2024年8月30日発売
貧しい農民の子レアンは、人買いの馬車の中で驚くほど美しい少年を見て、前世で読んだ小説の中に転生したことに気づく。少年は、類まれな美貌ゆえに二つの国の王子を翻弄し、悲劇を起こす傾国の美男・シエルだった。彼が辿る過酷な運命を見過ごすことができなかったレアンは、シエルを助けてしまう。それ以降、レアンを離さなくなったシエルに巻き込まれるように、二人の王子・カイエンとエドワードと出会ったレアンは、彼らの運命を大きく変えていき…?
七歳となり迎えた“祝福の儀”にて激しい頭痛に襲われ意識を失ったエディ。目が覚めたエディは自身が転生者であること、そして授かったスキルが“糸”であることを知るのだった。前代未聞のスキルのため冒険者ギルドに登録を断られたエディは、商人の道を目指し旅に出ることに。あらゆる物質を解析・精製しスキルを磨きながら進む旅の最中、一匹のエンシェントウルフとの出会いがエディの出自の謎を紐解いていき…。前世の知識を活用して『糸』の解釈を広げることでスキルの可能性も無限大!?スキル“糸”を授かった少年が紡ぐ成長冒険譚、開幕!第8回カクヨムWeb小説コンテスト異世界ファンタジー部門特別賞受賞作。
突如として現れた宇宙人を打ち破り人類の救世主となった黒騎士が姿を消してからはや3ヵ月。記憶喪失の青年・白川克樹は姉の伯阿とともにバイトに明け暮れる日々を送っていた。そんなある日、克樹の目の前に現れた一体の怪人。なにやら因縁の相手らしいが克樹には何のことやら。と、その時頭の中に響く「戦え」との声。声に従い、いつの間にか現れたベルトにバックルを装着するとー白仮面の戦士姿に!?次々と襲ってくる怪人を倒していたら、ジャスティスクルセイダーなる正義の戦隊ヒーローまで現れて…?勘違い系ヒーローと、その熱狂的なファンによるドタバタコメディ、第2弾!
セシリオ王国の王女・ラヴィアンは、孤高の侯爵と呼ばれるアラン・リーヴェルトのもとに通っては毎日鬱陶しいほどに愛を伝えている。アランはそんなラヴィアンからの好意を相手にせず、むしろ「帰れ」と迷惑がるばかり。ラヴィアンは、アランの塩対応にもめげず、彼の生活に入り込み、チャーミングな人柄で、リーヴェルト家の使用人たちを虜にしていく。片思いでも愛する人と過ごせる日々に幸せを感じていたラヴィアンだったが、王女として戦争状態の隣国へ嫁ぐことに。アランへの思いを封じ込め、何も言わずに出発するが、「結婚はさせない」とアランが追いかけて来てー!?最強パワフル王女×愛を知らない孤独な侯爵のハートフルラブコメディ。
「-いやああああッ!?ウォルカ、し、死んじゃだめえええええッ!!」日本から転生した冒険者ウォルカ。ダンジョン探索中に突如強大な魔物に襲われた彼は、仲間を庇って瀕死の傷を負ってしまう。その瞬間ようやく気づいたーここが前世で読んだダークファンタジー漫画の世界で、自分が仲間もろとも全滅するモブキャラだったのだと。バッドエンドを強く嫌うウォルカは、仲間のために死に物狂いで戦い奇跡的に魔物を撃破。片目片足を失いこそしたものの、パーティ全滅の運命を覆せたことに安堵していた。ところが、仲間の少女たちの様子がなんだかおかしくなってしまってー「今度こそ絶対に守るからっ!!だからお願い、見捨てないでぇ…!!」「わたし、ずーっと傍にいますから。-いいですよね、せんぱい?」「キミのために死のうって…そう決めたの」ハッピーエンド至上主義な転生者と、彼に激重感情を抱く少女たちの“曇らせ”異世界譚!
わたしたちは、何をしたのか。 名探偵、五狐焚風。助手、わたし、鳴宮夕暮。 20年ぶりの再開を経て、かつての名探偵と助手は、 過去の推理を検証する旅に出るーー 桜庭一樹の新たな代表作、誕生! かつて、名探偵の時代があった。ひとたび難事件が発生すれば、どこからともなく現れて、警察やマスコミの影響を受けることなく、論理的に謎を解いて去っていく正義の人、名探偵。そんな彼らは脚光を浴び、黄金時代を築き上げるに至ったが、平成中期以降は急速に忘れられていった。 ……それから20年あまりの時が過ぎ、令和の世になった今、YouTubeの人気キャンネルで突如、名探偵の弾劾が開始された。その槍玉に挙げられたのは、名探偵四天王の一人、五狐焚風だ。「名探偵に人生を奪われた。私は五狐焚風を絶対に許さない」と語る謎の告発者は誰なのか? かつて名探偵の助手だった鳴宮夕暮ーーわたしは、かつての名探偵ーー風とともに、過去の推理を検証する旅に出る。
ゴールデンドーンに侵攻してきた帝国軍との決戦に勝利したクラフトたち。首謀者であるベラも戦場で息絶えたと思いきや、突如、魔族へと変貌を遂げる。ベラの攻撃により、クラフトとカイルは致命傷を負う。すかさず助けに入ったレイドックらによってベラは打ち倒されたものの、二人は横たわったまま動かない。懸命な治療の甲斐あって、クラフトは回復したが、カイルは一向に目を覚ますことはなくー。「小説家になろう」発、伝説級の錬金術師による自重知らずの辺境開拓譚、新たな使命へ立ち向かう第八巻!
天涯孤独のイジーは2年前に亡くなった夫の精子で人工授精を受け、シングルマザーになる決意をした。ところがスイスへ行き、クリニックで診察台に横たわっていたとき、億万長者グレイソンがスタッフの制止を振りきって彼女の前に現れた。“黄金の獅子”の二つ名で知られる元伝説のレーサーで、今は会社のCEOを務める亡き夫の親友がなぜここに?憧れた時期もあったけれど、私はずっと嫌われていたはず。彼はとまどうイジーに、亡き夫は不妊で精子は自分のものだったこと、どうしても子供が欲しい精子提供者になってもいいことを告げた。「だが僕と体を重ねることを考えてほしい。よければすぐに始めよう」
妹に教育を受けさせるために、3つの仕事をかけ持ちするタリアは、キスしたこともなければ、恋愛する時間さえなかった。不仲だった両親のせいで結婚願望などないのに、ある嵐の夜、下山するゴンドラが停電し、ゴージャスすぎる億万長者デインと二人きりで閉じこめられ、たまらなく惹かれるものを感じた。魔法にかかったように無垢な身を捧げたあと、停電が解消して地上に着くなり、タリアは逃げ出してしまうー。1年後。嵐の夜に授かった赤ん坊を抱いて公園のベンチに座っていると、突然声をかけられ、息をのんだ。この子と同じ、真っ青な瞳…。デイン?あなたなの?
久しぶりに戻った自宅で、ミリーは夫の帰りを待っていた。銀行家のレアンドロとは熱烈な恋に落ちて結婚したが、彼が姉と浮気しているのを目にしてショックを受け、そのまま家を飛び出した。あれから1年が経ち、姉が事故死したと聞いて、まだ生まれたばかりの甥を引き取るため、意を決して来たのだ。もしや赤ん坊の父親は愛する夫では?という疑いは消えず、とても複雑な気持ちだけれど…。だが驚いたことに、レアンドロは美女を連れて帰宅しておきながら、姉との浮気については頑として否定し、厳しい顔で告げた。誓いを立てて結婚した妻を二度と出ていかせるつもりはない、と。
ウエイトレスのダーシーは、イタリア富豪レンツォに見初められ、誘惑に抗えず純潔を捧げて、彼の愛人になった。太陽の下でデートすることもなく、逢瀬はベッドの上だけ。やがて虚しさに耐えきれなくなったダーシーが別れを申し出ると、レンツォはトスカーナの別荘に彼女を連れ出した。初めて恋人同士のように過ごし、幸せの絶頂を味わった直後、ダーシーはずっと秘密にしてきた出自を彼に咎められ、ひどく侮辱されて、追い出されてしまう。今になって、これほど身分違いを思い知らされるなんて。途方に暮れる彼女は、身ごもっていることさえ気づかず…。
さる王国で市民や兵士の治療にあたっていたレーガンは、帰国を前に、以前から想いを寄せていた現地の医師ケイナンと一夜を共にした。「僕の美しいレーガン。君を決して忘れない」別れ際にかけられた彼の言葉を胸に、レーガンは帰国の途についた。しかし、その後ほどなくして、彼女はケイナンの死を知った…。1年後。レーガンはあの夜に授かったケイナンの子を産み育てていた。ある日、勤務先に医学生の実習指導をする医師が新しく来ることが決まり、手話で話すというその医師の補佐を、レーガンがすることになる。初めての顔合わせで、彼女の驚きのあまり卒倒しかけたーケイナン!彼は生きていた!私を美しいと言ってくれたあの声は失われていても。
こんな身近に、私の異父妹がいたなんて!母に捨てられ、里親の家を転々として育ったローナにとって、父親違いでも血を分けた妹は大切な家族。彼女の心は浮き立った。だが今や富豪の妻となった母が、ローナと妹が親しくしているのを知り、ローナニ過去を暴露されることを恐れて悪知恵を働かせるー姉妹の仲を裂くよう、富豪の息子で油田王のミッチをそそのかしたのだ。ローナは突然現れたミッチから高額の小切手を叩きつけられたうえ、仕事も辞めてどこか遠くへ去るよう恫喝され、ショックで気を失った。驚いたことに、目覚めるとミッチの腕の中にいて、優しい声を聞いた。「動くんじゃない。僕に任せて、ダーリン」
会社員のジュリアはパーティで男に言い寄られて困っていたとき、突然割って入ってきた人物を見て驚いた。「サイラス!」近い将来、伯爵の爵位と広大な領地を受け継ぐ名家の御曹司で、つねに絶対の自信を持ち、大勢の女性に取り囲まれている。彼の遠縁であるジュリアは、そんな彼に憧れの念と反発心を抱いていた。今もサイラスは彼女に向かって軽蔑もあらわに、「きみもあの男に気があるのだろう」と疑惑を投げかけてきた。事実無根のことで責められ、断固否定するジュリアに、サイラスは思いもよらぬ提案をするー「それならば、僕の恋人を演じてあの男を追い払えばいい」
ある日、ミッシェルのもとに、結婚式の招待状が送られてきた。差出人はなんと、彼女の10年来の恋人!いつのまに別の女性と?いきなりの仕打ちに泣き崩れたミッシェルを慰めてくれたのは、学生時代からの友人で大富豪のタイラーだった。昔からプレイボーイとして名を馳せ、有能で容姿端麗で完璧すぎる彼にかえって反発を感じて、喧嘩ばかりしていたのに。彼のおかげで少し元気の出たミッシェルは、ある計画を思いつく。タイラーに頼んで、一緒に結婚式に出席してもらおうー私のとびきりすてきな新しい恋人のふりをして!見せかけのはずが、本当に彼の虜になってしまうとも知らずに。
住み込みの家庭教師アビーは、公爵ランズドーン卿に反感を持った。娘を社交界に出したい彼女の雇い主が、遠縁の彼に後ろ盾を請うたのだが、彼の顔には貴族特有の礼儀正しい無関心が浮かんでいるのだ。社交界でも最上流の彼には、貧しい家の事情なんてどうでもいいのね!一方のランズドーン卿は、時代遅れの地味な姿をした家庭教師の歯に衣着せぬ物言いに面食らっていた。貧しい遠縁の娘を社交界デビューさせるなど面倒きわまりない。いや、しかし待てよ。いいことを思いついた。彼は社交界デビューの手助けをすることをアビーの雇い主に告げた。「ただし、一つ条件が…アビーにも社交界デビューをしてもらいたい」
6年前にロンドンに出てきたメアリーは仕立屋でお針子をしている。今の生活以前の記憶はまったくなく、天涯孤独の身だ。ロンドンでも指折りの優秀なお針子にもかかわらず無給だが、食事と眠る場所の心配がないだけでも感謝していた。そんなある日の朝、メアリーはお使いの帰りがけに黒髪に全身黒ずくめの紳士に追いかけられ、怯えながら店に戻った。あれは誰だったの?なぜだか胸騒ぎが止まらない…。数日後、メアリーはその謎の紳士、マシソン卿と思わぬ場所で再会し、激しい怒りに燃えた様子の彼から一方的に問いただされる!「結婚式の前に、きみがぼくのもとから逃げた理由を教えてくれ!」