2022年2月25日発売
人間関係にトラウマを持つアラサーニート・人間零。そんな俺が、山中にある自然豊かな学校に転職をして、のんびりとリハビリ教師生活を送ろうと思ったらーなんとそこは人外が人間になるための女子校だった!?人魚族の水月鏡花、人狼の尾々守一咲、ウサギの右左美彗、鳥の羽根田トバリ…そんな不思議な生徒たちと過ごす日々。何故人間になりたいのか、人間になって何をしたいのかー俺は彼女たちを通じて「人間」を学んでいく。これは、異世界ファンタジーでも、人生やり直し転生でもない。少し変わった学校で、人間を目指す人外女子たちと送る、ただの教師の物語だ。MF文庫Jの新文芸から、人ならざる女子たちによる学園ヒューマンドラマが今、幕を開ける!
この世界では“カミ”に優れた歌と踊りー『舞奏』を奉じれば、どんな願いでも叶うという。六原三言には叶えたい願いがなかった。類まれなる才能に恵まれ、それ故に孤独でもあったが、ただ“カミ”のために舞奏を極められればそれで良かった。しかし、皋所縁はその違和感を見逃さない。探偵を辞め、とある願いを叶えるため必死に舞奏に喰らいついてきた皋は、三言のような人間を理解できなかったー。斜線堂有紀が挑む「ライフワーク」であり壮大な伝奇ミステリ。謎を秘めた青年達の才能と業、願いをめぐる物語が幕を開ける。
現代にも人間に化け、何食わぬ顔で社会に紛れ込み生活している「あやかし」たちがいる。幼い頃からそんな者たちが見えるおかげで、恋も仕事も失敗だらけの福来てまり。お人好しの彼女は、たった今も署さに苦しむ雪女へ氷水をかけ、誤解から仕事をクビになりたてほやほやだ。だが、捨てる人あれば拾うあやかしあり。途方に暮れるてまりの前に、幼馴染みの天狐・九曜が現れる。「お前のご主人様を忘れるな」-九曜が営む結婚相談所「月下楼」に拾われて働くことになったてまりだが、そのお客様とは一風変わったあやかしたちばかりで…!?読んで心も幸せに。ご縁を呼び込む令和のあやかし婚礼ストーリー。
実家が没落。そのうえ婚約破棄!?どん底の伯爵令嬢シェリルは森で卵を拾って…。生まれてきたのは竜の赤ちゃん?刷り込みで私をママと思いこんでる!?竜騎士団に連れられて竜の育児係ですか!コワモテ騎士団長と、まるでパパとママ?赤ちゃん竜をお世話していたら…胸キュン展開に。
海洋研究所に勤めるイーサンと飼育員ノアのもとに、国際バイオ企業からある依頼が舞い込んだ。世界環境を救うかもしれない貴重なキャニスターを、シャチを訓練して海底から回収して欲しいという。セブンと名付けられた仔シャチは、愛情深く、他の動物とコミュニケーションできる能力があった。ここに来るまでにセブンは、遙か遠いロシアの海で従姉のエルと共に捕獲され、離れ離れにされていた。ある日、外海での訓練中、セブンは近づいてきたクジラからエルが苦境にあることを知らされ…。第34回小説すばる新人賞受賞作。
長篇小説を執筆中の作家ポール・オレロンは古い貸家に引越すが、忽ち創作は行き詰まり、作家は周囲に何者かの気配を感じ始める。邪悪なものの憑依と精神崩壊の過程を鬼気迫る筆致で描き、ブラックウッド、平井呈一らが絶賛した心理的幽霊譚の名作「手招く美女」。沈没寸前のガレオン船の前に霧の中から現れた謎の船の正体とは…超時間的な幻想譚「幻の船」。シチリアの富豪の娘が旅先のチュニスで英国青年と恋に落ち、同時に神秘的な人格の変容を経験する。エキゾティックな舞台に古代幻想が交錯する中篇「彩られた顔」。第一次大戦で顔貌を損傷した英国人がフランスの田舎の城館に隠棲するが、相次ぐ怪異現象と迷信深い土地の人々の視線に次第に追い詰められていく…陰鬱な雰囲気に満ちた「屋根裏のロープ」など全8篇と、作者がその怪奇小説観を披露したエッセーを収録。英国怪奇小説の黄金時代において、精緻な心理主義と怪異描写を追求し、斬新なアイデアで新しい地平を拓いたオリヴァー・オニオンズの怪奇小説傑作選。
六四五年、六月十二日。曇天の下、朝鮮三国が大王に貢物を献上する儀式に招かれた蘇我入鹿に凶刃が迫る。後にいうところの「乙巳の変」である。そして白村江の戦い、大友王子を討った「壬申の乱」へ。大化の改新に代表される激動の飛鳥時代、そこには現在の皇位継承問題に通じる命を懸けたドラマがあった。『日本書紀』『万葉集』をもとに紡ぐ長編歴史小説。
老舗宝飾ブランドのオーナー、ダニエルに見初められ、幸せの絶頂にあったミアは、一瞬ですべてを失った。彼に長年の婚約者がいることを知り、ショックで流産したのだ。だが泣き暮れている彼女に、医師は驚くべき事実を告げるー赤ん坊は双子で、一人だけは無事に育っていると。ダニエルには頼れない。独りで産もう。ミアはそう決めた。2年後。仕事で偶然、彼のブランドの商品を預かったミアは、宝石泥棒と間違われ、ダニエルの前に突きだされてしまう。「大事な娘が発熱して慌てていただけなのよ。娘の父親は…」
ジョセリンは父に言われるがまま、金の瞳の美貌のイタリア富豪チェンツォと結婚した。そして彼の所有するシチリアの古城で衝撃的な話を聞かされる。「きみと結婚したのは、きみの父親に仕返しするためだ」夫はわたしを手籠めにするつもり?だが城に着いたその日に、チェンツォは石段を踏み外して頭を打ち、記憶喪失に陥る。これは天の恵みよ。ジョセリンはいたずら心から彼に告げた。「チェンツォ、あなたはわたしが雇った“召使い”なの」かくして、彼女と大富豪の花婿との奇妙な結婚生活は始まった。
クラウディアは3歳で母を亡くし、16歳まで修道院で育った。21歳で過保護な父から逃れ、一人暮らしを始めた矢先、チーロ・トラパニと名乗る長身のセクシーな富豪が訪ねてきた。以前この家に住んでいたというチーロとはなぜか話がはずんだ。クラウディアは彼の虜になり、2カ月後、二人は結婚した。だが幸せな日々はあっけなく消え去る。彼がプロポーズしたのは私を愛しているからではなかった…。クラウディアは孤独と絶望のなか、家を出た。妊娠に気づいたのはその直後でー。
ポピーの初恋相手は、いとこのクリスだった。幼いころは、彼の兄ジェームズが大好きだったが、思春期になり、優しいクリスに淡い恋心を抱くようになると、それに気づいたジェームズは、ひどく冷たく、意地悪になった。大人になり、ポピーの初恋はクリスの結婚で無残に散った。ほどなくして上司でもあるジェームズの出張に同行したポピーは、あるささいなきっかけで、彼の腕に抱かれてしまう。思いがけず、クリスには感じたことのない情熱をかきたてられ、ポピーはみずからジェームズを求め、純潔を捧げた。その一夜で身ごもってしまうとは、思いもせずにー。
トスカーナのワイナリーを父親と切り盛りしていたマルシアは、元婚約者に資金を持ち逃げされ、絶望のどん底に突き落とされた。経営難に陥ったワイナリーを家屋敷ごと買い取り、引っ越してきた新オーナーは、アメリカの大富豪トレイス。マルシアは1年間、彼の下で働くことになった。ワイナリーの付属品として買われたも同然の状況だったが、自分のせいで家族が失業し、住む家を追われたという罪悪感から、マルシアは身を粉にして働き、夜はトレイスに料理もふるまった。しかしある夜、ふいに唇を奪われた瞬間、否応なく気づいてしまう。ひとつ屋根の下で暮らすには、彼は魅惑的すぎるということに。
看護師のクリスティはスペイン人の夫アレッサンドロと別居中。ハンサムで有能なドクターである彼を愛しているけれど、彼が仕事ばかりで家庭を顧みないことに耐えられず家を出たのだーまだ愛があるのなら、追いかけてきてくれると淡い期待を抱いて。しかし彼が現れるのを待つうち、一緒に連れてきた子供から家族全員で過ごしたいとせがまれ、やむなく家へ帰ることにした。みずから戻るのは本意ではなかったものの、夫との久々の再会に、クリスティは胸を高鳴らせた。だが、アレッサンドロは彼女の荷物を客用の寝室へ運ぶと、冷たく言い放った。「ここが、きみの部屋だ」
海軍で輝かしい戦果を残した後に負傷して帰郷した、第10代ライブンホール伯爵マックスは、世を儚んでいた。ある日、領地を馬で駆けていると、奇妙なものが目に入った。男物のズボンに包まれた尻がもぞもぞ動き、しきりに何かを掘っている。何やつ、盗賊か?鋭い声で呼び咎めると、男ははっと顔を上げた。眼鏡越しに見開いた大きな丸い目、麻のシャツの開いた胸元ー女か?「伯爵さま、どうか怒らないで。古代遺物を発掘したいだけなんです」エフィは近くに住む天涯孤独の若い女性で、歴史が好きなのだと言う。失せろと命じたが、彼女は夜中にこっそり領地に入ってきているようだ。女性が夜に一人では危険だ!マックスはつい手を差し伸べてしまいー。
質素を好む厳格な叔父に育てられ、その教えを忠実に守るアネリス。ある日、彼女にはセントジョン侯爵という後見人がいるとわかり、住み慣れた村からロンドンに出て、レディ教育を受けることになった。屋敷に着き、現れた侯爵を見て、アネリスは息をのんだ。村で偶然知り合って、ついに心を奪われた王党派の人。世にも美しい瞳のあの方が、わたしの後見人だったなんて!叔父によれば、贄沢を好む王党派は皆、悪魔ーサタンの弟子だという。そんな考えも、アネリスの恋心を消し去ることはできなかった。やがて魅惑的なレディに変身した彼女は華やかな宮廷生活に飛び込む。しかし国王たちの注目を引くも、愛する侯爵だけは彼女に厳しくて…。
あと5年。それがマリに残された時間だった。余命宣告を受けた彼女は賑やかなNYを離れ、いつかくる“その日”を待ちながら、独り静かに暮らしていた。そんな6月のある朝、身なりのよい紳士が気球に乗って現れた。彼の正体は、NYの大富豪実業家、アンガス・オニール。裏手の広大な土地を買ったという彼はマリの新しい隣人となり、惹かれ合った二人は一緒に過ごすときが多くなった。やがてマリはアンガスに求婚されるが、頑なに拒み続けるーみずからの儚い運命のことは言えないままで。
ジョディの父が、ギリシア名家の女性と再婚した。多感な少女は義理の兄となった御曹司ステリオスに憧れ続け、18歳のとき、ついに兄妹の一線を越え、純潔を捧げた。だがそれを知った家族はジョディだけを責め、勘当したのだ。4年後、ジョディはいとこの結婚式のために帰省する。ステリオスは彼女の存在が式をぶち壊しにすることを危ぶみ、自分の屋敷に閉じ込めようとするが、突然の嵐で一帯が停電。暗闇の中、二人はあの夜を再現するかのように体を重ねてしまう。逃げるようにギリシアを去った彼女のお腹には、新しい命がー。
1965年のブエノスアイレス郊外、命知らずの4人の若者たちが現金輸送車を襲撃するという無謀な計画を立てた。まんまと大金の“現ナマ”をせしめた強盗団は警察からの逃走をはかり、アパートの一室に立てこもる。籠城作戦のすえに彼らが取った行動とは…?幼年時代の思い出、娼婦たちとの出会い、獄中生活、セックスとドラッグへの耽溺など、強盗団のメンバーたちそれぞれの過去をフラッシュバックの手法で描き出し、“社会を震撼させた衝撃的事件”をフィクションの力で描き出した傑作。
気になっていた時枝くんと席が近くなって、学校へ行くのが楽しくなっていた紗弥。ある日、些細なきっかけで仲の良かったグループの関係が崩れてしまう。嫌われないように必死にふるまう紗弥だけど、SNSの裏アカに友だちの悪口を書きこんでいるという嘘の噂が広まって、みんなに疑われてしまう。さらにその噂を時枝くんにも知られ…。追い詰められた紗弥は「この世界から消えたい」と強く願った。-次の日、友だちも先生も、まるで紗弥と初めて会ったような態度。あの噂さえも消えていた。ふたたび仲良くなっても、一日たつと紗弥のことを忘れてしまう。紗弥を傷つけるものはなくなり、生きやすくなった。けれど…。「もう、忘れられるのはイヤ。私のこと、信じてほしい」そんな紗弥を、時枝くんだけは何度も思い出して、見つけてくれた。
希少なスキル“再生”を授かり最強パーティーに所属した青年・ロルフ。だが一度もスキルは発動せず「役立たず」と追放されてしまう。行き場を失ったロルフは、形見のボロボロの剣だけを仲間にごみを拾う日々を過ごすが、“破壊”スキル持ちのエルサと出会い能力が覚醒して…!?「こんなスキルが、この世界にあるなんてー」エルサの持つ全てを消し去る“破壊”スキルとロルフの持つ全てを創り直す“再生”スキル。一見相反する2人のスキルは予想外の反応を起こし、ロルフは真の力を解放することに成功する…!さびついた剣は“再生”と“破壊”を経てとんでも武器に進化し、2人はパーティーを遙かに凌駕する最強冒険者になっていて…!?ごみ拾いと追放されたぼっち冒険者が、最強への道を駆け上る成り上がりファンタジー、開幕。