2024年8月26日発売
迫られる攘夷か、開国かー。嘉永六年(一八五三年)六月、浦賀にその姿を現した四隻のアメリカ軍艦。強大な武力をもって日本に開国を求める艦隊司令長官・ペリーの対応に幕府は苦慮していた。清国がイギリスとの戦争に敗れ、世界の勢力図が大きく変わろうとするなか、小姓組番士・永井尚志は、老中首座・阿部伊勢守正弘により、昌平坂学問所で教授方を務める岩瀬忠震、一足先に目付になっていた岩瀬の従兄弟・堀利煕とともに、幕府の対外政策を担う海防掛に抜擢されるー。強硬な欧米列強を前に、新進の幕臣たちが立ち向かう。
令和最注目の作家・斜線堂有紀が描く、推しの恋。見ててね。私が最高の人生、使い切るところー。「東京グレーテル」、カリスマ・赤羽瑠璃によって躍進したアイドルグループ。光り輝く彼女たちにも、ステージを降りれば人生が待っているー。彼女たちそれぞれの、恋と生の物語。
志波地裁に赴任した由衣は、上司となる阿古部長から一つの課題を出されていた。「紀伊真言が嘘を見抜けるかを見抜け」紀伊真言は、切れ者と評判だが悪評も高い先輩判事だ。赴任したばかりの判事補には仕事がない。それならば紀伊の裁判を傍聴して部長の“課題”に答えるしかない。かくして由衣は紀伊が訴訟指揮をする、窃盗事件の第一回公判に臨むー。
絶賛、続々! 〈実〉を緻密に積み上げ、〈虚〉の世界から情を迸らせる。 読みながら、何度もぞくりとした。本作は、虚実皮膜のギリギリを攻める近松の浄瑠璃と地続きにある。 --平松洋子 生真面目で切なくて、色っぽい。虚と実の間に立ち昇る、近松の真実(リアル)。圧巻の芸道小説だ。 --朝井まかて 『曾根崎心中』『国性爺合戦』など、 数多の名作を生んだ日本史上最高のストーリーテラー・近松門左衛門 創作に生涯を賭した感動の物語。 越前の武家に生まれた杉森信盛は浪人をして、京に上っていた。後の大劇作家は京の都で魅力的な役者や女たちと出会い、いつしか芸の道を歩み出すことに。竹本義太夫や坂田藤十郎との出会いのなかで浄瑠璃・歌舞伎に作品を提供するようになり大当たりを出すと、「近松門左衛門」の名が次第に轟きはじめる。その頃、大坂で世間を賑わせた心中事件が。事件に触発されて筆を走らせ、『曽根崎心中』という題で幕の開いた舞台は、異例の大入りを見せるのだが……。 書くことの愉悦と苦悩、男女の業、家族の絆、芸能の栄枯盛衰と自らの老いと死ーー 芸に生きる者たちの境地を克明に描き切った、近松小説の決定版
1949年に起きたイスラエル軍によるベドウィン少女のレイプ殺人と、秘匿されてきたその事件の真実を追い求めるパレスチナ人女性。現代パレスチナ文学の旗手が描出する、けたたましい沈黙と張り詰めた不在の物語。
『三国志演義』のあらすじをイッキ読み!英雄たちの人間関係、戦場での動きがサッとつかめる!見どころを徹底図解!魏・呉・蜀の勢力が一目でわかる領土変遷図付き!
第1部、誕生。ノルウェー、フィヨルドの辺の家。息子の誕生を待つオーライ。生まれた子はオーライの父親と同じヨハネスと名付けられ、やがて漁師となる。第2部、死。コーヒーを沸かしパンに山羊のチーズをのせる…老いたヨハネスの、すべてが同じでまったく異なる一日がはじまる…フィヨルドの風景に誕生の日と死の一日を描き出した神秘的で神話的な幻想譚。
みんなの人気者・晃、真面目で勉強が得意な健斗、気が利き調和的な悟。異なる性格を持つ仲良し三人組は、幼馴染でいつも一緒に行動していた。しかし、入塾や中学進学を機に、彼らの間には少しずつ距離が生まれてしまう。それぞれが劣等感や嫉妬、自己への存在意義に対する疑問を抱きながらも、彼らは心の成長を通じて、友情の大切さを再発見していくー。
“特殊設定”の第一人者が贈る安楽椅子ミステリ。五年前に警察を早期退職した纐纈古都乃は、ある朝、車での轢き逃げ現場に遭遇する。その瞬間、交差点の向かいにいた双子の姉妹が妙な閃光を放ったように見え、轢き逃げをした車が急停止し、別の車と接触。そして轢き逃げをした車のトランクからは女性の遺体が発見された。後日、友人の久志本刻子からの頼まれ事をきっかけに、古都乃は双子と再会する。古都乃は姉妹に、「ことさんは、やっぱり見えるんだ」と話しかけられてー。
「科学」に不信を抱き大学を休学した池田哲のもとに、かつての同級生・藤崎雪葉が訪ねてきた。彼女は池田に一本の鍵を預け、謎を解いてほしいと頼んで去る。謎がある場所は「桂の森図書館」-雪葉の祖父が建てた、時計塔のある図書館だった。時空を行き来しつつ謎を解く時、喪失と再生の物語が始まる!
終末感漂う近未来。家族を失った少女は異人種と出会い、共同体の“外側に存在する世界”で新たな価値観を知り、肉体的にも精神的にも成長をしていくが…。サマセット・モーム賞受賞の女流作家が壮大なスケールで描く“形而上小説”、原作発表から55年の時を経て初邦訳!
激動の時代のバルカンで、諷刺と喜劇で鋭い批判精神をふるった作家ブラニスラヴ・ヌシッチー官僚制度を揶揄するゴーゴリものの喜劇『不審人物』、姓とアイデンティティの関係を問う晩年作の喜劇『故人』の本邦初訳二篇と、作家の人生喜劇を綴った「自叙伝」を収録。