2023年発売
謎が謎を呼ぶ虎脱走事件。 ミステリと時代小説の融合を試みる作者の これが最高傑作だ! ーーーーー縄田一男氏(文芸評論家) 家康から贈られた虎が城から逃げ、死体が消えた! 国を揺るがす虎騒動の意外な真実とは? 会心の歴史時代ミステリー長編! 徳川家康から南部藩に拝領され、盛岡城内で飼われていた虎二頭、 乱菊丸と牡丹丸が檻から飛び出した。 徒目付の米内平四郎は城下町に逃げた乱菊丸を見事に生け捕りするが、 牡丹丸は傍若無人の若殿・南部重直に鉄砲で撃ち殺されてしまう。 平四郎が城に駆け付けると檻の見張りをしていた番人は絶命していた。 責任を取って腹を斬ったと思われたが、その死因には不審な点が。 さらに檻の中にいるはずの囚人の死体が消えていた! 若殿の乱心か、領内のキリシタンの仕業か、それともーー 密命を受けた平四郎が藩を揺るがす大騒動の謎に挑む! 目次 序章 第一章 虎捕物 第二章 切支丹と金山 第三章 乱世の尻尾 第四章 雪原の若武者 第五章 繋がらぬ環 第六章 騒動の真実
高校2年生のリョウを取り巻く4人の年上女性。彼女らに翻弄されて、自分を見失っていく苦悩と葛藤に彷徨うリョウの行き着く先とは。青春期の挫折と恋愛を鮮烈に書き綴ったデビュー作。
上野の国(現・群馬県伊勢崎市周辺)で領民とともに土地を守り続けた那波氏一族。 長尾景虎(後の上杉謙信)と干戈を交え、武田信玄の許で真田氏とともに闘い、那波無理之介として名を馳せるも、やがて時代の大波に呑まれる悲運の一族……。
「本能寺の変」後、家康と秀吉との溝はさらに深まり、決戦の時を迎える 松本潤主演で大注目の大河ドラマ「どうする家康」。脚本を基にストーリーやセリフを小説化したノベライズ第3弾。愛する瀬名と信康を失った家康と信長の溝はさらに深まり、ついには打倒信長を決意する。しかし直前に明智光秀に先を越され「本能寺の変」が起こる。光秀の家康包囲網が迫る中、家臣団とともに決死の伊賀越えで生還を果たす。さらに信長没後の後継者争いで対立が深まり家康と秀吉の決戦「小牧長久手の戦い」の火ぶたが切られた。
2023年ミステリーランキング3冠達成! (「このミステリーがすごい!」第1位、「ミステリが読みたい!」第1位、「週刊文春ミステリーベスト10」第1位) 余計なことは喋らない。上司から疎まれる。部下にもよい上司とは思われていない。しかし、捜査能力は卓越している。葛警部だけに見えている世界がある。 群馬県警を舞台にした新たなミステリーシリーズ始動。 群馬県警利根警察署に入った遭難の一報。現場となったスキー場に捜査員が赴くと、そこには頸動脈を刺され失血死した男性の遺体があった。犯人は一緒に遭難していた男とほぼ特定できるが、凶器が見つからない。その場所は崖の下で、しかも二人の周りの雪は踏み荒らされておらず、凶器を処分することは不可能だった。犯人は何を使って“刺殺”したのか?(「崖の下」) 榛名山麓の〈きすげ回廊〉で右上腕が発見されたことを皮切りに明らかになったばらばら遺体遺棄事件。単に遺体を隠すためなら、遊歩道から見える位置に右上腕を捨てるはずはない。なぜ、犯人は死体を切り刻んだのか? (「命の恩」) 太田市の住宅街で連続放火事件が発生した。県警葛班が捜査に当てられるが、容疑者を絞り込めないうちに、犯行がぴたりと止まってしまう。犯行の動機は何か? なぜ放火は止まったのか? 犯人の姿が像を結ばず捜査は行き詰まるかに見えたが……(「可燃物」) 連続放火事件の“見えざる共通項”を探り出す表題作を始め、葛警部の鮮やかな推理が光る5編。
風雲急を告げる蝦夷地での探検家・最上徳内の苦闘。ロシア艦隊襲撃の背景とその陰謀の首謀者は誰なのか。 江戸後期の蝦夷地に忍び寄るロシアに立ち向かった最上徳内。その知られざる冒険と日ロ関係の初源を探る異色長編歴史小説。 日本の近代化に大きく貢献した先覚者、オランダ通詞・探検家・洋学者達の姿を新たな視点で描く連作長編小説の第三弾。 (1)魔球算額(2)音羽本多塾(3)渡島蝦夷(4)モ・カムイ(5)蝦夷地見分隊(6)アイノと赤人(7)幻本『蝦夷拾遺』(8)勝手帰村(9)たそがれの少将(10)満塾(11)目黒千代が池(12)松前緋桜(13)雪隠詰め(14)地獄と天国(15)『光太夫ロシヤ見聞記』(16)曲り角(17)ロシア使節(18)御物見の席(19)『崎陽尋訪録』(20)長崎屋対談(21)『和蘭築城書』(22)大日本恵登呂府(23)赤人の襲撃
余命宣告を受けたセラピストが、かつて「治療に失敗した」人物をセラピーグループへと迎え入れた。過去の因縁が絡まりあうなか、グループの参加者たちは死、愛憎、性、プライド、そして生の哲学について深く鋭い対話を繰り広げるーー。 本書は実存療法、集団療法の専門家として名高いヤーロムが、セラピー体験の本質を小説として描き出したものである。登場人物たちの告白に釘づけになる、驚きと感動の物語であり、グループセラピーの教科書としての活用も期待できる。
「モブ」に徹したいのに、なんでみんな僕に構うんだ!? 銀河大帝国ーー人類が生息可能な惑星のある宙域の7割を国土としている大国でジョン・ウーゾスは、傭兵を生業としていた。 「オタク」「モブ」を自認している彼は「分不相応・役者不足・身の程を弁える」をモットーにし、日々を穏やかに過ごそうとしていた。 ゆえに、イベントが起こりそうなフラグはいつでも全力回避! すると、いつも「なぜか」続々と自滅していく周囲の主人公キャラたち……! どんな依頼に際してもウーゾスは、変わらずモブを貫こうとするのだがーー。 「簡潔に申し上げます。私に乗り換えませんか?」 「私のチームにスタッフとして来てくれないか?」 モブに徹してきたことで培われた、迅速かつ的確な判断力と、些細なことに動じない精神力。 ある者からは畏怖を込め「土埃」と称される能鷹隠爪な彼を、虎視眈々と狙う者が現れはじめ……? 実は超有能なモブ傭兵による、無自覚爽快スペースファンタジー。 ここに開幕!
戦争勃発! 絶望的な防衛戦へ突入……でも奇策と新兵器で大戦果!? 名門貴族・ケーニッツ子爵の娘であるクラーラと結婚した領主ノエイン。 貴族社会での立場は盤石となり、辺境領地の運営も順調そのものであったがーー隣国ランセル王国との戦争が勃発し、ノエインにも出兵の王命が下される。 ノエインが任されたのは要塞地帯にある砦の防衛。 主戦場から遠く離れた場所に位置するため、容易な任務だったーーはずが、開戦早々に仲間の砦が陥落してしまい!? これにより上層部が敵の戦略を読み違えていたことが明らかになるも、時すでに遅し。 要塞地帯へ続々と投入される大量の敵兵を相手に、絶望的な防衛戦を強いられる。 そんな状況下でも、ノエインは卓越した傀儡魔法でゴーレムを操り奮戦。 自領で開発したクロスボウやバリスタなどの新兵器も投入し、戦場をコントロールしていく。 さらに戦況を覆す常識破りの奇策を講じて……!? ひねくれ領主の辺境開拓物語、第四幕!
贄となって食べられるはずが、花嫁として魔物の王に優しく愛されてーー!? 幼い頃から、生贄として魔物の王に身を捧げて死ぬことこそが“幸福”だと教えられてきた王国の第二王女・リーディア。 国王や王妃たちから見向きもされず、離れに一人ぼっちで閉じ込められながらも願うのは、せめて課せられた役目をまっとうすること。 ついに迎えた運命の日。 魔物の王・ルイの来訪に人々が怯えるなか、彼から告げられたのは……!? 「やっと見つけた、俺のーー花嫁さん」 生贄としてルイにおいしく食べてもらうため、張り切って自らを差し出すリーディア。 だがルイは彼女を花嫁として扱い、一向に食べようとしない。 さらには、人としての生き方を知らないリーディアに料理を教えたり、外の世界に連れ出したりしてくれる。 初めての温もりに戸惑いつつも、ルイに手を引かれながら優しい日々を重ねていくリーディア。 沢山の温かな感情を得ていくなか、やがて彼女は本当の“幸福”を知るーー。
夏を迎えた「何でも屋」に、聖女来訪!? 季節のお悩みも、仲間の困り事も全部解決してみせます! 魔王討伐の褒美として、自由に生きることを願った暁の魔女レイシー。 プリューム村で何でも屋「星さがし」をはじめるが、なかなか依頼の来ない日々が続いていた。 丘の上にある屋敷で悩んでいると、見かねたアレンに連れられ村に下りることに。 そこでは……夏の「暑さ」というお悩みが待っていた! 話を聞くと、暑い時期は食糧の保存に困っているという。 特に畑に出る村人に持たせる昼食が味気ないものになっているらしい。 その話を聞いたレイシーは依頼として引き受け、「保冷温バッグ」という魔道具を作りあげる! 冷気や暖気を閉じ込める鞄は、村人のお悩み解決はもちろん、商人の手で国中に広がっていきーー!? その頃、レイシーからの手紙を受け取った聖女ダナがプリューム村に向かっていた。 癒やしの力を使い活躍しているダナだが、自分では癒やせない、ある悩みを抱えているようで……? 臆病な最強魔女の『何でも屋』ライフ、第二幕!
導かれた先で待つは女神との邂逅!? ルベリア王国の王太子となり、公爵令嬢エリナと結婚したアルヴィス。 側妃問題を乗り越えた二人は、アルヴィスの生誕祭を迎えていた。そこでエリナの懐妊も公表し、仲睦まじい二人の姿を見た周囲からもたくさんの祝福を受ける。 ーー生誕祭後、王太子妃の懐妊という吉報に王都はお祝いの空気に満ちていた。 しかし、国境からは隣国マラーナの荒廃した現状が知らされる。 同時に妙な胸騒ぎに悩まされるアルヴィス。 女神の眷属であるウォズからもその不安は正しいと告げられ、焦燥感は増すばかり……。 そこで近衛隊の遠征に同行し、女神ルシオラが眠る王家の墓所に足を運ぶことを決める。 国とエリナを守る意思を抱え、墓所に向かうアルヴィス。その先で待っていたものとはーー? これはとある王国のお話。 ふたりが恋を知り、愛を育んでいく物語。
メキシコ革命を兵士として生きた後、労働者として、変動するメキシコシティの地を這って生きるヘスサという女性は何者かージャーナリストの経験を活かし、一個人の証言を多声的な“女性”の物語へと昇華させた、セルバンテス賞受賞の女性作家によるルポルタージュ文学の傑作長編。本邦初訳。
レジャーと治療、自然のスペクタクル、社交と娯楽、投機と事業、源泉所有権をめぐる資本所有者たちのたくらみと諍い、恋愛と姦通ーー温泉リゾート「モン゠オリオル」を舞台に種々様々な人間たちの「感情」が絡み合う、モーパッサンが描く一大〈人間喜劇〉。
昭和36年に一途な恋を実らせて結婚してから約半世紀の間、子育て・仕事etc.に奮闘してきた日々を、その時代の出来事とともに振り返る。著者持ち前の明るさと生きる姿勢が、読む者を幸せな読後感へと導いてくれる、平凡で非凡な女性の物語。
磯田道史氏、絶賛! 「人は自然の力に左右される。昔はなおさら。それを描ききったこの本こそ、私が出会いたかった歴史小説」 地震、津波、火事、飢饉、豪雪、火山の噴火、河川の氾濫……。日本史上に起こった大災害を直木賞作が克明に記した圧巻の連作短篇小説集。 (以下、収録作品) 江戸時代初期「囚人」・・・時は明暦。小火に始まる火事はからっ風のあおりを受けて、江戸を焼き尽くす。その時、日本橋小伝馬町の牢屋に入っていた男を救った奇跡とは? 明治時代「漁師」・・・百二十七年前に東北を襲った三陸沖地震。その復興に至る道のりは、現代社会の防災上の大きな教訓と学びとなった。 昭和時代「小学校教師」・・・昭和三十八年。新潟から上京する列車に乗った女性教諭を襲ったのは、記録的な豪雪だった。これは、天災だけでなく、発達した交通網による人災の記録でもある。 (ほか3篇)