2021年11月発売
自分を不器量だと思い込んでいる内気なマティーは、少女のころから父の共同経営者のジェームズに恋をしている。彼は“実業界の若き帝王”ともてはやされる男性だが、クリスマス目前、とつぜん美女との婚約破棄を発表し、マティーにプロポーズしたのだ。いったいなぜ…?拒めるはずもなく、マティーは愛する人の花嫁となった。だが初めての一夜で身ごもったとき、幸せは無残に砕かれた。夫の元婚約者に「彼は子どもなど望んでいない」と嘲笑され、マティーは身重の体で家を飛び出してしまうー。
病院で栄養士助手として働くシアドシアは、屋根裏部屋で愛猫と暮らしている。クリスマスも、唯一の身寄りである大おばと質素に祝うしかない。ある日、憂鬱な雑用をきっかけにハンサムなベンディンク教授と知り合った。彼は病院の重役で雲の上の人だ。かなわぬ恋と知りつつ、いつしか彼女は教授と過ごすイブを夢見ていた…(『聖夜の訪問者』)。クリスマスを前に、息子ジェイムズを連れて生家に戻ってきたベス。そこで思いがけず、かつて憧れていたカールと再会する。束の間の愛を分かち合ったあと、彼は私を捨て、異国の令嬢と婚約したはずなのに…なんて皮肉な巡り合わせ。彼女は運命の悪戯を呪い、心から神に祈った。ジェイムズが、彼の子だと悟られませんように(『恋人はツリーとともに』)。寒風の吹きつけるなか、マリアンは赤子を抱え、やっとのことで亡き夫の生まれ故郷にたどり着いた。ここへ来たのは、臨終の際に夫と交わした、この子を夫の養父ヘイウッドに託すという約束を果たすため。だが、ヘイウッドには冷酷な男という悪い噂があった。マリアンは心配になり、家政婦として雇ってほしいと申し出るが…(『旅路の果てに』)。世界に愛され惜しまれる三作家が遺した、英国のクリスマスを綴ったロマンス短篇集。
6年前に両親が亡くなってから、ベアトリスは夢をあきらめ、美しいけれどわがままな年下のきょうだいを必死に育ててきたー彼らからの、まるで使用人のような扱いに耐えながら。しかしある夜、妹にディナーの給仕をしているところを、富豪のエリオットにからかわれ、彼女はついに我慢の糸が切れてしまう。きょうだいの中で一人だけ美しくないのが、そんなに悪いこと?屈辱と恥ずかしさから、ベアトリスがたまらずキッチンに逃げこむと、追いかけてきたエリオットが、泣き顔まで醜いとあざけった。ところが彼は、怒るベアトリスを“かわいい君”と呼んで唇を奪い…。
ハンナはスペイン人実業家のセクシーで魅力的な夫ミゲルと一緒に、友人の家で開かれたディナーパーティに出かけた。そこでカミーユというフランスから来た妖艶な女性と知り合う。厄介を引き起こしそうな人ねー本能が、ハンナにそう告げた。ハンナとミゲルの結婚は、両家の事業のための便宜的なもの。だから、ミゲルとの生活がどれほど情熱に満ちあふれていても、ハンナは夫に愛されているという自信が持てずにいた。そして、日ごとに募る彼への想いを打ち明けて傷つくのが怖かった。気弱な心を懸命に隠し、社交界の華としてふるまうハンナだったが、それを嘲笑うかのようにカミーユはミゲルを奪うと宣言し…。
姉夫婦の旅行中、カッサンドラは甥と姪を世話することになった。子供たちはすぐになついてくれたが、ひとつ気になるのは、何かにつけて彼らが口にする、裏山の山小屋に住む“人食い鬼”の話だ。興味を引かれてそこへ様子を見に行ったカッサンドラは、目の悪い、ひどく無愛想な男性に冷たくあしらわれる。でも黒眼鏡をかけた彼は、鬼にしてはずいぶんハンサムだった。ベネディクトと名乗るその長身のオランダ人男性は、外科医の仕事に復帰するため、ここで視力の回復を待っているらしい。なぜか放っておけず、カッサンドラは彼の目となって読み物を読み、ケーキを焼いては彼を訪ねたーそれが、恋であることにも気づかずに。
松前家中の少年、春山伸輔は家名を復権させるべく、新政府の遊軍隊と合流。榎本軍への反乱活動を行っていた。一方、新撰組の土方歳三は、かつて近藤勇らと夢見た国盗りを、箱館政府によって実現させようとしていた。相反する二人の運命の出会いを圧倒的スケールで描く歴史小説の登場!
会社帰りに酒を飲み、電車に乗ったが知らない間に寝てしまった中野が目を覚ますと、そこは見覚えのない林の中だった。状況を把握できずにいる中野の目の前に可愛い子狸が現れ、思わず餌付けしたところ「テイムしますか?」というアナウンスが頭の中で突然響く。何もわからぬまま子狸を仲間にしたはいいが、次に現れたのは巨大な蛇で!?ある日突然植物が異常に育ち、生物が魔物化してしまった世界で、出会った動物を仲間にしつつ、レベル上げやら探索やらに勤しむ超絶マイペースな会社員によるテイム冒険譚。
ゲーム内のアンドロイドたち120人とともに戦国時代に飛ばされ、織田信長の家臣となった一馬。織田弾正忠家の尾張統一に大きな影響を与えた一馬の名はあっという間に戦国の世に知れわたり、いまや超有名人に。牧場や工業村、農場試験村を造ったり、病院や学校を開設したりと忙しく過ごす一馬だが、今度は織田家の人々とともに久遠船団で関東を目指すことにー!?「小説家になろう」の人気戦国SF作、第五弾登場!
ある日突然異世界に召喚され、不遇職『テイマー』になってしまった元ブラック企業の社畜・佐野ユージ。不遇職にもかかわらず、突然スライムを100匹以上もテイムし、さまざまな魔法を覚えて圧倒的スキルを身につけたユージは、森の精霊ドライアドや魔物の大発生した街を救い、神話級のドラゴンまで倒すことに成功。異世界最強の賢者に成り上がっていく。今回、最凶の無人島「イビルドミナス島」で大量発生した魔物を焼く尽くしたユージは、魔物が発生した原因ー人工の呪いの源を探しに出かけた先で人の言葉を解するレイスと出会い、彼女の求めに応じて『研究所』と呼ばれる謎の施設へ潜入を試みることにー!?「ユージーテイマー、ユージ?…人の姿をした、悪魔!!」「失格紋の最強賢者」とともにWアニメ化進行中!進行諸島×風花風花が贈る超人気シリーズ、第10弾!!
15歳の誕生日。それまで働いてきた治療師ギルドをクビになったルイン。治療師ギルドでは、楽な日々ではなかったけれどなんとか食べていくことはできていた。そんな最底辺の生活さえもなくしたルインだが、ある特別なスキルを有していたー。“プラントマスター”あらゆる植物を鑑定するレアなスキル。ルインはこのレアスキルを使って大逆転を目指して冒険の旅に出る。レアな薬草を売って生活費に!新種の植物で魔力を強化!これは明日を生きるために必死に戦う最強スキルを持った少年の大逆転劇!
海も森も。過去の記憶も未来の約束も。すべては繋がっている。夏至を境に、水の記憶を持つ17歳の大洋と、膝に種を宿す明里の日常が動き始める。塩の樹の伝説をめぐる不思議な物語。中学生から大人まで。
長男のエリックと結婚し義姉となったサラに激しく嫉妬して、日々の嫌がらせから最終的に殺人未遂まで犯して処刑されてしまった悪役令嬢のリディア。そんな、読んでいた小説の登場人物リディアになぜか転生してしまった主人公。最初は最悪な状況に絶望したが、転生したのは物語が始まる2年前。いまから対処すれば処刑エンドを回避できるはずと、エリックとの関係を修復し、犬猿の仲である次男カイザのフラグを折り、イケメン護衛騎士のイクスへの逆セクハラもやめ、毒殺される予定だった婚約者の毒殺を回避。これで安心かと思ったら、小説本来のヒロインがなんと同じ転生者だった!!
インドの神梵天に背中を押され、村娘スジャータにおかゆを供され、時空を行き交うブッダ。未来から竜もやって来る、予想不可能な旅の果てにある、人生の苦を乗り越えるヒントとは。-ブッダは見た、仏教の未来図を。そこで開かれる賑やかなパーティーを!
グローバリズムの断面を描き、秘史を暗示する寓話的小説。日本の奥の院に伝わる“本能寺の変”の核心もここに!現代を生きる人に贈る、抒情的な異色作…王子と里人を襲う運命は、この社会に暮らす私たちへの警鐘か?
いらっしゃいませ!ようこそ魔石屋アレキサンドライトへ!!!剣や杖などの装備に付ければ、様々な付与効果を発揮する“魔石”。その生成とメンテナンスを生業とする宝石師の少年アレクは勇者パーティを追い出され、相棒の宝石獣サンドラとともに、王都の一角でひっそりと魔石屋を開くことに。そして騎士や冒険者など、次々舞い込んでくるお客たちの問題を、アレクは魔石の力を駆使して解決していく。さらには魔導人形を拾ったりエルフの里のピンチを救ったり、トントン拍子に名を上げていくアレクと魔石屋だったが、一方で魔石を失った勇者パーティは窮地に陥ってしまう。そして王家とつながる大商人に目を付けられた魔石屋に卑劣な魔の手が迫りー?特別書き下ろしエピソード「竜血の姉妹」も収録で異世界お仕事ファンタジーが新装開店!!
帝都での事件を解決し、仲間とともにトルネラへと帰郷するアンジェリンとベルグリフ。陰謀と戦う冒険、父の過去を巡る長い旅は終わりを告げ、冒険者たちは穏やかな時間を過ごすのだった。なし崩し的に夫婦となったベルグリフとサティだが新婚だというのに熟年夫婦のように落ち着いた様子にもどかしい思いを抱いたパーシヴァルとカシム、そしてアンジェリンは春告祭で二人の結婚式を開き、盛大に祝おうと画策する。そして当日、突然始まった結婚式に驚くベルグリフとサティ。戸惑いつつも、ベルグリフはサティに改めて愛を誓うのだった。春告祭を終えると、アンジェリン達はオルフェンで冒険者活動を再開し一方トルネラでは日々の仕事に加え、ダンジョンへの備えや冒険者ギルドの設立など、にわかに忙しくなっていく。新鮮な希望に満ちた日常が始まったかのように思われたが、ある日アンジェリンが見た悪夢をきっかけに、なにかが起こるような、不穏な空気が近付いていた。冒険者になりたいと都に出ていった少女が、父に「ただいま」を言うまでのある親子の物語。