出版社 : 小学館
かくして林檎は奪われたー。惨劇に終わった式典を明けて、中央連盟の面々を襲ったのは、第二の衝撃。シュテルン家当主脅迫事件を受けて、ロロ・リングボルド率いる第一指揮が大規模掃討戦に向けて動き出す。その裏で独自に行動を開始するのは、第七指揮の粛清官たちだった。一堂に会するは、完璧を目指す者。贖罪する者。弾劾される者。義を貫く者。過去に眠る者。復讐者と、殉教者。そして夢に堕ちた星を掬い上げる、当代の夜。たったいちどだけ許された後夜祭に、最後の炎が灯されるー砂塵教襲撃編、後編。
“連合軍”と“魔王軍”との長い戦いは果てなく続き、人類は鉄と火を主力とした軍隊と『勇者』『魔導具』といったいまや希少な神秘の力に頼り、戦い続けていた。軍部は戦況を打破するため、過去の遺物『魔導書』の兵器転用を図り始めるがーそこに、ただひとり、抗う女がいた。それは軍基地図書館の『魔導司書』の任を受けた女。本を愛し、愛しすぎたがゆえに職を失い、まんまと戦場まで連れてこられてしまった女。筋金入りの、司書ーカリア=アレクサンドル。本を愛する司書の誇りが、戦争という現実に抗い始める。
「はぁ、今日も視聴者0、登録者3…。向いてないのかしら、わたくし…」ドレス姿でダンジョン攻略するお嬢様系配信者、山田カリン(16)。しかし動画は伸びず、一年たっても底辺をさまよっている。そんなある日、カリンはダンジョン下層で妙な男を発見する。「そんじゃいまから爆破すっからなー」その手には国が禁じる危険物質がー「なにやってんだてめぇオラアアアアアアア!」「ぐはぁぁぁっ!?」迷惑系配信者をボコったカリンは、チンピラお嬢様として人気に火が付いて…!?おハーブすぎるダンジョン無双バズ、開幕ですわ!
晩年、裏社会の支配者として君臨した男、レオ・F・ブラッド。彼の人生は、絞首台の上で終わりを告げたーはずだった。意識を取り戻すと、その目に映ったのは見知らぬ町、見知らぬ人々。そして、見知らぬ自分の姿。かつて裏社会を統べた男は、何の権力も持たない唯の少年へと生まれ変わっていた。だが、揺らめくような野心の炎だけは、未だその胸を熱く焦がしている。異世界のスラム街にて二度目の生を受けたレオは、仲間を集め、再び世界を手中に収めることを決意する。生前では取りこぼした、あるモノを手に入れるためにー。第17回小学館ライトノベル大賞優秀賞受賞作。
獣人事件の収束から1年。砂塵渦巻くこの街で、ふたたび騒乱が起ころうとしていた。謎に包まれた連続食人事件の勃発。時を同じくして延期開催される偉大都市の150周年記念式典。熱気に包まれる舞台を見下ろすは、市民、粛清官、円卓の盟主たち。そして、たったひとりの星の夜。祝宴の終幕を飾るは、この街の“歌姫”ノエル・シュテルンのステージ。その背後に蠢くは、宗教徒たちの黒い影。「-楽園殺し。ああそれも、貴女の望みであるならば…」熱狂と陰謀が交錯する今宵、偉大都市史上最大の祭(フェス)が幕を開ける。
山瀬冬、大学一年生、童貞。四国は香川の高松から上京してきた俺は、新生活が始まった今も悩みを抱えていた。「皆瀬に、どうやって告白すればいいんだろう?」俺は、同じサークルの皆瀬糸が気になっている。別に、一目惚れというわけではない。むしろ初対面の頃は、目立たない子とさえ思っていた。けれど、その微妙にずれた感性や、やけに綺麗な所作が新鮮で、気づけば彼女を目で追うようになっていた。俺は、皆瀬糸に恋い焦がれてしまったのだ。-これは、糸と出会い、付き合い、青春を紡ぐ物語。そして、恋人であることを諦める物語。
獄門撫子ー化物すら畏怖する凶家『獄門家』の、化物を喰らうさだめの娘。しかし、自らを怖れぬ胡乱な女ー無花果アマナとの出逢いが撫子を変える。花天井に潜むもの。箱詰人身御供。あざなえる呪い紐。人を取り替える化物。次々と怪異に挑むうち、二人は目を背けていた己そのものと対峙するー「あなたさえいなければ、わたしは鬼でいられたのに」鬼の身体にヒトの心を宿した少女と、ヒトの身に異形の魂を抱えた女の縁が、血の物語の封を切る。うつくしくもおそろしい、少女鬼譚。第17回小学館ライトノベル大賞「大賞」受賞。
育英生選抜試験を無事突破した、成と伊那。ここからは、日本トップクラスの強者達との戦いだ。特に警戒すべきは“BIG・7”と呼ばれる上位7名の時代の寵児たち。緊張をあらわにする二人だが、目の前に突如奇抜な格好の少女が現れる。「いつでもハッピー“アクマちゃん”でーす!」試験を最下位から6位まで押し上げ突破した、ダークホース・唯村阿久麻。さらに立ちはだかるは、自己株『1兆円』の1位通過者、現経済界の“帝王”九十九弥彦。成と九十九には、なにやら因縁があるようで…。“世界権競争”本戦が今、幕を開ける!
「姉を死に追いやった七人の人間を皆殺しにしてやりたいの」と冥は栞に言ったー。四方を山に囲まれた田舎町で、三年前、冥の姉・明里は、凄惨ないじめに遭い自ら命を絶った。その復讐のために冥はここへ戻ってきたのだ。冥は巨大な蛇の神を自分に憑かせ、超常の力を得る封印された祭儀『オカカシツツミ』を行い、神様の力を借りて栞と共に一人ずつ標的を殺していく。復讐と逃避行の日々の中で二人は恋に落ちるが、やがて力を借りた代償としての“死の運命”が冥の身に降り掛かって…。残酷で美しい青春小説。
「ドスケベ催眠四十八手ー夢幻狂気」転校初日に“狂乱全裸祭”を引き起こしたそいつの目的は、俺の協力をとりつけることだったらしい。「私は片桐真友。二代目ドスケベ催眠術師。いえい」(だぶるぴーすぶいぶい)-ドスケベ催眠術師。俺にとっては悪夢そのものの名前だ。誠に遺憾ながら、その初代こそが、俺の父親だからである。縁を切って、苗字まで変えたのに。「サジ。ドスケベ催眠術師の子として、私の仲間になってほしい」「断る」催眠女子×闇系男子のタッグ成立!?ドスケベ催眠×青春コメディ!!ガガガ文庫新人賞受賞作。
わたしは磯原めだか、二十二歳女子。福島県郡山市出身。ちいさく生まれてちいさく育ち、欲望らしい欲望もほとんどない。世間とのずれに生きづらさを感じつつも、ゆかいな家族に支えられてきたのだけれど、就職で実家を離れることに。けれど、上司のパワハラに耐えかね、心も病んで結局すぐにとんぼ返り。逃げ込むように、こころ落ち着くバスタブのなかで暮らし始めました。それなりに楽しい毎日だけれど、やっぱりそのまま、めでたしめでたし、というわけにはいかなくて…。これは、わたしがもう一度生まれるための、ちょっとふしぎな物語。
“満月が最も高く昇る晩に“アルメリアの至宝”をいただきに参上する”大怪盗セラスから学長宛に届いた予告状。バスクルビアは騒然とし、勇者の子孫エリシアに厳重な警備がつくことに。クロスたちアラカルト派も護衛任務につくのだがーセラスの狙いは、まさかのクロスだった!!「君の身体だけじゃなく…心も盗んでみせるよ、少年」「はいっ!?」当然、ぽっと出の“泥棒猫”に女師匠たちが黙っているわけもなくー。いま、アルメリアを股にかけたクロス争奪戦が幕を開ける!
19歳の成央の前に現れたのは、15歳の時に明澄俐乃のために作ったVRキャラ“響來”だった。響來の願いで再会する成央と俐乃。芸能人となった19歳の俐乃は輝きながらも、居場所を求め一人走り続けていた。その姿を見て、成央は15歳に置き去りにした感情を思い出す。保健室で見た「はじめて」。二人だけの甘い時間。そして、叶えられなかった約束。鮮明によみがえる憧れと葛藤の欠片たちが成央に突き刺さる。現実と理想に向き合う中、二人はやがて響來が現れた意味を知りーさまよえるキャラクターと葛藤が紡ぐ青春ファンタジー。第17回小学館ライトノベル大賞優秀賞受賞。
王弟、奇智彦尊殿下。王室の忌み子。弱小王族。足曲がり。サメの王子。奇智彦は軍の式典で、帝国から祝いの品として送られてきたそれと対面する。女奴隷、シニストラ。美しき獣。熊の巫女。おそるべき犯罪者。意志とちからはここに出会い、王国をあらたな争乱が包み込む。兄が、死んだ。王が、死んだ。ならばー次の王は、誰だ?奇智湧くがごとく、血煙まとうスペクタクル宮廷陰謀劇!ガガガ文庫新人賞受賞作。
主人公は「虫樹」と呼ばれる古代遺物の虫型マシンを乗りこなす、団長のリョウ。マシンの名はカブトムシ型の「ソレオレノ」。リョウはエン王の遺児センとともに、かつて自分を裏切った3人の仲間のひとりユーロを破った。そのリョウの前に新たな強敵、雀蜂型マシン「ベニシダレ」を操るディナールが立ちはだかる。しかし、ディナールはかつてリョウと同じ町に育ち、心を通わせ同じ夢をみた麗人だった…。群雄割拠の砂漠の大地に真の安らぎをもたらすため、リョウとセンの戦いは新たな局面へ!
ある朝、惣助が目を覚ますと隣に全裸の弁護士ブレンダが寝ていた。果たして惣助は本当にやらかしてしまったのか…!?一方、サラは相変わらず中学生活を満喫し、演劇祭で主役を務めることに。もう一人の異世界人リヴィアは、半グレ組織のリーダー・ミコトと出逢ったことで、地下闘技場で戦ったりヤクザの屋敷に乗り込んだりと、ますます裏社会との関わりを深めていくのだった。入り乱れる恋と友情、そして別れ。登場人物たちの意外な一面も明かされる、予測不能の群像喜劇第5弾!今回は恋愛成分多めでお送りします。
夏休み直前、ショッピングを楽しむジル(星美)と心寧は、夢中になりすぎて通り縋りの女性のバッグを汚してしまう。その値段、なんと六十万円!せめてのお詫びにと、女性の経営するカフェでバイトをすることに。すると、そこにはキッチンで働く折戸の姿が!?ジルは、自分の正体がクラスメイトの星美であることがバレないよう、バイトをこなさなければならない。更には、伊武から折戸の好きな人を探るように頼まれ、彼女をプロデュースすることに。これは陽キャな彼と彼女と、それをつなぐ女装男子・陰キャ女子のひと夏の物語。
人類と魔族の共存特区ニルガ・タイドー通称・魔王都市。七柱の魔族が治めるこの街で、一柱の王が殺された。均衡が崩れ極度の緊張状態に陥る中、事態を重く見た人類連邦司法庁“不滅工房”は勇者の娘アルサリサを魔王都市へと派遣する。彼女と組むのは、なまくらキードと呼ばれる捜査官。法の下に正義を執行する勇者の娘と、違法を厭わず仁義を貫く不良捜査官。暴力と陰謀が入り乱れる混沌都市で、歪なコンビの常識外れの捜査が始まる。二人は抗争を食い止め、黒幕へと辿り着けるのかー世界破滅級クライムサスペンス。
『アリシア・オズリンドは「氷結令嬢」』人を人とも思わない厳しい言動から、貴族界の悪役と呼ばれている。本当は、ただ素直になれないだけなのに…。だが、彼女が唯一心を許している人間がいる。掃除係としてお屋敷で働いている、少年グレイだ。「ワタクシのことを分かってくれるのは、貴方だけ!」グレイに完全に心を許しているアリシアは、常にフルパワーで甘えてしまう!食事の時間も、お風呂場も、寝る前でさえも!?お嬢様は貴族、グレイは平民。絶対にこの溺愛には、耐えなければならない!異世界ラブコメディ開幕!!