小説むすび | 2021年10月発売

2021年10月発売

安藤昇と花形敬 安藤組外伝安藤昇と花形敬 安藤組外伝

出版社

青志社

発売日

2021年10月18日 発売

安藤組外伝 THE SHIBUYA WAR 圧倒的ノンフィクションノベル 書き下ろし作品 戦後の渋谷の街を命を賭し、剛力を持って疾走した二人の男の「血を暴力」 ふたりはヤクザになろうと思って生まれてきたわけではない。 ヤクザになりたいと思ったわけでもない。 祖国のために、一命を捧げる覚悟の若者が時代に翻弄され、人生に懐疑し、変節に激しく抵抗し、気がついたらヤクザになっていた。 安藤は花形の凶暴性のなかに葛藤と純粋性を見抜き、花形は安藤に殉じることで男気を貫いた。 解散後の安藤さんについては、よくしられているとおりだ。ひょんなことから映画俳優に転じ、五十本以上の映画に主演して一時代を画す。俳優を引退して以後は映画プロデューサーとして、あるいは文筆家として多くの作品をのこし、二〇一五年十二月十六日、八十九歳で波乱の人生を閉じた。 私は自身の執筆活動のほか、安藤さんと立ち上げた安藤昇事務所(九門社)の“秘書役”として二十数年をいっしょに過ごし、安藤さんの著作や映画制作、ビジネスコーディネートなどに携わってきた。そんなことから花形敬については、安藤さんの口から、あるいは事務所に遊びにみえる元安藤組組員の方々から断片的に耳にしていた。(略) すでに鬼籍に入った古参組員が、こんなことを言った。 「安藤は花形がいなくても安藤だが、花形は安藤がいてこその花形だ」 花形が安藤組でなく別の組にいたなら、ただの粗暴なヤクザではなかったか。戦後史に語り継がれる安藤組の大幹部であり、安藤の留守に劣勢となった組を背負い、殺傷され、そして「伝説」として昇華した。 前々から、ふたりの半生を同時進行形にして「安藤と花形」を書いてみたかったが、このたび安藤さんの七回忌を期に、鎮魂の意味をこめ、小説の形でペンをとった。 後書きより 第一章 花の雨 対極の人生 少年院 名門中学 「昇へ」母の手紙 花形敬、青春の発露 予科練 日本がヤバイ 特攻命令 第二章 遠雷 弱肉強食 無法の時代 渋谷のステゴロ 男を売る ヤクザ戦国時代 安藤グループの跳躍 自分の眼力を信じる 「殺せ! 耳も鼻も落とせ! 」 渋谷の厄ネタ 第三章 風花 朝鮮特需 覚悟を磨く 「俺は、あの人に呑まれている」 潮目の時 これがヤクザの力だ 人斬りジムとの死闘 第四章 時雨 人生の不条理 拉致 男は命乞いしてまで生きてはいけない 怯える力道山 下剋上 蟻が巨象に挑む 花形が心を許す男 三船敏郎と酒 花形敬、撃たれる 第五章 疾雷 孤高と孤独 「安藤を怒らせたらヤバイよ横井さん」 弾く! 安藤ブランドの沽券 渋谷から安藤が消えた 第六章 花の雲 喰うか、喰われるか 前橋刑務所 迷走 安藤組VS東声会 花形敬、時代の終わり 「敬は信念に殉じたのでは」 “赤い汗”を弔う 時は止まらず 後書き

かぞくの南京錠かぞくの南京錠

出版社

幻冬舎

発売日

2021年10月19日 発売

引き出しにしまわれたままの南京錠が、 過去への扉を開く。親子三代、100年の物語。 ーー1972年の夏、ボクとおじいちゃんは、「かぞく」を探す旅に出た。 商いの町・大阪を舞台にした100年にわたる金物卸商の事業承継。 「かぞく」愛あふれるファンタジー経済小説。 大阪船場の商人文化、戦後の沖縄復興、バブル経済の終焉……と 激動の近代日本を駆け抜けた、実在する老舗企業の歴史を映画脚本家が小説化。 大阪の老舗金物卸商の二代目社長であった父・松倉充太郎が亡くなった。 充太郎を見送るため、息子の三代目社長、将は告別式の喪主を務める。 葬儀当日、将は充太郎の引き出しから、ずしりと重い南京錠を見つける。 しまっていた理由を知る者は、いまとなっては将ひとりだ。 「長いこと隠しててすんません、充太郎さん」と、将は心のなかで父に詫び、 自身の胸ポケットに南京錠を収めると、ふいに将の心に遠い昔の記憶が蘇る……。 1972年、日本に沖縄が返還されたその年。 11歳の将は、小学校の担任に反発して不登校となり、 家業の金物卸商「マツ六」創業者である祖父・六郎の家に丁稚奉公することになる。 ある日、納戸の修繕をしていた六郎がよろけて頭を打った。 六郎は病院から帰ると、これまでの人生でやり残したことを清算するため、 突然旅に出ることを決意する。 心配した家族が六郎の旅のお伴に選んだのは、なぜか孫の将だった。こうして、これまで孫に向ける愛情を持たなかった老経営者と、 小学生の珍道中が始まる。 旅を通じてぎこちない二人の間に徐々に生まれる絆。 だが、祖父と将の父親には、経営者と跡継ぎとしての確執があった。 100年企業の祖父、父、子はぶつかり合いながらも会社とかぞくのために奮闘する。 果たして三人が見つけた会社とかぞくのカタチとは……。 商いの町・大阪に実在する建築金物卸商『マツ六株式会社』を舞台に繰り広げられる、 親子三世代の物語。 【目次】 プロローグ 第1章 戸車 第2章 げんこ 第3章 塩ビ管 第4章 マツ六の南京錠 エピローグ あとがき対談

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