2023年10月発売
〜 このタイトルは、いったいなに!? 〜 イタリア北部コモ湖畔の風光明媚な田舎町ベッラーノで、老婆の死体が発見された。その死に特に不審な点はないが、この出来事がベッラーノの人々の生活に少しずつ影響を及ぼしていく。 次から次へと新たな展開が巻き起こり、数多くの出来事が絡み合って、大きなうねりを形作っていく、どこか不思議で、なぜだか妙に可笑しいストーリー。
〜 未亡人に訪れる さまざまな出来事が あらぬ方向へと次々に展開!! 〜 いくつものエピソードが織りなすユーモアとミステリー 映画「ひまわり」のソフィア・ローレンと同じ境遇の女に訪れる 奇妙なおかしさとペーソスに満ちたストーリー 舞台はイタリア北部コモ湖畔の風光明媚な田舎町ベッラーノ。 アンナ・モンターニの夫は徴兵され、ソ連の戦場に送られて行方不明となってしまう。戦争は終わったが、夫は何年も帰ってこないため、戦死したのかどうかも分からない。結局、夫の消息について何の手がかりもないため、彼女は自分が未亡人になったのかどうかも証明できない日々が続く。 戦後まもなくのイタリアで、決して豊かとはいえない時代を生きる普通の人々が、それぞれ自分の幸せを求めて日々を生きている。 しかしそんな生活の苦労がこれ見よがしに悲劇的に描かれることなく、ユーモアと奇妙さを伴いながら、人生の悲哀が笑いとともにそこはかとなく描かれていく。 一生懸命に生きるがゆえに噛み合わず、未亡人をめぐる展開はあらぬ方向へと次々と展開していく、可笑しいながらも、どこか温かみに包まれた、そんな不思議なストーリーです。
〜 ユーモア溢れる語り口で、軽快に、そして いつものとおり(?) 思いがけない方向に展開していくイタリアン(ヒューマン)・コメディ! 〜 町に一つしかない映画館で、「ラストタンゴ・イン・パリ(※)」が上映されることになった。 観る? 観ない? 行くなら誰と? この映画をきっかけに、アデライデの人生は大きく動き始める。 イケメンの不良青年エルネスト・タッリャフェッリ/通称〈タッリャ〉、 ゴシップ好きなご近所のティレッリ夫人、 それにキレやすいが根は優しいペッツァーティ准尉とその部下たちが加わって、 尾行、タバコ密売、コモ湖上での夜の追跡劇…… と、次々に事件が起き、てんやわんやの大騒ぎが巻き起こる。 はたして「すてきな愛」とはどんなものなのか、そして誰のもとに訪れるのか? ※ ラストタンゴ・イン・パリ イタリアの鬼才ベルナルド・ベルトリッチ監督が若干三十歳にして撮った作品で、1972年12月に公開されると同時に世界中で「芸術かポルノか」という議論を巻き起こした。
カナダ・バンクーバーにほど近いワシントン州中部の町クインシー。人口八千人のこの小さな町には、GAFAM始め、世界中のデジタル・データが保管された巨大なデータ・センターがあった。 拡大する格差にあえぐ「99パーセント」の民衆にとって、クインシーの破壊こそ、富める「1パーセント」への復讐に他ならないーー。何者かによって煽動された数千人もの暴徒。土門康平陸将補率いる“サイレント・コア”部隊は怒れる群衆を食い止めることができるのか。水面下で、日米中露の策謀が交錯する、緊迫の「クインシーの戦い」、開戦!
戦艦の建造を断念し航空主兵主義に転じた連合艦隊は、辛くも米戦艦の撃退に成功した。しかし、アジア艦隊撃滅には至らず、また米極東陸軍はバターン半島とコレヒドール要塞において死守の構えを見せている。 資源の多くを輸入に頼る日本としては、フィリピンを抑え南シナ海の制海権を握り通商路を再開させねばならなかった。 ついに、アジア艦隊殲滅のための新鋭空母を加えた機動部隊に出撃命令が下される。しかし、米太平洋艦隊もアジア艦隊を援護するべく機動部隊を繰り出すのであった。 「太平洋艦隊が来れば、日本軍などすぐにでもルソンから叩き出せる。それまでは、何としてもバターン、コレヒドールを守り抜く」 「アジア艦隊がミンダナオ島にいるとの断定は、現時点ではできない。だが、彼らがフィリピンのどこか、それも中部以南に潜んでいることは確かだ。問題は、彼らが今後、どのように動くかだ」
ガゼル王国の王太子・ブラッドフォードと結婚したラチェリア。幼い頃から王太子を愛していたラチェリアだが、この結婚は決して幸福なものではなかった。王太子の心は、行方不明の元恋人・アラモアナに向けられていたのだ。愛のない結婚に、恵まれない子宝…。ラチェリアが思い悩む中、消息不明となっていたアラモアナが見つかった。しかも、ブラッドフォードとの間にできた子どもと共にー。居場所を失ったラチェリアは、離婚し、異国の地へ身を隠すことを決意。第二の人生を歩み始めたラチェリアを待っていたのはー。
故郷のため、女であることを隠して従軍していたノアは、精鋭ぞろいの護衛班に抜擢される。王子ヨハン警護の命を受けるが、当の彼は軽薄で人たらしな主君だった…!?しかし仕えるにつれ、ヨハンの聡明さや国への想いを知り心惹かれていくノア。彼を襲う謀略に立ち向かいながらも、自分への好意を正面からぶつけてくる彼と、騎士である己の間で揺れー。
おイネの十徳 馳月基矢 長崎が生んだ作家 馳月基矢、 渾身の書き下ろし作品 シーボルトの娘イネの波乱に満ちた生涯を描く 三部作の第一作『おイネの十徳』は、12歳の 少女が自立の道に目覚める長崎での日常を描く <あらすじ> おイネは十二になった。 母おたきの再婚相手・和三郎が営む俵屋で 暮らしている。 そこへ旅装の男が現れた。高野長英である。 イネの父シーボルトの弟子であるこの男は、 長崎へ来た目的をイネに明かす。絵師川原慶賀を 探していると。 イネは長英に協力して慶賀を捜し始める。 隠れ家は西山の山奥にあった。ふたりは登与助 と名乗る男に会いに行く…。 <目次> 序 おイネ、二つ 第一話 九連環と旅の医者 第二話 鳴滝塾と思い出の人 第三話 出島絵師と墓参り 第四話 産科の医術と精霊流し 終 おイネ、十九 《著者プロフィール》 馳月基矢(はせつき もとや) 小説家。1985年長崎県五島市生まれ。長崎北陽台高校 から京都大学に進む。2020年『姉上は麗しの名医』(小学 館時代小説文庫)でデビューし、第9回日本歴史時代作家 協会賞・文庫書下ろし新人賞を受賞。『拙者、妹がおりまして』 シリーズ全10巻(双葉文庫)、『義妹にちょっかいは無用にて』 シリーズ(双葉文庫)などがある。 江戸を舞台とした青春群像劇に定評がある。 <目次> 序 おイネ、二つ 第一話 九連環と旅の医者 第二話 鳴滝塾と思い出の人 第三話 出島絵師と墓参り 第四話 産科の医術と精霊流し 終 おイネ、十九
貧困の中からのしあがった青年ラメッシュがニューデリーで営むのは「教育コンサルタント」。依頼人を希望の大学に押し込むのが仕事だ。今回の依頼は富裕な建設業者からで、息子ルディをインドの一流大学に入れてくれという。ルディはバカなドラ息子であり、手段は替え玉受験しかなかった。受験は無事に終了するも、予想外の結果が待っていた。ラメッシュは全国トップの成績をあげてしまったのだ。インド最高の天才少年現る!とメディアは群がり、ラメッシュはマネージャーの地位に収まってカネを稼ぐー受験不正がバレたら、待つのは破滅しかない。しかしルディがTV番組で起こした椿事をキッカケに、誘拐と報復誘拐の連鎖が開始され、騒動はラメッシュの予想を超える修羅場へと雪ダルマ式に拡大してゆく!
待望の新装版!日本を代表するシャーロッキアン、小林司・東山あかねが不朽の名作「シャーロック・ホームズ物語」全作品を全訳した決定版!オックスフォード大学版の“注”と“解説”を完全収録!「シャーロック・ホームズ物語」初版原本のイラストをすべて復刻掲載!宿敵モリアーティとの繁迫感あふれる対決“最後の事件”など、第2短篇集。
オックスフォード大学版の“注”と“解説”を完全収録!待望の新装版!日本を代表するシャーロッキアンが、不朽の名作「シャーロック・ホームズ物語」全作品を全訳した決定版!「シャーロック・ホームズ物語」初版原本のイラストをすべて復刻掲載!魔犬伝説にとりつかれた当主の不可解な死。圧倒的人気の長篇大傑作。
待望の新装版!日本を代表するシャーロッキアンが、不朽の名作「シャーロック・ホームズ物語」全作品を全訳した決定版!オックスフォード大学版の“注”と“解説”を完全収録!“最後の事件”で滝底に消えたホームズ。しかしドイルは巧妙なトリックでホームズを「帰還」させた。独自のプロットで読者を魅了する第3短篇集。
喜寿を迎えた雪夫は、押し入れの整理をきっかけにこれまでの人生を回想する。青春時代の別れ、伴侶との出会い、そして現在に続く負い目ー。歳月を重ねてもなお色褪せない思いを綴った自伝的小説。
あなたは、戦艦「大和」を知っていますか?今、明かされる「大和」沖縄特攻の驚愕の真実。マリアナ沖海戦、レイテ沖海戦を戦い抜いた「大和」に与えられたのは、生還を帰さぬ沖縄への特攻であった。その運命と人々の思いが交差する時、物語は悲劇を迎える。その裏に隠された驚愕の真実とは?-「大和」は本当に戦争を終わらせられるのか?
世界中の子どもたちに愛されるグリム童話。その世界を楽しむための50以上のレシピをお届け。「赤ずきん」のソーセージ、「ラプンツェル」のサラダ、「白雪姫」のクッキー、「ヘンゼルとグレーテル」のお菓子の家など。
〈古典部〉シリーズ第3作『クドリャフカの順番』と第4作『遠まわりする雛』を1冊に合本し、函入り単行本として刊行します。 巻末付録として、著者と文化祭の思い出や創作の裏側に触れる特別編集「米澤穂信と文化祭」(コミックス「氷菓」著者あとがき再編成)と、「クドリャフカの順番」執筆時の自筆資料を収録。 ・クドリャフカの順番 ・遠まわりする雛 ・特別編集「米澤穂信と文化祭」 ・「クドリャフカの順番」執筆時資料
第170回直木賞候補作! 一枚の不思議な「絵」から始まる運命のミステリ。 生きるために描く。それが誰かの生きる意味になる。 ある事件をきっかけに報道局からイベント事業部に異動することになったテレビ局員・守谷京斗(もりや・きょうと)は、異動先で出会った吾妻李久美(あづま・りくみ)から、祖母に譲り受けた作者不明の不思議な絵を使って「たった一枚の展覧会」を企画したいと相談を受ける。しかし、絵の裏には「ISAMU INOMATA」と署名があるだけで画家の素性は一切わからない。二人が謎の画家の正体を探り始めると、秋田のある一族が、暗い水の中に沈めた業に繋がっていた。 1945年8月15日未明の秋田・土崎空襲。 芸術が招いた、意図しない悲劇。 暴走した正義と、取り返しのつかない後悔。 長年秘められてきた真実は、一枚の「絵」のミステリから始まっていた。 戦争、家族、仕事、芸術……すべてを詰め込んだ作家・加藤シゲアキ「第二章」のスタートを彩る集大成的作品。 「死んだら、なにかの熱になれる。すべての生き物のなれのはてだ」
三重県の四日市で江戸時代から続く老舗造り酒屋・加賀屋酒造の創業者一家に、殺人事件が起こった。生首が酒蔵で見つかり、胴体は屋敷で布団に寝かされていたという。加屋賀酒造には、門外不出の酒米・間歩守とその米を材料にした地域を代表する銘酒・間歩錦がある。繁盛を妬んだ同業者の仕業なのか?一方で、この酒造には奇妙な言い伝えがあった。創業者は妖怪・抜け首の血を引く一族だというのだ。酒造を訪れていた人形師・巽藤子は、頼まれもしないのに事件に首を突っ込む。まるで、因果の歪みに魅せられているように。欲望と因習、秘められた悪事と捻れた殺意。謎が謎を呼ぶ長編ミステリ!
警察小説No.1ヒット!累計500万部突破の姫川玲子シリーズ最新作。塞がれた窓、防音壁、追加錠……監禁用に改築された民家で男性死体が発見された。警視庁捜査一課殺人班十一係主任、姫川玲子が特捜に入るも、証拠は隠滅されていて糸口はない。玲子の天性の勘と閃き、そして久江の心に寄り添う聞き込みで捜査が進展すると、思いもよらない人物が浮かび上がり…。魚住久江が合流し、姫川班が鮮烈な進化を遂げるシリーズ第10作!