2021年6月28日発売
「人間人間うるさいな」素行が悪うて、金借り倒して。しりぬぐいは全部親や。やってることは人間の屑や。屑以下や。土地と血縁に縛られしぶとくしたたかに生きる者たちの姿を浮き彫りにする表題作と、早熟な子供たちと隣家の謎の少女との性と生の目覚めを、圧倒的筆力で繊細に描き出す「青いポポの果実」を併録。
五十嵐凛、書店員6年目。アトピーの痒みにもやっかいな客にも負けず、今日も私は心を自動販売機にして働く。皮膚が自分自身だった。肌を見られたくない、でもこの苦しみを知ってもらうことは、自分を知ってもらうことだった。非正規雇用、学校のいじめ、カスタマーハラスメント、そして東日本大震災…。痒みに支配された女性書店員の生きづらい日常を圧倒的リアリティで描いた。第34回三島由紀夫賞候補作。
父の再婚で新しい母・瞳子さんと弟・晴彦と暮らすことになった、高校一年生のちぐさ。ある日、晴彦がブラジャーを着けているところに遭遇する。これはあれだ、保健とか、道徳の授業で習ったやつだ。「ちげーよ!ふつうにおしゃれでやってるんだよ!」変。理解できない。でも、私たち二人だけの関係を、きっと見つける!新時代を駆ける青春小説!第2回氷室冴子青春文学賞大賞受賞作!
これがどんな本かって?トールキン、ベケット、トウェイン、宮崎駿が世界の終わりに一緒に酒を呑みながら、最後の焚き火を囲んで語ってる、そんな話さ。フランスでイマジネール賞をケン・リュウ、ニール・ゲイマン、ケリー・リンク等に続き受賞、『モヒカン族の最後』と『百年の孤独』を『バトル・ロワイアル』な語りで創造したエストニア発エピックファンタジー大作!
魅惑のワンダーランドの完全ガイドブック。チェシャ猫、ハートの女王などの奇妙な住人の紳士録から、ヴィクトリア朝の魅力的な文化が支える舞台裏まで、おかしな世界の出自を探り、奇妙な論理を読み解く本格的アリス読本。
絵を描けなくなった画家が、探していたものとは何だったのか。旅の宿で出会った女性の存在を通して語る、漱石の芸術論、東洋思想、宗教哲学、文明論などを解説。人の世を作ったものは神でもなければ鬼でもない。矢張り向う三軒両隣りにちらちらする唯の人である。(『草枕』より) 人は一人では生きられない。他の人と関わり合うことによって存在しているのだ。 はしがき/序論/一、余の芸術論と仏教思想の章/二、漱石の風景描写の章/三、那美さんの章 /四、余と大徹和尚の章/五、余と那美さんの章/後序/あとがき
いつかこの世に『黒の書』が舞い降り、病を撒き散らす。だがそれに抗う『白の書』が世界を救う。--『イニシエの歌』より 『NieR Replicant ver.1.22474487139...』のノベライズ。 2017年に発表の長編、『NieR RepliCant Recollection(ゲシュタルト計画回想録)』を加筆修正した完全版! 2倍のボリュームにヴァージョンアップしてお届けする第1巻目です。
よって、この報告を以て、ゲシュタルト計画の最終段階への移行を開始する。以上。 『NieR Replicant ver.1.22474487139...』のノベライズ。 2017年に発表の長編、『NieR RepliCant Recollection(ゲシュタルト計画回想録)』を加筆修正した完全版! 2倍のボリュームにヴァージョンアップしてお届けする最終巻です。
皇子カダルには、幻影を操るスキルがある。しかしそれだけでは王位には遠く、継承順位も低いままだ。それでもよいと思い、幼馴染みメイドのイサーラと優雅に暮らしていたが、父王の急逝によって状況は一変。争う兄妹達を押さえ、王となる決意を固めた彼は、スキルの新たな能力を目覚めさせ…。
転生し、魔王討伐を果たしたアキノリは、平和になった世界を離れ、新たな異世界へとやって来た。勇者としてではなく、平穏な生活を求めてのことだったけれど、この世界は男女の価値観が逆転しており、精力旺盛な彼はモテモテになって…。
無情な現実に引き裂かれる男女の合間をドラマティックに物語る、本邦初訳の未完小説『過去への旅』。作者の生涯最後の日々に完成した、チェスをめぐる孤独と狂気の心理を克明に描く『チェス奇譚』。ツヴァイクの生涯を貫く〈内的自由〉の思想を映した二つの傑作中編。 過去への旅 チェス奇譚 シュテファン・ツヴァイク[1881–1942]年譜 解説 ツヴァイクの生涯と思想ーー精神の自由に殉じて
道は違えど、想いは重なると信じていたーー。 魏無羨が十代の頃、藍忘機と協力して妖獣を倒したことで二人の距離は少し縮まった。 しかし、それがきっかけで雲夢江氏は岐山温氏により壊滅に追い込まれてしまう。 襲撃から生き残ったものの、突然姿を消した魏無羨を捜し続ける藍忘機と江澄。 そして再会した時、彼は笛音と翳りを身に纏い鬼道を操るようになっていた。 その強大な力を恐れ持てはやす者たちに反して、 藍忘機だけが彼をまっすぐ見つめ、正道へ引き戻そうとする。 会えばいつも喧嘩別れになる二人だったが、何度突き放しても藍忘機は諦めずーー。