制作・出演 : ラフマニノフ
リヒテル初期の代表的録音のひとつ、第2番の協奏曲をはじめ、声楽曲や交響曲などを配し、ラフマニノフの全体像がほぼ俯瞰できる内容となっている。演奏者も前述のリヒテルをはじめ最適な音源を使用。
クラシック音楽と彼女の生きざまの間にある“何か”を慈しむように紡がれる、音による独白。そんな彼女の特色が、協奏曲という形式によって、いっそう鮮明に浮き彫りにされた。詩人の魂を持つ人が夢見る孤高の世界。これを音楽的と言わずしてどうするのだ。★
ラフマニノフの作品はチャイコフスキーの死を、ショスタコーヴィチの作品は親友の死を悼んで書かれたもの。深い悲しみと激しい慟哭をマッシヴかつ濃密に表現し、真摯さが聴き手の胸に熱く迫る。バランス的にはマフチンがほかのニ人に若干迫力負けか。
デュナーミクや表情の変化により鋭利な切れ味や大仰な演出を聴かせてくれる奏者はいる。またたとえばルガンスキーのような“凄み”を持つ演奏を好むリスナーも多いだろう。しかし、アシュケナージの肩をいからせない柔らかな歌に漂うデリカシーもまた同様に魅力的だ。
最高の音で楽しむために!
無学な私は“ソナチアン”って何だと一瞬思った。ま、それは例の『冬ソナ』ファンのことだと分かったが、この盤はそのドラマの各シーンに使われた音楽を集めたもの。基本的に濃い口でロマンティックな癒し系音楽。これで純愛にチャレンジ!!
2004年12月のヴォロドスの初来日を前に、公演曲目であるラフマニノフの3番が再リリース。レヴァイン=ベルリン・フィルという強力なサポートを受けて、持てる力を存分に発揮している。
すでに5枚のソロ・アルバムを発表して叙情派ピアニストのイメージを持っている彼。このコンクールでは惜しくも5位入賞に止まったが、彼のアグレッシヴなまでに情熱的な側面が聴けるライヴだ。思いの深いラフマニノフは確かな聴き応え。モーツァルトも上手い。
ソリストの許可がおりず、やっと出たアルバム。演奏は素晴らしい。強弱、硬軟、濃淡など、音楽がどのように変わろうとも、ツィマーマンはその磨き抜かれた技巧で、ものの見事に描き分けている。小澤の伴奏もソリストにぴたりとつけ、響きもほぼ理想的。録音も良い。★
2in1の容量を活かして企画性豊かにデッカの名演を収めた《ダブル・デッカ・シリーズ》の1点。現代最高のヴィルトゥオーゾ、アシュケナージと才人プレヴィンが組んで録音したラフマニノフ。