1994年9月発売
根強いカリスマ人気を持っていた大江慎也の新バンドによる90年のアルバム。一時、彼を蝕んだ心の病も、すっかり癒え、歌声もずいぶん力強いものになった。闘病日記の感もあるアルバム。新バンドのゴツゴツしたギターサウンドが印象的。(5)と(14)の作詞はサエキけんぞう。
沖縄出身の6人組ハード・ロック・バンド、1976年のデビュー作。(8)〜(10)は、はじめシングルのみで発売されていたボーナス・トラックとして追加された。(4)がディープ・パープルのカヴァー。名前も“パープル”、詞も全曲英語ということで“本格派”として大いに注目された1枚。
こりゃ面白い。『バンドネオンの豹』に代表されるのちの傑作が、この作品でのリズムの実験ですでにその萌芽、見せているんだもの。早川義夫「サルビアの花」のカバーなんかまるでラテン。異端と見えて実は“歌謡”の本質、ついてる人なのも確認。
1976年発表の名作。こんなにも宝物にしておきたくなるくらい、枕元においておきたくなるくらい、素敵な夢をみせてくれるアルバム、いとおしくてたまらなくさせるアルバムなんて、ほかにどこ探してもない。
日本人ジャズメンのなかで、この人ほど熱烈な信奉者を抱える人はいないのではないかと思わせる森山。怒涛の勢いを誇るクインテットの新作は、自ら最高傑作と断言するエキサイティングな内容となった。メンバー全員が一丸となって演奏に打ちこんでいる。
発売前からえらい評判の高かった久々のリーダー作。全人生をかけた、そんな表現がしっくりくる。森山は「燃え尽きた」と語ったそうだ。退院後に2枚合わせて録音したが、これはバラード編。どんな芸術でもこの境地に達するのは生涯に何度もないと思う。
パウエル派のピアニストとしてウィリアムソンは50年代にいくつかの素晴らしい作品を発表した。しかし91年録音の本作では、そうしたハードなタッチは影を潜め、どちらかと言えばハート・ウォームなサウンドが特色だ。これが実に気持ち良げに響く。
正統的バップ・ピアノを聴かせるオーバニーの快作。チャーリー・パーカーの曲を中心に集めた内容も彼の神髄を堪能するものだ。これまで未発表の2曲が加わり一層の充実が図られている点も嬉しい。覇気あるタッチがいかにもあの時代を再現している。
これまた通好みのピアニストである。古くはレスター・ヤングとの共演で知られるマホネスが、なんと27年ぶりに録音したリーダー作というからファンには気になるところ。独特の滋味溢れる味わいこそ、ピアノ・トリオ愛好者には堪らない魅力となっている。
決して派手ではないが何か訴えるような…そんな演奏だ。それはなにかジャズと言う不思議な魔法にでも包まれたかの様に聴く者を異次元にゆっくり、ほんとうにゆっくり誘い込んで行く。日本ではまるで無名だが確かに本物のジャズの香りがする人だ。
伝説のオキナワン・ロックの女王、喜武屋マリーのちょっと昔のアルバムの復刻。コンディション・グリーンにいた中島優貴のプロデュースによる、カルメン・マキともタメ張るハードなサウンド。ブロンディ「コール・ミー」のカヴァーもオマケぽくて、なかなかオカシイぞ。
ほとんどの作曲とアレンジを担当しているLemmon&McCaccaって誰? 曲の方もビートルズを中心にしたパロディというか、そんな感じのオンパレード。アートワークも相変わらず凝ってる。でもパロってイイ曲ってのは難しんだよな、というセカンド。
解散したユーリズミックスのデイヴの初ソロ。ポップで心地よいけれど、実はとんでもなくいろんな要素が詰め込まれているという、いかにも彼らしいこだわりのアルバムだ。ミック・ジャガー、ブーツィ・コリンズ、ルー・リード等々、多くのゲストが参加。
あの歴史的大イヴェント、ウッドストックの4枚組ということで話題のこのセット。基本的にはイヴェントそのものの音源を再編成しているもので、映画のサントラとして音楽以外の部分も多かった25年前の『ウッドストック』とは性質が違う。CCR、ジャニス・ジョプリンなど、今回やっと陽の目を見たアーティストの演奏が“売り”のベスト・オブ・ウッドストック。僕は2枚目だけ欲しい。
シングル曲集のシングルズではなく、ひとりぼっちの意。彼女を含め、しなやかに“転向”する女性シンガーを見ていると、30歳という年齢はこと女性にとっては大きい現実なのだなあと痛感させられる。宮沢和史、小西康陽らが作家陣として名を連ねている。