制作・出演 : ラフマニノフ
ラン・ラン初の室内楽録音。しかし、アンサンブルの土台を築いているのはマイスキー。でも彼は特に引っ張ることなく、残る二人が自在に動き、持ち味を十分発揮できるように取りなしている。特にラン・ランの瑞々しい音色は印象的だ。レーピンも慎ましやか。
若きリヒテルの有名な2つの録音を収めたアルバム。旧西側にとって“幻のピアニスト”といわれていた頃の1959年録音のラフマニノフと、旧西側デビュー後のカラヤンとのチャイコフスキーをカップリング。どちらも衝撃度は強烈だった。
アンスネスの最初のラフマニノフのピアノ協奏曲を収めたアルバム。透明度の高いピアニズムとベルグルンドとの、スケールの大きいダイナミックな演奏が話題を呼んだライヴ録音だ。「音の絵」での抒情もまた美しい。
日本人の活躍がめざましいフィギュア・スケート。9年ぶりに東京で開催されるGPシリーズに先駆け、注目選手が使用予定のクラシック楽曲と過去の人気曲を収録。浅田真央選手使用曲「仮面舞踏会」やプッチーニの「トゥーランドット」など充実の内容だ。
ソロや室内楽アルバムで非凡な才能をみせている、松本和将の後期ロマン派名曲集シリーズの2枚目。ピアノ音楽が花開いた後期ロマン派に活躍した作曲家の作品を集め、松本の優れたテクニックと細やかな表現力が堪能できる一枚。
思いのほかうまい。粒立ちがいいとか、音に濁りがないとか、作りが明瞭明快だってのは、今時の若い人の共通の特徴だが、この人は、構成感の確かなこと、細部の表情がなかなかきめ細かく、結構陰影にも富んでいる。木も見て森も見ることができる俯瞰力を持っている。
4人の女流フルーティストによる華麗な笛の響き。リンクスによるSA-CD/CDハイブリッド2枚組ベスト・アルバムだ。オノ・セイゲンに名物エンジニア金井隆が加わったこだわりのリミックス。最上級の音楽と音質の饗宴。オーディオ・ファンなら聴き逃せない。
協奏曲は4度目の録音。そして当時2度目の全集が進行中だった。ラフマニノフはアシュケナージの得意な作曲家だけあって、同曲のスタンダードとも言うべき充実した演奏だ。ハイティンクの伴奏もベスト。
ラトルの30歳前の録音。十分に抑制の利いた美しいラフマニノフを聴かせている。濃密なロマンティシズムを抑えて、ラフマニノフの精妙なスコアを一分の隙なく音化した新鮮さは、いまだに色褪せていない。
眠りを誘う効果の高い音楽を集めた、クラシック・コンピレーションの1枚。心を揺さぶるような感傷的なメロディとロシアの冬を思わせる深い響きを持つラフマニノフの音楽は、神経を沈潜させ落ち着かせてくれる。
ずっと大好きだったというラフマニノフのチェロ・ソナタだが、深い思い入れが軽やかで表情豊かな表現となって、のびのびと弾かれていく。ハスキーな音色のコントラバスで弾かれるほうが、この作品にはふさわしいとも思えてくる。他の2曲も同様に美しい。ピアノも上々。
制作・出演
アンドリュー・リットン / イギリス室内管弦楽団 / エリック・リヴィス / オルフェウス室内管弦楽団 / ケニー・カークランド / ジェフ“テイン"ワッツ / ブランフォード・マルサリス / ラフマニノフ弟のウィントン同様、クラシック界でも活躍しているジャズ・サックス奏者、ブランフォード・マルサリスのベスト・アルバム。静謐で美しい小品を中心にした構成で、ブランフォードならではの透明感あふれるサックスが堪能できる。
ラフマニノフの波乱に満ちた生涯を描いたロシア映画『ラフマニノフ ある愛の調べ』で使用された曲を中心に選曲された、ラフマニノフのベスト・アルバム。演奏は、ラフマニノフのスペシャリスト、小山実稚恵だ。
その個性的でユニークな解説で、テレビでもおなじみの青島広志の書き下ろしによる丁寧で分かりやすい解説がついたラフマニノフ名曲集。ロマンティックな曲の魅力を徹底解剖してくれる。
DGからのデビュー・アルバムでもラフマニノフを取り上げたジルベルシュテインの、得意とする曲目がカップリングされている。繊細で抒情的な表情と、強烈な打鍵から生み出されるスケール感とを併せ持った一枚だ。