2021年10月発売
不思議な力を手にし『第三の日本』を作るため、 歴史の大修正を行うべく昭和8年に時空転移した鳴神武人。 最新技術を導入し、昭和日本の軍備増強に取り掛かかる。 準備が整った日本海軍は対米戦に向け出撃するのだが、 満州里でソ連の動きが活発となり、北極作戦も同時に実行することに。 一方、ヨーロッパではヒトラーが英国上陸作戦を開始し、米軍は対応を余儀なくされる。 そのタイミングで東南アジアへ侵攻した日本海軍はマリアナ海域で米大艦隊と衝突するのであった。 各国で戦いが勃発し混沌とする世界。 はたして鳴神武人が目論む世界大戦略は、昭和日本を勝利へと導くのか!?
安藤組外伝 THE SHIBUYA WAR 圧倒的ノンフィクションノベル 書き下ろし作品 戦後の渋谷の街を命を賭し、剛力を持って疾走した二人の男の「血を暴力」 ふたりはヤクザになろうと思って生まれてきたわけではない。 ヤクザになりたいと思ったわけでもない。 祖国のために、一命を捧げる覚悟の若者が時代に翻弄され、人生に懐疑し、変節に激しく抵抗し、気がついたらヤクザになっていた。 安藤は花形の凶暴性のなかに葛藤と純粋性を見抜き、花形は安藤に殉じることで男気を貫いた。 解散後の安藤さんについては、よくしられているとおりだ。ひょんなことから映画俳優に転じ、五十本以上の映画に主演して一時代を画す。俳優を引退して以後は映画プロデューサーとして、あるいは文筆家として多くの作品をのこし、二〇一五年十二月十六日、八十九歳で波乱の人生を閉じた。 私は自身の執筆活動のほか、安藤さんと立ち上げた安藤昇事務所(九門社)の“秘書役”として二十数年をいっしょに過ごし、安藤さんの著作や映画制作、ビジネスコーディネートなどに携わってきた。そんなことから花形敬については、安藤さんの口から、あるいは事務所に遊びにみえる元安藤組組員の方々から断片的に耳にしていた。(略) すでに鬼籍に入った古参組員が、こんなことを言った。 「安藤は花形がいなくても安藤だが、花形は安藤がいてこその花形だ」 花形が安藤組でなく別の組にいたなら、ただの粗暴なヤクザではなかったか。戦後史に語り継がれる安藤組の大幹部であり、安藤の留守に劣勢となった組を背負い、殺傷され、そして「伝説」として昇華した。 前々から、ふたりの半生を同時進行形にして「安藤と花形」を書いてみたかったが、このたび安藤さんの七回忌を期に、鎮魂の意味をこめ、小説の形でペンをとった。 後書きより 第一章 花の雨 対極の人生 少年院 名門中学 「昇へ」母の手紙 花形敬、青春の発露 予科練 日本がヤバイ 特攻命令 第二章 遠雷 弱肉強食 無法の時代 渋谷のステゴロ 男を売る ヤクザ戦国時代 安藤グループの跳躍 自分の眼力を信じる 「殺せ! 耳も鼻も落とせ! 」 渋谷の厄ネタ 第三章 風花 朝鮮特需 覚悟を磨く 「俺は、あの人に呑まれている」 潮目の時 これがヤクザの力だ 人斬りジムとの死闘 第四章 時雨 人生の不条理 拉致 男は命乞いしてまで生きてはいけない 怯える力道山 下剋上 蟻が巨象に挑む 花形が心を許す男 三船敏郎と酒 花形敬、撃たれる 第五章 疾雷 孤高と孤独 「安藤を怒らせたらヤバイよ横井さん」 弾く! 安藤ブランドの沽券 渋谷から安藤が消えた 第六章 花の雲 喰うか、喰われるか 前橋刑務所 迷走 安藤組VS東声会 花形敬、時代の終わり 「敬は信念に殉じたのでは」 “赤い汗”を弔う 時は止まらず 後書き
行方不明の15歳の少女を追う女性バディ。一人は冴えない調査員、一人は凄腕だが曰く付き。二人の聞き込みで、少女の孤独が浮かび上がる。やがて彼女は衝撃の決断をくだすがーー。『キングコング・セオリー』著者による長篇小説。ルノードー賞受賞、20万部突破
故障のため安楽死の危機に瀕した競走馬"トゥデイ"と、下半身が壊れたまま廃棄が決まったヒューマノイド騎手"コリー"。社会の片隅で懸命に生きるさまざまな弱者たちに支援され、もう一度レースの表舞台に戻ってきた彼らの挑戦が、人々の心に奇跡を起こす!
引き出しにしまわれたままの南京錠が、 過去への扉を開く。親子三代、100年の物語。 ーー1972年の夏、ボクとおじいちゃんは、「かぞく」を探す旅に出た。 商いの町・大阪を舞台にした100年にわたる金物卸商の事業承継。 「かぞく」愛あふれるファンタジー経済小説。 大阪船場の商人文化、戦後の沖縄復興、バブル経済の終焉……と 激動の近代日本を駆け抜けた、実在する老舗企業の歴史を映画脚本家が小説化。 大阪の老舗金物卸商の二代目社長であった父・松倉充太郎が亡くなった。 充太郎を見送るため、息子の三代目社長、将は告別式の喪主を務める。 葬儀当日、将は充太郎の引き出しから、ずしりと重い南京錠を見つける。 しまっていた理由を知る者は、いまとなっては将ひとりだ。 「長いこと隠しててすんません、充太郎さん」と、将は心のなかで父に詫び、 自身の胸ポケットに南京錠を収めると、ふいに将の心に遠い昔の記憶が蘇る……。 1972年、日本に沖縄が返還されたその年。 11歳の将は、小学校の担任に反発して不登校となり、 家業の金物卸商「マツ六」創業者である祖父・六郎の家に丁稚奉公することになる。 ある日、納戸の修繕をしていた六郎がよろけて頭を打った。 六郎は病院から帰ると、これまでの人生でやり残したことを清算するため、 突然旅に出ることを決意する。 心配した家族が六郎の旅のお伴に選んだのは、なぜか孫の将だった。こうして、これまで孫に向ける愛情を持たなかった老経営者と、 小学生の珍道中が始まる。 旅を通じてぎこちない二人の間に徐々に生まれる絆。 だが、祖父と将の父親には、経営者と跡継ぎとしての確執があった。 100年企業の祖父、父、子はぶつかり合いながらも会社とかぞくのために奮闘する。 果たして三人が見つけた会社とかぞくのカタチとは……。 商いの町・大阪に実在する建築金物卸商『マツ六株式会社』を舞台に繰り広げられる、 親子三世代の物語。 【目次】 プロローグ 第1章 戸車 第2章 げんこ 第3章 塩ビ管 第4章 マツ六の南京錠 エピローグ あとがき対談
『夜の写本師』に連なる、本の魔法と復讐の物語。 本を愛する人のみが上陸を許される<久遠の島>、 そこでは世界中のあらゆる書物を読むことができる。 島で生まれた本の守り手たる氏族の兄弟が辿る、数奇な運命 <オーリエラントの魔道師>シリーズ最新作 〈久遠の島〉、そこは世界中のあらゆる書物を見ることができ、本を愛する人のみが入ることを許される楽園だ。あるとき、ひとりの魅力的な王子が島を訪れる。だが、その真の姿は目的のためなら手段を選ばない非道な人物だった。そして彼の野心が島に悲劇をもたらした。書物の護り手である氏族の兄弟がたどる数奇な運命。連合王国フォト、呪法の国マードラ、写本の都パドゥキアを舞台に描く〈オーリエラントの魔道師シリーズ〉最新作。
古来より 人魚の歌はひとの感情を動かし、 人魚の涙はあらゆる病を癒すという……。 人魚族。 それはあらゆる種の獣人たちが暮らすフェーネヴァルドの中でも神秘と謎に包まれた種族だった。 自称・ヒト族のコーレは、村を出てひとり旅に出ていた。目的はひとつ。生涯ゆいいつの恋愛をするため。 キャラバンで知り合った傭兵のラシッドは、少し乱暴ものだけど優しくて、人見知りだったコーレは彼の優しさに触れ……恋に落ちる。大好きなひととの日々はかけがえもなく楽しくて、楽しくて………離れがたいほどに楽しいばかり。 コーレは胸いっぱいの愛と、それ以上の切ない決意を胸に彼に抱かれその愛を一身に受けるのだけど……!? どんな身の上だって運命だって、愛があれば大丈夫! 切なさを大好きで包み込む人魚たちの恋模様! スイとガルリスの長編書き下ろしも収録!
「ガンチェが側にいてくれるだけで、私は強くあれる」 少年の体のまま成長できない病におかされた元皇太子エルンストは、国内最貧の領地メイセンを救うために、知恵で奮闘する。エルンストと出会い、己の生き方の全てを変えた戦闘種族の男ガンチェは、エルンストの命を奪おうと襲ってくる敵を迎え撃つ。 強い絆で結ばれた二人。ガンチェへの想いが募るたび、エルンストの胸を締め付けるのは、自分とガンチェとの寿命の差だった…。 そんな時、隣国がメイセンに侵略を開始し…! 光あふれる未来へーーWEB発BLの伝説的傑作が完結! 書き下ろしも収録。
ベンチャーズの衝撃で世界が変わった。四国の田舎町の高校生たちが繰り広げるロックと友情、淡い恋と笑いに満ちた永遠の青春・音楽小説。受賞作の2倍=800枚を完全収録!完全オリジナル版!
三人の従姉妹たちと暮らす「私」は、スカートをはいて通った小学校を卒業し、ぶかぶかの詰襟を着て中学校に通い始めた。みずからを「森の子ども」と呼ぶクラスメイトの少女と、ささやかな交流が始まるがー(「四月の岸辺」)。テロ事件を起こした教団を離れ、東京からひとり山梨の集落に移住した男は、子ども時代を「森の共同体」で過ごしたという青年と出会う。彼の眼はあまりに澄んでいたー(「導くひと」)。群像新人文学賞から現れた、揺らぐ時代の表現者。
その少女の歌を、聴いてはいけないー。神奈川県警少年捜査課の高尾が謎の高校生「オズヌ」と難事件に挑む!神奈川県内で薬物売買や売春などの少年犯罪が急増。一連の事件を洗い始めると、「ミサキ」と呼ばれるカリスマ的人気の女性ボーカルが浮かび上がってきた…!?
直木賞作家が5年間苦しみ抜いて到達した祈り。再生と救済の長篇小説。思春期から33歳になるまでの男同士の友情と成長、そして変わりゆく日々を生きる奇跡。まだ光は見えない。それでも僕たちは、夜明けを求めて歩き出す。どれだけ傷ついても、夜が深くても、必ず明日はやってくる。
稀代のカリスマは、なぜ首なし死体と化したのか。ミステリ界次世代の旗手が仕掛ける極上の頭脳戦、開幕。“奇跡”の限界集落で発見された惨殺体。その背後には、狂気のテロリストによる壮絶な陰謀が隠されていたーー。〈ドローン無差別攻撃〉のタイムリミットが迫るなか、集落の住人である陽菜子と〈死神〉の異名を持つエリート官僚・雨宮は、日本の存亡を賭けた不可能犯罪の謎に挑む。俊英が放つ、堂々たる本格ミステリ長編。
順風のときも希望を失ったときも“大人の童話”が道しるべになってくれる!仕事、人間関係、運を好転させる最強のメッセージ!
高知県を走る観光特急「志国土佐 時代の夜明けのものがたり」の、雑誌記者・三杉克郎が予約をキャンセルした座席で、陰陽道の達人・高見恵二が殺された。十津川警部らは三杉を疑う。二日後、茅ヶ崎で元首相夫人・伊東宏子が殺された。高見と宏子は『日本』である全てを守るため「検閲」をする組織「日本桜会」の理事だった。三杉は太平洋戦争末期、国際法規違反の命令で特攻出撃した三杉の祖父・克馬のことを調べていた。祖父の特攻機「白菊」は、卑劣な特攻命令で高知の空から沖縄の海に飛んでいったのだ。その真相を探る三杉に何者かの脅迫がー。十津川は歴史の真実と、連続殺人事件の謎をめぐり闘う!