2024年8月発売
妹に教育を受けさせるために、3つの仕事をかけ持ちするタリアは、キスしたこともなければ、恋愛する時間さえなかった。不仲だった両親のせいで結婚願望などないのに、ある嵐の夜、下山するゴンドラが停電し、ゴージャスすぎる億万長者デインと二人きりで閉じこめられ、たまらなく惹かれるものを感じた。魔法にかかったように無垢な身を捧げたあと、停電が解消して地上に着くなり、タリアは逃げ出してしまうー。1年後。嵐の夜に授かった赤ん坊を抱いて公園のベンチに座っていると、突然声をかけられ、息をのんだ。この子と同じ、真っ青な瞳…。デイン?あなたなの?
久しぶりに戻った自宅で、ミリーは夫の帰りを待っていた。銀行家のレアンドロとは熱烈な恋に落ちて結婚したが、彼が姉と浮気しているのを目にしてショックを受け、そのまま家を飛び出した。あれから1年が経ち、姉が事故死したと聞いて、まだ生まれたばかりの甥を引き取るため、意を決して来たのだ。もしや赤ん坊の父親は愛する夫では?という疑いは消えず、とても複雑な気持ちだけれど…。だが驚いたことに、レアンドロは美女を連れて帰宅しておきながら、姉との浮気については頑として否定し、厳しい顔で告げた。誓いを立てて結婚した妻を二度と出ていかせるつもりはない、と。
ウエイトレスのダーシーは、イタリア富豪レンツォに見初められ、誘惑に抗えず純潔を捧げて、彼の愛人になった。太陽の下でデートすることもなく、逢瀬はベッドの上だけ。やがて虚しさに耐えきれなくなったダーシーが別れを申し出ると、レンツォはトスカーナの別荘に彼女を連れ出した。初めて恋人同士のように過ごし、幸せの絶頂を味わった直後、ダーシーはずっと秘密にしてきた出自を彼に咎められ、ひどく侮辱されて、追い出されてしまう。今になって、これほど身分違いを思い知らされるなんて。途方に暮れる彼女は、身ごもっていることさえ気づかず…。
さる王国で市民や兵士の治療にあたっていたレーガンは、帰国を前に、以前から想いを寄せていた現地の医師ケイナンと一夜を共にした。「僕の美しいレーガン。君を決して忘れない」別れ際にかけられた彼の言葉を胸に、レーガンは帰国の途についた。しかし、その後ほどなくして、彼女はケイナンの死を知った…。1年後。レーガンはあの夜に授かったケイナンの子を産み育てていた。ある日、勤務先に医学生の実習指導をする医師が新しく来ることが決まり、手話で話すというその医師の補佐を、レーガンがすることになる。初めての顔合わせで、彼女の驚きのあまり卒倒しかけたーケイナン!彼は生きていた!私を美しいと言ってくれたあの声は失われていても。
こんな身近に、私の異父妹がいたなんて!母に捨てられ、里親の家を転々として育ったローナにとって、父親違いでも血を分けた妹は大切な家族。彼女の心は浮き立った。だが今や富豪の妻となった母が、ローナと妹が親しくしているのを知り、ローナニ過去を暴露されることを恐れて悪知恵を働かせるー姉妹の仲を裂くよう、富豪の息子で油田王のミッチをそそのかしたのだ。ローナは突然現れたミッチから高額の小切手を叩きつけられたうえ、仕事も辞めてどこか遠くへ去るよう恫喝され、ショックで気を失った。驚いたことに、目覚めるとミッチの腕の中にいて、優しい声を聞いた。「動くんじゃない。僕に任せて、ダーリン」
会社員のジュリアはパーティで男に言い寄られて困っていたとき、突然割って入ってきた人物を見て驚いた。「サイラス!」近い将来、伯爵の爵位と広大な領地を受け継ぐ名家の御曹司で、つねに絶対の自信を持ち、大勢の女性に取り囲まれている。彼の遠縁であるジュリアは、そんな彼に憧れの念と反発心を抱いていた。今もサイラスは彼女に向かって軽蔑もあらわに、「きみもあの男に気があるのだろう」と疑惑を投げかけてきた。事実無根のことで責められ、断固否定するジュリアに、サイラスは思いもよらぬ提案をするー「それならば、僕の恋人を演じてあの男を追い払えばいい」
ある日、ミッシェルのもとに、結婚式の招待状が送られてきた。差出人はなんと、彼女の10年来の恋人!いつのまに別の女性と?いきなりの仕打ちに泣き崩れたミッシェルを慰めてくれたのは、学生時代からの友人で大富豪のタイラーだった。昔からプレイボーイとして名を馳せ、有能で容姿端麗で完璧すぎる彼にかえって反発を感じて、喧嘩ばかりしていたのに。彼のおかげで少し元気の出たミッシェルは、ある計画を思いつく。タイラーに頼んで、一緒に結婚式に出席してもらおうー私のとびきりすてきな新しい恋人のふりをして!見せかけのはずが、本当に彼の虜になってしまうとも知らずに。
住み込みの家庭教師アビーは、公爵ランズドーン卿に反感を持った。娘を社交界に出したい彼女の雇い主が、遠縁の彼に後ろ盾を請うたのだが、彼の顔には貴族特有の礼儀正しい無関心が浮かんでいるのだ。社交界でも最上流の彼には、貧しい家の事情なんてどうでもいいのね!一方のランズドーン卿は、時代遅れの地味な姿をした家庭教師の歯に衣着せぬ物言いに面食らっていた。貧しい遠縁の娘を社交界デビューさせるなど面倒きわまりない。いや、しかし待てよ。いいことを思いついた。彼は社交界デビューの手助けをすることをアビーの雇い主に告げた。「ただし、一つ条件が…アビーにも社交界デビューをしてもらいたい」
6年前にロンドンに出てきたメアリーは仕立屋でお針子をしている。今の生活以前の記憶はまったくなく、天涯孤独の身だ。ロンドンでも指折りの優秀なお針子にもかかわらず無給だが、食事と眠る場所の心配がないだけでも感謝していた。そんなある日の朝、メアリーはお使いの帰りがけに黒髪に全身黒ずくめの紳士に追いかけられ、怯えながら店に戻った。あれは誰だったの?なぜだか胸騒ぎが止まらない…。数日後、メアリーはその謎の紳士、マシソン卿と思わぬ場所で再会し、激しい怒りに燃えた様子の彼から一方的に問いただされる!「結婚式の前に、きみがぼくのもとから逃げた理由を教えてくれ!」
新感覚戦隊ラブコメディ!突如現れ、政府に宣戦布告した怪人集団「ダークスフィア」!その脅威に対抗し、政府が起ち上げた対ダークスフィア組織、それが市民の希望“勇者戦隊ヴレイファイブ”だ!そして、失恋に絶望していた耕太の心を救ってくれたのも、心優しい最強戦士、ヴレイピンクことこよみだった。ふたりは秘密を共有し、同棲生活を送ることになるが、怪人達の襲撃で、憩いの時間ばかり邪魔されて…。
「日本留学は父の為、いいえ、私達家族全員の願いなんです」戦時中、祖母と一人の日本人が愛し合って父が生まれた。日本に引き揚げる祖父は必ず戻り一緒に暮らすと祖母に誓うが、全くの音信不通に。祖母は毎回政治運動の審査を受け、その文化大革命中に苦しみ抜いた挙句に自殺した。父も子供時分には差別され、私までも子供の頃には心の中に暗い影を引きずってきた。日中友好の切なる思いのこもる「長編小説」