2025年12月2日発売
『狂血公爵』アリスティード・ロジェ・ド・ガルブレイスの求婚を受けた『悪食令嬢』メルフィエラ・マーシャルレイド。 ガルブレイス領での生活に馴染み、魔物討伐にも共に参加するなど周囲にも馴染むメルフィだが、 婚約者アリスティードの元に、ラグラドラゴンの緊急討伐要請が届く。 要請に応えるべく、王都へと移動し討伐に向かったアリスティードが出会ったのは 不自然な挙動のドラゴンだった! 王都の屋敷で留守を預かるメルフィエラだが、 そこへ意外な来客がありーー! メルフィエラの、そしてマーシャルレイドの謎が少しずつ明かされる第4巻!
婚約者は、今日も義妹のもとへ行ってしまった。侯爵令嬢アデラの婚約者・レナードは、義妹を優先してアデラとの約束を反故にしてばかり。いずれ義妹とも家族になるのだから、と度重なる違和感に目をつぶっていたアデラだが、彼女とレナードが抱きしめあっているところを目撃してしまう。 「ふたりの愛を応援するわ。だから、私の分までしあわせになってね」 自分を裏切ったレナードと結婚するなんて耐えられない。そう思ったアデラは、婚約を解消するため、レナードと義妹の結婚を応援することに。無事、婚約解消にこぎつけた数日後、アデラのもとに、レナードの兄を名乗る冷酷な眼差しをした青年・テレンスが現れて……!? 一難去ってまた一難、義妹たちに翻弄されながらもまっすぐに生きるアデラが、誠実な愛に報われる物語。
「それでも私はウォルムさんに死んで欲しくはありません」 人狩り事件の犯人だったファウストらを退けた後、ギルド職員リージィの説得で単独での迷宮探索を止め、迷宮都市ベルガナで パーティーを探すことにした転生者・ウォルム。 奇縁を経て、冒険者メリルが率いる三魔撃に加わることとなった。 迷宮の制覇者に最も近いパーティーと言われる三魔撃に加わり、やがて腐り墜ちる魔眼を治すため、迷宮の深層に咲くという真紅草を目指すウォルム。 一方で、人狩りであったファウスト、裏ギルド、そして翁。統一戦争で潰えた亡霊が、暗闇で孕んだ悪意を吐き出さんとしていた。 「ああ、良いぞ……その気なら。俺は殺しも、戦争も得意だ」 「小説家になろう」が誇る戦記ファンタジー、第5集。
アイリス は『氷の女』と呼ばれている。 とある侯爵家の一人娘として生まれ、クラム公爵マシューの妻となって数年、一度も笑ったことがないから。 良い夫婦関係が築けるはずもなく、時間だけが過ぎていたある日、 アイリスがある病にかかっていることが判明する。 ーー『氷心症』。 はるか北国にいたという氷の魔女の呪いであり、 発症から約一年で心臓が凍りつく死の病。 更にその診断を受けた数日後、 夫のマシューからは離縁を申し渡される。 「不治の病にかかりましたので、ちょうどよかったです」 アイリスはそれだけを言い残して、公爵家を去った。 夫とはそれで終わり、……のはずだったのに。 なぜか、マシューはアイリスを追いかけてきてーー?
60年代米国。南部の厳しい差別から逃れ、育ったNYで娘を身ごもったグレイス。だが裏切りにより娘は養子縁組に。その子をレイと名付け、里親となったデロリス。人種差別や男女格差が引き裂いた母と娘の物語が、今、三人の黒人女性を通じて一つに編み直される
最大の悲劇は、悪人の残酷さではなく、善人の沈黙である 国家の弾圧、メディアの大罪、ネットの狂気……。 悲劇的な運命に翻弄される男が掴んだものは、救いか、さらなる混沌か。 交錯する運命。境界が消える善悪。やがて物語はこの世界の隠された真実に辿り着く。 鼓動が続く限り運命に抗えーー 国家の圧政により家族を失った男は、亡き父が残した暗号ファイルを手に、国家に無謀な闘いを挑む。次々と降りかかる理不尽に対抗するために、男が見出した最後の術は「物語の力」だった。物語で世界の有りようを書き換えようとする男が手にしたものは、祝福か 呪いか……。残酷な現実に抵抗する人間の痛みと希望を描く物語のゆくえとはーー プロローグ 二人の現在地ーー土橋直哉 手記1 事件ーー土橋直人 失ったものと手にしたものーー土橋直哉 思い出にならない記憶ーー榎本慎太郎 事件の残滓ーー土橋直哉 手記2 差し出された手ーー土橋直哉 消せない真実ーー藤本美香 音声データ 先生の最後の言葉ーー土橋直哉 心を揺さぶるものーー榎本慎太郎 津波に奪われなかったものーー藤本美香 告発と波紋ーー土橋直哉 ペンは剣よりも強しーー榎本慎太郎 告発と陰謀 小説家の嘘 後藤の計画ーー土橋直哉 人間だけが持つものーー土橋直哉 ゲルニカの上にひまわりをーー土橋直哉
もう恋なんてするはずはないと思っていたーーあの日、出逢うまでは。 一度はすれ違い、遠ざかった二人。再会の先に待つのは、後悔か希望か。 静けさの中に胸を打つ、大人のための恋の物語。 東京から地方都市へ単身赴任した50代の会社員・斎藤拓也は、新天地での仕事と生活に適応しようとする中、同僚の西澤レイ子と出会う。知的で誠実、気品を感じさせる彼女に対し、拓也は既婚者でありながら強く惹かれていく。互いに家庭がありながらも、仕事やランチ、何気ない会話を通して距離が縮まり、やがて淡い恋心が芽生える。禁断ともいえる感情と、それを昇華させようとする姿が丁寧に描かれる中年男女の情愛の物語。
渚と渚、家族になってともに母に ブログがきっかけで知り合ったアラサー女子、白石渚と池江渚は、「灯台めぐり」の旅を重ねて姉妹同然の絆を育み、双子の兄弟と恋に落ちる。2組のカップルはそれぞれ人生のパートナーとなり、新たな親子関係が生まれ……。 友情から家族愛へ 新展開の第3章
太平洋戦争直後の混乱をたくましく生き抜いた女性たちの、不屈の絆と希望 昭和の戦争の嵐が吹き荒れる満州で、運命に翻弄された二人の女性。従軍看護婦の伸子と特高警察官の妻・満。それぞれが直面した過酷な現実と、家族を守り抜こうとする母としての強さを描く感動作。 一 俊介の進路面談 二 忍び寄る大戦の足音 三 日米開戦 四 妻 伸子への召集 五 それぞれの任地へ 六 それぞれの身の上(自己紹介) 七 留守を預かる 八 満州談義 九 堀越俊介、国末広太郎の戦死 十 終戦は近いのか? 十一 伸子奉天へ転勤 十二 敗戦の混乱 十三 年の暮奉天 十四 未帰還の伸子を待つ家族 十五 帰国許可の朗報 十六 伸子帰る 十七 「尋ね人」 十八 避難列車 十九 反省 二十 伸子と満の出会い 二十一 もしもの時 二十二 避難生活 二十三 父 帰るも 二十四 帰国への心の準備 二十五 帰国の途へ 二十六 ままならぬ内地の事情 二十七 洋二郎の実家 二十八 洋二郎の実家へ挨拶 二十九 一本の万年筆 三十 満、伸子との再会
この違和感、神様のイタズラ? いつもと変わらぬ日常が、どこかズレてる。 人と、人ならざるものの気まぐれが紛れ込むショートショート20編。 現代人の願いに疲弊し家出をした神様、気苦労の絶えない狛犬、「ダイエット神社」の驚くべきからくり。 富津倉神社を起点に繰り広げられる、日常と非日常が溶け合う掌編フィクション。 第一章 神様の願い事 葉みくじ 神様の逃避行 メリーゴーランド 御酒印帳 ダイエット神社 胴体狩り 冷たい手 第二章 膝小鯉 月の魔力 トビウオのまなざし 営業マンの極意 就職試験日 ウーマンホール 虫に喰われた男 過去と再会した女 進化論 山の名水 充実の人生 イーグルス
最高の相棒(バイク)がくれた、最高の仲間達 平凡な毎日を送っていた会社員・金城翔太は、あるバイクとの出会いをきっかけに二輪免許を取得する。教習所で知り合った琉香達とツーリングを重ねるうちに、バイクで走る楽しさを知り、仲間との絆を深めていく。だがある日、走行中の事故により、翔太は命の危機に直面する。同じ希少な血液型を持つ琉香が、翔太を救うため急いで病院へ向かおうとするが……。 風になる疾走感、仲間と走る楽しさ、バイク乗り同士の絆ーーバイクで駆け抜ける青春の日々を綴った、若者達の熱い絆の物語。 第一章 先輩と/雷と風/教習所の天使/報告 第二章 教習/出会い/一本橋/卒業検定/検定終了/打ち上げ/バイクショップ『ダーツ』 第三章 初乗り/白バイ/プチツーリング/意外な共通点/暴走族との夜 第四章 ツーリング計画/山口ツーリング/青い翼/最終日/厳島神社 第五章 あおり運転/絆/病室にて 第六章 相棒/始動/仲間 あとがき
「変な配達員さんがいるんです……」運送会社・さくら配達に、奇妙な問い合わせが相次いだ。その配達員はインターフォンを三回、ノックを三回、そして「さくら配達です」と三回呼びかけるのだという。まるで嫌がらせのようなその行為を受けた人間に共通するのは、配達の指定時間に荷物を受け取れず、不在票を入れられていたという事実。実害はないが、どうにも気味が悪い……そんな中、時間指定をしておきながら、わざと不在にして配達員に荷物を持ち帰らせるというイタズラを繰り返す男のもとに、不気味な配達員が姿を現しーー。不可解な怪異によって日常が歪んでいく、生活浸食系ホラー小説!!
Xにてリポスト2.4万、いいね16.5万、閲覧4.5億回されたポスト群をもとに作成されたホラー短編集、ついに書籍化! 【ルール】このアドバイスに疑問を持たないでくださいーー ・工場:人を「おーい!」と呼ばないこと ・会社:三階会議室は使用禁止です。中には人は居ません ・寮:開かずの間が三か所あるが絶対に開けないこと、開くことがあります。 ・警備:夜間巡回時に復路でまれに開いているドアがあるが必ず締めろ、なお中は見なくて良い 会社、旅行先、病院……日常を1mm?いてみれば、そこには「変なルール」が満ち溢れている。
柳原郁夫は独立して自分のビジネスを始めたいと考えるが、妻の裕子からは強く反対され、計画を断念する。それから1年後、今度は妻の裕子が女性起業家養成塾を立ち上げ、多くの参加者を集め成功を収める。その後、裕子の様子に変化が見られ、医師から中程度のアルツハイマー型認知症と診断される。徐々に彼女は出不精になり、階段やエスカレーターの使用を避けるようになる、外出時は郁夫が付き添ったが、ショッピング中の混乱や物忘れが頻繁に起こり、裕子は自身の行動に戸惑いを見せ始める。そして、優しい性格だった裕子は次第に激しい怒りから物を投げたり、時には包丁すら手に取るようになってしまう。家族は彼女を守り、耐えることが続いたが、年月の経過と共に関係が次第に複雑になっていった。その後、施設に入居したが、その生活中に裕子の体調が急変し、膵臓がんが発見された。余命宣告を受けた彼女は在宅看護を受けながら最後の日々を家族と穏やかに過ごすが、徐々に体力が衰えていく。それでも息子・祐の支えもあり、裕子は一時的に生き生きとし、病気を忘れたように見えたが、緩和病院への転院前夜に、裕子は家族に見守られながら静かに息を引き取った。郁夫は妻を悼みながら、裕子のことを思い出の中で大切に抱きしめる。 第一章 孤独から共生へ/第二章 意表を突かれて/第三章 たゆたう魂/第四章 共生から自立へ/《エピローグ》愛しきは命
医師の眼と詩人の手つき 宿痾、痛み、性と死、澱汚と諦念……ソ連崩壊前夜に小説の新たな沃野を拓いたパレイの初期三部作ーー「追善」「エヴゲーシャとアーンヌシカ」「バイパス運河のカビリア」--で描かれるのは、グロテスクが発酵する日常を淡々と生きる、行き場のない人びとであり、その生は言ってみれば「いずれもそれぞれに不幸なものである」。とはいえ、幸福な生が必ずしも美しいものとは限らないし、不幸な生が醜いわけでもない。医師でもあったパレイの自伝的要素もまとった語り手は、幼い日に祖父母の家で目の当たりにした業の行く末と死、一癖も二癖もある老女たちとの共同住宅での営み、そして、バイパス運河通りで天衣無縫に生き切った「カビリア」を、冷めたあたたかな眼差しで眺めながら、饒舌にして平静、乾いていながら粘りつく唯一無二の文体で編んでゆく。ゴーゴリやドストエフスキー、アフマートワらによって紡がれたテクスト・ペテルブルクの系譜にありながらも、粛清や大祖国戦争、封鎖や飢餓といった悲劇、ガガーリンの活躍や原発事故、ペレストロイカなどソ連史を内に湛えるこれらの作品は、むしろ「テクスト・レニングラード」と呼ぶにふさわしい。
古き良きあの頃の京都へーー 自立を目指す一人の青年の物語。 人々との交流をとおして変化していく心を瑞々しい筆致で描く。 一 銀閣寺道 白川女と二人暮らし (一)五十年前の記憶 (二)故郷を発って京都へ (三)日々の暮らし (四)白川女 (五)暗転 (六)幽霊 (七)白川女との再会 二 新京極 人形のあやべ (一)人形屋で働く (二)父と娘 (三)黄色の花と和紙作りの里 (四)心、揺さぶる (五)東京へ (六)京都から綾部、そして城崎温泉へ 三 京都下鴨 それぞれの物語 (一)六十五歳の同窓会 (二)その子のこと (三)夢の中 (四)退職記念講演会場で
ー働くとは。生きるとは。 1984年、バングラデシュ・ダッカ。 現地駐在員としてインフラ事業を担っていた片岡章二のもとに、ある日の午後、衝撃的な一報が届く。 バングラデシュ航空機がダッカ空港近くで墜落。住吉商事からの出張者二名が乗っていたらしい。 なぜ彼らは、「死にたくなければ乗るな」と警告されていたはずの“午後便”に乗ってしまったのか……。 彼らの行動の背景にあったのは、組織への厚い忠誠心だった。 実際に起きた航空事故をもとに、国境を越えて働くことの過酷さとロマン、そして“会社”という巨大な論理が個人の命を飲み込む不条理を描き出すノンフィクション小説。 ※この書籍は2021年に出版された『安息日は二度と来ない:ダッカ1984・航空機事故とある商社マンの葬送歌(レクイエム)』のリニューアル版です 目次 プロローグ 1 ネバー・オン・サンデー 2 ハンガー4 3 地獄の沙汰も金次第 4 火葬の村 5 深夜のスピークアップ 6 懲罰人事 7 肥溜め商社 8 社長のお忍び 9 男子単優勝 10 結論はUFO 11 自衛隊の手つなぎ鬼 12 ワシントンDCの桜 13 二度目の懲罰人事 エピローグ あとがき 著者プロフィール
異文化と欲望が交錯する、熱き商社マン小説ー。 40歳を迎えた総合商社マン・片岡章二は、キャリアの行き詰まりを抱えながら、インドネシア・中部ジャワの地に降り立つ。 任されたのは、大型発電所の設計から調達、建設までを一括で請け負うEPCプロジェクト。 国家間の利害、異文化の価値観、企業の思惑が交錯するなか、片岡は多くの葛藤と選択を迫られていく。 仲間への信頼と裏切り、家族との別れ、そして、責任の重さに打ちのめされながらも前に進む日々。 現場で起きるトラブルの数々と、交渉の駆け引きの末に彼がたどり着いた“答え”とはー。 世界を舞台に戦う商社マンのリアルとロマンを描いた、心揺さぶる本格ビジネス小説。 ※この書籍は2022年に出版された『商社マンたちの協奏曲ーー発電所EPCの男たち』のリニューアル版です。 目次 プロローグ 1 戸惑い 2 気付き 3 始まり 4 三銃士 5 強み 6 また一難 7 ホスピタリティ 8 バキバキ 9 紙 エピローグ エピローグ 1 エピローグ 2 著者略歴