2022年発売
ポピーの初恋相手は、いとこのクリスだった。幼いころは、彼の兄ジェームズが大好きだったが、思春期になり、優しいクリスに淡い恋心を抱くようになると、それに気づいたジェームズは、ひどく冷たく、意地悪になった。大人になり、ポピーの初恋はクリスの結婚で無残に散った。ほどなくして上司でもあるジェームズの出張に同行したポピーは、あるささいなきっかけで、彼の腕に抱かれてしまう。思いがけず、クリスには感じたことのない情熱をかきたてられ、ポピーはみずからジェームズを求め、純潔を捧げた。その一夜で身ごもってしまうとは、思いもせずにー。
トスカーナのワイナリーを父親と切り盛りしていたマルシアは、元婚約者に資金を持ち逃げされ、絶望のどん底に突き落とされた。経営難に陥ったワイナリーを家屋敷ごと買い取り、引っ越してきた新オーナーは、アメリカの大富豪トレイス。マルシアは1年間、彼の下で働くことになった。ワイナリーの付属品として買われたも同然の状況だったが、自分のせいで家族が失業し、住む家を追われたという罪悪感から、マルシアは身を粉にして働き、夜はトレイスに料理もふるまった。しかしある夜、ふいに唇を奪われた瞬間、否応なく気づいてしまう。ひとつ屋根の下で暮らすには、彼は魅惑的すぎるということに。
看護師のクリスティはスペイン人の夫アレッサンドロと別居中。ハンサムで有能なドクターである彼を愛しているけれど、彼が仕事ばかりで家庭を顧みないことに耐えられず家を出たのだーまだ愛があるのなら、追いかけてきてくれると淡い期待を抱いて。しかし彼が現れるのを待つうち、一緒に連れてきた子供から家族全員で過ごしたいとせがまれ、やむなく家へ帰ることにした。みずから戻るのは本意ではなかったものの、夫との久々の再会に、クリスティは胸を高鳴らせた。だが、アレッサンドロは彼女の荷物を客用の寝室へ運ぶと、冷たく言い放った。「ここが、きみの部屋だ」
海軍で輝かしい戦果を残した後に負傷して帰郷した、第10代ライブンホール伯爵マックスは、世を儚んでいた。ある日、領地を馬で駆けていると、奇妙なものが目に入った。男物のズボンに包まれた尻がもぞもぞ動き、しきりに何かを掘っている。何やつ、盗賊か?鋭い声で呼び咎めると、男ははっと顔を上げた。眼鏡越しに見開いた大きな丸い目、麻のシャツの開いた胸元ー女か?「伯爵さま、どうか怒らないで。古代遺物を発掘したいだけなんです」エフィは近くに住む天涯孤独の若い女性で、歴史が好きなのだと言う。失せろと命じたが、彼女は夜中にこっそり領地に入ってきているようだ。女性が夜に一人では危険だ!マックスはつい手を差し伸べてしまいー。
(「悪魔」に「サタン」とルビ付ける) 侯爵様がたとえ★悪魔/サタン/でもかまわない。 わたしはサタンの花嫁になりたい。 質素を好む厳格な叔父に育てられ、その教えを忠実に守るアネリス。 ある日、彼女にはセントジョン侯爵という後見人がいるとわかり、 住み慣れた村からロンドンに出て、レディ教育を受けることになった。 屋敷に着き、現れた侯爵を見て、アネリスは息をのんだ。 村で偶然知り合って、つい心を奪われた王党派の人。 世にも美しい瞳のあの方が、わたしの後見人だったなんて! 叔父によれば、贅沢を好む王党派は皆、悪魔ーーサタンの弟子だという。 そんな考えも、アネリスの恋心を消し去ることはできなかった。 やがて魅惑的なレディに変身した彼女は華やかな宮廷生活に飛び込む。 しかし国王たちの注目を引くも、愛する侯爵だけは彼女に厳しくて……。 清貧であれと育てられたアネリスは華やかな社交界に戸惑いつつも、まるでシンデレラのようにレディとして花開きます。それなのに侯爵は彼女に厳しいだけでなく、彼には美しく洗練されたフランス人女性の恋人までいることがわかり……。アネリスの初恋の行方は?
あと5年。それがマリに残された時間だった。余命宣告を受けた彼女は賑やかなNYを離れ、いつかくる“その日”を待ちながら、独り静かに暮らしていた。そんな6月のある朝、身なりのよい紳士が気球に乗って現れた。彼の正体は、NYの大富豪実業家、アンガス・オニール。裏手の広大な土地を買ったという彼はマリの新しい隣人となり、惹かれ合った二人は一緒に過ごすときが多くなった。やがてマリはアンガスに求婚されるが、頑なに拒み続けるーみずからの儚い運命のことは言えないままで。
義兄を、男性として愛してしまった。 そして、我が子の父親としてもーー。 ジョディの父が、ギリシア名家の女性と再婚した。 多感な少女は義理の兄となった御曹司ステリオスに憧れ続け、 18歳のとき、ついに兄妹の一線を越え、純潔を捧げた。 だがそれを知った家族はジョディだけを責め、勘当したのだ。 4年後、ジョディはいとこの結婚式のために帰省する。 ステリオスは彼女の存在が式をぶち壊しにすることを危ぶみ、 自分の屋敷に閉じ込めようとするが、突然の嵐で一帯が停電。 暗闇の中、二人はあの夜を再現するかのように体を重ねてしまう。 逃げるようにギリシアを去った彼女のお腹には、新しい命がーー。 まるでギリシア悲劇を思わせるような、ドラマティックな義兄妹のロマンスをお届けします。4年前の過ちを再びおかしてしまう二人。ジョディは逃げるようにギリシアを去りますが、彼女のお腹には赤ちゃんが……。
1965年のブエノスアイレス郊外、命知らずの4人の若者たちが現金輸送車を襲撃するという無謀な計画を立てた。まんまと大金の“現ナマ”をせしめた強盗団は警察からの逃走をはかり、アパートの一室に立てこもる。籠城作戦のすえに彼らが取った行動とは…?幼年時代の思い出、娼婦たちとの出会い、獄中生活、セックスとドラッグへの耽溺など、強盗団のメンバーたちそれぞれの過去をフラッシュバックの手法で描き出し、“社会を震撼させた衝撃的事件”をフィクションの力で描き出した傑作。
気になっていた時枝くんと席が近くなって、学校へ行くのが楽しくなっていた紗弥。ある日、些細なきっかけで仲の良かったグループの関係が崩れてしまう。嫌われないように必死にふるまう紗弥だけど、SNSの裏アカに友だちの悪口を書きこんでいるという嘘の噂が広まって、みんなに疑われてしまう。さらにその噂を時枝くんにも知られ…。追い詰められた紗弥は「この世界から消えたい」と強く願った。-次の日、友だちも先生も、まるで紗弥と初めて会ったような態度。あの噂さえも消えていた。ふたたび仲良くなっても、一日たつと紗弥のことを忘れてしまう。紗弥を傷つけるものはなくなり、生きやすくなった。けれど…。「もう、忘れられるのはイヤ。私のこと、信じてほしい」そんな紗弥を、時枝くんだけは何度も思い出して、見つけてくれた。
希少なスキル“再生”を授かり最強パーティーに所属した青年・ロルフ。だが一度もスキルは発動せず「役立たず」と追放されてしまう。行き場を失ったロルフは、形見のボロボロの剣だけを仲間にごみを拾う日々を過ごすが、“破壊”スキル持ちのエルサと出会い能力が覚醒して…!?「こんなスキルが、この世界にあるなんてー」エルサの持つ全てを消し去る“破壊”スキルとロルフの持つ全てを創り直す“再生”スキル。一見相反する2人のスキルは予想外の反応を起こし、ロルフは真の力を解放することに成功する…!さびついた剣は“再生”と“破壊”を経てとんでも武器に進化し、2人はパーティーを遙かに凌駕する最強冒険者になっていて…!?ごみ拾いと追放されたぼっち冒険者が、最強への道を駆け上る成り上がりファンタジー、開幕。
前世では社畜生活を送った結果、過労死してしまったリィト。転生後はレアスキル『植物魔法』を駆使して戦争を終わらせ、英雄として崇められるが、同僚からハメられて宮廷を追放されてしまう。「ようやく自分だけの理想の村が作れる!」元々スローライフを渇望していたリィトは“これ幸い”と荒れ果てた土地を手に入れ、植物を自由に操り、勝手気ままなスローライフを謳歌する。無意識に発揮されるリィトのチートで村はどんどん潤い、リィトのもとには花人族の少女や猫人族の少女、さらには帝国の皇女まで訪れるように。しかも、リィトが密かに育てていた植物が、実は滅んだはずの世界樹だったことが判明!目立ちたくないリィトをよそに、小さな村の驚異的な発展は、帝国中枢の耳にも届くまでになっていて…!?チートを隠し切れない最強魔導師、念願のスローライフを始めます!
“役立たず”とされる生産系の魔術適性によって候爵家を追放され、辺境の村の領主となった少年・ヴァン。前世の知識とハズレ適性の生産系魔術で村の発展を目指すヴァンは、強力なバリスタを生み出し、緑森竜の討伐に成功した。わずか8歳にもかかわらず、短期間で寂れた村を大きく発展させ、さらにはドラゴンの討伐をも成す。そんな前代未聞の功績を、ヴァンと同盟関係にあるパナメラ子爵が国王へ報告し、叙爵を進言したことで事態は動き出す。ヴァンへ大いに興味を示した国王が、予告もなく来村しー!?さらに、村の近くで未踏のダンジョンが発見されたことによって多くの冒険者が訪れ、村は活気に溢れていた!一方、ヴァンは大忙しに!?そんな中、ヴァンの元へ不穏な知らせがもたらされる。それは、隣国・イェリネッタ王国が戦争を仕掛けてくるというものでー!?追放された幼い転生貴族による、お気楽領地運営ファンタジー、第2幕!
自宅の庭に出現したダンジョンに踏み入ったことで、「ダンジョン群発現象」の引き金を引いてしまった江副和彦。彼は「魔物大氾濫」阻止のために設立した「株式会社ダンジョン・バスターズ」の仲間達に支えられながら、日本国内のダンジョン攻略を着実に進めていた。そして新たな討伐チームの台頭に警察庁内の犯罪冒険者対策本部設立と、ダンジョンを取り巻く情勢が動き続ける中、ダンジョン・バスターズ初となる海外のダンジョン攻略が決定するのだった。一方、ベニスエラ共和国でクーデターを起こした「魔王ジョーカー」は、その魔の手を隣国へと伸ばそうとしていた。強力な魔物の軍勢を使役する「魔王軍」を相手に、各国軍隊の近代兵器では歯が立たない。そんな「魔王軍」の侵攻を止めるため、ブレージルの要請を受けたバチカンから「十字軍」が派遣されることになるが…!?圧倒的リアリティで贈るダンジョン攻略譚、混迷を極める第4巻!
“空界の支配者”ラムエルとの戦いを制し、桃竜郷を後にしたカナタたちは、商業都市ポロロックでロズモンドとの合流を果たす。そこで、ロズモンドが都市に滞在している間に懇意にしていた、お調子者ながらも腕は確かな魔導細工師・メルと出会ったカナタたち。彼女が経営するのは、華やかな街並みを誇る商業都市ポロロックの中でも、一等地に位置する魔導雑貨店“妖精の羽音”。しかし、店は閑古鳥が鳴いており、経営の危機に瀕していた。原因を探るべく話を聞くうち、カナタたちは商業都市ポロロックにはびこる闇を知る。それは、悪質な手法で都市を牛耳るグリード商会の商会長・グリードと、暗黒区の存在。メルを救うため、黒幕であろうグリードを追うカナタだったが…?無自覚なままに最強になってしまった青年が、不死の少女と英雄に至るファンタジー、第5幕!
全プレイヤー初のクラスチェンジ条件をクリアし、上位職「召喚魔法師」を取得したキース。新たな力を手に入れたキースは多くのプレーヤーが苦戦する高山エリアの踏破に挑む。そして火口付近に到達したキースが発見したのは、氷漬けの湖の下に眠る“女神”の姿。彼女こそゲームを次のステージに導く鍵となる存在であり…!?かくして攻略を進めるキースのもとに師匠のオレニューから便りが届く。あるアイテムを冒険者ギルドへ納品するよう頼まれるが、ギルドで待っていたのはジュナを名乗る妖艶な美女であった。「若いようですがもうグランドサモナーとは。オレニューちゃんにしては出来の良い弟子を育てているようですね?」ジュナはオレニューの師匠であり、超強力なアンデッドを気まぐれに召喚する危険人物で!?そんなジュナにキースは興味を持たれてしまいー!?「小説家になろう」で4億PV突破ー最大級の戦闘録、スタート!!
気弱な伯爵夫人ラムは、新婚にもかかわらず夫の伯爵シャールに見向きもされない日々を過ごしていた。さらには、その扱いを見た侍女や執事に軽んじられ、嫌がらせをされるように。辛い生活が続いたある日、侍女に突き飛ばされ頭を打ったことがきっかけで、ラムは前世の記憶を思い出す。なんと、ラムの前世は歴史に名を残す偉大な魔法使いアウローラだったのだ!記憶を思い出したことで、今までの扱いに耐えられなくなったラム。彼女は、いつものように嫌がらせをしてくる侍女を、執事を…魔法で吹っ飛ばす!!そうして窮屈な「伯爵夫人」生活から抜け出そうと行動し始める!しかし、様子が変わったラムに興味をもったのか、シャールが迫ってきて…?果たして、ラムは自由な生活を手に入れることができるのかー!?
リベルフィリアから一夜明け、舞踏会の日。家族を奪った者達への復讐だけを抱えて生きてきたディアは、リベルフィリアで大好きな精霊ノインと過ごした時間を思い、確かな幸せを感じていた。ノインも優しく寄り添い、ディアのために食事やドレスを用意してくれる。久しぶりに温かな時間を過ごし、お腹も心も満たされるディア。しかし、そんな時間の中でもディアの復讐の意志は揺るがず、最後の舞踏会に向かう準備を整えていくー。そうして会場へ歩み始めるディアを迎えにきたのは、元婚約者の第一王子リカルドだった。彼はディアが家族の死の真相を知ったことに気付いていたようで、ディアの家族を殺す命令を下したのは自分だと告白する。静かなる復讐劇の先でディアとノイン、そして長い夜の国が迎える結末とはー?
魔法使いの家系でありながら魔力を持たないお荷物娘として育った貴族令嬢エリーゼ。そんな彼女に求婚したのは何とこの国一番の魔法使いで、人嫌いと有名なアレックスだった!彼の真摯な眼差しに抗えず承諾したものの、落ちこぼれの私になぜ!?けれど新妻を喜ばせようと四苦八苦する夫の姿に、エリーゼも次第に心を開いていき…そんな中、彼女に「緑の精霊の生まれ変わり」と称される能力が発現。二人の甘い新婚生活にも波乱が起こり始めー?
王太子リチャードに乞われて、やんちゃな末っ子王子の侍女をすることになったニーナ。リチャードのフォローと甘いアプローチにときめきながら、侍女業に勤しんでいたある日、目が覚めるとなんと王子と体が入れ替わっていた!「だってお兄様が大好きなニーナを僕から取り上げるって言うから!」我が侭炸裂で泣きじゃくる自分の姿(中身は9歳児)に目の前が真っ暗に。一方リチャードはこれでは彼女を口説けないではないか!と頭を抱えて!?
伊藤晴樹はある日、授業中にクラスにいる教師、生徒まるごと一緒に異世界に召喚されてしまう。召喚先ではクラスの男女をペアで牢屋に閉じ込め、身体の関係を持つように仕向けられていた。晴樹とペアになったのは、普段は地味なフリをしていたが実は美少女の井上静華。その後男達は牢から解放されたが、ペアだった女性を人質に取られ、国のために魔物を退治するように命令されてしまう。静華のため渋々訓練に励み魔物を討伐していた晴樹はある日、「あれ?なんか俺って…強くね?」と、ある権能について知ることに…。