2022年1月発売
リオは11歳で天涯孤独となり、牧場主のサムに引き取られた。その後も、酒癖の悪かった亡き父の醜聞を十字架のように背負い、人々に白い目を向けられるなか、サムだけは彼女の味方だった。なのに、その息子ケインはいつもリオを厄介者扱いした。彼女が密かに彼を愛していることなど気づきもせずに。今、唯一の理解者だったサムが病のため死を目前にしている。恩人との別れを考えるだけでリオは胸を締めつけられた。しかもケインが跡を継げば、わたしは追い出される運命…。そう覚悟したリオを、ケインはある晩抱きすくめ、唇を奪った。激しい情熱、そして不可解な怒りと、軽蔑を瞳に宿して。
忘れられなかった初恋の人に、 妻をあてがう立場となって再会しーー 結婚仲介人として生計を立てるアメリアは、 新しい顧客である美しい令嬢を連れて、舞踏会に出席した。 そこで彼女は独身主義者と悪名高いストーン公爵と再会する。 社交界デビューの年、アメリアは彼にひと目で惹かれたが、 ひどく冷たくあしらわれ、初恋は無様に砕け散ったのだった。 あの公爵も、ついに花嫁を探すことにしたということ? アメリアが顧客の令嬢を紹介すると、意外にも彼はとても優しく、 その紳士的な態度はお目付役のアメリアに対しても同様だった。 公爵は令嬢を気に入っているようだわ……。喜ぶべきことなのに、 なぜか彼と目が合うたび、その熱いまなざしに心がざわめきーー。 アメリアがストーン公爵に手ひどい失恋をしてから数年。再会時、公爵は彼女を覚えてすらいませんでした。顧客の幸せを願い、公爵との結婚を後押ししようとするアメリアですが、それが実現しそうになったとき、まだ自分が公爵を愛していることに気づくのです。
目の見えないあなたに、純潔を捧げた。 かつてあなたの許嫁でしたと言えぬまま。 エリザベスは夜会で魅力的なサー・リチャードに再会し、言葉を失った。 親に決められて、少女の頃から密かに憧れる彼の許嫁となったが、 16歳のとき、彼に愛されていないことを知って結婚を断ったのだ。 今、麗しい淑女に変身したエリザベスに、彼は目を奪われている。 けれど、彼女の心は喜びよりも、不安でいっぱいだった。 じつは1年前、軍人の看護をしていたとき、偶然彼と出会っていた。 傷ついて一時的に視力を失ったリチャードに素性を隠したまま尽くし、 救いを求める彼の腕を拒めず枕を交わしたのだったーー ああ、どうか今あなたの目の前にいる私が、 あの愚かな看護師“メアリー”だと、気づかないでください……。 引っ込み思案で冴えない少女だったエリザベスは、かつてリチャードが自分よりも美しい姉のほうに惹かれているのを知って傷つき、身を引いたのでした。それでも彼への愛は消えず、誰に知られることなく想いを遂げたはずが……まさか再会する運命だったとは!
身ごもった夜の出来事を、 すべて忘れてしまったなんて……。 考古学博士のエヴァは、一人旅の途中で事故に遭い、 目覚めたときには1週間分の記憶を失っていた。 そして2カ月後、自分が妊娠していることに気づいたーー 美しいドレスを着て舞踏会に出席した自分の写真以外、 小さな命を授かった一夜の手掛かりは何も残っていないというのに。 まったく自分らしくない行動とその結果に戸惑いながらも、 エヴァは子どもを独りで産み育てる決心をした。 そんなある日、エヴァが歴史ある子爵邸で発掘の指揮を執っていると、 実家に立ち寄ったというすばらしく魅惑的な男性ハリーが現れた。 彼はエヴァを見ると顔色を変え、傲慢ともいえる態度をとって……。 素知らぬ顔で挨拶したエヴァを、ただの尻軽女だったのだと軽蔑するハリー。しかし彼女が記憶を失い、さらには妊娠していると知り、なんとかして恋に落ちた夜の記憶を呼び覚まそうと試みますが……。せつなくもドラマチックなすれ違いロマンスをお楽しみください!
忘れたかった、哀しい片恋。 でも心は、忘れていなかった……。 「町の向こう側の子か。御用聞き用の出入り口を使うべきだ」 仕立ての仕事をする母の使いでメリック邸を訪れたマーゴの胸に、 密かに憧れていたジョーダンの言葉が突き刺さった。 裕福な家に生まれた彼と、そうでない自分ーー それを痛烈に意識させられ、17歳のマーゴの心は深く傷ついた。 注文の品を届けに来ただけなのに、こんなふうに言われるなんて……。 彼女の淡い恋はその日、無残に砕け散ったのだった。 ところが7年後、看護師となったマーゴに皮肉な運命が降りかかる。 以前よりはるかに魅力を増したジョーダン・メリックが、 彼女の働く病院に、上級外科医としてやってきたのだ! かつてジョーダンに純真な恋心を踏みにじられたマーゴは、いまだに痛む心の傷を隠すように、そっけない態度をとろうと努めます。けれどもジョーダンの補佐をするうち、有能な彼を尊敬し始め……。Y・ウィタルが描く、甘酸っぱくて切ないシンデレラ・ストーリー!
突然、家を訪ねてきたイタリア富豪を見て、マヤは凍りついた。サムエーレこそ、1年半前の雪の日にほんの一瞬会ったきり、彼女がずっと忘れられなかった男性だったからだ。彼はマヤを見るなり、金めあての女と決めつけてののしった。そして、赤ん坊はどこにいると迫ってきた。彼女はあわてた。とにかく、サムエーレにあの子は渡せない。そのとき子供の泣き声がして、彼が強引に家へ押し入ってきた。富豪はどうしても赤ん坊を自らの手で育てたいらしく、脅しにも屈しないマヤも一緒に自身の城へ連れ去ってしまう!
代理母のわたしが犯した過ちーー それはおなかの子の父親を愛したこと。 ともに児童養護施設で育った、病気療養中の親友に懇願され、 アイビーは卵子提供をして、代理母となった。 だが親友は急死、おなかの子だけが残された。 ドナーは無慈悲と噂される砂漠のシーク、ナジールだという。 悩んだ末、アイビーは身重の体で彼を訪ねることにする。 現れたのは、威厳に満ちたブロンズ色の肌の屈強な体格の男性。 なぜか子供に執着する彼に結婚を申し込まれ、驚くアイビー。 「イエスと言うまで、きみはここから生きて出られない」 おなかの子と生きのびるためには、彼に従うしかないの? 異国の地で初対面を果たしたおなかの子の父親は、カリスマ性あふれる傲慢な大富豪! 彼への畏怖の念はいつしか彼への恋心に変わって……。親の愛に恵まれず愛ある家庭を夢見てきたヒロインがたどる数奇な運命とは? 大人気の代理出産がテーマの逸作です!
いまいましいタキス・サマラス!リサはベッドで枕を叩いた。姉の結婚式で、リサは新婦の付添人、タキスは新郎の付添人で、初対面なのに強く惹かれ合った。少なくともリサはそう感じた。長身で逞しい彼は、ギリシアでホテルチェーンを率いる富豪。恋人は作らない主義と公言してはばからない彼は、リサがヴァージンだと告げると、信じず去っていった。そんなタキスのことなどきっぱり忘れたはずだったーある夜、チャリティパーティで再会するまでは。彼は鋼のようなグレーの瞳で見つめて言う。「君と最高の一夜を共にしたい」
たとえ悪い人でも、 生涯で、ただ一人愛する人。 嘘よ……サフランは信じられない思いでニコを見つめた。 ニコはサフランが生まれて初めて心惹かれた男性。 その彼があろうことか犯罪グループの一味で、 サフランを誘拐して人質にとったのだ。 誘拐犯の一味は凶暴だったが、ニコだけはなぜか優しかった。 死の恐怖に怯えるなか、サフランのニコへの想いは愛に変わる。 一味の一人に乱暴されそうになったとき、サフランは誓った。 このまま死ぬのはいや。愛する人にすべてを捧げたい……。 だがニコと結ばれた直後、彼はサフランを狙った銃弾に倒れーー。 ハーレクイン・マスターピース《特選ペニー・ジョーダン》。作家には珍しい、サスペンスタッチのロマンスをお贈りします。サフランが愛した誘拐犯ニコの正体とは? 彼は本当に犯罪者組織の一味なのでしょうか……? ページを繰る手が止まらない隠れた名作です。
アンナは実業家ニコスの完璧な秘書で、密かに彼を愛してもいた。二人は抜群のチームワークで事業を拡大していったが、それも、一夜の過ちからアンナが妊娠するまでのことだった。彼はアンナを辞めさせ、別の女性を秘書兼愛人に据えたのだ。たまりかねたアンナは彼の屋敷を飛び出し、故郷ロシアへ飛んだ。そして生まれた息子の存在。それだけが彼女の心の支えだった。だが、ニコスがそのまま母子をほうっておくはずもない。前触れもなく現れ、彼は言った。「息子を渡してもらおうか」一度は愛したニコスの冷たいまなざしに、アンナはおののきー。
街を守る警団に所属するヴィノグだが、その能力は誰にも認められず、雑用係が関の山だった。この世界では、生まれながらに持つ「スキル」は、誰にも変えることはできない。いつかは人々を救う仕事がしたいと願っているのに、ただ他人の服を脱がすだけの「脱衣」スキルでは、避けられこそすれ、感謝はされない。しかしそれが、ヴィノグの唯一の能力なのだ。希望があるとすれば、レベルアップによるアビリティの追加だが、元が「脱衣」ではそれも限界がある。ついにヴィノグは警団からもクビになり、荒くれ者が集うギルドで駆け出しの冒険者となった。しかしそこで、黒騎士イティアと出会ったことで、「脱衣」スキルは、思わぬ成長を遂げる。「強制」能力も加わり、イティアを悩ませていた呪いの防具を解呪することすらできたのだ。全身鎧を脱ぎ、美貌の剣士として活動することになったイティアとコンビを組んだヴィノグは、かつての夢でもあった人助けを自分の力で行い、充実した日々を送ることに!いつも寄り添ってくれた少女シプレスや、不思議な力を持つ魔女パルマも仲間に加わって、ヴィノグのパーティーは市民にも受け入れられていく。そしてなにより、美女たちは皆、ヴィノグのことを心から愛してくれていて…。
Sランクパーティーを“鑑定”と“治癒魔法”で支えてきたニグリス。彼のお陰でパーティーは維持できていたものの、その優れた力に気づかないメンバーから、ニグリスはある日いきなり「役立たず」と追放されてしまう。信頼していた仲間から追放され、絶望するニグリスだが、奴隷のエルフ・フェルスや雷使いのアリサと出会ったことで運命は大きく動きだして…!?「な、なんですかこの威力…っ!」ニグリスによって最大限スキルを引き出された彼女たちは、Sランクパーティーをも凌ぐ破竹の勢いで敵を無双していく。鑑定スキルで次々と有能な人材を仲間にしていくニグリスの活躍は、元のパーティーの耳にも届いていて…。今さら戻れと言われても、もう遅い!信頼できる新たな仲間とともに、世界最強を目指します!
誰もがひとつだけ与えられるユニークスキル。しかしゼノが授かったのは戦闘力0の外れスキル。ゼノはどのパーティーからも無能扱いされ、Fランクのぼっち冒険者として暮らしていた。いつものように1人でダンジョン攻略していたゼノは、ある日「進化の間」という部屋に入り込む。すると、彼のスキルはEXスキル“アイテム交換所”に進化して…!?魔剣や魔道具を手に入れることができるチート能力を駆使し、猛スピードでレベルアップを果たしていくゼノ。さらに、獣人の少女アリシアという初めて守るべき仲間も得た彼は、様々なダンジョンや強敵を乗り越えて最強へと駆け上がっていくー!最底辺からの“大逆転”を果たす大冒険ファンタジー、ここに開幕!
冒険者にもなれず、おっさん村人として平凡な人生を歩んでいたウード。ある日森で幼子・クレスを保護し、2人は本物の親子以上の絆を育んでいくが、成長したクレスには冒険者としてとんでもない才能があることが判明して…!?「娘を一人で危険な目に遭わせられるか!」冒険者を志すクレスを守るため、自身も再び冒険者を目指すことに決めたウード。すると、ある神獣との出会いでウードのテイマーとしての隠れた才能まで開花してゆきー。大切な娘のためならおっさんは誰よりも強くなれる!!親ばか炸裂の父×超絶有能な娘の最強親子が送る無双ファンタジー!
「精神と官能」「男と女」-色鮮やかな生の無限の混沌を、あふれる機知とイロニーでもって、めくるめくアラベスクへと織りあげたマニエリスム小説の傑作『ルツィンデ』のほか、文学と哲学、そして愛をめぐるフリードリヒ・シュレーゲルの初期批評3篇を収録。
優秀な魔術師を輩出してきたヘルメス家。 しかし、三男フレイだけが現代では不人気な氷属性にしか適正がないことがわかった。 ゆえにフレイは周囲からは蔑まれ、ヘルメス家を追放されてしまう。 「見返してやる……強くなってやる」 そう決意したフレイが出会ったのは一人の可憐な少女。 しかし彼女こそ、世界を救った7賢者の一人・氷の賢者アルセリアだった。 氷属性で世界最強の魔術師になるべくアルセリアを師匠と慕うフレイだが、やがてそれは恋心に変化。 ついにはプロポーズを!?
高咲侑の視点で描かれる、ときめきにあふれたニジガクの毎日!フォトエッセイシリーズ第4弾。あなたからみんなへみんなからあなたへ。虹色の想いがつながる!
日本一の夫婦漫才コンビとして圧倒的な人気を誇る「宮川大助・花子」。その相方であり妻でもある宮川花子が血液のがんでもある症候性多発性骨髄腫にで余命半年の宣告を受けた。その闘病の様子は、昨年末の記者会見まで闘病の事実を一切公表することはなかったが、CX系列「ザ・ノンフィクション」で2週に渡って放送され、死をも覚悟する病状の中にあって、前向きに闘病し、テレビ番組へ復帰する姿が大きな反響を呼んだ。本書では、病に気づいたときのことから、死をも覚悟した日々、闘病中に何を考えていたのか、大助さんの本音、花子さんの大助さんと芸への想いをあますことなく伝える。大助さんの愛情あふれる言葉、花子さんのシャープな金言の数々は、病気に悩む人はもちろんのこと、生きること、家族や仕事やお金など、コロナ禍の中で生きる意味を失いがちな私達日本人にとって、生き抜くためのバイブルとなる書だ。