そのためには「付与の祭壇」での儀式が不可欠だった。 そして、その祭壇が現存するのはーー帝国領! 大胆不敵に敵地へと侵入していくエルドは 展開する帝国軍と対峙するーー! あらゆる敵を圧倒する最強賢者の力! 最高峰の知識と最強の知謀を有する賢者エルドは 帝国の本拠地でさえも無双するーー!!!
Sランクギルド【天与の原石】。 そこにはギルドメンバーを次から次へと追放する悪名高いギルドマスターがいたーーその名はアクト・エイジ! しかし、外部での悪評とは裏腹に、メンバーは既に気付いていた。 「追放」は一人前となったメンバーを追い出し、新天地で活躍させるための、不器用な愛情である事に。 「俺は自分の利益のためにしか動いていないのだがな……なぜ感謝されるんだろうか? 理解できん」 「アクト様はもう少し皆さんから愛されてることを理解したほうがいいと思いますよ」 今日もアクトは皆に恐れられ、愛されながら、才能の原石を拾い、育て、追放していくーー! 最強の悪徳(?)ギルドマスター譚、第2弾!!
松本市内の空き屋から男の撲殺死体が発見された。被害者は市内で洋品店を経営する麻倉光信。登山に行くと言い残して車で出かけたという。ほどなく塩尻峠の近くで麻倉の車が発見されたが、後部座席には女の絞殺死体が!?一方、松本市内で詐欺事件を起こして富山刑務所に服役していた桜田竹利は模範囚として出所を目前にしながら逃走した。キャンプ場などから食料や衣類を盗みながら、松本を目指しているような痕跡が…。松本・塩尻・白骨温泉で交差した殺意の行方は?道原伝吉の活躍を描く書下し長篇推理。
2001年『五年の梅』で山本周五郎賞、02年『生きる』で直木三十五賞、04年『武家用心集』で中山義秀文学賞、13年『脊梁山脈』で大佛次郎賞を受賞。1年年『『太陽は気を失う』で芸術選奨文部科学大臣賞、17年『ロゴスの市』で島清恋愛文学賞を受賞。 あらゆる賞を総なめにしてきた名手が描く美しい本! 戦後、浮浪児だった男が主人公。画家の養子となり、装幀家になる。多くの女性と出会い、別れ……。名手が紡ぐ「一人の男」 「死んだ伯父さんが言ってた。汚いものばかり見ていると目も汚れる。そんなときこそ、美しいものを探せって」神木が画家に出会ったときのその言葉が、彼の運命を変えた。 神木は忘れなかった。女性を愛し、芸術を愛しながら、浮浪児の孤独だけは忘れずにいたので、ときおり、自家中毒を起こした。 神木(こうのぎ)は、戦後、浮浪児から、画家だった養父に拾われ、「養子となった。芸大在学中、養父が死去。 全くの一人になった男が辿った道筋とは。出版社の装幀部に勤めていたが、その後、川崎にバーを経営。魅力的な女性と出会い、別れる。名手が書き下ろす一人の男の人生。 「変に優しいのよね。けっこう優しく裏切る」 彼は優しい男のまま別れようとしていた。人の人生までねじ曲げるような乱暴は好まなくなっていた。女は気を失うような刺激に飢えていたのだと思った。今の女には安堵の色が見えていた。 「私が男の人に真実を期待しすぎるのかしら、それとも男の人が私に真実を期待しないのかしら」ニューカレドニア生まれのマリエは神木の経営するバーに咲いた花だったが、とことん男を見る目がなかった。男に裏切られてきた女が見出したのは。 逗子に住む富豪夫人・漆原市子の画集装幀を依頼される。 「描いている間の自由を愉しみ、どうにか平常心を保ってきたのです。私の絵は窮屈な現実との闘いであり、逃避でもあります。ここが私の全世界」 「動機はなんであれ、突き進むのが芸術です」 戦争孤児で浮浪児だった神木は、軌跡的な出会いで、画家の養父に拾われた。浮浪児だった時、清潔な下着や靴下、自分たちを案じてくれる人の目、親の抱擁と言った温かいものに飢えていた神木は、美しいものにもそれに代わる力があるのに気づいて癒やされた。 終わりを感じる体と精神になって人生を見失い、もう一度性根を据えてなにかに懸けてみようと考えたとき、神木には美しい本をつくることしかできそうになかった。 「パリだけがフランスでないように、東京だけが日本でもない、人はその人に向いている土地というのがあるのかもしれない。そこに行き着くためにいろいろやって生きてきたような気さえする」 神木は美しい本を求め続ける。 「十年後に見ても美しいものが本物だろう、ここからが私の闘いで、愉しみなが身を削ることにもなる」
僕は黒柴犬で6歳、名前はノリちゃん。 生まれたのは長崎で、どうも本名は菊恵王、というエライ血統の犬らしいんだ。その僕がなんで人間の吉野家の家族になったって? 吉野家には、お父さんとお母さん、その子どものお兄ちゃんと小さいお兄ちゃんがいる。その小さいお兄ちゃんが末っ子で、どうしても弟が欲しくなって、お父さんに頼んで犬だけど弟分として僕がこの家の家族になったという訳さ。 さて、僕は犬だけど、吉野家の三男として育てられたからなのか、実は子どもの頃から人間の言葉が分かるんだ。 【僕はノリちゃんである】 1 2 3 4 5 6 7
町田そのこ 2021年本屋大賞受賞後第1作目は、すれ違う母と娘の物語。 小学1年の時の夏休み、母と二人で旅をした。 その後、私は、母に捨てられたーー。 ラジオ番組の賞金ほしさに、ある夏の思い出を投稿した千鶴。 それを聞いて連絡してきたのは、自分を捨てた母の「娘」だと名乗る恵真だった。 この後、母・聖子と再会し同居することになった千鶴だが、記憶と全く違う母の姿を見ることになってーー。
昭和一四年一二月、日独伊三国同盟の約定により英仏との戦争に突入した日本は、インド洋攻略に乗り出す。連合艦隊は激戦の末に英国戦艦隊を撃破するが、突然、作戦中止命令を受けてしまう。南シナ海において日米の軍事衝突が勃発したのだ。やがてアメリカも参戦、日本軍はフィリピンへの攻撃を開始した。 一方、ハワイを出撃した米艦隊はマーシャル諸島を足がかりにフィリピン救援を目指す。だが、日本最強の戦艦である長門、陸奥が先の海戦での損傷故に動かすことができない。四〇センチ砲戦艦コロラド級三隻を押し立てて決戦を迫る米太平洋艦隊に対し、主力を欠いた連合艦隊に打つ手はあるのか!? 世界のビッグ・セブン、残る三隻も登場 「コロラド」「メリーランド」「ウェストバージニア」出撃!
"ついにシリーズ最終巻。日本列島に未曾有の大混乱が起こる! 中国と激しい戦闘を繰り広げている尖閣諸島・魚釣島への水機団上陸作戦は、人民解放軍の奇策により失敗。多数の犠牲者が出たことを受け、日本では内閣が総辞職し、あの男が10年ぶりに総理の座に返り咲いた。新総理は早速、〈サイレント・コア〉を率いる土門康平陸将補に容赦なく発破をかける。また、茨城の百里基地では臨時飛行隊が組まれ、アメリカ全土からやってくる“イーグル2”を待ち受けていた。 その頃、成田空港にベトナム人技能実習生の一団が到着した。彼らの正体は、密命を帯びた人民解放軍の秘密部隊であったーー。"