1990年発売
60〜84年のリプリーズ時代のアンソロジーで全81曲。壮から老へかけてという、ちょうど最も味の出る時期だけに、ウマサを十分に堪能できる。逆に、ウマ過ぎちゃってねぇ、と言ってみたくもなるが…個人的にはキャピトル時代の方が好みにあってます。とはいえ、聴き応えは文句なし。満腹マンプク。昨年12月に75歳になったシナトラ、20世紀最高のシンガーの看板は、やっぱ彼のものか。
あまりに良くて泣けた昨年の「クローサー・トゥ・ザ・フレーム」のデイヴの代表作とも呼ばれる77年の作品。当時は全く興味がなかったが、今は何故こんなにも新鮮で気持ち良く、胸に響くのか。若く、ストレートで、オーセンティックなロックは不朽不滅だ。
ソウルフルなサックス奏者、ジェラルドのアトランティックからの3作目。この作品でのハイライトは、ジョニー・ギルの大ヒット「マイ・マイ・マイ」をカバーしている点。ケニーGより一歩黒く、それでいて、ウエストコーストしている点が特長。
傑作『ジャイアント・ステップス』収録の全てのセッションを終えた直後の録音だが、本作での焦点はマッコイ・タイナーとエルビン・ジョーンズとの初共演にある。他のセッションとの明確な違いは、シャッフル・ブレイで聴いても歴然として感動的なほど。
オーネット・コールマン・バンドのサイドメンを借り出した作品で、コルトレーンのアルバム中でも、異色の一枚。当時としては斬新なサウンドも録音後30年近く経った現在では凡庸に聴こえてしまう。なおコルトレーンは本作で初めてssを使った。
『ジャイアント・ステップス』と本作はコルトレーンの代表作であるばかりか、アトランティック企業単位の名作でもある。特にトレーンが技術的に急速な進化を遂げた節目に位置する点がポイント。ソプラノによる(1)は、60年代の自己の姿を見据えたようで圧巻。
マッコイ・タイナーとエルビン・ジョーンズを得たコルトレーンが、一気呵成にモード・ジャズを追い込んだ記録で、傑作『マイ・フェイバリット・シングス』と対を成すもの。冒頭(1)のテナーも(2)のソプラノも音色の輝きが凄い。カルテットの音も若々しい。