2022年発売
鮎のように悔いなく生きろ。すべてを焼き尽くした空襲、福井地震、大水害…。愛子18歳。未曾有の惨禍を乗り越え、今を懸命に生きる女鮎漁師の物語が現代という時代に熱く語りかける。第11回新田次郎文学賞作品、待望の復刊。
もうすべては終わるのに、きみの体はあたたかい……小さな小さなミジンコほどの劇団で、体を売りながら芝居に打ち込む少女。孤独を抱え、壊れていく仲間たちに打ちのめされながら。私たちは、どうすればよかったのだろう。壊れ、崩れていく関係を、それでも、必死で、繋ぎとめようとしていた──歯ぎしりしをながら。たよりなくも、いじらしい、儚い祈りの青春群像。 自伝的小説処女作『臆病な僕らは幸福を病んで』姉妹編。 ガラクタの居場所 生きたくて デラシネ 遠い日の花火 それぞれの痛み 終わりのはじまりの幕が開くとき 救いの歯ぎしり ガラクタたちは、今日も震えながら
本を守り、意志を繋ぐ。 『古代文明の伝説にあるような便利で豊かな生活』を今世に取り戻すため、文明の再興を続けるアッシュ。 その活動拠点となるサキュラ辺境伯領を襲った人狼の群れを、研究所の成果によってアッシュたちは殲滅する。 そんな彼らに届いたのは、隣領の壊滅とそれに伴って大量に発生した難民がサキュラ領に押し寄せているとの報せだった。 難民の受け入れと隣領の再生を決断した領地改革推進室だったが、前例のない事態の上、圧倒的な物資不足により無理難題に思われた……。 しかし、決して不可能ではない。 廃村の危機から村を再興した経験を応用して難民を受け入れ、技術交換や留学を機に築き上げてきた人脈を駆使して人材を手配する。 さらに、王都ではアリシアが神殿に協力を仰いで物資を支援しーー。 領地改革推進室の一同は、崩壊した領を再生し、人々を救うため奔走するーー! 理想の暮らしを手にするため、世界に変革をもたらす少年の軌跡を紡いだ文明復旧譚、第七幕!
ダンジョンの奥で、でっかい出会い!? 「勇者召喚」に巻き込まれ、現代日本から異世界へとやってきたサラリーマン、ムコーダ。 彼はフェル達に押し切られてブリクストのダンジョンに挑み、前人未到の40階層で一度地上に帰還する。 そして新たなテナント(ドラッグストア)の解放や大量のドロップアイテムの整理、神様達へのお供えや料理の作り置きを終え、再びダンジョンへと突入するのだった。 難関と名高いブリクストのダンジョンを怒涛の勢いで突き進むムコーダ一行。 過酷な環境を乗り越え、強力な魔物の数々を打ち倒し、彼らはついにダンジョンの最下層へと辿り着く。 そこで創造神様が教えてくれたヤバい奴と遭遇するムコーダ一行だが、そいつとフェルの間には浅からぬ因縁があった! そして強大な力を持つ二つの存在が、ダンジョンの最奥で激突する……!? 「小説家になろう」10億PV超のとんでも異世界冒険譚、最大級の出会いが待つ12巻!
世界を揺るがす魔法で何もかも思うがまま!? ……でもすぐに眠くなっちゃうzzz ーーその日、すべてを思い出した。 6歳の王女クラウディアは、叔父に塔から突き落とされたその瞬間、自身の前世が伝説の魔女であり、数多くの魔術師を従えていた記憶を取り戻す。 今世では冷遇されていたが……。 「私はやりたい事しかしないわ。邪魔者は『お掃除』しないとね」 かつて世界を揺るがした魔法の力で、悠々自適な生活を送ることを決めたクラウディア。 美少年だが不愛想なノアを従僕にして、高度な魔法で何もかも思うがまま!? 「お城からのお迎え? 追い返しましょう。贅沢なら自分の魔法を使えば十分。むにゃむにゃ……」 「おい。どうして毎回わざわざ俺の膝で寝るんだ」 魔法を使用すると眠たくなってしまうクラウディアは、不本意そうな従僕に抱っこされながら、今日もくうくうと寝息を立てている。 伝説の魔女と黒髪従僕が織りなす悠々自適な快適生活、はじまります!
(平和な)決闘、温泉、秘密の隠れ家!? たくさんの日々を二人で過ごして、気づいた気持ちーー 「これからも俺の隣で、俺と共に生きてくれないか」 契約から始まる異世界ポジティブラブコメ、第二巻です! 冷酷無慈悲と噂の魔法士団長・シリルと、『他人の魔力を吸収できる』特異体質がきっかけで共に過ごすことになった平民の少女・ミア。 契約結婚から始まった二人。 初めは氷のようだったシリルも、ミアの明るさに応えて不器用なりの優しさを見せるなど、その関係も少しずつ変化していた。 友人の(平和な)決闘を見届けた二人は、温泉へと赴くことに。 王都から離れ、療養のために人々が集う歴史あるアルスター温泉街の宿に、魔獣が現れるというのだ。 シリルが温泉宿の調査を開始する一方で、ミアは同じ宿にてシリルの母・クロエと遭遇。 ずっと別々に過ごし、不干渉だったシリルとクロエも、ミアのおかげで関係が進展することに。 さらに魔獣退治も一件落着し、王都へ帰ってきたミアを待っていたのはーーまさかの誘拐!? ちょっと愉快な誘拐犯の目的はミアではなくシリルのようで……? 契約から始まる異世界ポジティブラブコメ、波乱の第二巻です!
強大な力と高い知性を持つ節足生物「トリク」が支配する地で、トリクの保護を受けて暮らす人間たち。人間は、トリクの卵を男性の体内に宿し、育て上げるという役割を担っていたー。究極の男性妊娠小説である表題作から集大成まで異星人・伝染病・生殖etc.をめぐり宿命と光を描いた、ジャネル・モネイ、N・K・ジェミシンらが崇拝する伝説的SF作家の代表作。ヒューゴー賞、ネビュラ賞、ローカス賞、三冠受賞!
高2のあかりは、悩みもなく充実した毎日を送っていた。でもある日、一匹狼の同級生・翔也に「ここは現実じゃない。俺たち、死んだんだよ」と告げられる。徐々にあかりは、今いるのが“自分にとっての理想の世界”で、本当はクラスで孤立していたこと、息苦しさに耐えかねて屋上から飛び降りたことを思い出す。やがて、辛いだけだと思っていた現実にも、失いたくない大切なものがあると気付いてー。「やり直せるよ。何度だって。俺はお前の味方だ」蒼井に背中を押され、現実世界に戻ることを選んだあかり。そしてあかりの行動は、少しずつ変化を生み出していき…。悩んでもがいた先にみえる光に圧倒的感動!大人気作家の描く、新境地の青春小説。
「きれいなおにいちゃん」ではなく、生涯の伴侶となることをネイトにお願いしたユフィ。「ユフィが真面目で一生懸命で可愛いことは、俺が世界で一番よく知っている」ますますパワーアップするネイトの溺愛っぷりに照れつつも結婚の準備を進めていたがー隣国の王女が突然やってくることになり、なぜかユフィは王太子から王城の侍女に指名されてしまう。そして現れた御一行の中には、褐色の美男子が!しかもネイトの兄を自称していて!?
聖女の家系に生まれたエウリーネは、人や物の影に隠れて気配を消せるという能力持ちの真性コミュ障。人間怖い! 一生引きこもります! と誓い生きてきたのに、突然高潔と名高い第二王子ジリオスが求婚してきた! しかもコミュ障を奥ゆかしいとか、前向きに捉えすぎですが!? 断り方も分からず、気づけば彼の妻として王宮へ。いきなり夫婦生活!? と焦りまくるエウリーネに気付き、ジリオスは提案する。夫婦としてではなく、初めて出会った者同士として少しずつ関係を築いていこうと。それから手を繋いだりお茶をしたり、まったりと恋を育てる日々。こんな優しい旦那様を支えたいーー私もこの微妙な能力を使ってお役に立ちます! 彼女の斜め上の内助の功の行く末はいかに!?
一枚の絵が、世の中の仕組みを大きく覆す。 男は、どん詰まりの場所にいた。 二年半前の大学生だった娘の交通事故死。そこから精神の変調を来たし、二度の自殺未遂の隘路から抜け出せない妻。 あれを試すしかないのかーー。 かつて、高校受験に失敗した直後、失意のうちに目にした「道」というタイトルの一枚の絵。そして、そのあとに訪れた名状しがたい不思議な出来事。 40年ぶりにその絵を目にした男は、気が付けば、交通事故が愛娘に起こる直前の三軒茶屋の交差点にいた。 構想10年。満を持して放つ、アンストッパブル巨編。 【編集担当からのおすすめ情報】 もしも、あの時ああしていたら、自分の人生、どうなっていたんだろう。 誰しも思い当たる節があるそんな瞬間に本当に戻れたら、いったいどんなことになってしまうのか。 そのあとは、思い描いたように新たな時を刻んでいってくれるのだろうか。 ひとことでいえば、本作はタイムリープのジャンルに入るはずですが、 「もしも、あの時」というこの一点を突き詰められるだけ突き詰めて、ここまで細密に、リアルに、シミュレーションをなし得ているエンタメ小説を寡聞にして私は読んだことがありません。 そう、このフィクションは、大きな嘘をひとつ、ついているはずなのに、そこから始まる全風景に徹底した吟味考察が加えられているため、こんなことが本当に世の中で起きていてもなんら不思議ではないのではないか、と読み終わったあとでそんな感懐に囚われてしまうのです。 大きな鍵は、ニコラ・ド・スタールが描いた「道」というタイトルの一枚の絵。 この絵を、著者の白石一文さんがはじめて目にしてから実に十年。 それが、このような物語になるなんて、というような月並みな驚きを禁じ得ません。 小難しいことは一切出てこない。 でも、まだ気づかれていないこの世界の真理をひとつだけ明かしてしまっている。 そんな小説だと思います。ぜひ、ご一読いただけたら幸いです。
50代半ばの男性が、健康を理由にはじめたロードバイクにのめり込む。折しもコロナ禍、会社の業績不振という息苦しい状況が訪れるなか、会社では部下、自転車では師匠となる女性とともに新しい扉を開いてゆく。
2022年6月金城華が夫の一を刺殺。DVに耐えかねた妻が夫を殺した単純な事件として解決するはずだった。しかし、担当検事の冨永真一は不審を感じ、自ら捜査に乗り出す。ほぼ時を同じくして糸満市で自衛隊の戦闘機の墜落事故が発生。民間人が死亡したことで軍事基地が集中する沖縄では、抗議デモが巻き起こる…。かつてない臨場感で沖縄の姿を炙りだす、冨永検事シリーズ第三弾にして最高傑作!
ハイジの世界へようこそ!感動の名作の歴史的背景を探り、物語の名場面が新たな解釈でよみがえる。“特別収録”2019年スイス国立博物館『日本のハイジ展』座談会。
「お前たちを殺すことはできない。俺の分まで生きてくれ」との、夫の別れ際のひと言に、今日まで背中を押されて生きて来た。 今でも去っていく……あの後ろ姿が忘れられない。 平成に入り、和子は84歳になった母信子を誘い、オホーツクへ旅に出る。そこで母は、堰を切ったように、満州の記憶を話しはじめる。 信子が娘に語った戦争の記憶をもとに綴られる、明治から令和まで5つの時代を生きた、4世代110年にわたる女たちの物語。 発刊によせて 『母 信子』関係図 主な登場人物 第一章 信子〈1〉 第二章 信子〈2〉 第三章 和子〈1〉 第四章 信子〈3〉 第五章 信子〈4〉 第六章 信子〈5〉 第七章 和子〈2〉 おわりに 参考文献
[商品について] ー囲碁を心に熱意を胸に、マンション管理士・北山は今日もゆくー 快適なマンションライフに向けてマンション管理士の果たすべき役割とは何か、日常と哲学的思考の間を行ったり来たりして迷走する北山のもとに、マンションの終活問題、個人情報保護問題、書面決議の有効性問題、そして電子情報化に関わる問題等々、バラエティに富んだ相談が今日も舞い込んでくる。法的知識だけでは解決困難な凍てつく北風問題に、囲碁の話題等を交えながら太陽の如き情熱で立ち向かう探究心に溢れたリーガルノベル 、待望の第三弾登場! [目次] 一 序曲 二 ぶっ飛び想定外 三 形式と実質 四 相手の立場 五 ウイルス族共生会議 六 神様のくじ引き 七 手抜き 八 パンドラの箱 著者略歴 [担当からのコメント] 様々な考えや価値観を持った人が集まるマンションのトラブルは、どれも一筋縄ではいかないものばかりです。本書は、実際によくある問題を小説で楽しみながら法律知識や法的な考え方を学ぶことができる内容となっており、マンション管理士を目指す方はもちろん、マンションに住む方にもぜひお読みいただきたい一書です。 [著者略歴] 庵名 路久(あんな・みちひさ) 1953年 宮城県仙台市出身。本名・船山弘美。 1977年 東北大学法学部卒業。囲碁研究家。北海道庁勤務後、作家活動に入る。