小説むすび | 2022年4月27日発売

2022年4月27日発売

恋愛アンソロジー にがくてあまい恋愛アンソロジー にがくてあまい

チョコレートを巡る、“にがくてあまい”色とりどりの物語をお届けします。 創刊作品の声優・夏川椎菜『ぬけがら』が、紀伊国屋書店新宿本店で文庫売り上げ2週連続1位を獲得するなど話題を呼んだひよこ文庫が、待望の第二弾作品『恋愛アンソロジー にがくてあまい』を発売!  著者には、「ラブライブ!」シリーズ(矢澤にこ役)、「ウマ娘 プリティーダービー」(テイエムオペラオー役)などで知られる声優の徳井青空、ボカロPとして活動しながらさまざまなアーティストへの楽曲提供でも話題のミュージシャン・すりぃ、さらに2022年元旦に、待望の再始動を果たして勢いに乗る10人組アイドルグループGANG PARADEからユイ・ガ・ドクソンという個性豊かな3人が参加。さらに投稿サイトmonogatary.comでチョコレートをテーマにしたコラボコンテストの大賞受賞作2編も特別収録! ぜひおいしいチョコとご一緒にお楽しみください。 【ひよこ文庫とは?】 株式会社すばこ舎とソニー・ミュージックエンタテインメントによる新設小説レーベル。 さまざまな領域の表現者が、小説の分野にもその活躍のフィールドを広げることを優しく後押しし、ずっと手元に置いておきたい大切な一作を読者に届けていきます。 収録内容: 「恋のや」徳井青空 「トキメキ因数分解」すりぃ 「チョコレート・ブレイク」ユイ・ガ・ドクソン(GANG PARADE) 「配合率と缶コーヒー」青いてんとう虫 「オーダーメイド」胡麻和え

特等席とトマトと満月と特等席とトマトと満月と

出版社

幻冬舎

発売日

2022年4月27日 発売

結婚も出産も、売れてから? 「可愛いくなりたいじゃなくて、面白くなりたい欲って、何なのかな」 女芸人たちの切ないまでのリアルを描く、初めての長編小説。 20代なかばのムシナは“芸人としては”美人で背も高くスタイルも悪くない。そのことと、実家暮らしであることが、コンプレックスでもある。 ウケたい気持ちはあるけれど、それほど向上心もない。恋愛は女芸人には邪魔だとわかっていても、男性に求められると応えてしまう。結婚も出産もしたいけど、売れるまではできない、と思っている。ことさらヒエラルキーを強調する女芸人の先輩たちは、解散して結婚したり、B級タレントに転身したり。かと思うと、見た目にインパクトのある後輩芸人が、あっという間にムシナを抜いていく。「サイコメトリング」というオリジナルのネタを手にし、賞レースの3回戦に進んで手応えをおぼえるけれど、その上には行けない。でもなんとなくテレビに出るようになり、イケメン男優からこなをかけられたりして、底辺からは脱出したような気がするけれど、芸人をやめて結婚出産した先輩のことは、素直に祝福できない。 そんな「どっちつかず」なムシナと、ムシナを取り巻く“底辺”の芸人たちの、もどかしくも切ない日々を、残酷なまでの観察力で生々しく描く長編小説。

チベット幻想奇譚チベット幻想奇譚

チベットの現代作家たちが描く、 現実と非現実が交錯する物語 伝統的な口承文学や、仏教、民間信仰を背景としつつ、 いまチベットに住む人々の生活や世界観が描かれた物語は、 読む者を摩訶不思議な世界に誘うーー 時代も、現実と異界も、生と死も、人間/動物/妖怪・鬼・魔物・神の境界も超える、 13の短編を掲載した日本独自のアンソロジー   まえがき 三浦順子 1 まぼろしを見る 人殺し/ツェリン・ノルブ カタカタカタ/ツェラン・トンドゥプ 三代の夢/タクブンジャ 赤髪の怨霊/リクデン・ジャンツォ 解説 海老原志穂 2 異界/境界を超える 屍鬼物語・銃/ペマ・ツェテン 閻魔への訴え/エ・ニマ・ツェリン 犬になった男/エ・ニマ・ツェリン 羊のひとりごと/ランダ 一九八六年の雨合羽/ゴメ・ツェラン・タシ 解説 三浦順子 3 現実と非現実のあいだ 神降ろしは悪魔憑き/ツェラン・トンドゥプ 子猫の足跡/レーコル ごみ/ツェワン・ナムジャ 一脚鬼カント/ランダ 解説 星泉   おわりに 星泉

親密なる帝国親密なる帝国

日本と朝鮮、戦時下における文化「協力」 〈内鮮一体〉の掛け声のもと一度は手を取り合いながら、戦後には否認された数々の経験と記憶。忘れ去られたその歴史を掘り起こし、「協力vs抵抗」では捉えきれない朝鮮人作家たちの微細な情動に目を凝らす。日本と朝鮮半島に共有された植民地近代という複雑な体験がもたらす難問に挑み、ポストコロニアル研究に新たな光を当てる画期作。 「本書で論じられるのは、「韓国(朝鮮)と日本の近代史において親しく分有され、しかし否認されてきた植民地的過去と、アジア・太平洋地域において争われているその遺産の広範な意味」である。植民地末期に活躍した金史良(キムサリャン)、張赫宙(チャンヒョクチュ)、姜敬愛(カンギョンエ)ら植民地朝鮮出身作家とその作品は、日本帝国の崩壊後、日本では忘却もしくは周縁化され、韓国と北朝鮮では対日協力と抵抗の二分法的論理に基づいて分類・評価されてきた。クォンは、これらの作品がーー植民地期からポストコロニアル期にかけてーー生産/翻訳/消費されるプロセスを徹底して追跡することによって、記憶の抹消や固定的な二分法を乗り越え、コロニアルな近代経験が孕む難問(コナンドラム)を明るみに出していく。」(訳者あとがきより) 日本語版への序文 謝辞 第1章 植民地近代性(コロニアル・モダニティ)と表象の難問(コナンドラム) 第2章 朝鮮文学を翻訳する 転換期と危機 朝鮮文学とは何か 植民地文学、国民文学、世界文学を議論する 朝鮮文学の歴史を構築する 第3章 マイナー・ライター 言語的な故郷喪失 一九四〇年の芥川賞 植民化された私小説 純文学の驕り 第4章 光の中に 手紙の交換 「光の中に」 非家庭的な家庭 解体する形式 未決の結末 第5章 コロニアル・アブジェクト (自己)反省的なパロディ 植民地のモダンボーイ(モー鮮人) 植民地のモダンガール 討論:国民文学の再構築 第6章 コロニアル・キッチュを演じる 〈春香伝〉の語り直し 植民地ノスタルジアと帝国ノスタルジアのはざまで 民族的伝統としての春香物語(「春香伝」) コロニアル・キッチュとしての「春香伝」 村山知義と張赫宙 「朝鮮らしさ」の翻訳 植民地の言語と翻訳(不)可能性 植民地朝鮮での座談会 「帰郷」という問題 第7章 トランスコロニアルな座談会を盗み聞きする 日本における座談会の登場 座談会を盗み聞きする 座談会「朝鮮文化の将来」 コロニアルな他者を検閲する 第8章 地方への転回 植民地から地方へ 帝国のはざまの朝鮮  帝国のマスメディアと循環する地方 植民地コレクション 第9章 満洲の記憶を忘却する 植民地の真相のパラドックス 阿片の密売 コロニアル・リアリズムのポストコロニアル体制 第10章 ポストコロニアリティの逆説 ポストコロニアル・ノスタルジア 帝国の三角関係 帝国を否認する アジアにおけるポストコロニアリティはいつなのか 冷戦とポスト冷戦のパラドクス べつの手段による帝国 訳者あとがき 人名索引

孤高の富豪と花摘み娘孤高の富豪と花摘み娘

夢の一夜を過ごした2カ月後、彼女は泣いた。 彼の正体と双子の妊娠が判明したことで。 ロザンナは、両親が内装を手がけたビルの開業記念パーティで、 ブロンズ色の肌の警備員らしきスーツ姿の男性と恋におちた。 黒いブラウスとスカート姿のせいで給仕係と勘違いされても、 構わなかった。いつも体のラインを隠す服を両親に着せられ、 恋に臆病な彼女だったが、彼に純潔を捧げて幸せだった。 夜闇が背骨の曲がる病も手術痕も隠してくれたから……。 そして互いに名も知らぬまま別れた2カ月後の、偶然の再会ーー 彼こそあのビルのオーナー、実業家のレオ・キャッスルだった! 衝撃のあまり倒れたロザンナは、彼の手で病院に運ばれた。 「ご懐妊、おめでとうございます。しかも双子です」 医師の診断に呆然とする彼女に、結婚を申し込むレオ。愛のない結婚でも、彼と一緒になりたいーー私の背中の醜い傷にキスしてくれた人だから。それでも本当の愛がほしいロザンナはためらい……。

ひとりぼっちの壁の花ひとりぼっちの壁の花

男性が怖い。肌を重ねずにすむならと 受け入れた婚約だったけれど……。 時は1813年。“壁の花”“氷のレディ”と陰口をたたかれている 伯爵の娘レジーナは、許婚との結婚式に臨もうとしていた。 男性恐怖症に悩まされる彼女が、親の決めたこの婚約を受け入れたのは、 当面は形だけの結婚で床入りの必要はないと許婚に言われたからだ。 ところが式の当日、祭壇の前に許婚は姿を現さなかった。 置き去りにされた花嫁として世間の白い目に耐える覚悟をしかけたとき、 彼女の前に現れたのは、ハンサムなキャムフォード子爵ダルトンーー 7年前に一度だけ会ったことがある、許婚の親友だった。 彼は驚きざわめく参列者たちを尻目にレジーナを連れ出すと、言った。 「私と結婚してほしい。でも、君を誘惑しないという約束はできない」 端整な顔立ちで頼りがいのある子爵と、かつては天真爛漫だったのに今は壁の花と化した伯爵令嬢の切なくも美しい恋物語。開くことをやめてしまったつぼみのようなヒロインの心を、子爵はどう溶かすのでしょうか? 日本デビュー作『領主様の家庭教師』の関連作。

道化師は恋の語りべ道化師は恋の語りべ

“下っ端の少年”に扮した娘は、 切ない恋心までは隠しきれなくて……。 荘園の娘エリザベスは独り、必死に宮廷を目指していた。 父の急死につけこんで結婚を迫る不気味な婚約者から逃れるには、 名付け親である女王陛下に助けを求めるしかないのだ。 その途中、彼女は宮廷道化師のタールトンと巡りあった。 まさに水も滴るいい男といった風情の彼は、美しい歌声に、 陽気な性格、そして鋭い頭脳を持つ魅力あふれる人物だった。 心細かったエリザベスが思わず宮廷までの護衛を頼むと、 彼は追っ手の目をくらますため、弟子になりすますよう彼女に提案した。 戸惑うエリザベスだったが、美しい金髪を切り捨て、少年を装ったーー 厳しくも優しいタールトンを、愛してしまうことになるとも知らず。 男性的、そして人間的魅力を放つヒーローが印象深い伝説的名作! いかにも世事に通じた不埒者の雰囲気を醸すヒーローに対し、慣れない男装から始まり、初めてづくしの旅路に健気に耐えるヒロイン。読みどころ満載の本作は、最後の最後まで飽きさせない展開です。

伯爵の花嫁伯爵の花嫁

2年ぶりに再会した夫は、まだ知らない。 あのとき失ったはずの子が生まれたことを。 イギリスの田舎で小さな花屋を営むジェマイマは、ある日、 見覚えのある高級車が店の前に止まっているのに気づいて青ざめた。 別居中の夫、アレハンドロ──ついに彼がやってきた! 伯爵の彼とは出逢ったとたん恋に落ちて結婚し、 スペインの城へと移り住んだものの、彼の情熱は日ごと失われた。 不運な流産を機に、アレハンドロのベッドからも追い払われ、 2年前、ジェマイマは泣く泣く家を出たのだった。 警戒心をあらわにする彼女に、アレハンドロが傲慢に言い放った。 「僕を裏切った女と離婚するために来た」 皮肉ね。あのとき失ったはずの子がじつは生まれたというのに……。 愛し合って結婚したけれど、ボタンの掛け違いで遠い存在になってしまった二人。アレハンドロと思いがけず再会し、もう黙ってはいられないと、ジェマイマは子どもが生まれたことを告げます。しかし夫は我が子と信じてはくれず、彼女は屈辱を味わうのでした……。

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