制作・出演 : ジョージ・セル
シューマン&グリーグ:ピアノ協奏曲シューマン&グリーグ:ピアノ協奏曲
痛めた右手の治療を続けつつ指揮活動と左手ピアノの作品の「弾き振り」で活躍しているフライシャーが、右手の故障が起こる前に録音したこの演奏は、豪快でエネルギッシュであると同時に、セルの格調高い指揮を得て、ゆるぎない構築性もが光る快演である。
モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ第32、25、28、24番モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ第32、25、28、24番
クリーヴランドのシェフが伴奏をし、当時のコンマスが独奏。演奏は、最近の古楽器を先取りしたようなパリッと乾燥した明るく躍動的なもので、かなりいい。セルのピアノも指揮と同じように音の粒をハッキリと奏し、その技術は本職並である。
ベートーヴェン:交響曲第9番ニ短調「合唱」ベートーヴェン:交響曲第9番ニ短調「合唱」
生誕やら没やら、話題の多いクラシック界だが、この盤も、ハンガリー出身の名指揮者、セルの「没後20年」企画の1枚。溌刺としたテンポで小気味よく音楽をうたわせている。「第9」は、第4楽章ではじめて左右の広がりと奥行きを感じる…なんだか不思議。
シューベルト:交響曲第8番ロ短調「未完成」シューベルト:交響曲第8番ロ短調「未完成」
(2)にはセルが亡くなる直前、'70年のすばらしい再録音があるので(東芝TOCE7106)これは(1)をきくべきもの。透明でクリスタルな音色、一糸乱れぬアンサンブルは見事で、巷間いわれるほど、冷たい印象は与えず、名演だ。(2)は音像がモノ的で表情もカタい。