音楽むすび | 1993年6月発売

ミニ・アルバムに続き待望のフル・アルバム登場。プロデューサーは再び吉田仁でがっちり気の合ったところを見せる。致るところに60'Sの香りがプンプンして小気味よい。ノリのいい曲だと気にならないのだが、スローな曲になると説得力が落ちるのが残念。

元PFMの一員であるパガーニは、ロック・ヴァイオリニスト兼民族音楽研究者、視野の広さが結集した作品だ。イタリアの個性を様々な民族(ここでは回教とキリスト教)の共存に求め、その個性を自分のアイデンティティのより所として最高に充実した演奏。

ジャズ・ロック・バンド、アレアは音楽を社会意識と密着させたグループとして有名であるが、その意識は次第に観念的なものへと変質していく。当作品はあたかも音楽で無意識世界を探究するかの如く実験的かつアナーキー。この説得力には戦慄すら覚える。