2024年12月16日発売
【金城一紀、13年ぶりの書き下ろし最新作!】 絶対に変えてやる。このクソみたいな現実を。 読めば勇気が湧いてくる、最高&最強の青春小説! オチコボレ男子高校生だった南方は、仲間たちとのある約束のために大学に進学した。「君たち、世界を変えてみたくはないか?」高校の生物教師のこの言葉をきっかけに、仲間たちと周囲の不条理に立ち向かった彼らは、「殺しても死にそうにないから」という理由で「ザ・ゾンビーズ」と呼ばれていた。だが高校卒業を機にメンバーはそれぞれの道に進み、チームは解散。南方は大学でどこか物足りない日々を送っていた。 そんな折、同級生の結城から「友人の北澤と、その家族が行方不明になったので捜してほしい」との依頼が。胸に秘めていた本能を揺さぶられた南方の前に、学内最大のサークルを仕切るカリスマ志田、志田を狙う謎の女子、そして北澤を追う男たちが現れる。渦巻く思惑と予想外の真相に、南方は果敢に迫っていく。
たとえば愛し合うカップルがいたとする。二人には何か問題があって、悩み、すれ違いながら、それでも答えを出そうとする。その結果が「幸せ」でも「別れ」でも。そんな二人の元に軽トラが唐突に突っ込んでくる短編集 1「ものつくりなふたり」 2「この夢を、きみと描けたら」 3「オレたち普通じゃない」 4「夜の森のできごと」 5「恋に落ちたら〜殺人ザリガニ〜」 6「???」
磨きをかけた悪の手管で、しぶしぶ善をなす、あの長屋の面々が帰ってきた! 表向きは善人ばかり、実は悪党揃いの善人長屋に、大事な根付を失くして憔悴するお内儀が訪ねてきた。加助の人助け癖がまた出たと嘆息する一同だったが、その根付がかつて江戸を騒がせた盗賊・白狐の持ち物とわかりーー。「白狐」「三枚の絵文」など六話を収録。粋な情けと謎解きで大向こうを唸らせる大人気シリーズ最新刊!
書かねば、夢は終らない。名著『北越雪譜』、刊行に至る四十年の数奇な道。江戸の人々に雪国の風物や綺談を教えたい。越後塩沢の縮仲買商・鈴木牧之が綴った雪話はほどなく山東京伝の目に留まり、出板に動き始めるも、板元や仲介者の事情に翻弄され続けーーのちのベストセラー『北越雪譜』誕生までの長すぎる道のりを、京伝、弟・京山、馬琴の視点からも描き、書くことの本質を問う本格時代長篇。
静かに、しかし確実に、世界は変わりゆく。 既存の秩序が崩れゆく中で、確かに息づく人間の真実。 新たな時代の息吹を鮮烈な筆致で描いた珠玉の短編小説集。 高級レストランで交錯する、複雑で芳醇な人間模様 -ミート・アゲイン 檻の中から覗く、デジタル時代の光と闇 -膿 古い価値観と新しい命が出会う、家族の風景 -新しい人々 ミート・アゲイン 膿 新しい人々
思って思って思い死にすることこそが恋の本意である 言葉は、機械油でべっとりした砲丸投げのたまほどもある鋼鉄の球でもあるかのように、重く、堅固で、ぬるぬるすべって、発声者をさんざんてこずらせたあげく、だれにでもはっきりわかる言葉としてなかなか口から出てこない。内界の深いところに沈んだまま、明るい外の世界にむかって発せられることをためらい、恥じ、おそれ、縮こまっている。 第一章 出口のない日々 第二章 てんぷら屋の女房 第三章 幼年時代 第四章 肉体の数式 第五章 子供の孤独 第六章 肉体の季節 第七章 精神の地獄 第八章 新世界の発見 第九章 酷薄な運命 第十章 次兄の再婚 第十一章 しのぶ恋
"★ ダ・ヴィンチ・恐山氏、推薦 ★ A からZに連なる怪談の言葉あそび。 われわれがもてあそんできた情報たちの密かな逆襲と、にぎやかな祝祭。 *** ""それ""は、ひとつのサイトから始まった。 200万PV突破のネット怪談ロア、ついに書籍化! 新作書き下ろし1篇を収録! ゆっくりボイス、まとめブログ、Discord、実験レポート、匿名掲示板、ドキュメンタリー映像、ホラー番組、位置情報ゲーム、オンライン百科事典、出所不明のカセットテープ、アスキーアート、チャットボット……。 いにしえのネット文化から最新のAI技術まで、幅広いテーマで描かれた全26篇の物語──「つねにすでに」。 各話はA〜Zの頭文字を冠し、独特の世界観を展開。公開後すぐに、AIを使ったインタラクティブなギミックや、1日限定で公開された民家での展示など、ネットならではの仕掛けが大きな話題に。 公式Discordには6,000人以上のファンが集い、熱い考察を繰り広げたあの作品が、ついに書籍化です。 発行:ひろのぶと株式会社 発売:順文社" "Season1 ""AlepH"" ・Archive/ゆっくり怪談 ・Blog/謎の手稿 ・Channeling/呪いの電話番号 ・Diagram/或る心霊写真 ・Experiments/幽霊を見る実験 ・Found/特定しました ・Guru/グル ・Heuristics/抜け落ちた参照項目 Season2 ""interrelationship"" ・Information/補足情報 ・Jukebox/かつて公開された音声 ・Kidnappers/育ての親 ・Lostandfound/探しています ・Maze/迷路の家 ・Nightmare/胡蝶の夢 ・Oracle/聖地巡礼 ・Paradoxination/パラドキシネーション Season3 ""QwerrY"" ・Quarrel/編集合戦 ・Red/警報 ・Supplice/断頭台への行進 ・Tarantela/タランテラ・ソルフェージュ Season4 ""ZonA"" ・Zero/ゼロ消去 書き下ろし一篇"
老いに抗いながら 過去の恋、突き上げてくる激情と性への執着 破滅への衝動と闘い続ける その終着点は美の極致か幻か…… 青年時代に小説を書いていたが、途中で才能への疑問を覚え挫折し休筆した。 心の奥底に燻り続けていた文学への想いが再燃したのは、七十歳のとば口が見えた瞬間だった。個人の生や愛や死の想念が未知の深淵に墜落していく時、いかに激しく輝くかに気づいた僕は再び筆を執らずにはいられなかった。人間の苦しみや喜びや悲しみ、怒りが僕の脳裏に渦巻いた。僕は彼等を愛しエゴイストと呼んだ。心優しきエゴイストたち、と。
20世紀後半のドイツ語圏文学を代表する作家ベルンハルト。その全作品を解く鍵と言われる自伝五部作が、本書『寒さ』によって日本語訳が出そろう。 肺病を疑われた若き主人公はグラーフェンホーフ結核療養所に収容される。死と絶望ばかりを目にしたそこでの日々を回想しながら、語り手は一つの探究を、自らの「原因」探究を進めるーー
「ラ・サール高をタテに出て,東大をヨコに出た。」 白砂青松の鹿児島ラ・サール高校から,大学紛争まっただ中の東京大学へ。安田講堂事件,三島由紀夫との公開討論会にも際会。 1963-70年,昭和のど真ん中を駆け抜けた詩人の自伝的青春小説。 桜島 胡座をかいて 松籟のもとで 白い聖火リレー 宿借りから海月へ 潮だまりの落とし穴 E♭mの裏声 水の盃 血の名残り から潮の夏 奥多摩のおくつき 漣と艀 時化日和 背水の乱 桜と風は南から 芽ぶきどき 氷の栞 夢路はるかに 母はいろいろと 桃から桜へ 縦書きのヨーソロー Mの変 冬の旅 あとがき