ジャンル : クラシック > 協奏曲
バッハのソロ鍵盤楽器のための協奏曲全集を録音したペライアが、続いてブランデンブルク協奏曲第5番を録音。共演は協奏曲と同じく、自ら首席客演指揮者を務めるASMFだ。
その艶やかで明るく柔らかな音色を耳にしていると、何とはなし穏やかでシアワセな気分に包まれる。ソロはいずれ劣らぬ名手。三様に独特の音を持っているが、取り立てて語り口で仕掛けることはない。あくまで均整のなかでその味わいがにじむ。往年定番の快感の形。
渡辺玲子の2年ぶりのアルバムは名協奏曲のカップリング。シリアスになり過ぎず、ドライ気味に進めていくショスタコに、音楽をグイグイと引っ張るように進めていくチャイコ。どちらも彼女らしいクールな視線と高度な技術に支えられた堂々たる出来映えだ。
ランパルに次いでフルートの黄金時代を築いたゴールウェイの偉業を8巻15枚のディスクで俯瞰するシリーズのvol.1。ケルティックの笛の音が、カラヤン時代のベルリンの首席奏者、類稀なきソリストとしての経歴まで一貫する、稀代の音楽家の快演を堪能。
ゴールウェイの艶やかな音色と感興豊かな息づかい。冒頭のE.バッハでトップリと引き込まれ、その響きの魅力を手がかりに、ふだんあまり馴染みのないバロックから古典、古典からロマンへの過渡期の音世界へするり入り込むことができる、なかなかの逸品。
制作・出演
アンドレ・プリエール / エドゥアルド・マータ / ジェームズ・ゴールウェイ / ニュー・アイリッシュ室内管弦楽団 / フィリップ・モル / マリサ・ロブレス / モーツァルト / ヨーロッパ室内管弦楽団 / ロンドン交響楽団ゴールウェイの60歳を記念して99年に発売された15枚組からの分売。この2枚組はモーツァルトの作品のみで構成され、東京SQとの2曲の四重奏曲も収められている。温かく典雅な演奏を支える繊細なフレージングに、卓越した技術と音楽性を感じさせる。
制作・出演
イ・ソリスティ・ヴェネティ / クラウディオ・シモーネ / ジェームズ・ゴールウェイ / ジニー・ゴールウェイ / ナショナル・フィルハーモニー管弦楽団 / フィリップ・モル / メルカダンテ / ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団 / 岩城宏之フルートにとってロマン派の時代は“不作の時代”なんて言われているが、たしかに技巧に走りすぎたキライはあるものの、こうした名手によって演奏されると生命が宿る。ロマン派はフルートに輝きを与えたのだった。その主旨とは別に、アルゲリッチとの共演は聴きもの。
制作・出演
クリストファー・オライリー / グラハム・オッペンハイマー / シャルル・デュトワ / ジェームズ・ゴールウェイ / ナショナル・フィルハーモニー管弦楽団 / フィリップ・モル / フォーレ / マリサ・ロブレス / ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団名実ともに世界最高のフルーティストであるゴールウェイの膨大な録音からフランス音楽を集めた2枚組。これはもうキング・オブ・フルートを聴くためのアルバムだ。このうえなく艶やかで叙情的な響きも兼ね備えた高音の魅力。ホレボレするような美しさだ。