2021年7月発売
勇者パーティーを追い出され、大商会で新たな人生を歩み始めた、『万能職』の少年ロア。領主の依頼で城塞迷宮の調査をしていた彼は、グリフォンに攫われた兵士を奪還すべく、冒険者パーティー『望郷』と共に、迷宮の中心部へと侵入する。はじめは順調に攻略していたものの、魔道石像の出現を境に戦況は一変! なんとグリおじさんと双子の魔狼も、かつてないほど追い詰められてしまう!? そして、ロアはある決断を下すことになる……。危険な迷宮を巡る旅もついに終着点へ! 万能職、望郷、従魔たち。それぞれに運命の転換点が訪れるーー!
異世界の小国王子フィル・グレスハートとして転生した俺は、他国の学校に身分を隠して入学。そこでのんびり過ごすことにした。もうすぐ三国王立学校の交流会が開かれる。昨年の対抗戦選抜メンバーがステア王立学校を訪問すると聞き、俺も楽しみにしていたんだけどーー新行事に加えられた仮装パーティーも間近に迫り、いろんな準備で大忙し! そんな中、召喚獣のホタルにも協力要請が舞い込んだ。招待客の歓迎も兼ねて、毛玉猫たちのもふもふカフェを開くらしい。耳を飾る可愛いリボンやお花に、ホタル専用の豪華な椅子まで用意されていて……って、あれ、なんだかホタル、毛玉猫の神様みたいになってるよ? 普通の毛玉猫なんで、皆、祈るのはやめてください!
貴族三男坊として転生してきた僕、クロウ。不遇スキル「錬金術」持ちということで、辺境に飛ばされてきたんだけど、スローライフに憧れがあった僕としては好都合。前世の知識を活かしつつ、自由気ままな辺境ライフを楽しんでいます。--と言いたいところなんだけど、トラブル体質なのか、次から次へと厄介ごとが舞い込んでくる。Aランクの魔物に遭遇したり、オークの軍勢と大戦争をするはめになったり、果ては異世界最強の存在、ドラゴンに目を付けられることに!? 理想的なだらだら生活をするべく釣りができる湖まで造ったのに、辺境存続の危機だ! 何でもできる万能の錬金術よ、僕にこのピンチを切り抜ける力を与えてくれ!
勇者パーティを追放され冒険者になったケイン。楽しく平和な第二の人生をスタートさせた彼だったが、元天界の住民で、現魔族の四天王である天使長ハービアの下僕にされてしまい、その生活は一変する。王都に侵入した最恐の竜の討伐や、武を司る神とのエンドレスバトル──日増しに過激になるハービアの命令に、ケインは振り回されてばかり。さらに、魔王の軍門に下ったハービアに激怒した天界から凶暴な二人の神が送り込まれてきてしまう。ハービアの巻き添えをくらってケインも狙われ、大ピンチ! 進むも地獄、退くも地獄の局面を、彼は切り抜けられるのか──!? 「ざまぁ」なしで幸せを掴む大逆転ファンタジー、第2弾!
惑星アトランタに住む少女ラーラは、宇宙ヨットレース中に遭難。銀河辺境にはじき飛ばされた。救助を待つ間、近くにあった地球表面に降りて少年・少女と交流する。アトランタ星の科学力を使って自分を地球人であるかのように錯覚させながら、「外国人留学生」として日本の高校生活を体験した。淡い恋や友情を重ねたひと夏の貴重な経験を経て宇宙へと帰っていくラーラ。「あれ?ラーラっていたよね?何だったんだろう」一九七〇年代の社会状況描写とSFが交わるファンタジー。
2020年春、ひそやかに迫り来る新型コロナウイルスの脅威。変容する世界の中で、美術史研究者の真希は乳がんと診断される。病の意味を問い、乳房を失うことの意味を問いながら、真希は自らの生のあり方を見出していく……。 かつて受けた予言や、美術作品の「美」に翻弄されながらも、真摯に生と向き合う夫婦を描いた、著者渾身の一冊。
スラムで育ち、幼いころからスリで身を立てていたルゥとウォンビン。いつかこの生活から抜け出すことを願いつつも、生き延びるために汚れ仕事を避けることはできない。そんな二人を引き裂く出来事が起こる。養父母に引き取られ文化的な生活を手に入れたルゥにとって気がかりなのは、願ってもない別れ方をしたウォンビンのことだった。そして、偶然の邂逅からまたしても二人の運命が大きく動き始める。非力な二人がもがいた先に幸せはあるのかーー。『ピュア』で話題をさらった小野美由紀さんの書き下ろし小説。
小説家志望者に人気のメールマガジン「小説予備校メルマガ」に掲載された短編から、選りすぐりの10本をまとめたアンソロジーです!
武芸王杯大会で、伝説の再演をーー。 『古代文明の伝説にあるような便利で豊かな生活』を今世に取り戻すため、領地改革推進室にて文明の復旧を続けるアッシュ。 アジョル村にてトレント討伐の事後処理を終えたアッシュたち領地改革推進室の一行は、休暇も兼ねて温泉地があるスクナ子爵領へ。 そこで思いを伝えると意気込んでいたマイカは、先んじてアッシュから告白を受けてしまう。 『私はあなたのことが好きですがーーあなた以上に好きなものがあるんです』 振られてしまったマイカだったが、アッシュを絶対に振り向かせるべく、優勝すればどんな要望も聞き入れてもらえる武芸王杯大会へ参加することを決める。 かつて父親が優勝し、婚姻を果たして歴史に名を刻んだ大会。 一世一代の告白をするため、マイカは伝説の再演に挑むーー! 理想の暮らしを手にするため、世界に変革をもたらす少年の軌跡を紡いだ文明復旧譚、第五幕!
鬼族の親子とチートなお祭り開催します。 日出国で思念体であるベンネエとの剣術勝負に勝利したガリルの提案で、彼女をフリオ家の一員として新たに迎え入れることに。 そんなフリオ家に、鬼族のウーラから休戦協定によって職を失った下級魔族たちに関する相談が持ち込まれる。 それは、彼らが暴動を起こさないよう長としてまとめていたものの、新たな働き口を用意できずにいるというものだった。 フリオは彼らのため、農園での仕事をお願いすることに。 さらに、魔法によって彼らの住居があった山を丸ごと、農園の近くへと移転させていた! そして、そんな彼らの元々の文化であったお祭りを、新たな環境でも開催することにーー! 一方、金髪勇者たちは、闇商会の金庫番であるジャンデレナ、ヤンデレナの姉妹に目をつけられていた。 資金確保のための姉妹の謀略により、金髪勇者は理性を失ってしまいーー!? WEB発、チートだけどまったりな異世界ライフ、第12巻!
魔空士アミンと相棒の魔包少女<エーテルキャット>ミーリアは、魔力で動く戦闘機・魔空艇で大空を駆ける自由気ままな暮らしを楽しんでいた。ある日、荒くれものの空賊を次々と撃ち落す『赤い亡霊』の噂を聞きつけたアミンたちは、仲間の敵討ちのため赤い亡霊と一戦交え、壮絶な死闘の末相打ちに。すさまじい操縦を見せた艇から姿を現したのは、フードを被った謎の美少女。この出会いからアミンたちは世界の命運を握る争いに巻き込まれることにーー!
'魔王軍との戦いに勝利し世界を救った勇者 ユーリ・オウルガ。 魔王討伐後は長い眠りについていたユーリだったが、1年が経過した頃ついに目を覚ます。 しかしユーリはーー勇者として活動していた2年間の記憶を失ってしまっていた。 その異変に唯一気が付いたのは、勇者を異常なまでに敬愛する元勇者パーティーの美少女・リノン。 彼女は勇者を愛するあまり、ある歪んだ提案を“元勇者”に持ちかける……。 果たしてユーリは記憶を取り戻すことができるのか? 勇者×記憶喪失ファンタジー小説!!
★著者の到達点たる圧巻の傑作! 絵を学びたい一心で 明治の世にロシアへ 芸術と信仰の狭間でもがき 辿り着いた境地ーー 日本初のイコン画家、山下りん 激動の生涯を力強く描いた渾身の大作 【あらすじ】 「絵師になります」 明治5年、そう宣言して故郷の笠間(茨城県)を飛び出した山下りん。 画業への一途さゆえに、たびたび周囲の人々と衝突するりんだったが、 やがて己に西洋画の素質があることを知る。 工部美術学校に入学を果たし、 西洋画をさらに究めんとするりんは 導かれるように神田駿河台のロシヤ正教の教会を訪れ、 宣教師ニコライと出会うーー
ポーランドで育ち、早くから共産主義運動にコミットしたステインにとって、1936年8月のモスクワ粛清裁判は背筋の凍る衝撃だった。ソヴィエト権力の中枢にいたジノヴィエフやカーメネフがスターリンによって粛清されたのだ。 スペイン内戦が勃発したのはそんな時だ。「ファシズムと解放勢力の戦い……世界はふたつの陣営に分かれようとしている。古くて反動的な者はフランコ将軍側につき、夢と自由を担う者は、危機にあるスペイン共和国と隊列を組むだろう」。彼はスターリンに対する「疑念の叫びを戦場で叩きつぶすため」に、国際旅団の志願兵となった。 世界中から、理想を同じくする何千という若者が、聖なるオーラを漂わせて集結した。迎えたバルセロナ市民も熱狂した。若いオーウェルもヘミングウェイもいた。 しかし日を追うごとに、「国際旅団」がスターリン主義のプロパガンダにもってこいの神話にされたことが見えてくる。「私はベールをはぎとり、国際旅団をその現実の姿で描きだすつもりだ。……革命という語に託されたイメージは共産党の最悪のウソのひとつであり、類をみないほどの事実の歪曲であることをしめすためだ」。この回想記は、筆致を抑えて書かれた稀有な参戦記だ。ステインが属したユダヤ人部隊には武器も食糧も支給されず、肉弾戦を強いられた。部隊は壊滅し、彼自身は奇跡的に生還した。 はじめに 地図 1 スペインへの出発 2 モスクワ裁判 3 共産党幹部とのスペインに関する議論 4 パリ! ポーランド部隊に編入される 5 なんという驚きーーバルセロナ号にロシア人招待客 6 無政府主義者たちとの出会い 7 アルバセテーー国際旅団司令部 8 検閲の邪悪な役割、不吉な悪夢 9 国際旅団のユダヤ人 10 アルバセテの殺し屋 11 酒宴と乱痴気騒ぎ 12 ヴィクトル・アルテルがアルバセテに来る 13 危いところで抹殺を免れる 14 わが友、ヴィリニュスのレシェク・パサッキの死 15 ロシアの支援とは 16 スペイン共和国はフランコに対してどんな防衛手段をもっていたか? 17 博物館からきた鉄砲と大砲 18 血にまみれた五月の日々 19 ラ・パシオナリア、スペイン革命の母 20 ムルシアの病院に入院 21 ウッチの御者とブエノスアイレスの医師 22 看護師カルメン 23 二度目のバルセロナ 24 パリ近郊のスペイン病院 26 謎の将軍ゴメスとは何者か? 27 ボトヴィン中隊の壊滅 シグムント・ステインの一生(オデット・ステイン) あとがき(ジャン=ジャック・マリ) イディッシュ語原典への謝辞 仏訳者による謝辞 日本語訳者謝辞
没後40年、いまなお読者を魅了してやまない横溝正史の少年探偵物語を全7冊で贈るシリーズ第2弾に当たる本書には、おなじみの名探偵・金田一耕助が登場する3長篇と短篇2作を収録。 シャム双生児として生まれてきた兄弟をめぐる一族の愛憎劇と遺産相続争いが引き起こす連続殺人を描く表題作、ダイヤの入った黄金の小箱を狙って暗躍する仮面の怪人に金田一と少年が立ち向かう『仮面城』、奇術師姿の怪老人の予告通りに起きる児童連続消失事件の謎に少年探偵たちが挑む『金色の魔術師』--いずれも活劇的展開とミステリとしての意外性が横溢した傑作長篇3作に、短篇「灯台島の怪」「黄金の花びら」を収録。大人向けミステリの金田一耕助のイメージとはまたひと味違う存在感が魅力的な一冊。 今回も初刊時のテキストを使用、従来版でなされていた改変をオリジナルに復すとともに、刊行時の雰囲気を伝える挿絵を多数収録して完全復刻! 仮面城 金色の魔術師 迷宮の扉 灯台島の怪 黄金の花びら 巻末資料 『仮面城』(1952年版)まえがき 『金色の魔術師』(1952年版)まえがき 「横溝正史のジュヴナイルと金田一耕助」 山村正夫
人数合わせで参加した飲み会で、大学三年生の柚香は、人を惹き付けるクールな雰囲気を持った同い年の郁也に出会う。突然「お前の歌声、すげえ好き」と告白みたいな言葉をかけられ、音楽を通じて、交流がスタート。恐る恐るアップした好きなバンドのカバー動画。撮影後のふたりだけの打ち上げ。「付き合おう」もなしに始まった恋人関係。言葉足らずな彼からふと感じる愛情。やがてふたりは就職し、郁也からのプロポーズをきっかけに彼の転勤について行くことになる。この先の人生にはお互いがいることを信じて疑わなかったけれど…。-ずっと一緒にいられると信じていたのに、いつから違う未来を見ていたのだろう。報われなかった。でも、たしかに愛した。実話をもとにした四年間の恋人たちの物語。