発売元 : ビクターエンタテインメント株式会社
すべてにおいて、不器用そう。ブコツでブアイソで、ほんと前しか見てないでしょって感じのいさぎよいロック。だけどね、むっ、みやもとひろじ? って最初に思っちゃったんです、ごめんなさい。だって、結構やわらかいところに染みる歌なんだもの。
日本でも人気の、イギリスの少年8人組グループ。コナー・バロウズが変声してしまい指揮にまわったので、彼の弟エドワード中心に天使の歌声を聴かせてくれる。わずか6曲。限られた一時にしか出ない美しい声がはかなげに揺れる。風に揺れる花のようだ。
渋谷の路上で歌う歌手として『トゥナイト2』でクローズアップされていたが、彼女からすれば何の狙いもなく歌いたいから歌っただけ。愛用のアコギをバックに歌う今回のシングルではスケール感と一緒に女ぷりも上がり、来年早々のアルバムも期待大。★
共同プロデューサーとして本多毅を迎えながらも、バンドが今まで以上に主導的になって製作されたサード・マキシ。“もろさ”と“確かな意志”を同時に感じさせる鈴木由紀子のヴォーカルを、濃密でテクニカルなバンド・グルーヴが支える。とてもいい関係だ。
グニュウツール、初の海外(ロンドン)レコーディングの4枚目のアルバム。ニューウェイヴなデジタル・ロック・サウンドが本領の彼らだが、今回プライマル・スクリームなどを手がけているエンジニアを迎えたことによって、さらにテクノ色が強くなった。
近年、フレディ・コールとの共演でジャンルを超えた活動が話題となった青江三奈。最新シングル「しのび逢いそっと」から大ヒット曲「伊勢佐木町ブルース」など18曲を収録したベスト。
ピアノ・ヴァージョンを含む、彼女の4曲入りマキシ・シングル。最近はやりのクセの強い女性ヴォーカル調ではなく、いたって素直でソフトな歌声の持主だが、底から支えてくれるような、芯のある感を受ける。(2)や柔らかなピアノが、矢野顕子を彷彿させる。
ポケモンの映画などで声優をやってる人のようですが、シンガーとしてはこれが初CD。爆裂パンク、あやしいロカビリー、ヘロヘロのアニメ主題歌風、など、陽気であほでよーわからん異次元世界が全6曲。ファンの方限定仕様ですな。
エル・マロの曾田茂一プロデュースとセルフ・プロデュースを混在させたセカンド・アルバム。ブレイクビーツを取り入れながらも、基本的にはザラザラした純ロック・アルバムである。メロディに透明感を感じるところも大きな武器だろう。
及川光博のコミカルなナルシストぶりを彷彿させる、勢いのあるポップス。(2)はいたって真面目なメッセージ・ソング。(3)は本人の敬愛する、さだまさしの曲をカヴァー。(5)は関東版ウルフルズのような滑稽な詞が笑いを誘う。多彩な顔を持つアルバムだ。
ポブウォッカは明快でスケールの大きな演奏で知られるが、このディスクもそう。表現力豊かなパヌフニク、ピアノが大活躍するルトスワフスキ、世界初録音でもあるシマンスキ(1954年生まれ)の曲は新旧の作曲技法をとりまぜたわかりよいもの。
いいもの持ってるのに、ちゃんと広めてもらえないのがもったいないバンド、その一。熱く押しまくるハードな曲で絶叫、というスタイルから、ビートは鋭いままでまろやか&メロディアスなスタイルに変化中とみた。あとひとつのスパイスで、変われるのに。
最新ヒット(1)、新録曲(2)(6)(8)ほか、彼女のオリジナル曲の中でも演歌色の強い作品ばかりを集めた全曲集。もともと演歌界でも器用さを得意としてきた彼女、でもまさかここまで艶っぽい歌い口の持ち主だったとは。彼女の実力をあらためて思い知らされました。
『月光仮面』の原作者としても知られる川内康範の作詞作集。「骨まで愛して」が入っていないのは少々残念だが森進一5連発をはじめ歌謡曲が肉欲と情念との葛藤表現のハードコアだった時代の名作群の深さと重さは歌による小説。冒頭の新作がまた泣ける。
大自然の森の生活をテーマにした、ハープのオリジナル・インスト・アルバム。美しい爪弾きのメロディとトレモロのような弦の響きが、透明感あふれる清々しい音色として伝わってくる。ハープのソロ演奏にじっくり浸ると、なぜか心が豊かになる。
確かにソレっぽくはあるが、この人の作品を単純に“癒し”で括ってしまうのはいかがなものか。この言葉は便利だが、その音楽の本質、音楽家が語りたいことを曖昧にしてしまう危険がある。細かく神経の配られた音づくりの妙とでもいうものを味わいたい。