2021年発売
自由のために生き抜いた革命的詩人像。フランス革命は彼とその仲間たちをどう衝き動かしたのか?本書は、現代と過去を自由に往き来し、やがて狂気の道を辿るこの魅力的な詩人の人生を描ききり、読書の喜びへと誘う。
過去からの光は背後から射すのだから、きっと背中を押すのだろう。…38年間共に生きてきた夫がある日突然倒れ、別れの日までの9か月間、ついに言葉をかわすこともかなわなかった体験から生まれた、5つの短編。
動物が大好きな7歳の女の子・れんとそんな妹が大好きな姉のミレイ。病気のせいで病室から出られないれんのため、姉妹で一緒にもふもふなモンスターがいっぱい登場する人気VRゲームで遊ぶことに。ドキドキわくわくしながらプレイを始める姉妹は、さっそく小さなウルフと遭遇。逃げ足が速くテイム不可能なレアモンスターらしいけどー無邪気に駆け出していったれんがあっさりとテイムに成功!実は敵意がなければどんなモンスターとも仲良くなれるこのゲーム。無自覚で敵意などないれんはエリアボスのウルフさんや伝説のドラゴンさんもテイムしてしまい!?さらに、れんが可愛くてたまらないミレイは妹を自慢するためにプレイ動画を配信。すると、見たこともないモンスターに囲まれる姉妹の様子が注目を浴び、一躍大人気チャンネルに…?テイムに配信に大活躍!?最強の姉妹が楽しむゆるもふゲームライフ、のんびりスタート!
前世の記憶を取り戻した“底辺職”テイマーのヴァリウス。邪神の一柱・朱雀の襲撃からメルケルスの街を護った彼は、その功績が認められ、国王から王都に招かれることに。そこで、強者だけが出場を許される「戦技大会」の出場権を意図せず獲得してしまったヴァリウスだが、テイマーの実力を広く民衆に示す絶好の機会だと意気込む。しかし、対戦相手は長らく出場停止になっていたルール無用の超危険人物で!?時を同じくして、ヴァリウスを排除すべく結託した残り三柱の復活が迫りつつあった。「玄武」、「青龍」、そして邪神最強と謳われる「白虎」。邪神たちから世界を護るため、ヴァリウスは新戦力を求めて未開の大陸へ旅立つがー出会ったのは自らを「ベヒーモス」と名乗るちょっと捻くれた魔物で…?全ての常識を覆す、もふもふ&チートなテイマー冒険譚!新たな従魔との出会いーそして、底辺職テイマーの真の力を示す第3幕!!
破滅への期限が悪意に暴かれる。 最悪の討伐者ーー魔王出現! 自宅の庭に出現したダンジョンに踏み入ったことで、「ダンジョン群発現象」の引き金を引いてしまった江副和彦。 彼は「魔物大氾濫」による世界滅亡を阻止すべく「株式会社ダンジョン・バスターズ」を設立し、仲間達と共に初のダンジョン討伐を成し遂げた。 そんなダンジョン・バスターズに、バチカン教国からカソリック教徒によるダンジョン討伐チーム「十字軍」の育成依頼が届く。 十字軍メンバーは個性的な若者揃いだったが、江副は厳しく鍛え上げていくのだった。 ダンジョン対策で日本が世界を牽引する一方で、ガメリカ合衆国は孤立を深め、大東亜人民共産国は反日政策を捨てる決断を下す。 世界が大きく変わっていく中、南米のベニスエラ共和国で魔物の大群による暴動が発生。 それを引き起こしたのは、もう一人の討伐者ーー「魔王ジョーカー」を名乗る男だった……! 圧倒的リアリティで贈るダンジョン攻略譚、世界に激震が走る第3巻!
不死者、新たな力を得る。 マルトの街を襲った吸血鬼を、ニヴやイザークたちと共闘し、見事事態を収めたレントたち。 眠りについたラウラの血を飲むことで《存在進化》したレントは、事件に巻き込まれ眷属となったリナとともに、さらに身体能力が上昇したことを確認していく。 そして、吸血鬼の代表的な特殊能力である《分化》をイザークから教わることに。 蝙蝠の姿となったイザークを参考に訓練を行う二人。 リナは猫の姿に。かたやレントは移動できない樹木の姿をとり始め……!? そしてマルトの街は、新たに発生した迷宮の調査をすべく《塔》や《学院》の人間が大挙して押し寄せ、にぎわいを見せはじめる。 レントもまた、冒険者組合長ウルフから専用の仕事を依頼されーー。 強大な魔物と戦い、多くの謎を解き、そして強くなる。 死してもなお遙かなる神銀級を目指す、不死者レントの『冒険』、第9弾ーー!
前世の記憶を取り戻した公爵令嬢のイリス。彼女は薬剤師だった自分が病気で短命に終わり、大好きな乙女ゲームの世界に転生したことに気づく。実は破滅フラグの多すぎるこのゲーム。悪役令嬢として断罪されたり、ヤンデレな攻略対象から命を狙われたり、疫病流行で財政の傾いた公爵家ごと滅びたりと、ロクな未来が待っていない!?でも、次こそ長生きしたいとイリスは行動開始!手始めに公爵家の経営改善を決めたイリスは、薬剤師の知識で目覚めた万能調薬スキルを使い、香り付きの石鹸を制作。評判が広まり、国内では石鹸ブームが起きるほどに!?さらに、使用人の持病を薬で治したり、領内の水質改善に取り組むイリス。領民の健康を第一に行動していただけなのに、意図せず攻略対象達の好感度も上がってーいつの間にかイリスを巡る恋のバトルが勃発し…?「私、ただ長生きしたいだけなのにー!?」前世薬師のチートな乙女ゲーム転生譚、開幕!
あなたの隣で、ずっと寄り添いたいーーーー 隣国・オルーヴァとの騒動も過ぎ、レンディア王国にも春の足音が聞こえ始めた。 そんな中、凄腕の魔道士であるユリウスと婚約し、共に穏やかな日々を過ごしていたライラは昔の友人と再会。 彼女の結婚生活の様子を聞き、夏に控えた結婚に向けて自身も花嫁修業をすることに。 世話係のヘルカと相談し、『非魔道士』の自分にできることを探す裏側で、ユリウスも花婿修業を始めており……? それぞれの修業が進む折、ある日隣国の小国・ミュレルの王女、シャルロットがレンディアへと遊学にやってきた。 その付添いを務めることになったユリウスとライラ。 魔道士至上主義のミュレルで育ったシャルロットだったが、魔道士と肩を並べて話す『非魔道士』のライラと交流を深め、彼女を認めるように。 だが、遅れてやってきたシャルロットの兄・トリスタンはそれが面白くないようで……?
婚約者からの独占欲、上昇中!? そして、アルノルトの抱える過去が明らかにーー。 ループ7回目の人生が始まり、皇太子アルノルトのもとへ嫁ぐことになったリーシェ。 コヨル国との技術提携の話も進み、二人の距離は縮まった。 そんな中、ある目的から聖王国ドマナの大神殿へ向かうことになったリーシェたち。 未来のアルノルトが焼き払う神殿には、侍女人生で仕えた幼き令嬢ミリアが訪れていた。 ミリアがリーシェだけに懐く中、司教は「アルノルト・ハインと結婚してはなりません」と意味深な警告をしてくる始末。 アルノルトも教団に敵意がある様子で……? 「『教団の人間は、妻に一切近寄ることのないように』と命じていたはずだが?」 一方リーシェは、アルノルトからお仕置きのキスをされそうになったり、悪妻の演技をしたりと大わらわ。 さらに、他人を呪う力があると自称するミリアの周囲で不穏な事件が巻き起こりーー。 そしてついに、謎多きアルノルトが抱える過去の一端が明らかに……!?
元・兄であるネイトと晴れて婚約したユフィ。彼の過保護で甘やかし体質は相変わらずで、悪魔なのにユフィと交わした契約を律儀に守ろうと、清く正しく美しい男を目指しているらしい。最強の騎士でありながら「清廉潔白な騎士のままで、ユフィとイチャイチャするためにはどうすればいい?」と斜め上に悩む姿にもときめいてしまう。そんな時、王都を騒がす魔物騒動が勃発。ネイトに憧れていたという悪魔が現れて!?
おんぼろ孤児院から名門公爵家に引き取られ、養女になったルーシー。しかし公爵家の一人息子ジュードに初対面で「義姉だなんて、絶対に認めない!!」と言われ、絶句! それもつかの間、「違う! 嫌だとか、仲良くしたくないとかじゃなくて……」耳を赤く染めて目をそらすジュードのいじらしさに、ルーシーのツンデレ萌えが覚醒!? 外では眉目秀麗で完璧な公爵令息なのに、ルーシーの前では素直になれないジュード。そんな彼を愛でる日々を送っていたが、成人を機にジュードの様子が変わり……? 「義姉だなんて認めないって、最初に言ったよね」これまでのツンはどこへやら、甘い視線を向けてくるジュード。ルーシーの快適ツンデレ萌えライフはどうなる!?
●カフカなど海外文学の影響を受けて、夢と現実、常識と非常識、正気と狂気、さらには生と死の境界を超越して人の世の不確実性を描き、そのあたらしさと実験性をもって、中国文壇で「先鋒派」と呼ばれた余華。ノーベル文学賞の候補として常にその名が挙げられている余華の長篇代表作。『雨に呼ぶ声』『活きる』『血を売る男』に続く長篇作品として四作目。中国では2005年に上巻、2006年に下巻が刊行され、たちまちのうちに話題沸騰、世界的ベストセラーとなった。日本では2008年に単行本、2010年に文庫本が、それぞれ「文革篇」「開放経済篇」として文藝春秋より刊行され、その後長く入手困難となっていた。「現代中国を知るための必読書」としてファンのあいだで伝説になっていた本書が、このたび、上下巻を一冊にまとめて復刊! ●(帯:コピー)したたかでたくましく、一途で愛おしく、下品で猥雑な、極上の物語 ●(帯:推薦文より)余華は予定調和をひっくり返していく。読者が泣けると期待した場面で怒らせ、笑った次の瞬間に慄然とさせ、下劣さに眉をひそめるエピソードの結末で感動の涙を流させるーー。(by篠田節子) ●(日本語版あとがきより)長い間ずっと、こんな作品を書きたいと考えていました。極端な悲劇と極端な喜劇が一緒くたになった作品を。なぜかといえば、この四十年あまり、我々の生活はまさに極端から極端に向かうものだったからです。(余華) ●(あとがきより)これは二つの時代が出会って生まれた小説である。前者は文革中の物語で、狂気じみた、本能が抑圧された痛ましい運命の時代。ヨーロッパにおける中世にあたる話である。後者は現在の物語で、倫理が覆され、こんにちのヨーロッパよりもはるかに極端な欲望のままに浮ついた、生きとし生けるものたちの時代の話である。西洋人が四百年かけて経験してきた天と地ほどの差のある二つの時代を、中国人はたった四十年で経験してしまった。四百年間の動揺と変化が四十年の中に濃縮された、非常に貴重な経験である。この二つの時代を結ぶ紐帯(ちゅうたい)はふたりの兄弟である。(余華) ●(解説より)『兄弟』は、並の作家なら、「国家と社会に翻弄されつつ、なおかつ失わぬ家族愛と絆」という浪花節にまとめるところを、竜巻のように上昇し暴走するストーリーと過剰な文章表現と登場人物の性格設定によって、土俗神話的な壮大な世界を作り上げた。一見通俗的な物語の底から、時代や体制を超えた人間の不変的で普遍的な真実を浮かび上がらせた傑作と言える。(by 篠田節子) ●(物語の概要)父親を亡くした李光頭(リー・グアントウ)と母親を亡くした宋鋼(ソン・ガン)が、片親同士の再婚によって義理の兄弟となったあと、それぞれの人生をどう歩んだかを描く物語。文革篇は兄弟の少年時代。地主出身という理由で父親は身柄を拘束され、母親は病気で入院し、わずか8〜9歳だった兄弟は、飢えに苦しみながらも助… 文革篇(一章〜二十六章) 開放経済篇(一章〜五十章) エピローグ あとがき(余 華)/日本語版あとがき(余 華)/訳者あとがき(泉 京鹿)/解説(篠田 節子)
山梨県北杜市の茅ヶ岳に一人で初めての登山に訪れた少女、沢井友香里は、山頂で「写真を撮ってくれませんか?」と、とある青年に声を掛けられる。その事がきっかけで山頂で食事を共にして、その後の下山も青年と一緒に楽しく行動を共にして登山を終えたのであった。その後も友香里は、茅ヶ岳で青年と一緒に過ごした登山の楽しいひと時を忘れられずに居たのだった。 そして1か月後、友香里は清流学園高校に入学をして1年1組のクラスとなった。早速、1組のクラスでは顔合わせで、担任の先生が生徒を呼名していく。すると、名前を呼ばれて顔を合わせた友香里は、先生が知った顔で有る事に気づく。先生も生徒が知った顔で有る事に気付いてお互いに驚きの声を上げるのだった。 そう、担任の先生は山岸良太と言って、茅ヶ岳で登山を共にした青年であったのだ。思いもよらぬ、生徒と先生との間柄と成って再会を果たしたのだった。 茅ヶ岳での事で登山に興味を持って居た友香里は山岸先生に、登山部を作りませんか!と告げて学園に登山部を立ち上げる決意をする。そして二人が発起人となり、部員を集めて登山部を立ち上げていくのであった。 風光明媚な清流学園を舞台に、登山を通じて成長していく教師と生徒達の青春学園ストーリーが始まる!!
最後の危険なアンソロジーがついに登場! 〈異邦の宇宙船が舞い降りた……何かが起こる、 誰も逃げられない……少年トミーだけは気づいていた〉 破滅SFの傑作として名高い表題作のほか、 日本を代表するSF翻訳家:伊藤典夫が独自の審美眼で精選した全8篇。 これにて〈未来の文学〉シリーズ完結。 アンソロジー〈未来の文学〉第三弾は、長年「自ら見いだして気に入った作品のみ」を翻訳してきた伊藤典夫が厖大な短篇群から厳選した真の傑作集。異星人による侵略を少年の視点から緻密かつ鮮烈に描いた、知られざる傑作として名高いドゾワの表題作のほか、 “世界第八の不思議”に出会った忘れがたき一夜をノスタルジックに語る名品、ファーマー「キング・コング墜ちてのち」、宇宙からもたらされた未知の文明をめぐる葛藤の物語、ジョーンズ「神々の贈り物」、〈神の高速道〉の秘密に挑んだ者たちが見た目眩くヴィジョン! 華麗な文体で彩られたハリスン「地を統べるもの」、宇宙船にひそむ謎の存在との対決がサスペンスフルに展開するナース「偽態」、心優しい異星人が“ショウほど素敵な商売はない”ことを発見する涙ぐましいコメディ、モレッシイ「最後のジェリー・フェイギン・ショウ」、2045年核時代の到来百年祭でアメリカが計画したイベントとは……オールディスの問題作「リトルボーイ再び」、核戦争を生きのびた人々を待ち受ける極寒の世界ーーヒューゴー賞受賞の名作、ポール「フェルミと冬」の全8篇を収録。 収録作品: アラン・E・ナース「偽態」 レイモンド・F・ジョーンズ「神々の贈り物」 ブライアン・オールディス「リトルボーイ再び」 フィリップ・ホセ・ファーマー「キング・コング堕ちてのち」 M・ジョン・ハリスン「地を統べるもの」 ジョン・モレッシイ「最後のジェリー・フェイギン・ショウ」 フレデリック・ポール「フェルミと冬」 ガードナー・R・ドゾワ「海の鎖」 収録作品: アラン・E・ナース「偽態」 レイモンド・F・ジョーンズ「神々の贈り物」 ブライアン・オールディス「リトルボーイ再び」 フィリップ・ホセ・ファーマー「キング・コング堕ちてのち」 M・ジョン・ハリスン「地を統べるもの」 ジョン・モレッシイ「最後のジェリー・フェイギン・ショウ」 フレデリック・ポール「フェルミと冬」 ガードナー・R・ドゾワ「海の鎖」
英国王室御用達、笑いの大巨匠、あのウッドハウスの新シリーズ登場!! P・G・ウッドハウスの未知の傑作小説を続々と紹介。第1回は、百万長者のうえに容姿端麗、気立てもバツグンだけど、ちょっとおまぬけな青年紳士ボドキン君が主人公。豪華客船を舞台に、ワニを飼うお騒がせの人気赤毛女優、問題の多い変人客室乗務員、へーゼル色の瞳の女子ホッケー選手などなど、いつもの奇人と怪人たちが船上狭しと大活躍。最上質爆笑保証付きの至高の名作、本邦初訳。
「人間人間うるさいな」素行が悪うて、金借り倒して。しりぬぐいは全部親や。やってることは人間の屑や。屑以下や。土地と血縁に縛られしぶとくしたたかに生きる者たちの姿を浮き彫りにする表題作と、早熟な子供たちと隣家の謎の少女との性と生の目覚めを、圧倒的筆力で繊細に描き出す「青いポポの果実」を併録。
五十嵐凛、書店員6年目。アトピーの痒みにもやっかいな客にも負けず、今日も私は心を自動販売機にして働く。皮膚が自分自身だった。肌を見られたくない、でもこの苦しみを知ってもらうことは、自分を知ってもらうことだった。非正規雇用、学校のいじめ、カスタマーハラスメント、そして東日本大震災…。痒みに支配された女性書店員の生きづらい日常を圧倒的リアリティで描いた。第34回三島由紀夫賞候補作。