2021年2月25日発売
最小で最弱の情報機関(ヒトなし、カネなし、武器もなし!)公安調査庁に迷いこんだマンガ大好きオタク青年、国際諜報戦争で大金星!?諜報後進国に現れた突然変異種のインテリジェンス・オフィサー。本邦初の脱力系インテリジェンス小説。
私たちは、どこで間違ったのだろうーー? 転がるようにうつろう世界で。製薬業界で研究者として働く姉と、アクセサリー作家として活動する妹。二人は仕事で名声を得るも、いつしか道を踏み外していく。世間の非難を浴びた転落の末に、彼女たちの目に映る景色とは。政治、経済、感染症の拡大……移り変わりゆく社会の中で、もがきながら再生の道を探る姉妹の姿を描く、注目作家の新たなる代表作。
ひとりで街へ飲みに行くのは、誰もいない浜辺でゆっくりと海に入っていくのに似ている。ある夜、男はその飲み屋で働き始めた女と知り合った。親しくなった二人は、大阪を歩きながら互いの身の上を語り合う。ジャズのこと、街の風景、そして今はもういない人々-親密な会話から浮かび上がる、陰影に満ちた人生。街に生きる人々の語りが響き合う、哀感あふれる都市小説集。
「さみしかったよね。私たち、それぞれ」生きあぐねた兄の軌跡を辿る妹の旅ーー。恐れていたことがとうとう起こった。関空に向かうはずの飛行機に兄は乗らず、四半世紀を暮らしたウィーンで自死を選んだ。報せを受け、葬儀とさまざまな手続きのために渡墺した妹。彼女に寄り添う、兄の同僚、教会の女性たち、そして大使館の領事。居場所を探し、孤独を抱えながら生きたある生涯を鎮魂を込めて描きだす中篇小説。
なぜ彼は、工作員として日本に潜伏したのかーー ミステリの名手による新たな挑戦。圧巻のスケールの〈改変歴史冒険小説〉! ロシア沿海州に開拓農民として入植した小條夫妻の次男・登志矢は、鉄道工科学校で学び、念願の鉄道技能士となった。だが世界大戦のさなか帝国軍に徴兵されて前線へ送られ、激戦を生き延びる。そして復員すると、帝国には革命の嵐が吹き荒れ、やがて登志矢もいやおうなしに飲み込まれていく……。 日本人の両親のもとロシアで生まれ育った男がたどる数奇な運命。 悲嘆、憤怒、そして憎悪が、運命に翻弄された男を突き動かす!
あらゆる生物が樹海でしか生きられなくなった、とある未来の終末惑星。巨大生物にさらわれた少年スオウの目の前に、航空機に乗った謎の男が現れてー?あなたのココロの12歳が騒ぎ出す!?シーナSF最新作。
父の身体には、たくさんの銃弾が残した傷があるー。エドガー賞最優秀長編賞最終候補。みずみずしい感動を呼ぶ傑作ミステリー。12歳の少女ルーは、父とともに亡き母の故郷に移り住んだ。それまでは父とふたり、各地を転々としながら暮らしてきたが、娘に真っ当な暮らしをさせようと、父サミュエルは漁師として働くことを決めたのだ。しかし母方の祖母は父娘に会おうとしない。母はなぜ死んだのか。自分が生まれる前、両親はどんなふうに生きてきたのか。父の身体に刻まれた弾傷はどうしてできたのか。真相は彼女が考える以上に重く、その因縁が父娘に忍び寄りつつあった…。ティーンとしていじめや恋愛を経験して成長してゆくルーの物語と、サミュエルを撃った弾丸にまつわる過去の断章を交互に語り、緊迫のクライム・サスペンスと雄大なロード・ノヴェル、鮮烈な青春小説と美しい自然の物語を完璧に融合させ、全米各紙誌の絶賛を浴びた傑作。
刑事と人殺しに休日はない。警視庁刑事部捜査一課殺人犯捜査第十一係姫川班。事件がなければ休日も待機もシフトどおりに取れるのだが、そううまくはいかない。各署に立てられた特捜本部に入ることもあれば、人手が足りない所轄の応援に回ることもある。激務の中、事件に挑み続ける彼女の集中力と行動が、被疑者を特定し、読む者の感動を呼ぶ。だから。立ち止まるな、姫川玲子。警察小説数あれど、女性刑事の一番手は、彼女だ。さらなる深化を遂げる最新作!
犯人は、報復する者であり、破壊者です。かつて心臓移植を経験している南美希風と、その移植手術を執刀した医師の娘であるエリザベス・キッドリッジ。ふたりにとって縁の深い篤志家の安堂朱海の訃報が届いた。高齢で長く闘病していた彼女だったが、自殺あるいは他殺の疑いが浮上する。誰が、何のために?弔意のために安堂家を訪れた美希風たちは、奇妙な因習、複雑な人間関係、そして未解決のままの悲劇の存在を知るー。精緻にして過剰な論理的推理が辿りついた、驚くべき真相とは!?
「馬が凶暴になってるだけの問題じゃないの。馬インフルエンザが新しい、未知のタイプに変異している。つまり、種を超えて広がるかもしれない兆候があるってことなの」2024年、欧州での新型コロナ感染拡大を受け、夏季五輪は再び東京で開催されることになった。だが、日本馬術連盟の登録獣医師・一ノ瀬駿美が参加した五輪提供馬の審査会で、突然、複数の候補馬が馬インフルエンザの症状を示し始める。ウイルスの正体は過去に例を見ない「新型馬インフルエンザ」。感染した馬を凶暴にさせてしまう「狂騒型」だった。五輪は無事に開催できるのか、そして新型馬インフルエンザの先に現れる、もう一つの恐ろしいウイルスとはー。獣医師で大学教員の著者にしか描けない、理系ミステリーの新境地!第24回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作。
田中久兵衛吉政、筑後三十二万石の太守となった男。十六の歳に貧しい百姓から地元武将の小者となり、初めての禄は三石。しかし何が何でも出世をめざし、がむしゃらに戦う。運と度胸、さらに冷静さも併せ持ち、時に痛快に、時に歯を食いしばって、ついには大名へと出世していくー。圧倒的な迫力の戦闘場面と魅力溢れる人物描写。読む者を惹きつけてやまない、著者の円熟の境地をみせる歴史小説の傑作。
後輩、お隣さん、合コン相手ーー 三歩に訪れる色んな出会い 図書館勤務の20代女子・麦本三歩の あいかわらずだけどちょっと新しい日々 住野よるが贈る、心温まる日常小説シリーズ 待望の最新刊!
韓国で最も独創的な問題作を書く新鋭作家のベスト版短篇小説集 韓国文学の新しい可能性を担う作家として注目され続ける著者の、10年の軌跡を網羅した日本版オリジナル編集による短篇小説集。本邦初の書籍化。 パク・ソルメは1985年光州生まれの女性作家。福島第一原発事故が起きた際、大きなショックを受けたという。原発事故に触発され、韓国でいち早く創作した作家がパク・ソルメである。光州事件や女性殺人事件などが起きた〈場所〉とそこに流れる〈時間〉と自身との〈距離〉を慎重に推し量りながら、独創的で幻想的な物語を紡ぐ全8篇。全篇にわたり、移動しながら思索し、逡巡を重ねて「本当のこと」を凝視しようとする姿勢が貫かれ、ときおり実感に満ちた言葉が溢れ出る。描かれる若者たちは独特の浮遊感と実在感を放つ。 「そのとき俺が何て言ったか」:カラオケボックスを経営する「男」にとって、大事なことは「心をこめて歌わなければならない」という一点だ。女子高生のチュミが友達とカラオケボックスに入ると、友達は一生けんめい歌ったが、チュミはちゃんと歌わなかった。友達が水を買いに出た後、一人になったチュミのところに男がやってきて……。 「じゃあ、何を歌うんだ」:旅先のサンフランシスコで、在米韓国人のヘナが光州事件について発表する場に居合わせた「私」。そこでの話はまるでアイルランドの「血の日曜日」のように、疑問の余地がないように聞こえた。2年後に光州でヘナと再会し、金正煥の詩「五月哭」をヘナと一緒に人差し指で一行一行なぞりながら読む……。 「冬のまなざし」:釜山の古里原発で3年前に起きた事故に関するドキュメンタリーをK市の映画館で見た時のことを振り返る「私」。事故後の釜山の変化、監督や映画館で会った人との交流を、自身の微妙な違和感を交えながら回想する。 「もう死んでいる十二人の女たちと」:五人の女を強姦殺害したキム・サニは、交通事故で死んだ後、犯行手口の似た別の人物に殺された女たちが加わった計十二人に改めて殺された。「私」はソウルの乙支路入口駅にいる幼ななじみのホームレスのチョハンを通してそれを知るのだが……。
「津波で亡くなったお母さんたちにもう一度会いたければ、演劇の世界で会えばいい」楽しかった日常を一変させた東日本大震災の悲劇を前後して、親友同士の香と智子が、それぞれの学校生活と人間関係、または自己の確立と性への葛藤を通じ、大きく成長してゆく一年間のお話です。
商敵の資金源を断ち一攫千金!? 異世界に転移した元社畜営業マンのアキト。 鑑定魔法片手に、奴隷のノエルと憧れの快適スローライフを送るため、何かとしがらみの多いルテピア王国を抜け出そうと行動を開始する。 しかし、国境付近の森に差し掛かったところで突如、濃霧が発生。 道に迷ってしまう二人だったが、そこで運良くグレースという奴隷に遭遇する。 聞けば、彼女はノエルの幼なじみらしく!? グレースの案内により、何とか隣国エルフィン王国の街に到着したアキト。 安息の地を求めて旅を続けるには手持ちが心許ないと感じた彼は、さっそくいつものように“せどり”で稼ぐことに。 しかし、街でのせどりが上手くいかない。不審に思っていると、同じ手口で裏ギルドが街の商売を取り仕切っていると判明! アキトは鑑定魔法と営業術で利益を守ろうと画策するが……? さらに裏ギルドにはグレースも所属しておりーー。 異世界だろうが、鑑定魔法と営業術で超満喫!? アラサーの異世界サクセスストーリー、第2幕!
隣国に迫る戦火。 少年が託された使命はーー 家族の愛を知らぬまま命を落とし、異なる世界で新たな生を受けた少年ユーリ。 彼は騎士家の名家であるホウ家の跡取りとして入った騎士院で、王女のキャロルや魔女家の生まれであるミャロらとの交流を深めていた。 学業や訓練の傍ら、ホウ社での製紙業を成功させ、さらなる事業拡大を目論むユーリ。 全てが順風満帆かに見えたが、ユーリの目はやがて来たる祖国の亡びへと向いていた。 そして自分や大切な人々が生き残るための一手ーー“新大陸の発見”を目指し、ユーリは遠大な計画を推し進める。 そんな中、隣国であるキルヒナ王国に“もう一つの人類”であるクラ人の侵攻が迫っていた。 そしてユーリは女王から、隣国の戦争とキャロルに関わる一つの“厄介ごと”を頼まれることに……? のちに「魔王」と呼ばれる男は、緩やかに、しかし確実にその運命を辿りつつあったーー。 「小説家になろう」で話題の超本格戦記譚、戦火が忍び寄る第3幕!
未踏の領域への扉が開くーー ドリスコル公爵家の人間に憑依していた夢魔・グラズヘイムを打ち破ったテオドールたち。 異界大使としてデボニス大公とドリスコル公爵の関係を取り持って和解に至ったのちは、火精温泉にて英気を養うなど、穏やかな日々を過ごしていた。 ついで、バハルザードから恩賞として持ち帰ったオリハルコンでウロボロスの強化を試すテオドール。 仲間の協力を経て手に入れた新たなる力は、想像を絶するものでーー!? しかし休息も束の間、タームウィルズの迷宮に新たな区画が発生し、テオドールたちはその調査へ向かう。 そんな一行を迎え入れたのは、氷雪吹き荒れる極寒の森だった。 だが、新生したウロボロスを振るうテオドールに敵はない。 仲間との連携も上々。 こうして力を蓄えたテオドールたちは、満月の迷宮にある大回廊の更に奥へ。 テオドールさえ未知となる未踏の地で、凶獣たちが牙を剥くーー! 転生×魔法バトルファンタジー、第14弾!