発売元 : ビクターエンタテインメント株式会社
ラジオやテレビでアニメ番組を持っている(でも声優ではない)彼女の新作。シンガーとしては94年のデビューで、これが5作目になる。新居昭乃の曲を中心に、詩的な世界をエレクトリックなサウンドで表現している。初回生産分には絵本が付いていた。
厚みがあってふくよかだけれども、決して重ったるくモタモタしないベルリン・フィルのトリオに、硬質できらびやかなギリロフのピアノが加わって、渋く内向きな室内楽のイメージを覆すかのような演奏が聴かれる。特にモーツァルトは明るく楽しい出来。
今年前半のTV-CMで使われたクラシックの曲を集めただけのCDだが、もちろん役には立つ。(1)知ったかぶりができる。(2)曲の使い方で企業の性格がおぼろげに分かる。リクルート用。(3)そこそこのベスト・アルバムとして楽しめる。さあ君はどうする。
ちょっとコワイ系のヴォーカリスト、鈴木由紀子をフィーチャーした4人組のセカンド・シングル。無茶苦茶、J-popだなぁ、という印象。轟音ギターが唸っても基本は今の日本のポップスなのだ。(3)はMY LITTLE LOVERみたい。プロデュースは本田毅。
ハード・エッジなギターの音を基盤とした、70年代ロック的な匂いを感じさせるサウンドの上で、黒っぽいテイストも持った感情的な歌声が、切ないくらいに叫びまくっていく。楽曲が進むにつれ弾けていく女性ヴォーカルが、痛いくらい胸に突き刺さってくる。
国際級のソプラノ歌手、本宮寛子が歌う世界の子守歌。室内楽的な伴奏でしっとりと落ち着いたアルバムになっている。歌も美しく丁寧に歌われているのだが、本来もっとふんわりとした軽い音楽であるはずの子守歌が重い感じに聴こえ、個人的にはやや不満。
うっかりしてると聴き逃しちゃう、さざ波級の仕掛けがいっぱい。コレクターズのコータローも惚れた天真爛漫ニュー・カマー。このデビュー・マキシには童顔ポップスに不可欠のアナーキズムも常備。ほんの一瞬歪むギターの音に、ありったけの想像力を傾けよう。★
土屋“蘭丸”公平が十代の頃から暖めていたタイトル曲を提供、自らプロデューサーとして完全サポートした99年2枚目のマキシ・シングル。ややクロめのアコースティック・サウンドと、桃乃の抑えたヴォーカルが極めて高度な好印象を残す佳曲。
デジタル・ビートの肉体性と意識的に向き合った処女作。結果、匿名性や記号性を軽くいなした“時計仕掛けのファンク・アルバム”に仕上がった。vo、bとともにホーン担当のメンバーが常駐しているのもアイディア賞。デジには出せない生暖かさ、湿っぽさがE。
日本のパンク・シーンを切り開いてきたアナーキーに敬意を表し、豪華アーティストがカヴァーやリミックスで参加したトリビュート・アルバム。ハードコアなテイストのカヴァーが多く、どれも熱気十分。ラストには本人もセルフ・カヴァーで参加。
ジャンル
TOTOでの活動も目覚ましいスーパー・ドラマーのソロ第3作。98年のライヴ音源から構成。ステージでさらに魅力を発揮する卓越したドラミングとアンディ・ティモンズらの円熟したバンド・アンサンブルがすばらしい。いきいきとした躍動感が伝わってくる。
語尾をクイッとしゃくり上げ、ハイノートを飄々と吹くハンク節は相変わらず健在。長いキャリアの中でマクグリフと活動をともにする今が最もクロフォードらしいのかも。クロフォード、マクグリフの両者とも快調で気を吐くが、パーディらのサポートも見事。★