1994年6月25日発売
簡素ながら研ぎ澄まされた美学のあるウィリアムソンの94年の作品。派手なフレージングがなくとも小粋なスウィング感は抜群で、しかも素朴さの奥に輝く洒落たフィーリングはこの人ならでは。良く知られたスタンダーズ中心の選曲が功を奏した、魅力全開の快作。
77年にリリースされたチャンプルーズの記念すべきデビュー作。開放感にあふれたリズムと裸の心で歌う喜納昌吉のヴォーカルは、今でも感動的だ。夕焼け楽団でもおなじみの(1)を始め(5)(9)などの歌心にグッとくる。シングルで出た(10)(11)を追加した編集も親切。
懐かしいけど、ちっとも古臭くないのにビックリ。やっぱり、いいなぁ、いいなぁ、と呟いてるうちに聞き終えてしまった。悲しくって、優しくって、楽しくって、ブルースを超えたブルースが聞こえてくる、70年代に大阪から生み出された傑作のCD化。
75年に芦屋ルナ・ホールでのライヴ盤で、当時の関西ロックを代表する傑作。関西弁のオリジナル曲がルーファス・ジョーンズやオーティス・レディング等の“本場”のカヴァー曲と違和感なく和合しているところが凄い。歌も演奏も根性が入っている。
C・コリアと共に『サークル』を結成、活動していた頃の録音。CD化によってLP2枚分が1枚にほぼ収まった。ソロ、デュオ、カルテットにW/チューバ、バップありフリーあり計算された響あり、と実験精神全面展開。まさにこの時点でのThis is Braxton。
ひとくちにフリー・ジャズといっても、騒音に近いものからそうでないものまで実に幅広い。本作は、60年代の末に鬼才ブラクストンがパリで吹込んだユニークな作品。とくに(2)はタイトル通り静寂が延々と続く。聴き方によって、感動的に聴こえる音楽だ。
いまやアレンジャーとしても、多くのミュージックから尊敬を集めているジュリアス・ヘンフィルの75年の作品。この頃からすでに彼は、アーティストとして傑出した存在だったということがよくわかる、意欲的な作品だ。難解だが、快感だ。
アルト・サックスとトランペットによるフリー・フォームなデュオ。2人ともパーカッションを併用している。次の瞬間どう展開するかまったく読めないアヴァンギャルドな演奏。現代音楽的な要素も濃厚で、その部分に抵抗を感じる人もいるだろう。
生ピアノと生ギターによる純度100パーセントのアコースティック・デュオ。(1)(2)(9)(10)以外は2人のオリジナル。丁々発止とやり合うデュオではなく、ロマンティックに綴る音のタペストリーといった感じ。フォーク感覚のジャズとでも言えばいいのかな。
昨年、東京でのライヴ録音。音色に清潔感があって、音楽がキチッと組み立てられていてもたれない。ノスタルジアの表出よりも音楽の自然な流れを重視した真面目な演奏といえよう。ただ、音に少し硬さがあるのは、録音ゆえか?
サンフランシスコ出身の27歳のデヴィッドの2作目。1作目は、89年に出ている。テクノ系のディスコ・シンガー。曲も書く。モデル出身ということもあり、ルックスはいい。そこでキャッチ・コピーは「彼こそ男性版マドンナ」となる。
タイトルや曲目からわかるように、本作はオルガン・トリオという編成で挑んだ天才ジミヘンへのトリビュート。同時発売のECM盤と比べると、同ギタリストを含む同編成でも、これほど内容が違ってくるとは吃驚。ロック色の濃い、タイトなリズムがいい。